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411
2003/03/28(Fri) 22:49
パトロス
Re:[409] 地震と月齢の関係
ノリマンさん 返事が遅れました。誤解の無いようにお答えするのが難しいからです。

まず、石田理論では、地震は解離ガスの爆発現象であるとしていますが、その解離ガスは圧力減少と温度上昇の二つの要素(触媒の存在は別にして・・)によって解離度が増大しガス量が多くなります。

1、(圧力減少のケース)さて、月齢は潮汐の原因となる起潮力に関係してきます。この起潮力は地球内部の熔融マグマにも作用しますので、結果として地球内部から丸い地殻をラグビーボールのような形に変形させるような働きをします。このために、地殻内部にはいつかは疲労破壊が起こり、空隙ができるものと考えられます。この空隙は圧力減少につながりますので、解離ガスが発生しやすくなります。その意味で、月齢(起潮力に関係)は地震と無関係ではありませんが、疲労破壊はある種の蓄積効果ですので、発震時刻と直接の相関があるわけではないでしょう。

疲労が蓄積していなければ、頑張って踏ん張ることができますが、疲労が溜まっていれば、満月や新月の起潮力が引き金になって、大クラックの発生、解離ガス蓄積、発火爆発、すなわち発震となるでしょう。表現が難しいですが、無関係ではないが、発震時刻との直接的相関は現われないかもしれない、というところでしょうか。間に疲労度というクッションが入った相関でしょう。

2、(温度上昇のケース)また、通常発生している多くの地震はマグマ溜まりが関係していると思います。マグマだまりの中では起潮力の変化でマグマが上昇したり下降したり移動があるはずです。マグマの上昇(温度上昇)によって、解離ガスが発生し、蓄積された解離ガスが発火爆発するのだと思います。この場合は、解離ガスが多くなるのは、起潮力が最大となるときでしょう。しかしこれも、発火温度にならないと地震にはならないわけで、発震時刻と月齢との直接的相関が現われるとは限らないでしょう。いわゆる大地震というのは1、のケースだと思います。

通常起こっている地震は2、のケースが多いのではないでしょうか。どちらのケースでも、起潮力は地震の誘発原因ではありますが、発震時刻との直接的相関は薄くなるのだと思います。ただ、月齢との関係は弾性反撥説では全く説明できないので、無視されてしまっていますね。

412
2003/03/28(Fri) 22:59
パトロス
Re:[410] 開設のお知らせ
>地震の前兆現象に対する知識向上、見直しを目的とし、幅広い層からの情報を収集して行く方針です。

ご投稿ありがとうございます。[408]に紹介したトーマス・ゴールド博士が「・・・目撃報告はいつも定性的なものであり、客観性にかけ、残念ながら科学研究の名に値しなくなったと考えられている。だが、目撃者から学ぶべきことはまだたくさんある」

と述べているように、大地震の体験者から聞くことは大切なことです。私は大地震を体験したことが無いものですから、一緒に学ばせていただきます。

413
2003/03/30(Sun) 12:20
ノリマン
月が大きく見える理由
PISCOの掲示板で月が大きく見えるのは目の錯覚だという意見がのっていました。私も小学生のころには、低い位置では周囲と比較するものがあるから、錯覚して大きく感じるのだという説明を受けていました。しかし、そうでないことを始めてこのセミナーで学びました。月が大きく見えるのは地震前兆である可能性を、ライブラリーには

14.大地震の前に月や星が低く大きく見える理由として載っていますが、今一度詳しい図解でもあると有難いと思います。

414
2003/03/30(Sun) 20:19
パトロス
月が大きく赤く見える理由
ノリマンさん わかりました。表題のようなタイトルで、ニューオフィスに解説図面を載せました。月が大きく見えるのは決して目の錯覚ではありません。

http://www.ailab7.com/kussetu.html

415
2003/04/01(Tue) 20:54
パトロス
地震と温泉ガスの関係
東京大学 地殻化学実験施設のHPセミナーに地震と温泉ガスの関係が載っていることを、ルフランさんが教えてくれました。石田理論では解離ガス(酸素と水素の混合ガス)が発生していると考えていて、簡単に説明がつくのですが、地震関係者は難しい解釈をしているようです。でも地震前から水素ガスが増加するという事実は、水素ガスセンサーによる地震予知に期待が持てる情報です。そのセミナーから抜粋して紹介します。

