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2531
Date: 2017-06-25 (Sun)
地震は爆発現象であることを早く理解し、報道して欲しい
 今朝は御嶽山の麓の王滝村付近でかなり大きな地震(M5.7)がありました。名古屋でもかなり揺れましたが、気象庁は「プレートが押す力による歪が蓄積されて、それが解放した」と解説するのでしょう。しかし、それは違います。地震は爆発現象です。御嶽山の噴火と現象的には同じです。蓋が吹き飛ぶのが火山噴火ですが、今回は蓋が頑丈で吹き飛ばなかったというだけの違いです。これはフンボルトが把握していた地震現象と火山噴火の理解です。

 また、新聞報道では、四川大地震が起きたのとほぼ同じ地域にある茂県という場所で地震が起きました。


成都の北180kmにある茂県で地震
四川大地震は隣接する汶川で大きな被害が出た。

産経新聞の報道では「家が爆発するような音がした」とか「『ゴーゴー』という巨大な音で目が覚めた」とかの報道があります。

地震は爆発現象であることを教えているのですが、「断層地震説」に凝り固まった地震学者とマスコミ報道陣には「真相を把握しよう」という気がないのでしょうか。いつまでたっても、「固定観念」を捨てようとはしません。

地震のメカニズムは古代ギリシャの自然科学者も探求していましたが、酸素と水素の化学反応式が把握されるまでは解明することはありませんでした。しかし「爆縮」という体積が減少する爆発があることを知ったなら、ギリシャ・ローマの科学者でも「地震爆発論」を納得したであろうと思います。

地震は爆発であることを早く理解し、報道してください。

2532
Date: 2017-06-26 (Mon)
地震爆発論を報道しない「諸説あり」という番組
 知人から「諸説あり」という番組で「地震予知」の話があったが、諸説というので石田理論も出てくるかと思って見ていたが、出てこなかった。見ていなかったのなら録画を送ると連絡がありました。
テレビは見ていませんでしたが、ネット上で調べると載っていました。

諸説あり「地震予知は本当に不可能なのか」 20170506

最初に出てくる京大の梅野教授は、地震に関しては全くの素人ですが、内容は地震爆発論の立場からも有効な手法です。

セミナー[2340]にも紹介してあります。

電子数が増えるのは水の熱解離により、地下に自由電子が発生し、地表にも放出されるからです。この方法で一秒単位の変化(時系列)から、方向スペクトルを求めれば、震源地を決定することもできるはずです。原理的には「海の波の方向観測」と同じですから可能です。([2348]参照)


水が熱解離することにより発生する自由電子が地表にも放出される。
そのために空中の電子数が増え、電離層も下がる。
この時系列情報から方向スペクトルを分析すれば、震源位置を推定することができるはずである。

地震爆発論をベースに考えていけば、いろんな予知方法が見つかると思いますが、東大をはじめとする地震研究の主流が「測地学的研究」に固執しているために、研究費が電磁気学的な方面に回ってこないようです。

これは政治的な力で方向転換する必要がありますが、その前に「地震爆発論」を受け入れてもらう必要があります。

別の意味では、プレートテクトニクスの間違いに気付いてもらうことです。

 それにしても、番組の最後にも出てきますが(気象庁の女性分析官)、あれだけ自信に満ちて「東海地震だけは予知ができる」と言って「大震法」まで作った地震学者たちが今は、「地震予知は不可能」という立場に立っているのには不信感を抱きます。東海地震の予知にかけた「無駄金をどうしてくれるんだ」と言いたくもなります。

長尾教授の「地下の天気図」論は、地震のメカニズムを踏まえたものではありません。「面白さ」と言う点ではマスコミ受けは良いのかもしれませんが、これまた学者としての誠実な信念は感じません。

発光現象はセントエルモの火の様なものではありません。地震時の爆発音を「未解明の現象」と言っているのでは、地震の発振メカニズムが理解されていないことを物語っているのと同じです。「分からないことを分ったように説明する」よりは市井の地震論にも関心を寄せることが学者の誠意ではないでしょうか。

植物の地電流感知能力を地震予知に利用する話も紹介されていますが、地電流がなぜ発生するのかを説明している「もう一つの地震学」をどうして紹介しないのでしょうか。

ネット上では石田地震論に関心のある市井の人がたくさん存在しているのに、いつまで経っても、地震爆発論を紹介するマスコミは現れません。

 このままでは、少なくとも地震学会とマスコミは知性的な組織ではないと認識されるでしょう。

2533
Date: 2017-06-27 (Tue)
地震関連の対策を大転換すべき絶好の機会
文科省が南海トラフでの地震観測で「観測空白域」を解消するべく取り組みを行うと決めたそうです。静岡県沖には気象庁の観測網、紀伊半島周辺には防災科学技術研究所の観測網があり、高地沖から、宮崎沖の観測空白域に文科省が取り組むということ事です。

産経新聞2017年6月27日

どのような機器を設置するのか知りませんが、紀伊半島周辺に設置されている「地震計」「水圧計」というのは「地震の発生後」に記録される情報であり、「発生前」には何の情報も記録されない可能性が高いものです。つまり「地震の前兆」を記録するものではありません。

そのような観測網を敷くよりは「諸説あり」(「2532」参照)で紹介された京大の梅野教授の手法に重点を置いた方がいいのではないかと思います。梅野教授は地震学には素人ですから、地震学者は無視しているのかもしれませんが、「地震の直前予知」には無関係な「地震発生後の情報」の収集を強化しても国家的な「地震対策の進歩」にはなりません

