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2071
Date: 2015-02-08 (Sun)
オクラホマの地震は廃液の地下封入が原因である
オクラホマでのシェールオイル採掘による地震に関しては[1926][2007]などで紹介し、「地震学革命は世界的に緊急性を要する課題になってきた」と述べました。しかし、世界中の地震学者が地震の原因を知らないまま放置しているので、さらに悪化し、「オクラホマの地震問題はgetting worseだ」とワシントンポストが2月3日に報道しています。昨年(2014年)の地震発生回数は劇的に増加しているようです。

これを紹介するブログでは「地下の掘削での廃棄物の排出量が2012年に12億バレル、2013年には15億バレルに達した。」と翻訳されていますが、排出量とはフラッキングという採掘に必要な破砕工法で採用する薬液を地下に圧入処理している量のことです。


2014年になって急激に増加したオクラホマの地震
モザイクは廃液の処理量(色が濃いほど多い)
2014年の処理量は不明

図を見ると2013年には州の北西部で封入量が増えていますが、2014年にはその辺りで地震が増えているのが分ります。封入量と地震の回数との間には強い相関関係があります。 
 このセミナーで何度も紹介しているように、地下に液体(廃液や液化炭酸ガスなど)を注入する事は、既存の地下水をマグマが存在する高熱地帯にトコロテン式に送る事を意味しますから、解離ガスを発生させ、人為的な地震の原因になるのです。

液体の地下封入は危険である事を

地震学者の口から警告してあげてください。

2072
Date: 2015-02-09 (Mon)
何時の日か歴史の検証がくる
 次の動画はメタリック風船に酸素と水素を封入し、点火して爆鳴気爆発の実験をしている動画です。 http://www.youtube.com/watch?v=MMB2VR0087w&NR=1
思わぬ威力に学生がビックリしていますが、爆鳴気爆発の爆発音は次の動画にある四川大地震(震源に近い映秀で撮られた)の爆発音によく似ています。

http://v.youku.com/v_show/id_XMzEwODU1MjQ=.html?from=y1.2-1-91.3.7-2.1-1-1-6
同じく、震源に近い観光地青城山を訪れていたペルー人が撮った動画にも、爆発音が収録されています。

http://www.youtube.com/watch?v=U5GSeNGy8LI

次の動画は2013年台湾で起きたM6.3地震のものです。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=zIAjlqZbNwk
違う角度から撮影された画像がSina Englishに載っています。その一例が次の写真です。

震源近くでは揺れというよりも、爆発的な衝撃のほうが顕著であることがよく分ります。

 これらの、体験的報告があるにもかかわらず、いつまでも地震の原因を「弾性反発説」で解説する地震学者やマスコミ関係者が存在することに失望するしかありません。
何故、これほどまでに、無知無能が許されるのでしょうか。[1980]で紹介したテレンスリー氏の発言では以下のようにあります。

「日本の地震研究には最初から決められた指針が存在した。すなわち「東海地震」を機軸とした研究および東京大学主導による研究だ。 事実、東京大学地震研究所は阪神淡路大震災を全く予期していなかった。それどころか震災直後、在阪と周辺の大学研究機関が調査することを無言の圧力で認めなかった。 無言の圧力とは「日本における地震研究は東京大学の独壇場である」という、あたかも小説『白い巨塔』に描かれるが如き学閥意識に他ならない。(略)
こうした日本における地震予知の実態を私に語った学者の一人は、出世と金(研究費)が研究の質に比例する現実が研究者のコントロールに利用されていることを嘆いた。 研究には莫大な研究費が必要だ。御用学者と呼ばれる曲学阿世の徒が跋扈するのも仕方ないといえば仕方ないだろう。
 しかし、正当な研究が許されない現在の体質を改めない限り、夥しい数の犠牲者が累々する歴史は繰り返されるのだ。」 (テレンス・リー)

 東大地震研究所が日本の地震研究費のほとんどを消化する体制が岩盤の如く敷かれています。したがって、東大地震研の教授が現場打ちコンクリートの破片を見て活断層の存在を認定するという笑ってしまうような失策を犯しても、何らお咎めも無く、「活断層が動くことが地震だ」という地震論は落城の心配も無く「安泰?」です。  しかし、こんな馬鹿げた「科学者集団」が存在していいはずはありません。何時の日か「歴史の検証」という厳しい審判官が現れて、「科学の薗」から追い出されることでしょう。

高木博士の無定位磁力計を葬り去ったのも、活断層理論を墨守して地震研究の進歩を阻害しているのも、東京大学と、そこから卒業する役人であることを国民に知らせなければいけません。([1191]、[1192]、[1193]など参照)
 偉い人の言うことは間違いないと盲目的に信じるのではなく、“自分の頭で納得できる”まで考え抜く姿勢が民主主義の社会には必要です。

[2067]に紹介した上田誠也先生も自分の後輩に当たる現役の地震学者たちが地震予知を放棄し、“地震予知不可能論”のゲラー教授に与してしまったと、そして地震予知には何の役にも立たない地震計の開発・更新を仕事にし、地震予知の研究には研究費を回してくれない、と批判しています。 しかし、その上田先生も東大出身、東大地震研究所教授を歴任されていて、“地震とは活断層が動くこと”と信じておられるわけです。地震の研究は最高学府と自認する東京大学と、そこの卒業生である高級官僚が「最大の障壁」であると言っていいでしょう。

なお、地震時の爆発音に関しては[1919]−[1921]にも記述していますし、東北大震災の仙台での動画(1分39秒頃)にも記録されています。爆発は何回も起こったと考えられますが、この爆発音は気導音としてではなく、骨導音として伝播し、聞こえたのではないかと思います。([1231]参照)

2073
Date: 2015-02-12 (Thu)
クライストチャーチ地震に見る爆発現象
 東北大震災が起きる直前の2011年2月22日にはニュージーランド(南島)のクライストチャーチで、M7.0の大きな地震が起こり、日本の留学生28人が死亡しました。

