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2771
Date: 2018-05-17 (Thu)
キラウエア火山噴火は激化するのだろうか
キラウエア火山の噴火警戒レベルが最高レベルになり、航空機への支障も心配され始めました。

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ハワイの火山、警戒レベル引き上げ 航空機に支障の恐れ
5/17(木) 9:39配信
CNN.co.jp
ハワイ・パホア(CNN) 米ハワイ州ハワイ島で続くキラウエア火山の噴火で、噴煙が3600メートルを超す高さにまで噴き上がり、当局が住民や航空機に警戒を呼びかけた。


キラウエア火山の警戒レベル引き上げで噴煙を見る人々。航空機に支障の恐れも

キラウエア火山は今月3日に噴火した。米地質調査所(USGS)は15日、警戒レベルを「レッド」に引き上げて差し迫った大規模噴火の恐れがあると警告、航空機にとって非常に危険な状況にあると指摘した。15日に火山灰の放出が強まった理由は分からないとしている

今回の噴火では、これまでに21カ所で亀裂が生じ、溶岩や有毒ガスの二酸化硫黄が噴出している。ハワイ郡当局は、一部地域では有毒ガスが危険なレベルに達していると述べ、窒息や呼吸困難などの症状を引き起こす恐れもあると指摘。もしも異変を感じたらすぐにその場を離れ、医療機関を受診するよう住民に呼びかけた。

21カ所の亀裂のうち、17番目の亀裂は最も大きく、溶岩が30メートルを超す高さにまで噴き出している。

住宅地を襲った溶岩は民家や車両を次々にのみ込み、これまでに少なくとも37棟の建物が破壊された。

溶岩や有毒ガスに加え、大規模噴火にも警戒する必要がある。火口内の溶岩湖は今月2日以来、沈下を続けており、水蒸気爆発が起きる可能性が高まっている。

ハワイ火山観測所の専門家によると、水蒸気爆発は予測が極めて難しく、何の兆候もなく起きる恐れもある。

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報道記事では、火山灰の放出が強まった理由は分からないとしていますが、マグマの表面よりも深い所で(解離ガスの)爆発が起きていることが考えられます。水蒸気の気化爆発(水蒸気爆発)ならば、白い噴煙が上がるはず。

また、本日発表の地震分布図(24時間内地震)を見ると小さい地震ですが、火口付近に集中している事がわかります。

フンボルトやダーウインの時代には、火山噴火は巨大地震の安全弁としての働きをしていると見ていました。
火山のある場所では安全弁があるので巨大な地震は起きないと見ていました。振動被害は起きなくても、溶岩噴出や火山灰による被害は広範囲に起きますので、火山噴火や地震の制御技術を完成させたいものです。

遠い将来には解離ガスを抜き取ったり、解離反応を制御する技術を開発し、自然災害の防災技術が進むことを願っています。

そのためにも、地震と火山の発生メカニズムを正しく把握することが必要になります。

地震断層説や火山と地震は別の現象と考えているような今の研究の方向では何年経っても、必要なデータの蓄積さえ出来ません。まったく見当違いの研究方針ですから、「なまずの動きを観測」しているのと同じレベルです。

2772 
Date: 2018-05-17 (Thu)
キラウエア火山の噴火から巨大津波が起きる可能性はあるか
キラウエア火山の噴火が止まないために、太平洋プレートとの間に想像される水平なデタッチメント断層が滑って、巨大な津波が太平洋で発生するのではないか、という“うわさ話”にまで発展しているようです。USGSのサイトでうわさを否定する見解を説明しています。


キラウエア火山噴火と巨大津波発生の心配
Cross-section through the lower East Rift Zone of Kīlauea Volcano.
Magma intruded into the rift zone and exerted pressure on the south flank of Kīlauea, likely encouraging the M6.9 earthquake
that occurred on a fault located at the interface between the volcano and the preexisting ocean floor.

