新・地震学セミナーからの学び
5 奇妙奇天烈なプレートの動き
この図面は太平洋プレート、フィリピン海プレートを中心にしたプレートの移動方向を示したものです。中央海嶺から海洋底が生まれて東西方向へ移動していると言う説明になっています。下の図面はほぼ同じ海域の海底地質の年零を調査したものです。転載させていただいた、ニュートン誌(1991Vol.11.No.6)には海底地殻の年齢となっていますが、地殻の本体部分は10kmもの深部にあってとても採石などできません。これは海底の表皮ともいえる部分の年齢です。(ライブラリー43
この海底地質の年齢を見ると、一応太平洋プレートは東側が若く西へ行くほど歳をとっていますので、プレートが西進しているのかと、納得してしまいそうです。しかし、プレート端部での潜り込みの方向を見るとバラバラであるのが分かります。
右図のほうがわかりやすいですが、太平洋プレートはカリフォルニアでは東北へ、アリューシャンでは北方へ、日本では北西へ、ボルネオあたりでは南西方向、ニュージーランドでは、また北西方向です。一体剛体であるはずのプレート(といっても、お椀のようなシェル構造ですが)にそんな器用な動きが取れるのでしょうか。これではゴム板のようです。
カリフォルニアでは、若いものから先にもぐりこんでいるという矛盾したことになっています。さらにおかしいことは、フィリピン海プレートです。この図にはありませんが、最初の図面を見ると、東端は東進し、西端は西進しています。間に海嶺も無いのにどうやって、潜りこんだ部分が補充されるのでしょうか。どこかのサイトでこのプレートはやがて消滅するのだ、ということを言っていた人がありましたが、剛体であるプレートが半分に切れて、東西に消え去ると言うことでしょうか、その後海底はどうなるのでしょうか。プレートとは、とっても奇妙奇天烈な動きをするものです、本当にプレートが存在するとしたらですが・・・・。
奇妙な話をもう一つします。右の図は、ニュートン誌の1989Vol.9No.5に載っていたもので、「ドイツが日本に近づいてくる」というタイトルの記事です。和歌山の下里水路観測所で人工衛星を使って、各地の間の距離を測っているのだそうです。
その結果、同じユーラシアプレート上にあるはずのドイツと日本が年間38mmも近づいているというのです。ハワイが78mm近づくのは理解ができるのだが、同じプレート上の2地点が近づくのは、プレート(剛体のはず)論としては納得が出来ないわけです。その理由として、

@ユーラシアプレートは一枚岩でなく、その中に別のプレート境界がある。

Aプレートは完全な剛体ではなく、多少の伸び縮みをする。

B日本周辺はプレートの入り組んだ地域である。このため他のプレートに押されて、局所的に複雑な動きが存在する。

この内のどれかだろうが、観測データの蓄積が必要である、としています。どうして、プレート説を見直さないのでしょうか。不思議です。星野先生のおっしゃる通りの辻褄の合わない説明が始まっています。(セミナー 111 -114)

海底地質の年齢といい、人工衛星を使った測地といい、これらは、地表の年齢であり、動きです。地殻はもっと深部にあって、こうした観測では把握することが不可能です。皮膚の動きから、骨の診断ができるでしょうか。地殻は卵の殻のように薄いものですが、しっかりと踏ん張って、潮汐現象の原因になる起潮力に耐え抜いてくれているのです。そうでなくて、切れ切れのプレートの連結ならば、起潮力の作用で一日2回グニャグニャと動いてしまいます。(セミナー 211 223 271)

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