昨日(6月26日)の産経新聞にも、「南海トラフ全域が同時に動くM9.1クラスの地震対策として新たな防災対応の検討を政府は開始した」という報道がありましたが、対策を講じるi専門家の大学教授達の言葉に、地震のメカニズムを念頭においた抜本的な解決案の話は何もありません。


産経新聞2017年6月26日「南海トラフ地震と大震法」より

河田教授は「地震にはまだ分からないことが多く、謙虚さが必要」と述べています。まずは、プレートテクトニクス理論から脱皮して、地震発生のメカニズムを謙虚に学び直すことから始めるべきだと思います。

今年は地震研究の「大転換の年」とすべき絶好の機会だと捉えています。 地震の専門家以外の発想をも謙虚に取り入れていただきたくお願いいたします。

2534
Date: 2017-06-28 (Wed)
地震や津波の発生メカニズムも解明されていないのに、「いじめ裁判」を行うべきではない
 東電の福島第一原発事故をめぐり、「津波予見対策」の責任問題が問われる刑事裁判が30日に始まるという報道がありました。

[2430]現実味が増している「間違いだらけの地震学が国を滅ぼす」でもコメントしましたが、“津波が予見されていた”というのは、科学的な根拠のあるものではありません。現実に津波は少なくとも3箇所で発生し、二つの津波が福島第一原発の位置する場所で重なったことが、データを見ると明らかです。このようなことまで事前に予見できていたわけではありません。したがって、事前予測の数値というのは科学的な根拠はありません。

また、南から襲った津波([1832]参照、)は勿来沖でのCCS作業による可能性もあります。「CCS作業は日本では危険である」と地震爆発論学会は警告しておりますが、なぜ地震が起きるのかさえ把握していないのが、地震学の現状です。

何も分かっていない状況下で企業側にだけ責任を負わすことは間違っています。
[2430]のコメントを抜粋して再掲しておきます。

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地震爆発論から見た東北大震災の真相

地震爆発論から見た東北大震災の真相でも解説しましたが、あの津波は二つの津波が不幸にも第一原発の前で重なったものです。しかも南方からの津波は勿来沖で行っていたCCSによって起きた爆発によって発生した可能性があります。CCSを実施していなければあのような事にはならなかったはずです。

また当時の菅首相が知ったかぶりをして邪魔立てしなければ、冷却はすばやく行われていたはずです。女川も福島第二原発も事故を起こしていません。安全に緊急停止していました。  
その他にも爆発の原因に関しても真相解明がなされていません。いくつかの謎が残っていて、真相が不明であるのに、国と東電の責任だけを追及するのは間違っています。  

地震の発生確率そのものが信頼性のあるものではありません。地震学の基礎にあるプレートテクトニクス理論そのものが間違いです。地震学者の無知の責任は大きなものがあります。
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地震学者は「国家の衰退」に関して大きな責任があることを認識してください。

沈黙は罪です

2535
Date: 2017-07-01 (Sat)
東電の刑事裁判は魔女裁判だ、学者の責任あり
 東電原発事故で元幹部が刑事事件として裁判にかけられています。  
産経新聞を見ると、当時土木学会の「津波評価技術」による基準を満たしていたそうですから、幹部の刑事責任を問うのは過酷過ぎます。  
原子力安全保安院の勉強会で、「津波が流入した場合事故の恐れあり」と言う結果が出たと言う事ですが、津波が重なるというケースは想定してないはずです。つまり、誰もこのような事態を予想できていなかったはずです。

ましてや、地震がなぜ起きるのか、津波がなぜ起きるのか、CCS作業は安全なのか、などについては全員無知であったはずです。

あの地震は数百キロもある断層が滑って起きたのではありません。複数の場所(少なくとも3箇所、京大の研究では5箇所)で爆発(強震動発生)が起きて大きな災害になったものです。

もう一度言いますが、誰も「地震が起き、津波が発生するメカニズム」を正しく把握していなかったのです。原子炉建屋で起きた爆発についても、ジルコン由来の水素ではなく、「解離ガス」としての水素爆発であったことを認識していません

首相の邪魔立てがなく、躊躇なく冷却作業を進めていれば、女川原発や福島第二原発のように「自然停止」していたはずです。

関係者全員が無知であったことが明らかであるものを、被害が大きかったという理由で企業の責任者だけを罰するのは間違っています。罰せられるのなら、学者も含めて、行政官もマスコミも罰せられるべきです。

今回の裁判は「真の理由がない」のに罰せられる「魔女裁判」のようなものです。そうしてどんどん国家は衰退していきます。

その意味で再三申し上げますが地震学者をはじめとする学者の責任は大なるものがあります。

「無知であったことを白状してください」

「裁判は無効であると学者が言うべきです」

勇気を出して発言しようとすればできたのに、様子見をして黙しているのは「不作為の罪」「なさざる罪」というものです。

 沈黙し、何も為さなかった「沈黙の罪」と言うのは、時とともに「心の痛み」が大きくなっていくことを忘れないでください。
学者も、官僚も、政治家も、マスコミも、皆黙殺しているだけでは、国家はよくなりません。

2536
Date: 2017-07-01 (Sat)
“全地球テクトニクス”はまやかしである・プレート移動の原動力を説明していない
世界最古の岩石としては、今では南極大陸やカナダで40億年前のものが発見されているそうですが、ある時まではここで紹介するグリーンランドの38億年前のものだったそうです。