クライストチャーチ地震の震源(爆発点)
地下断層が動いたのではない

この地震は街の地下5kmという浅い場所で起きたものですが、地震直後に土煙が上がる様子が写真に撮られています。これを報じる記事を紹介します。
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写真は地震の日2011年2月22日に、震源地のほぼ真下、クライストチャーチから南東に7キロの場所にあるPort Hillsという山の上から撮られた1枚です。

クライストチャーチの地下5kmで起きた自然現象
としての水素爆発(地震)によって舞い上がった土煙

 地震が起こった瞬間、街の中心から土煙が立ちこめ多くの建物が崩壊しました。
 もちろんあそこに高い建物があって、それが崩壊したから土煙が立つのはわかるんですけど、なんであんなにピンポイントで地震の被害が出たのか不思議でしょうがありません。中には地震兵器の実験としてChristchurchが選ばれたんだなんていう噂が出たりしていましたが、そう思ってもおかしくないくらいのピンポイントに狙ったような状態です。
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 地震兵器の噂が出てくるのは、第二次大戦でアメリカ軍の支援を受けてニュージーランド軍が地震兵器(津波兵器)の開発をしていたことがあるからでしょう。  写真を見ると記事にあるように本当にピンポイントで攻撃を受けたような土煙が上がっています。
   これを見ても、地震が地下における“自然現象の水素爆発”であることは推測できるはずです。断層が動いて地震になるのではありません。爆発が起きて地面にできた断裂のことを断層と言っているのです。

クライストチャーチ地震の地下爆発(自然現象水素爆発)で発生した断裂(断層)

 四川大地震や[2072]に紹介した台湾の地震のように、傾斜の激しい山間部での崩落だけでなく、クライストチャーチのような平坦な場所でも、爆発的な衝撃によって、土煙が上がるようです。  
 次の動画は南米エクアドルで起きた地震で発生した山腹の土煙ですが、右下部分を見ると、落石による土煙とは思えないような現象が見えます。落石による土煙も観察できますが、山腹の内部から、気体が噴出しているように見えます。
以下を参照:
http://www.shutterstock.com/video/clip-3825608-stock-footage-earthquake-causing-landslides-on-a-steep-environment-tungurahua-province-ecuador.html?language=ja

追記: 次の動画は東北大地震が発生した時刻に、足尾付近の山で見られた「花粉雲」です。当日は各地の山で衝撃による「花粉雲」が発生したようです。

飯能での花粉雲
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=_KuMqnP4adU

2074 
Date: 2015-02-13 (Fri)
エクアドルの地震も浅部での爆発現象
 昨年8月に起きたエクアドルのキト近郊で起きた地震も深さ5kmの浅いもので、写真のような土煙が上がったようです。

キトから赤道記念碑に行く間にあるポマスキという街でもご覧の通りの土砂崩れ。

AFPの報道を紹介します。
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【8月13日 AFP】南米エクアドルの首都キト(Quito)周辺で12日午後2時58分(日本時間13日午前4時58分)、マグニチュード(M)5.1の地震が発生した。揺れは20秒以上にわたって続き、多くの人がパニック状態に陥り、周辺の住民らは避難した。
 エクアドルの地球物理学研究所(Geophysics Institute)によると、震源の深さは約5キロで、強い余震も起きた。今後も小規模な余震が続く可能性があるという。  現在のところ、この地震による死者は2人と伝えられている。同国の危機管理当局はツイッター(Twitter)で、キト郊外の採鉱場で8人が負傷したほか、地滑りで3人が身動きできない状態になっていると発表した。
 救急当局によると、震源は北半球と南半球を分ける赤道上に建てられ観光スポットになっている赤道記念碑「ミッター・デル・ムンド(Mitad del Mundo)」周辺とみられる。(c)AFP
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エクアドルでは火山噴火による災害も起きていますが、爆発の深さによって、火山になったり、地震になったりするのでしょう。中南米を旅行してフンボルトはそのことを確信したようです。

2075 
Date: 2015-02-13 (Fri)
メキシコでの地震による土煙

ネット上を探したら、2010年4月に起きたメキシコでのM7.2地震の動画がいくつかありました。平地では土煙が上がっていませんが、山全体から土煙(ガスも含んでいるはず)が上がっているのが分ります。USGSの震源図を見ると、震源はまさに動画にある山脈の真下10kmの位置だったようです。岩盤に蓄積されたひずみエネルギーが解放されてこのような現象が起きるとは考えられません。地震爆発論を証明しているような動画に見えます。


2010年4月4日メキシコで起きたM7.2地震の震源位置図


地下10kmで起きた地震により爆破のような衝撃を受けた山々

その他の動画
http://www.youtube.com/watch?v=04wuGu1yPa0
http://www.youtube.com/watch?v=zxazTzieho8
こちらは、爆破の結果生じた断裂の様子。
http://www.youtube.com/watch?v=bsYZf8JrA7U

後記: この地震による土煙(dust cloud)が人工衛星から観察できたようです。画像に残っています。


NOAA Weather Satellite imagery showing the earthquake
NOAA Weather Satellite imagery showing the earthquake via a tremendous dust cloud raised up from all the rock slides in the very steep desert mountain range near the epicenter.

2076
Date: 2015-02-14 (Sat)
クライストチャーチ地震のメカニズム

 クライストチャーチ地震の資料を見ていると、プレート理論や断層地震説で解釈しようとするために、理解に混乱が生じていることが分かります。


太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界

潜り込みの方向が逆になる解釈は“おとぎ話”の世界である。

   ニュージーランドの北島では海側プレートが西に向かって沈み込み、南島では海側プレートが東に向かって沈み込むと考えていますが、地殻がそのような挙動をするとは思えません。一枚の板(プレート)がある部分では止まり、別の部分では潜り込む、などというのは無理な話であり、”御伽噺”にすぎません。