プレートテクトニクス理論そのものが妄想理論でありますが、デタッチメント断層なる概念も妄想です。そもそもM6.9地震の震源(19.313°N    154.998°W)は火口から離れた位置で、2.1kmという浅い場所にあります。
図にあるようなデタッチメント断層という水平断層が動いたなどというのは、妄想に過ぎません。

ところで、キラウエア火山の噴火は今後、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火のような経過を辿るのではないでしょうか。フンボルトが述べたように、火山噴火は一つの安全弁ですので、巨大津波を起こすような大爆発(巨大地震)には至らないと思います。

ただし、今後クラカタウ島で起きたような「島に向かって海水が流れ、熔岩プールの中に大量の水が流れ込む」という現象が起これば別です。(「大地震から身を守る法」参照) その場合には島が吹き飛んでしまうような巨大爆発が起きるでしょう。


旧クラカタウ島の3分の2が1883年の大噴火で消失した

つまり、安全弁ごと吹き飛んでしまうこともあるということです。

Wikiからエイヤフィヤトラヨークトル火山の解説を紹介します。

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2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火


アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山で2010年4月17日にみられた噴煙柱。

この噴火は、火山噴火としては比較的小規模であったが、2010年4月の6日間を最初の期間とし、以後、西ヨーロッパと北ヨーロッパの全域で航空運行に重大な混乱を引き起こした。その後、一局に集中された混乱が2010年5月まで継続した。噴火は2010年10月に終わったと公式に宣言された。

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エイヤフィヤトラヨークトルの噴火活動は半年ほどで終息しています。キラウエアの噴火活動も同じような過程をたどるのではないでしょうか。

噂話を拡大して不安を煽ることは止めたいものです。
ただし、地球の主治医の診立てを忖度して心を正していく必要はあります。診立てが外科手術を必要とするような末期的なものならば、なおさら一人ひとりが「正しさ」を追求していかなければなりません。

2773 
Date: 2018-05-19 (Sat)
科学的には何も分かっていない地震と噴火のメカニズム
キラウエア火山の熔岩レベルが低下している件を、[2762]ではM6.9地震の引き領域に当たるから、と推定しました。
しかし、Hawaii Manoa大学の「Preliminary Analysis of Current Explosion Hazard at the Summit of Kilauea Volcano」の記事にはその前からレベル低下が起きていたことが分かります。


熔岩レベルが地下水位(600m)に近づくことをが心配されていた5月11日
(外挿による推定日に過ぎないが)に大爆発は起きなかった。

地震は4日に発生したM6.9地震の前からも起きていますので、小さな空間(マグマ溜まり)での爆縮(小規模地震)が徐々に効いていたのかもしれません。M6.9以降には急激にレベル低下が起きています。

しかし、「マグマが降下して地下水レベルに達すると水蒸気爆発による大噴火が起きる」と心配されていたのは的外れだったのではないでしょうか。

 両方のレベルが交差するのは(外挿法での)推定では5月11日になりますが、噴煙が上がったのは17日のことです(注:参考)。7日直前の2観測値を考慮すると、5月10日になります。 しかも、心配されていた水蒸気爆発なら黒煙でなく白煙の筈ですから、マグマ内部で爆発が起きて、黒煙が上がったことが推定されます。

つまり、火山活動や、地震の原因に関して、科学的には何も解明されていないということです。フンボルトや小川、石本両博士などが言っていた地震も火山も同じ爆発現象という「地震爆発論」を爆笑する(R・ゲラー元東大教授[1989]参照)ような根拠は何もないはずなのです。石本先生は東大の大先輩です。先生のマグマ貫入爆発論を学んでいないのではないでしょうか、学びもしないで爆笑するのは日本人としては下の人で、学徳有りとは言えません。

USGS情報によれば群発的地震は今日も継続していますが、17日の現地報道では断層または亀裂が無数に発生していますので、地下のマグマも複雑に移動して、亀裂噴火の場所も東西に複雑に移動を繰り返しているのでしょう。


断層または亀裂の発生

地震爆発の場所に応じて亀裂噴火の場所も東西に複雑に移動している。
地震と噴火は同じ現象であることを認識すべきでしょう。

注:

キラウエア火山が爆発的噴火、噴煙は最大規模
読売新聞
5/18(金) 2:35配信  

【ホノルル=田原徳容】米ハワイ島のキラウエア火山の山頂付近で17日午前4時17分(日本時間17日午後11時17分)頃、爆発的な噴火が起きた。

 噴煙は最高9・1キロ・メートル上空まで達した。人的被害の情報はないが、爆発で生じた火山灰による被害が周辺に広がる恐れがあり、地元当局は住民らに注意を呼びかけている。