紹介するのは1995年の論文ですが、グリーンランド、イスア地域の地質が世界最古の付加体であることが地質調査で判明したという丸山教授達の論文です。

地質学では、初期の地球は深さ2000kmを越えるマグマの海で覆われていたと考えられているそうですが、現在は2900kmまでのマントル層は固体であるとなっています。もしマグマオーシャンであれば、プレートテクトニクスは機能していないと考えるのだそうですが、地震爆発論では現在もマントルは熔融している、つまりマグマオーシャンであると考えています。その証拠が浅発地震と深発地震の明らかな違いです。ここでは述べませんが、マントルが固体ならばこれだけ明らかな地震波の相違は現れないはずです。

マグマ熔融論を認めれば、プレートテクトニクス理論も自動消滅になるということのようです。

紹介する論文によると、「マグマの海が固結した後、何時からプレートテクトニクスが始まったのか、それは時代とともにどのように変化してきたか、また、現在よりもはるかに高温であった太古代以前では剛体的なプレートは存在しなかったのではないか、といった課題」に関心があるようです。

 地震爆発論では「プレートテクトニクス」も「付加体」も認めていませんので、内容的には滑稽に見えるのですが、吟味するために抜粋して紹介します。

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世界最古の付加体 グリーンランド、イスア地域の地質 −38億年前のプレートテクトニクス−
小宮 剛・飯田 成・丸山茂徳・林 衛

1.はじめに
1965年にWilsonによって提案されたプレートテクトニクスは、1968年には地球物理学者によって体系化され、地球表層のテクトニクスの理解に大きな貢献をした。しかし、プレートを働かす原動力の解明などプレートテクトニクスの根幹にかかわる重要な問題は判然としないままであった
その後、ァセノスフェアやさらに深部の核についての情報が集まり始めるにつれて、プレートテクトニクスは、核や下部マントルまでを含めたテクトニクス、すなわち“全地球テクトニクス”の体系の一部として位置づけられるようになってきた(Maruyama et al.、1994)。全地球テクトニクスの立場では、液体である外核の流動や下部マントルの上下方向の超巨大プリュームの運動、さらに地球表膚での水平運動を主体とするプレートテクトニクスが全体として一つの系をなして相互作用をしていると考えるのである。
この全地球テクトニクスの解明は、最近の固体地球科学の主要テーマになっている。

 一方、1968年のアポロ宇宙船による月の地質調査に始まる太陽系惑星や衛星の地質学的な研究は、地球の起源とその進化に対する考え方に新しい流れを生みだした。そして、初期地球は深さ2000kmを越えるマグマの海で覆われていたとする考えが主流を占めるようになった

もしマグマオーシャンが存在したとすると、マグマの海が固結した後、何時からプレートテクトニクスが始まったのか、それは時代とともにどのように変化してきたか、また、現在よりもはるかに高温であった太古代以前では剛体的なプレートは存在しなかったのではないか、といった重要な問題が提起され、太古代(40−25億年前)と呼ばれる時代に形成された造山帯の研究に世界の注目が集まるようになった。以上の二つの課題、すなおち、全地球テクトニクスと初期地球の総合的な研究は、90年代後半の固体地球科学の中心的な課題となるであろう。しかしながら、これまでのこの分野(特に地球初期の状態)の研究は、その当時の状況を直接物語る物証が存在しないため、多くの仮定を含む計算機実験に負うところが多かった。

 著者達は1990年以来地球初期の状態を直接示す物証を探すために、世界の主要な太古代造山帯の一つであるグリーンランド南西部の調査を行なってきた。この地域の調査により少なくとも38億年前のテクトニクスを推定することが可能になった。
ここでは、主にイスア表成岩(火山岩や堆積岩を起源とする岩石)帯北東部に発見された38億年前の付加体の地質構造について、またそれと顕生代の付加体との比較について述べる。

吾々は1990年と1993年の二回に渡って同地域の地質調査を行い、初期地球のテクトニクスの学際的な研究を続け、報告してきた。
主な結論は、38億年前にすでに現在と同じようなプレートテクトニクスが機能していたことである。翌年の秋、アメリカ地質学会において正式に学会発表され(Maruyama et al.1991)、その内容は太のプレートテクトニクスの直接的な証拠として話題を呼んだ(Kerr、1991) この解説はそれを描像をするのが目的である。

3.イスア地域の地質

このような岩相層序の特徴の一つは、苦鉄質な堆積岩が、しばしば陸源性砕層物質と思われる石英・長石質な物質を含む、あるいはそれらの物質と互層するのに対して、枕状溶岩膚やチャート/縞状鉄鉱層中にはそれらの物質が一切含まれていないことである。このようにして復元された層序はまざれもなく、日本列島などの顕生代造山帯の付加体中から見いだされる海洋プレート層序にはかならない

この南部ユニットに最も良好な形で保存されているデュープレックス構造と海洋プレート層序という二つの特徴から、イスア地域は典型的な付加体起源であると言える。北部ユニットや中部ユニットも同様に、その構造、構成物質および復元された海洋プレート層序から、南部ユニットと同様に明らかに付加体起源である。