新たに観測点を設置した長島温泉では、多くのガス成分の濃度は非常に安定している。しかし、H2濃度については、養老断層西側の一帯で発生する微小〜中規模の地震に対して、地震前から増加をすることが判明した。低温では破砕された珪酸塩鉱物と水との反応によって水素は発生し得るが、比較的震源に近いとはいえ、地下水の移動速度を考えれば震源域からの水素の供給とは考えられない。また、温度条件から水素が発生するには震源域は深すぎることも明らかである。地震発生に先立つ地下での応力増加に対応した、地殻浅部、観測点のごく近傍でのケイ酸塩鉱物の応力腐食による水素の発生をとらえているもの考えられる。(中略)

 以上の研究結果は、温泉ガス・温泉水などの地下流体が地震発生に対して非常に敏感に応答していることを実証しており、これらの連続自動観測は、地震予知研究に有効であることを示している。

http://www.eqchem.s.u-tokyo.ac.jp/seminar/1999/990414b.html

以上ですが、断層の残留ガス調査で水素ガスが検出されることは、こちらのセミナー[246]でも、すでに話題になったことがあります。

416
2003/04/01(Tue) 23:19
パトロス
地震の前に断層から高濃度水素ガスがでる
ルフランさんの情報に岐阜県の吉城高校地学部が行った地震予知の研究がありました。地震現象を忠実に観測しようとする素直な姿勢がすばらしい研究報告を作ってくれました。地震の前に水素ガスが多くなるという報告です。まとめの部分だけを紹介します。

飛騨における地震予知の研究 平成13年度地学部

http://chigakub.hp.infoseek.co.jp/jisinyoti.html
5、まとめ 跡津川断層上の、河合村天生と宮川村野首でCO2、H2 断層ガスの連続観測を行った。その結果、両観測点とも、ガスの濃度変化はほぼ似たような結果となった。CO2 に関しては、春から夏にかけ上昇し、8月に最高になることが分かった。最高値は天生での4000ppmだった。H2 は不規則な変化を示すが、最高で大気中の約4万倍の2%という値を示した。断層ガスの変化を、気温、水温、気圧、降水量などの気象要素と比較したところ、断層ガスはこれら気象要素の影響を受けないことが分かった。そこで地震活動の影響を調べたところ、天生観測点近くで発生した群発地震の際に、地震が始まる約2週間前にCO2濃度が激減し、群発地震の約1週間前にH2濃度の最高値を記録していることが判明した。

以上です。セミナー[246]で紹介したように、炭酸ガスは炭酸カルシュウムの熱解離現象から発生し、水素は水の熱解離現象から発生するというのが石田理論です。

注: 2%というのは20000ppmという高濃度です。

417
2003/04/04(Fri) 21:50
ノリマン
Re[414]月が大きく赤く見える理由
月が大きく低く見える解説図ありがとうございました。亀井義次氏の「地震予知いろはがるた」に載っているものですが、蒸し暑い空気が地上を覆うことで説明できそうなものがありました。

・そら低く星が大きく見える夜
・月がまっかで火の玉だ
・見上げる太陽まっかだおおきい
・蒸し蒸し暑い頭は重い
・天気もうろう大地震

また、解離ガスの爆発を思わせるカルタもいくつかあります。

・砲台も無いのに大砲の音
・地鳴りが聞こえて大きい地震
・井戸が成るのは直下の地震
・山から聞こえる山鳴り地鳴り

地震予知いろはカルタは殆んど石田理論で説明できるように思います。弾性反撥説ではどれも説明できないように思いました。

418
2003/04/08(Tue) 13:19
パトロス
地震直前予知を方針転換
新聞の切り抜きを見ていましたら、5年前の測地審議会の決定が、タイトルのような記事(測地審議会、地殻変動予測に重点、という小見出しつき)でありました。改めて、地震予知のあり方の間違いを痛感します。1998年7月16日付け産経新聞から転載します。