 発表によると、噴煙の高さは一連の噴火で最大規模。今後も同様の噴火が続く可能性があるという。火山灰は同火山の北約50キロ・メートルに位置する同島の主要都市ヒロまで達する恐れがある。ただ、噴火時間は数分間と短く、当局は火山灰の降下量について、想定したほど深刻な状況にはならないとの見方を示している。

2774
Date: 2018-05-20 (Sun)
M5.0の火山爆発が教える地震と火山噴火の真相
キラウエア火山の爆発は、終息を見せず、まだまだ激しくなっています。 亀裂からの熔岩流出は海岸まで達するような勢いで、熔岩流に囲まれた住民をヘリコプターで救出する騒ぎになっています。(注:参考)


USGSのMAP より

ところで、震源深さが0m、つまり熔岩湖内での爆発と推定されるM5.0地震のCMT解(USGS)が大変興味深いものになっています。

4日に発生した震源深さ2.1kmのM6.9地震は[2757]で紹介したように“押し円錐”の軸が傾斜した通常(地震爆発論)の地震メカニズムで説明可能です。

いっぽうで、17日(2回)と19日に発生したM5.0地震(USGSの発表ではVolcanic Explosionとなっている)では引き円錐([1653]「引き円錐」になる特殊なケースで解説)のようなCMT解(目玉焼き型と表現している人もいる)になっています。


TをTension、PをPressureと考えるところからやり直すべきです。
石本理論に戻し、Tの部分を押し(Compression)、Pの部分を引き(Dilatation)とすべきです。

3ケースとも震源の深さは0mですから、熔岩湖内部での地震(爆発)のはずです。 したがって、[1653]で解説したようなマグマ溜りが円盤状に配置されるているような状況は考えられません。

押し円錐理論が否定された一因は引き円錐を説明できなかったからです。
しかし、円盤状のマグマ溜り内での解離爆発を想定すれば、引き円錐も説明可能です。

じつは、このCMT解は地震と火山噴火とを考えなおす貴重な記録だと考えます。

つまり、熔岩湖という天井が存在しないマグマ溜まりのなかでは気化爆発が主要な現象となるので、物理現象としては“引き円錐”と同じような「押し・引き」メカニズムになると推定できます。


熔岩湖内での気化爆発を示す“引き円錐”の概念図

M6.9地震というのは巨大なエネルギーを放出しますが、M5.0で起きるあの巨大噴火でさえ、驚くべき威力を持っています。その火山噴火よりもはるかに大きなエネルギーが、断層が動くという物理現象から発生するとは思えません。断層地震説を見直すべき機会です。

今回3回のM5.0に相当するVolcanic ExplosionのCMT解が得られたことを契機として、地震学者と火山学者には、「地震現象と火山噴火現象は同じもの」というフンボルトの認識に戻っていただきたいと願っています。

なお、S氏からの私信によれば、M6.9地震が火山性地震としては大きすぎる件、プレートの潜り込みなどとは無関係のキラウエア火山近辺でも断層地震が起きるものか、などの疑問点を学者諸氏に質問されているそうです。私の感想では返信を期待できそうになく、黙秘権(?)が行使されるのではないかと思っています。

参考:

キラウエアの熔岩で住宅群が孤立、ヘリコプターで4人救助 ハワイ島

(AFPBB News) 08:39

【AFP=時事】米ハワイ州ハワイ島で19日、キラウエア火山の噴火による熔岩流出で住宅群が孤立し、閉じ込められた住民4人がヘリコプターで救助された。米地質調査所は同日、同火山のクレーター爆発により火山灰が上空に立ち上ったと発表した。

2775
Date: 2018-05-21 (Mon)
アイスランドでも起きていた引き円錐型火山爆発
[2774]で紹介した“fried egg”(目玉焼き)型focal mechanisms というのは、定説である断層地震説では、どのような物理現象が起きているのか意味不明になってしまいます。キラウエアの地震でもAnomalous (異常)Earthquakes という表現になってしまいます。

断層地震説での断層周りの物理力に関しては間違いがあることを何度も解説してきました(たとえば[2584]など参照)。ここで再度気象庁のサイトに載っている断層の力学の矛盾を指摘します。