3.4 付加体形成史と形成場、沈み込み方向

以下では南部ユニットの内部構造から解析された付加体形成史、海洋プレートの起源、およびプレートの沈み込んだ方向と造山帯の成長方向について議論しよう。この地域の地層の傾斜が東傾斜約40〜50度であること、各ホースの層序は逆転していないこと、およびデュープレックスが南に収録することから、一連の付加体は東側が古く、西側は向かって新しくなること、および同じグループに属するホースでは南側が古く北側ほど若いことの二点が導かれる。これらのことから付加体の発達史を模式的に示すと第7図のようになる。

第7図は約38億年前のイスア付加体ができた当時のプレート収束帯の南北断面図を示しており、海洋プレートは北から南に向かって沈み込む。付加の順序は番号の大きいものから小さいものへと進む。番号PとPの問、およびNとMの間は極めて薄いチャート層を持つ海洋プレートが存在したと考えられ、その時には中央海嶺が沈み込んだ可能性がある。

イスア地域のデータに基づくと,付加体は南から北へと成長していったと考えられるから、グリーンランドで最古の付加体はアクレックテレーンの南東縁であると予測することができる。

中央海嶺で生まれた海洋地殻はプレート収束帯である海溝に向かって徐々に移動するが海溝から遠く離れた地域では陸源の珪長質堆積物が届かないために層状チャートのみが堆積する環境がしばらく続く。 しかしやがて海溝近傍に達すると島弧火山由来の酸性火山灰や苦鉄質な堆積物薄膚と互層するようになり、ついには海溝に調達する。すると厚いタービダイト層で覆われるようになり、その後で付加体として陸側プレートに付加する。

5.ま と め

今回の調査によりイスア地域は38億年前の現存する世界最古の付加体であると考えられる証拠がいくつか認められた。それらのことからプレートテクトニクスが当時すでに機能しはじめていたと十分に推測できる。当時のプレートテクトニクスは顕生代のそれときわめて似ているが(中央海嶺火成活動、海洋プレート層序、海洋島火成活動、付加作用)、いくつかの相違点も見られる(沈み込み帯の温度構造、海洋プレートの厚さ)。そのような相違点を比較することにより太古代のテクトニクスや環境がもっと容易に推察できるようになるだろう。

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まずは、論理の構成がおかしいと思います。

・ プレートを移動させる原動力が見つかっていない。
とするのなら、その発見が先にあるべきです。
証明もされていないプリュームテクトニクス論を持ち出し、“全地球テクトニクス”という得体の知れない概念で、プレート論を維持するのは矛盾しています。付加体理論もプレートテクトニクスが間違っていれば、ナンセンスな理論になってしまいます。

・ 2000万年前はマントルは熔融していた。
と想定するのなら、いつどのようなメカニズムが働いてマントルが固体化したのかを説明する必要があります。
その説明がなく、海洋層序が成立するから付加体であると結論付けるのは論理矛盾・因果関係の無視があります。

・ 太古以前には現在よりもはるかに高温であった。
と想定するのなら、剛体的プレートは存在しえなかったはずです。それなのに、38億年前の地殻の成因を論ずるのにプレート論や付加体論を適用するのは矛盾があります。「38億年前にプレートテクトニクスが機能していたと結論付ける」ことはできません。

・ イスア地区の中央には花崗岩の地盤があります。
花崗岩は大陸の深部で時間をかけて冷却して結晶質の構造になったはずです。花崗岩マグマが貫入して冷却しても結晶質にはなりません。付加体理論でイスア地区の花崗岩は説明できません。

以上「世界で最古の付加体説」には様々な疑問のあることが分かります。

追記:
論文には以下のような礫岩の紹介もあります。

「イスア地域には変成作用の程度の低い地域があり、そこでは礫岩などの原岩の構造がよく保存されていることが判明した。変成作用が38億年前であるとすると、原岩の形成はさらに古いはずなので、イスアには38億年前よりも古い岩石(表成岩)が存在することになる。」

イスア地域の礫岩とは次のようなものです。


イスア地域の礫岩層

オーソコーツアイト礫の形成について[2524]でも述べましたが、このような円磨礫岩が形成されるのには、相当の長い年月、風化作用や円磨作用があった筈です。 単純な付加作用などでは説明できない、超太古からの地球史があるのではないでしょうか。

シンプル過ぎる理論を適用すると、却って混乱の地球史に嵌ってしまうような気がします。

2537
Date: 2017-07-02 (Sun)
地震の知識を入れ替えよう
 昨夜から今朝にかけて、北海道、苫小牧市の近くと熊本の地熱発電所近くで地震が起きました。

 震源の安平町は苫小牧市の北東約20kmにあります。苫小牧沖では昨年4月にCCSが本格化しております。([2255][2321]など参照)

 また、熊本の産山村は、熊本地震の発端となった可能性の高い八丁原地熱発電所([2360]−[2368]参照)の南10kmほどの位置にあります。


産山村の位置、日本最大の地熱発電所「八丁原」の近くにある

 気象庁の解説では、CCSの危険性や、地熱発電の危険性についてはまったく触れていません。
これを見ても、地震学関係者が地震の起きる本当のメカニズムに無知であることが分ります。

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北海道と熊本で震度5弱 深夜と未明に相次ぐ
テレビ朝日系(ANN) 7/2(日) 6:20配信