 現地の報道では“クライストチャーチを通る新しい断層ができたのか?”という見出しが見えます。しかし、図から分かるように震源が街の南にあって被害が北方の市街地だけに発生するメカニズムは断層理論では説明しがたいものがあります。
 報道では地震学者(Roger Musson)が
"Christchurch has never been identified as a major earthquake zone, because no one knew this fault ran beneath,"
と語っていますが、断層が地震を起こしているのではありません。地下には何処にでもマグマが存在しますから、地震はどこで起きても不思議ではありません。



http://message.snopes.com/showthread.php?t=71132 より

 地震爆発論の見解では震央(エピセンター☆印)の下10kmで、市街地方向に向けてExplosionが起きたものと思われます。どちらの写真にも市街地に向かう幹線道路が写っていますが、道路の位置関係からみると、震源は写真が撮影された場所付近であることが分ります。  
 余震は翌日にも大きなものが3回起きて、地滑りによる土煙も起きています。

Dust clouds rise as rocks fall at Taylor's Mistake near Christchurchより
地震発生の理論を“地震爆発論”に切り替えて、地震の短期予測のための観測体制を作るべきです。
文部科学行政はいい加減に東京大学の研究費独占・無駄使い体制を改めるべきです。

追記:

面白い動画を見つけました。工事現場でのダイナマイト発破ですが、紹介してきた地震時の土煙に酷似しています。地震爆発論をサポートするような映像ではないでしょうか。

http://footage.framepool.com/mov/257-868-359.mp4

http://footage.framepool.com/mov/352-293-373.mp4

地震直後の市街地の様子を撮影した動画がありました。
岩盤が割れて(断層が動いて)生じた事態とはとても思えません。地震学を早急に改める必要があります。

http://www.3news.co.nz/nznews/video-christchurch-quake-moments-after-2011022413#axzz3RvH26Rr0

2077 
Date: 2015-02-15 (Sun)
地震学も“ガラガラポン”せよ
霊人ソクラテスは「今の「学問」という言葉には、ストレートには信用できないものがある。数多くの“ガラクタ”が生み出されている。」と「学問とは何か」で語っています。
また、霊言の著者は「哲学も宗教も神学も全部“ガラガラポン”の世界に入ろうとしている。ましてや、末流の諸学問など、もはや“ごみ溜め”のようなものであるので、これと戦わなければならないのでしょう。」と語っています。  
 文部科学省は「役に立たない学問を護送船団方式で護って、その赤字責任を血税でまかない、当然の大学の教育行政」としているのです。(「学問とは何か」あとがき[2046]参照)

 地震爆発論の立場から見ると上述した見解は当然の正論だということになりますが、証拠として文科省が護送船団方式で東大地震研究所の地震論をサポートしているサイトを紹介します。


文部科学省地震防災研究課が発行している
「地震の発生メカニズムを探る」より

文部科学省地震防災研究課が発行している「地震の発生メカニズムを探る」には、「地震は地球のあらゆる場所で発生するわけではありません。プレートの境界に沿った帯状の地帯に集中しています。プレート境界におけるプレートどうしのせめぎ合いが、地震を発生させるからです。」という“ウソの記事”が載っています。(もちろん、図中の赤線の後に続く「プレート境界におけるプレートどうしのせめぎ合いが、地震を発生させるからです。」というのもウソです。)  
 [2060]で紹介したように、大衆は文科省がお墨付きを与えているこの“ウソ”を信じ切っているために、「プレートの境界で地震が起きている」と思わされています。 しかし、すでに述べたように真実は「地震が起きている帯をみて、プレート境界と決定した」というだけのことです。

 「地震が狭い帯状に分布せずにかなり広い範囲に散らばっているところがある。たとえばヒマラヤ山脈の北部から中東へかけての地域などである。これらの地域では地震帯でプレートを定義することにやや困難を伴うが、ここではまずおおざっぱに、このようなひろがった地震活動領域も一種の帯であると見なそう。」(瀬野徹三著「プレートテクトニクスの基礎」)  
という“ご都合主義”になっていることを見落としてはなりません。

  活断層理論に関しても、「活断層を仮定して活断層の存在を証明した」という“詐欺商法“のような手法であることを、島崎氏を含む30名の地震学者に“公開質問”しているのですが、回答がありません。文科省が強力な“火器?”を携帯して護送しているから、答えなくても“沈没”しないと思っているのでしょう。

 ニュージーランド近辺でのプレートの挙動がいかに怪しげなものであるかを[2076]で紹介しましたが、現在“航行中”の地震学という船団がソクラテスの言う「ガラクタ」であることを見抜いていただきたいと願ってやみません。

2078
Date: 2015-02-16 (Mon)
ハイチ地震に見られた土煙
 2010年1月12日に起きたハイチ地震(M7.0)も13kmという浅い場所で起きた地震でした。次の写真は被害の一例ですが、揺れというよりは爆破されたような状況です。

首都のポルトープランスでは国会議事堂などが倒壊し、首都機能が麻痺してしまいました。この地震の被害拡大のメカニズムを探る番組がイギリスで制作されました。

ハイチ地震 被害拡大のメカニズム
(1)http://www.youtube.com/watch?v=PMnmbjtnEXM
(2)http://www.youtube.com/watch?v=cD9rZs2YTK4
(3)http://www.youtube.com/watch?v=gu75bZF45jo
(4)http://www.youtube.com/watch?v=EGCqj_HvQJk

この中の(1)にある光景(20〜30秒前後)はクライストチャーチ地震の土煙と同じような爆発的衝撃を受けて発生したものと酷似しています。地震直後に爆発的な衝撃で建物が倒壊し、土煙が上がったと考えられます。横揺れによる振動被害として倒壊したとは思われません。採石場での爆破作業のような感じです。ハイチ地震は某国の地震兵器によって爆破されたのだという話がありますが、自然現象としても、こうした地下の爆発は起こりえるわけです。これが長い人類史の中で多くの悲劇を生んできたわけです。  

 イギリスの番組はプレートテクトニクス理論をベースにしていますから、内容的には消化不良の番組になっています。 たとえば、明瞭な断層が観測されず断層が地表面にまで達していない、とか断層が動くことが地震であるという固定観念で学者たちが解説しています。