これが、気象庁のサイトにある地震発生のメカニズムです。

直交する二つの断層面を前提にする定説では
”目玉焼き方”つまり、一つ目小僧のような圧縮の場(P)・・・
というのは物理的な解釈が不能です
圧力(P)とか張力(T)という発想が間違っています。
圧力(押す力P)と表示してあるのはImplosionによる吸引力のことで、
張力(引く力T)と表示してあるのはExplosionによる爆発力のことです。
地震学者も、文科省も、気象庁も、「押しと引き」を正しく理解していません。
本当の「押し引き」とは、
つまり、地表での押し(上向き加速度)はExplosionによるもので、
引き(下向き加速度)はImplosionに起因しています。

断層地震説の力学は石本巳四雄先生の「押し円錐」または、「引き円錐」の力学を無視した、意味のない圧縮力P、引張り力Tを用いて説明しています。詳細は[2584]、[2586]などを見てください。

さて、一つ目小僧の目の部分だけが圧縮で、目の周囲全部が“ピザ生地”を伸ばすように引っ張られる”ということになりますから、理解ができなくなってしまいます。つまり、CMT解析とは地震現象を二組の偶力で解釈しようとするダブルカップル理論に基づいていますが、その理論が破綻していることを意味しています。

石本巳四雄先生が提案した「押し円錐理論」と、[2774]に示した押し引きが逆になる「引き円錐理論」で考えれば、物理現象との関連も付くのでCMT解も役には立つのです。


石本巳四雄博士が提案した「押し円錐理論」

ところで、[2774]で紹介した人(Jascha Polet 氏地震学の教授)は ツイッターで同じような形式の爆発がアイスランドのバルダルブンガ山の噴火でも発生し、カルデラの崩落が起きたことを報じています。


アイスランドのバルダルブンガ山で起きた引き円錐型地震爆発ではカルデラの崩落が発生した

図を見るとキラウエアのM5.0地震と同じような一つ目型の地震がカルデラの熔岩プールの周囲に11個も発生しています。一つ一つは小規模な地震であっても、全体としてはカルデラプールの中心で「引き円錐型」の大きな地震が起きたのと同じことになります。

通常の地震はもっと深い場所で発生しますから、重い天井を吹きとばしたり、落下させることはできません。よって、押し円錐や引き円錐の中心軸に沿った地盤の変動は大きくはなりませんが、大気に接している熔岩プールや、プールが浅い場所にあって、太い火道が通じているようならば話は別で、カルデラが崩壊することにも繋がります。

フンボルトは現在使われている深発地震(震源が200kmより深い地震)という概念とは別に、火山噴火にならない程度の深さの爆発地震を当時は深発地震と呼んで、噴火と地震を同じ現象として把握していました。

フンボルトが考えていた深い地震というのがどの程度の深さなのか、厳密には分かりませんが、地震現象は水が解離した水素と酸素の爆発で、火山噴火には水の気化(水蒸気)爆発も大きく作用します。気化爆発の場合は今回紹介しているように「引き円錐」型の爆発現象になることを認識する必要があります。

2776 
Date: 2018-05-21 (Mon)
もう一つの引き円錐型火山爆発・ニイラゴンゴ山
もう一つの事象としてアフリカのニイラゴンゴ火山の例を紹介します。IRISが分析し、報告していますが、「マグマチャンバーの崩壊によって(異常な)地震が発生したと解釈」していますが、因果関係は逆です。キラウエアやアイスランドのカルデラ崩落と同じで、引き円錐型の爆発地震によって、チャンバーの崩落が起きたのです。崩落が地震を起したのではありません。


コンゴ共和国(旧ザイール)の東端にそびえる標高3470メートルの活火山ニイラゴンゴの熔岩湖

世界中の地震学者が「断層が動くことが地震」だという定説論に縛られていますから、原因(爆発)と結果(断層・崩落)の逆転発想が起きてしまっています。
フンボルトや、小川、石本博士らの時代には何が原因で爆発が起きるのかが理解できていなかったので、プレート論や断層地震説に敗れてしまいましたが、物理的な因果関係まで間違えるような本末転倒の発想はしておられません。

本末転倒した解釈をしているもう一つの例として、ニイラゴンゴ山の「引き円錐型」爆発地震の例(IRISの報告)を紹介します。

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Anomalous Earthquakes Generated by Collapse of Magma Chambers

Anomalous Earthquakes Generated by Collapse of Magma Chambers Focal mechanisms for newly detected earthquakes at Nyiragongo. Schematic diagram on right shows the physical mechanism for these events. Earthquakes are generated by slip on inward-dipping ring faults due to deflation of shallow magma chambers. This can be caused either by diking events during volcanic eruptions (top), or by the transport of magma from deeper to more shallow magma chambers (bottom).