 1日夜遅くから2日未明にかけ、北海道と熊本県で相次いで最大震度5弱を観測する地震がありました。

 1日午後11時45分ごろ、北海道安平町で震度5弱を観測する地震が起きました。震源の深さは27キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.1でした。この地震で、北海道苫小牧市で68歳の女性が階段から落ち、大けがをしました。また、北海道内を走っていたJRの貨物列車が運転を見合わせるなど影響が出ました。
 一方、2日午前0時58分ごろ、熊本県産山村で震度5弱を観測する地震が起きました。震源の深さは11キロ、マグニチュードは4.5でした。この地震による大きな被害の報告は入っていません。気象庁は2つの地震について記者会見を開き、北海道の地震は過去の例から、周辺の活断層の動きでより大きな地震が起きる可能性もあるとして注意を呼び掛けています。また、熊本県の地震は去年4月の熊本地震に関連した活動の一つとしていて、同じ程度の地震活動が当分続く見込みだということです。

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地震が続くのかどうか分りませんが、地中に液体を圧入したり、強制的に熱水を吸い上げるという人為的な工作をすると地震を起こす可能性があることを知る必要があります。

CCSと地熱発電は安全性を研究してから本格化すべきです。その際、海外と日本とでは、高熱層の位置が違うことを考慮しなければいけません。日本のような地震大国は地殻の厚さガ薄く、その地殻の下には熔融マグマガ到る所に存在することを認識しなければいけません。火山フロント言われる一帯にだけマグマが存在するのではありません。地殻の下部は熔融マグマで満ちているのです。日本はマグマの上に浮かんでいるというのが真相です。

2538 
Date: 2017-07-11 (Tue)
鹿児島で地震発生、内容の無いテレビでの解説
本日、鹿児島湾の喜入町付近でM5.2(深さ10km)の地震がありました。

震源は喜入町付近

この付近には2003年に見直しがなされた活断層地図(8断層から28断層に増加)でも、評価対象となる断層はありません。
当時の記事を紹介します。

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九州地域の長期評価として、30年内に30〜42%の確率で活断層地震
2013/2/1

評価対象とした活断層

政府の地震調査研究推進本部は1日、活断層が起こす地震の確率を初めて地域別に見積もり、九州地方の評価を公表した。今後30年以内にマグニチュード(M)6.8以上が地域内のどこかで発生する確率は、九州の北部(福岡市など)が7〜13%、中部(大分市や熊本市など)が18〜27%、南部(鹿児島市など)で7〜18%。九州全域では30〜42%となった。最大でM8.2程度と推定している。


評価対象とした活断層
喜入町付近には評価対象となる活断層は存在しない

九州ではこれまで8つの活断層が評価対象だった。今回、福智山断層帯(福岡県)など15キロメートル以上の9活断層と、水俣断層帯(熊本県、鹿児島県)など10〜15キロメートルの11活断層を加えて地域別の地震の確率を求めた。

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本日発生した地震は、定説地震論によれば、「活断層がなくても地震は発生する」([2352])または「10km程度の浅い場所にも、震源断層は隠れている」という説明になるのでしょう。

 つまり、(たとえ活断層というものが存在すると仮定してみても)活断層調査を如何に精細に行なっても、見つけられない場合がある、ということを証明しています。活断層の調査がまったく意味のないものであることはこれまで何度も述べてきました。

その理由、または原因は「断層は地震の結果として発生するもので、地震の本当の原因は爆発である」ことに気がついていないからです。

テレビの解説で東大名誉教授が「活断層との関連」で解説していましたが、まったく意味のない内容でした。

早く地震の真相をマスコミが報道するようになって欲しいものです。

気象庁の会見を載せておきます。最後の質問で活断層との関連に対し「判りません」との回答です。

2539
Date: 2017-07-12 (Wed)
まやかしの“全地球テクトニクス”を応援する文科省
全地球テクトニクスというのは“まやかし”である([2536])とコメントしましたが、文科省からは絶大なる期待を寄せられているようです。

 まず、全地球テクトニクスの“要旨”なるものを紹介します。日本地質学会の地質学雑誌に掲載されたものです。

自己重力をもつ冷却しつつある天体に起きる必然的なプロセスの連鎖

とありますが、プレートを動かす原動力が見つかっていないのにもかかわらず、それを無視して「全テクトニクス」へと進めるのはまったくの非科学的な態度です。それを見抜けない文科省とは一体ナンなのだ?と思います。

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要旨
Whole earth tectoncs. Jour. Geol. Soc. Japan(熊沢峰夫・丸山茂徳,1994 全地球テクトニクス.地質雑,100.81−102)

地球型惑星の内部に生じる変動を、表層のプレートの挙動から中心核の変動まで、またその形成期から終末期までを、自己重力をもつ冷却しつつある天体に起こる必然的なプロセスの連鎖として理解しようとする試みを提示した。複雑な変動のタイプを単純にパターンとしてとらえる。

 惑星の形成とともに基本的層構造が形成する段階の成長テクトニクスの次には、プリュームが沈降浮上することを特徴とする対流が支配するプリュームテクトニクス時代になる。地表で堅いプレートができるようになってプレートテクトニクスが始まり、その支配する領域を深部に向けて拡大するが、現在まだ深度700kmの境界層までしか達していない。小さい惑星では、熱を失ってプリュームテクトニクスが死に、収縮テクトニクスを含む終末テクトニクスが早くくる。

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以下は文科省が熱心に応援するお達し文です。

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スーパープルームが地球を変える ‐地球変動原理の解明に向けて‐
                    文部科学省
‐第217号‐
平成13年3月26日

 平成7年度より科学技術振興調整費総合研究において地球変動原理の解明を目的として「全地球ダイナミクス:中心核に至る地球システムの変動原理の解明に関する国際共同研究」を実施してきました。本研究では、地震観測及びその解析、地質調査及び岩石学的研究、シミュレーションを行い、億年単位で地球が変動する原理をマントル全体及びその下の核まで考慮して総合的に解明してきました。