 (3)では12分30秒前後で、海底の珊瑚が浮上している場所(断層線北側)と沈降した農地(断層線南側)があることを報じています。ハイチの断層がサンアンドレアス断層と同じ横ずれ断層であるとしながら、隆起と沈降が生じることを説明することは不可能です。
  地震は何回もの余震を伴ったはずですから、その都度爆発の方向も変わっている可能性があります。一つの断層が動いたという解釈では説明できない現象が起きている可能性があります。  
 ではどうして断層が曲線にならないで一直線に伸びているのかと言う質問を受けることがあります。
断層とは岩盤が爆発的な衝撃で割れるために発生しますが、押し引き分布の形状(楕円型、双曲型など)とは一致せず、ほとんどが直線になります。その理由は岩盤の亀裂は“石割”で見られるように、平面的になる性質があるからです。ガラスでも割れるときは亀裂が直線的に発生します。  

 次の動画は“石割り”作業のものですが、岩盤は弧を描くようには割れません。2mの石ならば0.2mmのひずみを与えるだけで、破断します。万成石を割っているところですが、1:06で破断します。万成石とはピンク色をした花崗岩のことです。

地中深くの岩盤も、水素の爆発を受けて割れる時には直線的になるものと思われます。押し引き分布の境界に沿って円弧状に割れることは無いものと推定できます。これが断層が長く直線的に発生する原因であろうと思います。

 なお、“石割り”は[2069]に示した岩板の破断に相当する現象です。岩板は楔を打ち込むことによってできるわずかな“ひずみ”で脆くも破断します。この破断が起きることによって土煙を上げて街や山を破壊するような現象が起こるとは考えられません。  
 活断層理論というものは全くの空想によって出来上がっている理論であると言えます。岩手・宮城内陸地震では4000ガルを超えるような加速度が記録されましたが、この“石割り”作業を見て、それでも“ひずみの開放”が地震であると、考えておられる方がいたら、もう“つける薬”は無いと言っていいでしょう。

後記: ハイチ地震直後の土煙の動画を見つけました。


ハイチ地震を山の上から撮影した動画です。
これが、岩盤が割れる(断層が動く)という物理現象で起こるとは思われません。地震は爆発現象に違いありません。
この動画は地震終了の数秒後だそうです。町全体の建物が同時に破壊されたとあります。爆発の猛威を示す証拠です。

A shocking video taken from a mountain top on the outs of Port-Au-Prince, Haiti. This is just seconds after the big tremors ended. You can see the entire city is covered in dust from all the structures collapsing at once, almost like if the clouds would had fallen from the sky into the ground! It's a cloud of catastrophe and destruction.

2079
Date: 2015-02-18 (Wed)
ひずみエネルギーを開放しても地震にはならない
 地震学者は「活断層に溜った“ひずみエネルギー”が開放されて、地震が発生する」と解説(注:参照)します。[2078]に示した石割の動画で説明すると、“ひずみの開放”現象とは、楔を打ち込む間に増大したひずみが限界に達し、破断した時のことに相当します。
 しかし、映像から明らかなように、破断しても強大なエネルギーなど放出していません。静かに亀裂が入るだけのことです。つまり、“ポキッ”と、またはガラス板のように“ピシッ”と割れるだけで“ドカン”という現象にはなりません。

 断層というのは、岩盤が食い違うほどの亀裂のことですが、そのような岩盤の変化は“ひずみの開放”で起きるはずがありません。
 次の動画は工事の障害物を取り除くために山を爆破した時の映像です。土煙の上がり方は、これまでに紹介してきたメキシコ、ハイチ、エクアドル、クライストチャーチなどの地震の光景と同じです。

これから判断しても、地震は爆発現象です。それを認めないと、地震予知を含めた地震の対応策は立てられるはずがありません。プレート論や活断層理論のみを“真理”であるかのように推し進める文部科学行政は早急に改めて頂きたいと文科省にはお願いします。

下記には、砕石爆破に関する資料映像を紹介しておきます。
採石場では均等に爆破するようにしますが、石材としての砕石では細かくなり過ぎないように、適度な大きさになるよう爆薬を仕掛けています。最後の映像にあるように、適量の爆薬を見積もることは経験を要する難しい仕事のようです。
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=OeHhBIBAtPs#t=35
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=VgpLJYuCuvQ#t=0
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=iKczxHo3g90

なお、地震の爆発は水素爆発ですから、紹介した爆薬による爆破とは違います。何度も述べていますがダイナマイトによる爆破現象なら、全方位の押し現象となるから、地震爆発説は否定されるという主張は短絡的です。
防災科学技術研究所のサイトにある次の記事は間違っています。
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かつては、地下でマグマが爆発して地震となるという考え(マグマ貫入理論のこと)があった。もしこれが正しければ、震源からはあらゆる方向にまず押し波が出て行くことになる。従って、全観測点で初動は押し波となるはずである。逆に、地下の空洞がつぶれて地震になるのならば、全観測点で引きにならなければならない。実際の押し引き分布からは、このような単純な震源像は排除される。
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水素爆発は爆縮現象ですから、引き現象も生じるのです。押し引き分布の形成は地震爆発論では解釈可能です。詳細は過去の記事を参照してください。

注: 地震対策の館より
岩石は非常に硬く、簡単には変形しません。しかし、一定の力以上の圧力が加わると、突然破壊します。
地下の岩盤にも圧力が加わっています。この圧力を長時間受け続けると、しだいにひずみを生じるようになります。
そしてその圧力に耐えられなくなり、限界を迎えると、岩盤は破壊します。この破壊によってエネルギーが一気に放出し、地震が起きます

2080 
Date: 2015-02-19 (Thu)
震源上での地震波形は爆発を示す
昨年の1月15日にカリフォルニア州フォンタナの北3マイルで起きたM4.4地震の状況を、西カリフォルニアのテレビが報道しています。

ロスアンゼルス近郊の地図

IRIS(INCORPORATED RESEACH INSTITUTINONS FOR SEISMOLOGY)のネットに組み込まれた最寄の地震計は、パサデナ(PASC)のものです。震央とは0.62度(約71km)の距離があるので、P波とS波の到達時間の差が9秒あり、次のような波形になっています。