This set of earthquakes is anomalous in two regards. First, these earthquakes are depleted in high-frequency energy over approximately 0.1 Hz, and can be considered slow earthquakes. Second, centroid-moment-tensor solutions indicate that these earthquakes are highly non-double-couple, each having a large compensated-linear-vector-dipole component of the moment tensor. This indicates that the double couple model for shear failure on a planar fault cannot explain the radiation pattern of these earthquakes.

We suggest a mechanism in which these newly detected earthquakes are generated by the collapse of the roof of a shallow magma chamber along an inward-dipping cone-shaped ring fault.


5ケースとも”目玉焼き型”のCMTであり、引き円錐型の爆発であることを意味している

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図を見ると、5ケースの地震ともニイラゴンゴ山のマグマプール内部で起きていることがわかります。すべて”卵焼き型”、”一つ目小僧型”です。タイトルは崩落によって起きた異常な地震となっていますが、爆発的噴火(地震と同じ現象)によって、崩落が起きたのです。

解説では、マグマプールが降下するときに、円錐形状のdipping-fault(日本では正断層と訳している)が発生して地震が起きた、としていますが、因果関係が逆転しています。
また、0.1Hz以上の高周波成分がないことを異常だとしていますが、地震(爆発)がマグマプールの内部、つまり普通の地震のように地殻という天井が存在しない空間での爆発だから、高周波成分はないわけです。ダイナマイトを空中で爆発させても、威力がないのと同じです。

さらに、解説では二組の平面断層の組み合わせから定義されているCMT解析ではこの地震のメカニズムは説明できないとしてありますが、火山噴火とは無関係の普通の地震でも、押し円錐理論や引き円錐理論のほうが起きている現象を合理的に理解するのには有効なのです。

定説のダブルカップル論では押し領域が放射状になることが説明できないとしてありますが、地震爆発論なら、[2774]で紹介した次図のように、合理的に説明できます。


通常の地震とは違う「引き円錐型」地震のメカニズム(気化爆発のケースなど)
inward-dipping cone-shaped ring faultとは地震の結果として形成されたすり鉢状の形状にすぎません。

偶力がダブルカップルで震源に作用している、という説は何故二つの偶力が作用するのか、どこから偶力が生まれるのか、などなど、無理な説明が含まれています。

「押し円錐」や「引き円錐」にはこうした矛盾が入り込まず、合理的な解釈が可能です。

そろそろ断層地震説やCMT解の基礎にある考え方を変えないといけないと思います。
地震学は進歩できません。人間が住む足元の地球の正しい理解が進みません。

地震爆発論に切りかえるチャンスだ!

切りかえる必要は無い、と言うのなら、地震学者や火山学者はこの一カ月に起きたハワイの地震のエネルギー源を説明して欲しい。


キラウエア付近でこの一ケ月に起きた地震の分布

このエネルギーは何処から生まれるのか説明してほしい。


2777
Date: 2018-05-23 (Wed)
神代の時代と同じ事が起きている現代
 古事記において造化の三神と呼ばれている方々のことが「黄金の法」には以下のように書いてあります。昔は霊的能力の高い人が政治を動かしていたようです。

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天御中主命は、巨大な霊能者でもあり、とくに、ひとたび彼が口を開いて発した言葉は、必ず成就することで有名でした。ですから、だれもが、その神秘力に打たれたのです。たとえば、御中主が、隣国が何月何日に和睦を申し入れてくると予言すると、必ずそのとおりになる。あるいは、三月以内に、巨大な城を築いてみせると言うと、どこからともなく資材が運ばれてきて、協力する人々が集まり、そのとおりに完成する。すべてが、こういう具合でした。
また彼は、人の心を手に取るように読んでしまったので、臣下に悪人が出るはずもなく、完全な徳治政治を行なったのです。

二代目は、御中主の臣下のなかで、もっとも霊能力に優れ、徳の高かった高御産巣日命に位がゆずられたのです。この高御産巣日命は、霊視が非常によく利いた方で、いわゆる千里眼でした。そのため、敵国の様子が、居ながらにして百パーセント分かってしまうため、戦において敗れたことがありませんでした。