 「プルームテクトニクス理論」は本研究の代表者である東工大理学部丸山茂徳教授が平成6年に提唱した理論で、「プレートテクトニクス理論」では説明ができなかったプレート運動など地球表層で起こる地学現象の原動力を説明するものです。

本研究の成果により、初めて、「プルームテクトニクス理論」が検証・確立されました。平成11年度から教科書に本理論が掲載されるなど、一般的にも広く認知されつつあります。

 本研究の終了に当たり、研究活動の普及広報の一環として、成果をわかりやすくまとめ、ビデオ等をはじめとする資料をまとめましたのでお知らせいたします。

 なお、本成果については本年10月目途に東京で開催予定の全地球ダイナミクスに関する国際ワークショップや国際論文誌の特集号などを通じて、発表される予定です。

平成13年3月26日
文部科学省

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スーパープルームが地球を変える ‐地球変動原理の解明に向けて‐

 文部科学省は平成7年度より科学技術振興調整費課題『全地球ダイナミクス:中心核に至る地球システムの変動原理の解明に関する国際協同研究』を実施してきました。
 これまで、地球の変動は主にプレートテクトニクスによって説明されてきましたが、プレートテクトニクスは地球半径6300キロメートルのうちの表層600キロメートルほどを説明するものでしかありません。この計画の目的は、地球が変動する原理をマントル全体(深さ2900キロメートルまで)やその下の核までを考慮して総合的に解明することです。ここでの「地球の変動」とは火山が噴火したり、地震が起きたり、我々が生活する地球環境が異常に乾燥したり、寒冷化したり、極端に温暖化したり、生物の大量絶滅や進化が急激に進行することなどを意味します。

 研究グループはプルームテクトニクス理論(マントル深部に根をもつ超巨大なマントル上昇流が地球変動を支配するという考え)を平成6年に提唱し、『全地球ダイナミクス』(平成7〜12年)においてその理論の検証を行いました。主な研究成果としては、
(1)現在の地球内部の地震学的構造とそれに基づく温度推定、
(2)スーパープルームの化学組成の解明、
(3)マントル遷移層、コア・マントル境界での化学反応の再現、
(4)スーパープルームの過去10億年の活動の解明、が挙げられます。

 これらの成果に基づいて、研究グループは地球の内部及び表層環境の変動にスーパープルームが大きく関わってきたことを明らかにしました。
 この総合研究によって明らかになったスーパープルームのメカニズムは、地球の変動のみならず、地球型惑星、特に火星と金星の変動の理解にも大きな役割を果たすと思われます。


スーパープルームが地球を変える ‐地球変動原理の解明に向けて‐ 

お問合せ先
研究開発局海洋地球課
専門職 古川博康 電話番号:03‐3580‐6561(直通)、03‐3581‐5271(内5648)

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そもそも、プレート論の誕生はヘスが発見した“ギョー”の形成原因を知りたいということから出発した、「海洋底拡大・ジオポエトリー」に始まっています。

“ギョー”の形成がまったく別の要因で論理的に説明できるとしたら、プレートテクトニクスは“ウソッパチ”だと認定されてしまうのです。
そもそも、プレート論は移動の原動力が不明のまま、「付加体説」やら、「放散虫革命」やら、又しても「全地球テクトニクス」とやらの“延命応援説?”で生き延びています。

深さ2900キロメートルまでは層構造の固体であるという仮定の下にプログラムされた計算式で流動プリュームの存在が見つかったというのは“大いなる欺瞞”にすぎません。(マントルトモグラフィーに隠れた重大欠陥参照)

文科省はその実体を知らないで、応援していますが、近い将来大恥をかくことになるでしょう。

追記:

丸山茂徳先生らの主張される動画を紹介します。


(22:50)付近からの解説の意味・・・

マントルは年間数ミリしか動かない硬い岩石である。しかし脱水作用で生じた水が作用すると熔けてマグマが発生し、火山活動を起こす。
つまり、2900kmまでの下部マントルは熔融していない。マグマが発生・存在するのはプレートが潜り込む海溝、プレートが誕生する中央海嶺、そしてハワイのようなホットスポットの3箇所だけである。
プルームといっても固体の流動(?)であるから、流体運動ではない固体としての挙動である。

このような禅問答のような議論が自然科学の領域で通用していることが信じられません。とっても不思議な世界です。

Wikiより

対流:

対流(たいりゅう、英語: convection)とは、流体において温度や表面張力などが原因により不均質性が生ずるため、その内部で重力によって引き起こされる流動が生ずる現象である。

 近年、計算機の性能が向上し、流体の運動方程式(ナビエ-ストークスの式)を高精度に計算することが可能となったため、コンピュータを用いたシミュレーションによる対流現象の研究が盛んに行われており、工学的な技術としても重要な分野である。また惑星内部の対流など、実験・観測が不可能な領域における流体の挙動を理論的に解明する研究も行われている。  

固体だけれども流体・・・禅問答のようで理解不可能!

なぜ液体と考えないのだろう?