パサデナでの地震波形

一方震央に近いフォンタナでは時間差が無く、次のように爆発の時のような波形になっています。

フォンタナでの地震波形

報道記事の中では、フォンタナとパサデナの中間にあるグレンドラの住民が次のように語っています。
「この地震で、家中のものが目を覚ましました。最初に、大きな爆発音(loud pounding sound)があり、それから家が揺れました。」

震源は震央の下3.6kmという浅い場所ですから、フォンタナではP波の前触れも無く、いきなり音と振動が“ドッカーン”と爆発的衝撃となって襲ったものと思われます。地震波形もそれを物語っています。

この地震波も5.86度(約670km)離れたアリゾナ州ツーソン(TUC)まで達すると、次のようなポピュラーな波形となります。



アリゾナ州ツーソンでの地震波形

岩板がわれても爆発音(loud pounding sound)は発しませんし、衝撃的揺れも起こしません。そもそも、震源が一点に特定できることが断層地震説の矛盾を示しています。
地震は爆発現象です。
活断層理論という地震理論は間違っています。

2081
Date: 2015-02-20 (Fri)
オハイオ州のシェールオイル採掘による地震
 アメリカのオクラホマ州でのシェールオイル発掘で起きる地震の話を[2071]で紹介しましたが、今度は、オハイオ州での地震はフラッキングが原因であると判明したという報道がありました。  オハイオ州はアメリカ東部のエリー湖の南にある州です。そこで写真のようなシェールオイル採掘のサイトが並んでいるのは異様な光景です。人間がここまで自然を破壊してよいとは思えません。やがて地球意識の“自己調整システム”が働いて“浄化作業”が実施されるのではないでしょうか。

 科学技術の先端を行くと自負するアメリカなんでしょうが、“何という愚行”をやっているのかと思わずには居られません。 記事では、 「A new study links the March 2014 earthquakes in Poland Township, Ohio to hydraulic fracturing that activated a previously unknown fault. The induced seismic sequence included a rare felt earthquake of magnitude 3.0, according to research published online by the Bulletin of the Seismological Society of America (BSSA). 」 とあります。  
 フラッキングによって、未知の断層を活性化してしまったと、あくまでも断層理論で解釈しようとしています。
廃液を地中に圧入することが危険なのです。
熱解離によって水素ガスと酸素ガスを発生させるからです。

“地震水素爆発論”を周知しないといけません。

2082 
Date: 2015-02-21 (Sat)
シェールオイル採掘で生じるシンクホールの可能性
オハイオ州の東隣に位置するのがペンシルバニア州ですが、ここではシンクホールが多数発生し、シェールオイルの生産との関連が疑われています。
Earthhanksというブログでは、「ペンシルベニア州で、このたった一ヶ月の間に巨大なシンクホール(陥没穴)が40個も出現している。」と紹介してあります。

ハリスバーグで発生した市内の陥没による穴は水道管からの漏水かもしれません。
   世界で騒がれているような、大きなシンクホールができる原因はギアナ高地の地下水脈浸食説、タイガ地帯での永久凍土融解説、カルスト台地のドリーネ説など、様々な理由があると思われますが、シェールオイル掘削による原因説も可能性がある思います。

 それは、廃液の圧入によって生じる岩塩ドームの溶解・空隙発生説です。岩塩層の分布図を見ると、ペンシルベニア州には地下には岩塩が存在することが分ります。


地下岩塩層の存在分布図

セミナー[1814]、[1815]でも解説しましたが、ブラジル沖の岩塩層は2kmもの厚さがあります。次に示す左の図は岩塩ドームの解説図ですが、岩塩層にはところどころに岩塩ドームという岩塩の柱のようなものが形成されることが知られています。

岩塩ドーム(岩塩栓)の説明------------------岩塩の湿式による採掘工法(溶解採鉱法)の解説図

この岩塩ドームが廃液を圧入することにより、溶解し、空隙ができてしまいます。右の図は岩塩層に淡水と空気を送って岩塩を溶解し、塩水を吸い上げて岩塩を採取する工法(溶解採鉱法)を説明したものです。

 この図から分るよいうに、廃液という化学薬品を含んだ淡水を地下に圧入するわけですから、岩塩は溶解し空隙ができてしまうことは容易に推定できます。

廃液を圧入するサイトが[2081]に示すような密度で配置されていますから、「巨大なシンクホールが多数出現するという現象」になるのだと推定できます。

比較的浅い場所に空隙を作ってしまったことが、シンクホールの原因ではないかと思います。人為的な地震現象や、地下水の汚染という環境破壊だけに止まらず、シンクホールまで形成してしまう原因になることを考えて、シェールガスは中止したほうが良いと思っています。

追記: 北西ドイツ盆地にある岩塩層に関して次の解説があります。


北ドイツの岩塩ドーム(青色)の断面図

「Geological cross section through the Northwestern Basin of Germany (Ostfriesland-Nordheide) showing the record and deposits since Perm (ab 250 Million years). Salt domes of the Zechstein have penetrated the following layers and moved up close to the surface.」

(Zechsteinは(ペルム紀) 後期の意味。)

図に示すように岩塩ドームは地表近くまで入り込んでくるものもあるようです。ドームが浅い場所まで上ってきているのなら廃液の圧入はさらに危険度が高いと言えます。

再追記:

ウイキペディアによると、「塩は周囲の材質の密度より小さいため、塩は表面に出て行こうとする傾向がある。その結果、大きく膨らんだドームや、ダイアピル、シート(板)、柱や他の構造を作る。」とあります。  私見ではここにも流体力学の知見を固体力学の現象に適用する矛盾があると考えます。陸上では密度が小さいからと言って浮上するものはありません。ドームが形成されるのは、密度が小さいからではなく、「大陸が海没したときに溶解して流動化することがあるから」ではないのかと思っています。地殻は何度も上下方向に変動した証拠ではないかと思います。プレートテクトニクス、大陸移動という間違った定説が思考を混乱させているように思います。