 そして、次に出て来た三代目の国王が、神産巣日神です。この方も、霊言能力に優れており、すでに、ひと足早く霊天上界に還った天御中主命から直接通信を受けて、国政の指針としておりました。ここに挙げた三人とも、八次元如来界の方であり、日本神道の格を高めた方です。

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この世を生きる科学者が霊能力などを話題にすることは「生活を危うくする」危険性もありますが、私のような年金生活者ならその心配もなく、安心して話せます。

ところで、現代にもこのような霊能力者が存在し、「守護霊インタビュー」として世界の政治家の本心を読むことが出来るのですから驚きです。

一連の霊言集のなかで、前にも紹介してきた「トランプ大統領の決意」([2753]参照)が発刊され届きました。新聞にも広告が載っていました。

この中で、高野氏([2761]参照)や小此木氏([2770]参照)の見解が甘いものであることが分かるトランプ氏の本音が見えます。金正恩が体制の維持を強く求めてきたら、会談しないと言っています。


収録日(4月28日)の時点で、歴史的な平和会談視論は甘い予想であることがはっきりしている。

前段では「私の腹はもう決まっている。兵器は一つ残らず破壊します。金正恩は「死」か「降伏」かです。」とも語っています。

きょうの新聞には、こうした本音を証明するかのような動きが報じられています。
「(米朝会談は)条件満たさねば開かぬ(トランプ大統領談)」とか「文氏仲介外交もろさ露呈」というような報道です。

政治家の本音を霊能力で読み取ることがでるという状況が生まれていますが、これ(霊言)の信用度が上がってくると、それを道案内のMAPとして生かしていくことになってくると思われます。政治家だけではなく科学者の姿勢もMAPを頼って宝探しをするように仕事になるかもしれません。

「黄金の法」には日本の誕生のことが以下のように記述してあります。

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日本列島の歴史自体はけっこう古く、現在の形がほぼできあがったのは、今からおよそ三万年ぐらい前のことでした。日本の文化程度が急速に高まってきたのは、約一万五千年ほど前にムー大陸の沈下、ムーの住民のなかの約数百人が、海路、現在の九州地方に上陸したとき以来です。日本の先住民族の人たちから見ると、近代的な科学の原理に通じていたムーの人々は、まさしく神の降臨に近かったといえます。そして、この頃の伝承が、後の日本の神話の土台となったのです。  

 さて、現在に至る日本文化の最初の土台をつくったのは、今からほぼ二千八百年ほど前に地上に降りた高級霊たちでした。紀元前八三〇年頃、まず、天御中主命が、現在の九州は高千穂峰に出生。八次元最上段階の如来が、日本の国づくりのために肉体を持ったのです。これは、釈迦出誕の二百年前、孔子生誕の三百年、ソクラテス降下の三百数十年前のことでした。

天御中主命を天御中主神ともいい、宇宙神とか、根本神というように考える人も多いようです。しかし、・・・やはり人格神、即ち、高級霊であって、日本の基礎づくりに励んだ方なのです。この日本古代の「神」という言葉は「上」に等しく、傑出したカリスマ性のある人物に対してよく使われました

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地震爆発論学会としてはムー大陸を科学的に検証しようとしていますが、今後も霊人方(たとえば、[2658]の大日孁貴の霊言)の言葉がMAPになるのかもしれませんし、ここまで来るのにも、見えない世界からの導きがあったのかもしれません。でもそれがやがて、インディージョーンズのような宝物発見ストーリーになるのかもしれないでしょう。

30年前に「水が熱解離する」と思いついたのも、インスピレーションという形ですが、見えないMAPを見ていたのかもしれないと思っています。

そういえば、科学界のインディ・ジョーンズ生物学者・長沼毅の講義が面白いという記事がありましたが、「新・地震学セミナーが面白い」と評判になる日が来ることを楽しみにしています。

2778 
Date: 2018-05-23 (Wed)
キラウエアでも起きていたカルデラ陥没現象から学ぶ
Jascha Polet https氏のツイッターサイトにある、キラウエアカルデラの陥没の動画映像から、5月6日、17日、21日の3日の映像を拝借して、subsiding areaを確認してみました。