2540
Date: 2017-07-13 (Thu)
「全地球テクトニクス」は見直すべき

[2539]で述べた、なぜ液体と考えないのだろう?
の答えは勿論、

液体ならば、S波が伝播しない。しかし実際にはS波が地球内部を伝播している。だから、マントルは固体である

ということです。 [1607]にも紹介しましたが、マントルは固体であり、マグマは地球上で3箇所でしか発生しない、と定説論者は考えています。マントル物質はマグマであるとする石田理論は端から受け入れられないのです。

しかし、[1612]にも紹介した洪水玄武岩台地は世界中の陸上部(デカン高原)にも海底部(オントンジャワ)にも存在します。

玄武岩台地というのは地球内部のマグマが大量に噴出したものですから、昔は活火山であったはずです。しかもプレートの縁とは関係ない場所にあります。

こんなに多数のマグマ噴出の証拠が、全てホットスポット由来とするのには無理があります。マントルが熔融していると考えた方が合理的です。

 さらに[1592]で紹介したマントルトモグラフィーの有効性疑惑に関してですが、トモグラフィーの基本になるのは「マントルは層構造(タマネギ型形状)の固体であると仮定して得られた速度分布の理論値との誤差(高々1〜2%の違い)」を色分けして表示しているだけのものです。

計算結果に対流現象が見られても、固体としての対流だから、という詭弁は説得力がありません。

たとえ固体だとしても、“キノコ”状のプリュームがあれば、層構造の固体つまり“タマネギ”型という地球内部の仮定が崩れるわけですから、計算は“キノコ”型を前提にした計算式でやり直す必要があると考えられます。

矛盾だらけの「全地球テクトニクス」は見直すべきです。

因みに、マントルが液体であるとしても「衝撃波的短周期成分に対しては、マントルは弾性体的挙動を示す」とレオロジーを解釈すれば、P波もS波も(衝撃的成分は)マントルを通過できます。ただし、判定に苦労するほどの微弱な波形になるでしょう。

石田理論はマントル対流を否定しているのではありません。液体としてのマントルは当然対流していますし、プリューム構造も存在すると思っています。ただし固体としての対流は、数値計算では可能かも知れませんが、計算結果の解釈は意味がないと主張しています。

2541
Date: 2017-07-14 (Fri)
「何も解っていない」と言いながらプレート論に固執する矛盾
サイエンスポータルの記事に、海洋研究開発機構・理事、地球深部探査センター長 平朝彦 氏の講演要旨が載っていました。日本の付加体研究の第一人者で、四万十層の「層序逆転」を調査報告した方、現在はJAMSTEC(海洋研究開発機構)の理事長ですので、紹介します。

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地球深部探査船『ちきゅう』の挑戦

海洋研究開発機構・理事、地球深部探査センター長 平朝彦 氏

掲載日:2008年8月25日
市民公開講演会(2008年8月11日、日本学術会議、北海道大学 主催) 講演から


平 朝彦 氏

現在でも地球内部については、ほとんど分かっていない。それを解明していく方法としては、ボーリングで海底下にアクセスするのが、一番有効と考えられて、地球深部探査船「ちきゅう」を利用しての研究開発が行われるようになった。

今から約100年前、アルフレッド・ウェゲナーが「海洋底移動説」を唱えたが、当時は受け入れられなかった。この分野を復活させたのが、掘削研究船「グローマー・チャレンジャー」を用いた深海掘削計画である。調査・研究の結果、大西洋の真ん中を縦断する形で海底の高まりがあり、そこから離れるに従い、海洋底の年代が古くなることが解明された。このことから「海洋底拡大説」が提唱された。日本ではまだまだ興味が持たれていなかったが、その後、世界各国が参加する「統合国際深海掘削計画(IPOD)」が始まり、日本も正式に参加することとなり、深海掘削が広く注目されるようになった。

プレートが沈み込んでいる海溝で何が起こっているのかは、よくわかっていなかった。そこで詳細に調査されたのが、東海沖から四国沖の南海トラフである。反射式人工地震波探査法で観測し、海底の地質構造の様子を調べたところ、非常にはっきりした海底のイメージが取れる数少ない貴重な場所であることが、判明した。プレートが移動しているときに、その上の堆積物が日本列島の岩盤に当たり、そのために陸地に押し寄せてくる付加作用による盛り上がりが、南海トラフ全体で起きていることが解明されたのである。

1990年、掘削のプロポーザルを作ることを目的として、米国や日本を含め世界各国が参加したプロジェクトが、米国の「ジョイデス・レゾリューション」により進められた。国際提案を基に、掘削場所を決定したのだが、日本としては、南海トラフでの付加作用を示して、この場所での掘削を提案した。その結果、南海トラフの4,700メートルの深海で海底下1,300メートル付近を掘削して、さまざまなことがわかってきた。

しかし、このシステムでは、3,000メートル以上の深さへの掘削や、ガスを含む地層の掘削が困難であった。そこで、地球の営みが最も活発に行われている場所である日本の手で、リーダーシップを取るプロジェクトを立ち上げようと、地球深部探査船「ちきゅう」が、2005年に完工した。これは、57,000トンもの大型掘削船で、これまでの掘削船とは性能も全く異なっている。ライザー掘削技術や噴出防止装置などにより、困難といわれていた深部やガスの存在する地層での掘削が可能になった。全体として600億円という日本が基礎科学に費やした最大級のプロジェクトとなった

これまでの深海掘削計画により、さまざまなことが解明されてきたが、最も重要なトピックスとしては、地下生物圏の発見があげられる。海底下1,400メートルまでの地層に大量の微生物が存在することが判明し、地層中のメタンハイドレートに関与していると考えられている。しかし、これらの微生物が海底深部で何をしているのか、栄養はどこから取っているのか、起源はどこか、メタン生成のメカニズムなど、謎の多い分野である。また、その微生物のほとんどをアーキア(古細菌)が占めるが、その詳細解明も今後のテーマである。