[1815]にコメントした岩塩層の褶曲からの考察を採録しておきます。

「さて、岩塩でも褶曲するという事実は、少なくとも一回は、海底の海水の溜り場→浮上→岩塩層形成→海底に沈降→半溶解状態で褶曲→浮上、というプロセスを経て観光客の前に姿を現しているはずです。ましてや、2000mもの岩塩層を形成するのには、多数回の浮沈を繰り返してきたと考えるのが妥当な話でしょう。この3億年の間に一度も浮沈した地殻はない、海洋地殻は海洋のまま、大陸地殻は大陸のまま([1549])、というのは非科学的な話です。」

 岩塩ドームの生成メカニズムは変成岩の生成と同じで、地殻の沈降期における高熱環境下での事象かもしれません。半溶融状態での事象ならば、密度が小さいから浮力で上昇するというメカニズムは流体力学の知見と矛盾しません。

2083
Date: 2015-02-22 (Sun)
ペニョーラ湖シンクホール災害の事故原因

ルイジアナ州で起きた、地下鉱山の内部に、樹木が大地と共に飲み込まれてしまうSlough inいう動画の 映像は、衝撃的なものです。

 これは、1980年11月20日、ルイジアナ州で起きた「ペニョーラ湖シンクホール災害」と言われている大きな人災のその後の影響を警戒中に偶然起きたもののようです。

ライブドアニュースでは次のように報道しています。
http://news.livedoor.com/article/detail/7986129/

Lake penyoraの位置は、次図のように、エイブリー島の北西あります。

この辺りは沼沢地ですが、地下に岩塩層が広範に広がっていて、世界最大級の岩塩生産地です。エイブリー島では1791年から、岩塩採掘が始まっています。岩塩生産の採掘鉱がペニョーラ湖の東岸ジェファーソン島にもあり、地下には何層にもわたって坑道が広がっています。

事故が起きたのは、この岩塩鉱山の坑道を石油採掘のためのドリルが掘り抜いてしまったことにあります。ペニョーラ湖の水が坑道内に落下して、次の動画「Lake Peigneur sinkhole disaster」のような悲劇が起きてしまいました。

図中のモニュメントにあるジェファーソン島というのは、岩塩採掘鉱のあった場所のことです。

ペニョーラ湖シンクホール災害の原因はシェールガス採掘の廃液圧入とは無関係ですが、岩塩は淡水の注入で溶けることを理解しておかなければ、また大きな災害を起こす危険性があります。次図はペニョーラ湖の底を破ってしまった時の掘削事故の写真です。また、岩塩ドームは次図のように柱状に成長し、地表近くに存在する可能性があることもシンクホールを考える際には重要です。

2084 
Date: 2015-02-23 (Mon)
フロリダは石灰岩層が浅い場所にあるのではないか
 [2083]で、ルイジアナ州の岩塩採掘との関連で起こったシンクホール災害を考察しましたが、アメリカでは圧倒的にフロリダ州でシンクホールが数多く発生しています。  次の図は発生の仕組みとフロリダでの発生報告件数のデータを示したものです。

また、次の動画はフロリダでのシンクホールの一例です。
 フロリダではシェールガス採掘も行なっていませんし、シンクホールの多発地帯には岩塩層が存在しないですから、岩塩層が溶解してできるシンクホール形成とは違うメカニズムだと思われます。

 つまり、フロリダでは浅い部分に石灰岩(Limestone)の層があり、そこにできる“鍾乳洞”の“天井”が薄くて破れ易いのではないでしょうか。それで動画にあるように割と簡単にシンクホールが現れるように思います。

 次の図はDevil’s Sinkholeの説明図と写真です。


このDevil’s Sinkholeは大きな鍾乳洞が深い場所にあり、“天井”が厚いので、そんなに多くのホールは形成されないのだと思います。ギアナ高地のテプイ群にある、サリサリニャーマの大陥没ほどではないですが、フロリダのシンクホールよりは大きく、深い陥没となっています。

ギアナ高地にあるサリサリニャーマの表面
  石灰岩の層の上に乗っている地層が厚いか薄いかの違いによって、フロリダのように発生密度が高くなるのではないかと思われます。

 次の動画は最近発生したシンクホールの解説です。
http://www.youtube.com/watch?v=yZkqNHGu4ys

2085 
Date: 2015-02-23 (Mon)
地殻はアップダウンを何度も経験している
 岩塩ドームのように周囲と比重が違う岩体ができるメカニズムをダイアピルと呼んでいます。しかし、固体力学としてダイアピルを説明することは出来ません。[2082]で解説したように、プレートテクトニクスを破棄して地殻テクトニクスに従えば、合理的な解釈が可能です。

 地殻はアップダウンを繰り返しています。岩塩層は大陸状態にあった時期に形成されますが、ダウンして海底状態にもなります。この時期は岩石層が高熱環境の下で半溶融状態になり、変成岩が生成される時期です。
 この時期は流体になるわけですから、比重の高低で生じる浮力(アルキメデスの原理)は有効になります。したがって、比重の軽い岩塩層は浮上したり、岩盤の亀裂の中に板状に進入することもありえます。

 次図のようなものが、ダイアピルと考えられているようですが、これは「この場所が海洋地殻になった時、半熔融状態の粘性流体になった時に浮力によって形成されたもの、あるいは、深発地震の衝撃でマグマが貫入したもの」であると解釈できます。

ダイアピルというのは高熱下の流体内部で起きる現象であって、地殻が浮上して大陸として存在する時期には起こり得ないと考えます。コトバンクから紹介します。

ダイアピル
周囲の岩石と比重の差のある流動性の岩体の塊が浮力で垂直に移動して、その上部の地層などに貫入して形成された構造。この例には岩塩が浮力でダイアピルとして上昇し、その周囲にドーム状の構造を作ることが知られている。同様に花崗岩などの深成岩体がダイアピル状に上昇してダイアピル・プルトンを形成する。
ダイアピル・プルトン
柱状のマグマが重力のために垂直に上昇して形成された深成岩体[Polkanov : 1946]。