文相の諮問機関である測地学審議会(会長・古在由秀国立天文台名誉教授)は十五日、昭和四十年度から平成十年度まで七次にわたる「地震予知計画」に終止符を打ち、地殻変動予測システムの構築などで現実的な対応を目指すとした地震火山部会の「地震予知のための新たな観測研究計画」(平成十一〜十五年度)の原案(中間報告)を了承した。地震の直前予知を前提に進められてきたわが国の地震研究は、大きく転換することになる。同審議会は八月に最終案をまとめ、首相や関係閣僚に建議する。

測地学審議会地震火山部会が昨年六月、地震が起こる数日前に発生を予測する地震予知の「実用化は将来の課題」とする報告書をまとめたのを受け、地震の直前予知に研究が集中していた従来の地震予知計画を見直した。

計画の名称も「予知」から「研究」に比重をおいたものに変更。さらに、これまでの地震予知計画がその都度、計画の達成度を評価して、修正してこねかったことから「到達度の評価が可能な具体的目標を設定し、それに向かって段階的に計画を推進する」としている。

新計画は、プレート(岩板)の動きで日本列島の特定の地域の地殻に応力が蓄積し、最終的に地震が発生すると考えられることから「地殻変動」「応力集中」「地震発生」の各ステップごとに実際に起きている現象を詳しく調べることが大きな柱。方策として衛星を使ったGPS(全方位地球測位システム)を活用するなど、地殻変動を具体約にとらえる「広域地殻活動モニタリングシステム」を構築。さらに、地殻活動がどのように推移するかシミュレーションモデルを作り、観測データと比較することで精度を高める。

又東海地方の観測網について地震予知計画は、東海地震の予知を念頭において、地殻変動が前兆か否かを判断する「地震防災対策強化地域判定会」のための情報収集と位置づけていた。

しかし、中間報告では、東海地域を予測モデルの精度向上などのための「実験場」として位置づけるだけにとどめ、警報を発する予知のための活動とは区別する考えを示した。

とあります。この決定以来、マスコミを通してGPSの観測データに一喜一憂する空気が流れているわけですが、地殻変動のデータから地震の予知を行おうとすることは、不可能であることを坂柳教授は口をすっぱくして述べておられるわけです。このセミナーでも、ニューオフィスでも取り上げてきたことであります。国の地震予知対策は間違っていると思います。測地学的手法に頼るあり方では、何時まで経っても地震の予知は不可能でしょう。

419
2003/04/09(Wed) 10:01
倒壊尼
電磁波データ<>行徳高校のデータに強い異変
本日、半月トリガーピークにつき、関東地方が危険な状態。耳鳴りも凄い。

http://www.asahi-net.or.jp/~xr2t-fksm/sizen/zisin/zisin_main.html

420
2003/04/11(Fri) 00:31
パトロス
Re:[419] 電磁波データ
書き込みありがとうございます。行徳高校のデータが大地震の前兆かどうかは私にはよく分かりません。少なくとも関東圏でのコンパス観測で、大地震の発生を示唆する兆候は出ておりません。また半月トリガーの解釈に関する件は[411]に示したとおりです。したがって、関東地方が危険であるという兆候がでているとは、今のところ思っていません。耳鳴りの件も、誰でも持っている検知能力とは思われませんので、石田研究所としては関心の外にあります。石田研究所のANS観測網としては、誰でも検知できる器具で大地震だけを検知することを目的としております。測地学的な地震予知手法に頼り過ぎている公的機関のあり方には強力に異を唱えていかなければいけないと思っています。
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