南海トラフでは、100-200年ごとに巨大地震が起こっている。最近では、1944年の南海地震と46年の東南海地震が起きている。これらはプレート境界で摩擦が起こっての地震であるが、プレート境界のすべてで摩擦が起こるわけではない。その違いを解明するためにも、地震の震源域を直接掘ることのできる南海トラフを観測することにより、地震研究に物質科学的見解を取り入れることが可能となる。さらに、現場を直接モニタリングすることが可能となり、リアルタイムで観測ができることは、将来、地震予測に役立つと考えている。

また、この計画の第一ステージとして、和歌山県沖合での掘削が行われたが、分岐断層を境に異なった応力場の発見、メタンハイドレートの詳細な解明、流体の様子、大量の微生物の存在などが確認され、現在分析が進められている。

この「ちきゅう」プロジェクトは、まだ始まったばかりである。海底下5,000−6,000メートルの深度には、今後2、3年のうちに到達したいと考えている。

また今後の目標としては、
地震発生のメカニズムの解明と防災対策への応用
•地下生命圏の解明とバイオテクノロジーへの応用
•地球最大レベルの資源探査船としての活用とプロジェクト自体の自立の可能性
•日本の国際的な大型プロジェクトでのリーダーシップ性

などが挙げられる。

今の日本は非常に閉塞感が漂っている。それを打開するような未踏のフロンティア精神で、新しい科学技術の道を思いっきり切り開いていく必要があると思う。そのためにも、この地球深部探査船「ちきゅう」を、有効に役立ててほしいと願っている。

平 朝彦 氏(たいら あさひこ)氏のプロフィール
1946年仙台市生まれ、70年東北大学理学部卒、76年テキサス大学ダラス校地球科学科博士課程修了、高知大学理学部助教授を経て、85年東京大学海洋研究所教授、2002年海洋研究開発機構地球深部探査センターの初代センター長、06年海洋研究開発機構理事。日本学術会議会員。07年「プレート沈み込み帯の付加作用による日本列島形成過程の研究」で日本学士院賞受賞。著書に「日本列島の誕生」(岩波新書)、「地質学1 地球のダイナミックス」「地質学2 地層の解読」「地質学3 地球史の探求」(いずれも岩波書店)など。

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以上が平氏の講演要旨です。

 地震学者や地質学者は「よく分っていない」と言いながら、単なる仮説を事実であるかのようにどんどん発信される方が多いように思います。[2539]に紹介した動画でも丸山氏が(26:30辺りから)「地球内部には“キノコ”状のプルームが2、3個存在する。このプルーム(対流)がやがて超大陸を誕生させる」と言い切っています。
 巽好幸氏の著書・読者評にも「巽氏は説明の随所で「よくわかっていない」を連発しながら、自信ありげに地震原因、プレート移動、マントル個体等地球内部の解説をします。これはいわば文学又は物語ですね。無理して組み立てています。」とあります。

この講演でも平氏は「地球内部については、ほとんど分かっていない」と言いながら、「プレートが移動しているときに、その上の堆積物が日本列島の岩盤に当たり、そのために陸地に押し寄せてくる付加作用による盛り上がりが、南海トラフ全体で起きていることが解明された」と断定しています。

 東南海地震に関しても「1944年の南海地震と46年の東南海地震が起きている。これらはプレート境界で摩擦が起こっての地震であるが、プレート境界のすべてで摩擦が起こるわけではない。その違いを解明するためにも、地震の震源域を直接掘ることのできる南海トラフを観測することにより、地震研究に物質科学的見解を取り入れることが可能となる。」と、地震の震源域を直接掘ることで地震のメカニズムが解明できると考えています。  

地震現象が化学的な爆発現象だとすれば、化学反応が起きる前の岩盤を調べても、何もわからないのではないでしょうか。

 石田理論としては、京大の通信工学の梅野教授([2420]で紹介)が民間会社と提携して開発しようとしている「地震先行現象検出技術・共同研究」のほうが、地震のメカニズムに沿った合理的なものだと考えています。

日本に閉塞状況感が漂っているのは「矛盾だらけのプレート論、付加体論などで科学の空間が拘束されている」からではないでしょうか。言ってみれば「プレートテクトニクス全体主義」のような空気があり、「これでは時代が進展しない」と考えている人が居ると言う事でしょう。

氏の講演で興味を引いたのは「地下生物圏の発見」の話です。 約30年も前の「地球深層ガス」(改題して「未知なる地底高熱生物圏」)のなかで、トーマス・ゴールド博士が述べていたことですが、化石燃料という概念が変化するような内容です。地中の天然ガスや油などは「地底の高熱地帯に住む微生物からの恩恵」かも知れないということです。

科学的な知識もどんどん変化していきます。古い概念に固執する“偉い学者”さん達が「閉塞感」を作っている原因かもしれません。

[1831]、[1833]で紹介したブラジル沖大西洋での「大陸痕跡の発見」も、本当は大発見のはずですが、プレート論では説明がつかないために「オーパーツ」扱いになってしまっています。
本来なら、「プレート仮説の矛盾が発見された」と発表するべきですが、その後の扱いは「まずいものが見つかった」というような雰囲気を感じます。

これでは進歩発展は期待できません。

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