次の写真はウィキペディアに載っているザクロス山脈の岩塩ドームですが、ダイアピルプルトンとして解釈されているものです。

 要するに、岩塩が半熔融状態にあるときに、浮き上がってできたもので、再度浮上して冷却し、岩の塊になったわけです。[2083]の動画「Lake Peigneur sinkhole disaster」で40秒辺りから岩塩ドームが形成されるアニメ画像がありますが、固形化した陸上では起きない現象です。

2086 
Date: 2015-02-23 (Mon)
「タホニ」という塩類風化現象

 シュードタキライトが「地震の化石」と呼ばれることには[1805]で疑問があると述べてあります。

 捕獲岩と言われる岩片が岩盤中に混在する現象もそうですが、このような捕獲されたように見える岩石が含まれるのは、陸域に浮上する以前に海洋地殻として存在した証拠であり、岩石が辿った遍歴プロセスを示すものであると私は思っています。
[1805]でも紹介しましたがコトバンク辞典を見ると、
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シュードタキライト
断層に沿って急激なずれ(運動)が生じると、摩擦熱が発生して岩石の一部が溶融し、周辺の岩石中に脈として入り込む。これが冷却・固結したものをシュードタキライトという。 (中略)シュードタキライトは別名「地震の化石」とよばれている。
----------------------------------------------------------------------------------------
とあります。断層の急激なずれで発生する摩擦熱が岩石を溶かすとはとても思えません。したがって“地震の化石説”は御伽話のように思えるのです。


捕獲岩(ゼノリス)とは 大陸の沈没のような地殻変動があったときに、
マグマの内部に取り込まれて固まった地殻のカケラのような石のこと

 私がこれまで地震の化石と名付けていたのはセミナー[65]に示すものですが、地質学者はこれを「タフォニ」と呼んでいることを知りました。

タフォニは地質学によれば“塩類風化”によって生じるとされています。
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タフォニ
岩盤表面に開口した楕円形の穴。岩盤表面から水が蒸発する過程で、水に溶けていた塩類(石膏など)の結晶が成長し,結晶成長圧により岩盤表面が引張破壊を受ける現象(塩類風化)によって形成されると推定されている。砂漠などの乾燥地域や,海水飛沫を受ける海岸域によく見られる微地形であるが,内陸の山地にもしばしば分布している。日本では、砂岩や凝灰岩の急崖に分布が確認されており、オーバーハングした不安定斜面をなすことが多い。オーバーハング部分は岩盤崩壊や落石を起こしやすい。
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たしかに、熊野で見たものはオーバーハング状態のものもあり、いかにも脆そうで「岩盤崩壊や落石を起こしやすい。」ように見えました。でも、本当に塩類風化という現象で形成されるものなのか、今のところは納得できていません。

2087 
Date: 2015-02-25 (Wed)
ルイジアナの広がり続けるsinkholeと地震の怪
[2083]の冒頭に紹介したルイジアナのシンクホール“Slough in”の映像は恐ろしいものがありますが、2012年8月の事件以来2年半経過して、事態は拡大しもっと悲惨で恐ろしいことになっているようです。場所はペイニョール湖の東方に当たります。

2013年2月の写真と比べても、深刻さが分ります。最下段の図面で濃いブルーが2013年11月のsinkholeで紫色の線内部が沈降した部分です。どんどん広がっているようです。

2012年8月3日のシンクホール----------------------------2013年2月22日のシンクホール

論理が飛躍していて陰謀論的に書いてある記事もあるのですが、岩塩ドームの形成に関する定説論を除けば、下記の記事の主張は説得性があります。 Bayou Corne Sinkhole: A Growing Enviornmental Disaster in Louisiana Salt domeの生成に関しては次のような表現があり、記事の内容に疑問を抱きます。

“Salt deposits find weak places in the rock, and start squeezing upward in plumes, called “salt domes.” These extrusions come nearer the surface, making the salt more accessible so it can be mined.”

つまり、岩塩となった固体が、圧力を受けて本当に地表近くに上昇するものなのか確信が持てません(ダイアピル理論のこと)。しかし、岩塩の分布を調査した結果は確かだと思われます。地表近くまで岩塩の柱が上ってきている場所もあるようです。ルイジアナ沿岸はこうしたドームが多く発達し、エイブリー島の様に、第二次大戦を戦うための工業原料として役立った鉱山もあったわけです。

 また、次図に示すように岩塩ドームの付近には原油やガスが存在することも、経験的な事実であるようです。

  紹介した記事のタイトルにあるBayouとは入り江とか水郷と言った場所のことです。ルイジアナには色んな名前のBayouが存在します。 
 この事件はBayou Corneという場所で石油を得るために、岩塩ドームの端部を狙って掘削したのですが、岩塩ドームを破壊してしまったことに原因があると記事では書いています。  
 岩塩自体は岩のように硬いものですから、乾式掘削ならば、安全に採掘ができる([2083]の動画でも、坑内ではのどかに馬を使って作業をしています)ほど、堅固です。ドーム内に廃坑でもない限り“ドームの破壊”という現象は起きないように思います。
 その意味では、紹介記事にも載っていますが、[2083]の最後に紹介した岩塩ドームの図は誤解を招くような形状(空洞の中に岩塩の柱が立っているような)で描かれています。内部に空間が無い限りドームが崩れ落ちるという現象にはならないはずです。
   Bayou Corneのシンクホールが発生した直接の原因が何か明瞭にはなっていませんが、可能性としては、掘削中に使用する圧力調整用の泥水が漏れ出し、ドーム内に空間を作ってしまったこと、または掘削用の穴から海水が浸入して、ドームの岩塩を溶解してしまうこと、などが考えられます。湿式の採掘法があることを考えれば、次図のように作業船や海上の足場のような場所から岩塩鉱にリグを下ろすのは危険なのではないでしょうか。

 私が不思議の思っていることは、シンクホールの拡大と共に地震が多発しているという報道です。淡水だったBayou Corneの池は塩水が混入し、原油やメタンガスなど様々な物質で汚染されてしまったようですが、メタンガスが地下で爆発現象を起こしていることも、想定する必要があるのかもしれません。あるいは、掘削工事によって、何らかの水素ガス発生を許してしまっているのかも知れません。
 慎重に吟味する必要があります。

2088
Date: 2015-02-25 (Wed)
Salt Cavernの破壊によるSalt Domeの崩壊
 なぜ岩塩ドームが崩壊(collapse)するのか、Bayou Corne災害の実態が把握できないでいましたが、やっと意味が分かりました。domeが崩壊するのはやはり内部に空洞があるからです。それが[2082]でも述べた湿式(溶解採掘)で採掘する岩塩空洞(Salt Cavern)の存在です。採掘し終わったら原油や、天然ガスなどの貯蔵庫として使用しているようです。

[2087]に示したsinkhole growthの凡例の中で最後の段にあるのが、Cavernです。事故を起こしたのはこのサイトでいちばん西に穿った岩塩空洞でしょう。1000フィートの等高線の位置から見て、岩塩ドームの端っこに穿った空洞であるようです。壁が薄かったことは当然考えられます。ドリルの歯が壁を破ったのでしょう。それで、貯蔵庫(cavern)の壁が破壊され、上部の岩塩も溶解して、シンクホールになってしまったと推定できます。イラストにまとめておきました。

岩塩空洞(Salt Cavern)がいくつも穿ってある採掘現場。連結してないが、人工の鍾乳洞を穿っているのと同じである。右は想定図。

これまでCavernが何を意味するのか良く理解していなかったのですが、溶解採掘でできた貯蔵庫のようです。図を見るとこのサイト内にも岩塩空洞がいくつもあることが分かります。要するにこの事故は石油を掘削するときにドリルの位置の計測を誤って貯蔵庫の一つに穴を開けてしまったということ、そして内部の貯蔵物である原油やメタンが流出したということではないのでしょうか。ペイニョール湖の事故もドリルスタッフに間違った情報が与えられたようです。  
 だとしたら、ペイニョール湖と同じような初歩的な事故を再度起こしたという事です。湿地帯のBayouで、こんな近くに貯蔵庫としてのcavernがたくさんあるのでは、一つのcavernが崩壊したら、連鎖的に崩壊が進む恐れはないのでしょうか。岩塩は真水や海水に晒されれば溶解することを知らないのでしょうか、まさかそんなことは無いと思いますが、大変心配になります。
 これで、フロリダのシンクホールは自然現象ですが、ルイジアナのシンクホールは人災的なものであることが理解できました。  
 それにしても、地震の規模が大きくなっているという現象が気になっています。

2012年9月12日の地震波形----------------------------2013年5月3日の地震波形

半年後に地震の規模が大きくなっているのは何が原因なのでしょうか。不気味です。

2089
Date: 2015-02-25 (Wed)
地震による破壊の可能性
 [2088]では、Bayou-Corneのシンクホールの原因は“石油掘削のドリルが岩塩ドームの壁を破ったからである”と結論付けました。 

写真は原油などで汚染された現場を写したもので、近くにある水郷の住民も住めなくなった悲惨な写真です。近くを通る高速道路も通行禁止で迂回路が設定されました。この石油掘削に関係した事故が何故起きたのか、真剣に探求しなければならないと思います。

 現在は、Bayou Corne’s collapse among sinkholes examined by NOVAでも、“mining got too close to the edge of the Napoleonville Dome”というように、掘削がドームに近すぎたのだと以下のように結論付けています。

Graphics also demonstrate what happened when Texas Brine Co.’s mining got too close to the edge of the Napoleonville Dome in Assumption. When the salt dome cavern’s sidewall broke, rock and sediment rushed to fill in the vast underground cavity and led to the sinkhole in Bayou Corne.

 しかし、地震が原因でシンクホールができたと述べるサイトもあります。'Explosive' earthquakes may be the cause of mysterious Bayou Corne sinkholeでは、2ヶ月前に泡立が見られ、揺れを感じたと言っています。

Two months prior, some residents reported "unusual" occurrences -- i.e., bubbles arising from the water and small tremors. While the U.S. Geological Survey documented an increase in seismic activity in the days preceding the mine collapse, the cause could not be determined.
Now, researchers are suggesting that surges of gas-charged fluids may have generated an 'explosive' quake that could have played a role in the sinkhole's formation.
It's believed that gushes of either natural gas or water charged with natural gas may have spurred high-pressure explosive events, leading to earthquakes.

また、Assumption Parish sinkhole shows seismic activity that often triggers a 'burp'でも、地震活動に言及しています。

?>First seismic activity is reported.

?>Next the sinkhole burps methane gas bubbles

?>Then debris and an oily substance float to the surface

?>Lastly, a “slough-in” occurs, where trees and land on the edge of the sinkhole slide into it.

 [2088]で紹介したように、シンクホールが現れた後にはさらに地震活動が大きくなっています。岩塩ドームを維持するために高い圧力を掛けているのなら、シェールオイル掘削での廃液圧入と同じことをやっていることになります。それによって地震を発生させ、逆に岩塩ドームの壁を破壊したという見解も成り立ちそうです。

 地震が原因で石油貯蔵の岩塩ドームが崩れる可能性があるのなら大変なことです。Bayou Corne災害の本当の原因は何なのか、真剣に吟味しなければいけないと思います。

 メキシコ湾内には28000もの掘削リグがあるそうです。

[1614]で紹介したオイル流出事故、海底11キロにわたるガス漏れ、などの原因を解決しないと、破局的な事故を引き起こす可能性があります。

2090
Date: 2015-02-26 (Thu)
拙著新刊「「地震学」と「火山学」ここが間違っている」の案内チラシ
「地震学」と「火山学」ここが間違っているの案内チラシができました。図をクリックするとpdfの画面になります。

[地震学と火山学ここが間違っている」販促チラシ

読者感想文から「この書を読めば、世界が壮大な過ちを犯していることが分かる。」という文句を使わせていただきました。

「講演ビデオ」と「質疑応答のビデオ」付きの特典もありますので、ご利用ください。著者購入分(定価購入)を頒価2000円にてお分けするものです。ビデオも付いての頒布価格です。ご協力をお願いします。

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