Kilaueaカルデラのsubsidenceの状況(左から5月5日、17日、21日)
17日には直径数百メートルの陥没が発生している。

カルデラを撮影した写真を見ると熔岩湖の東端部で、アイスランドやニイラゴンゴのカルデラ陥没の原因になったのと同じ「引き円錐型」地震が起きていたことが推定されます。

[2774]で紹介したように、Volcanik ExplosionによるM5.0の地震は5月17日に2回、19日に1回発生しています。

現場写真では、あきらかに、6日には存在しなかった「すり鉢状」のカルデラ崩壊(断層)が17日と21日に発生しています。
規模は小さなものですが、カルデラ陥没が起きるメカニズムを示していると考えられます。

inward-dipping cone-shaped ring faultとは地震爆発の結果として形成された「すり鉢状の形状」であることがキラウエアでも観測されていたことを示しています。

inward-dipping cone-shaped ring faultとは押し領域を構成するExplosion(爆発力)だけでは発生しません。引き領域を形成するImplosion(吸引力)も同時に起きていることが必要です。

通常の地震では、酸素と水素が結合して堆積が減ることが吸引力につながると思われますが、気化爆発が大きな要素になるVolcanik Explosionでも、解離ガス(酸素と水素の混合気体)の爆発(Detnation)結合する要素はあると考えられるので、それが、吸引力の原因になっていると思われます。

あるいは、気化爆発後に気体が液体に戻るプロセスがあるのかもしれませんが、今後化学系の専門家が検討してくださることを期待しています。

2779
Date: 2018-05-24 (Thu)
面子を捨てて中国に泣きついた金正恩・米朝会談は破談か
トランプ大統領が文在寅との会談の後の記者会見で「金正恩が習近平に面会してから、急に姿勢を変えたのが不満だ」と語っています。

日本経済新聞
米朝首脳会談、延期の可能性に言及 トランプ氏

文氏は「予定通りの開催を確信」

真相は、「金正恩が文在寅を手玉にとって、「時間稼ぎ工作」を図ろうとしたけど、トランプ氏の強硬な姿勢を知って、びっくりし、面子を捨てて中国に泣きついた」ということでしょう。中国が絡めば楊氏が言うように米朝会談は破談になるでしょう。5月18日の記事を紹介します。

習近平氏は「時間稼ぎ策」の肩を持ち、継続して北朝鮮を属国扱いしたい筈です。しかし、トランプ氏は認めないでしょう。

結局、泣きを見るのは判断の甘い韓国の文在寅大統領です。
霊能力者が見る前世はムッソリーニだそうですが、やがて同じように韓国の民衆から反逆されて「処罰」されるのではないでしょうか。
一時はノーベル平和賞でも狙うような勢いだった文氏の「思惑ハズレ」が始まったようです。

追記1:
大川隆法所感という一文に「文氏は、すごく上がったあと、ストーンと落ちる予感がする」とありますが、報道は既にそんな雰囲気を予感させます。

「仲介役」の文氏、収拾へ懸命 トランプ氏の米韓会談延期示唆
5/24(木) 12:00配信
西日本新聞

 韓国の文在寅大統領は22日の米韓首脳会談で、6月12日に予定されている史上初の米朝首脳会談について「(開催するという)北朝鮮の意思は疑いようがない」と強調し、北朝鮮への不信感をにじませるトランプ米大統領をたしなめた。「非核化」を巡って米朝が互いにけん制する中、文氏が「仲介役」として事態の収拾を図ろうと懸命になっている様子がうかがえる。

 「トランプ大統領が、これまで何十年もだれもできなかった大きな仕事をやってくれると確信している」。文氏はこう述べて、トランプ氏を持ち上げた。韓国大統領府によると、文氏は、北朝鮮側が突然キャンセルした南北閣僚級会談についても「(米韓両軍の共同訓練が終了する)25日以降に開催される」との見通しを表明。ぎくしゃくする南北関係が再び対話ムードに戻るとの見方を示した。

 米朝首脳会談が流れて、朝鮮半島で再び軍事衝突の脅威が高まることを避けたい文氏。韓国では、文氏が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との直通電話(ホットライン)を月末にも初めて活用し、非核化すれば「体制を保証する」という米国の意向を伝えて米朝会談実現に向けた“念押し”をするとの観測が出ている。

 一方、韓国の閣僚経験者は、トランプ氏が「北朝鮮が中国の習近平国家主席に会って態度が変わった」と述べたのは、「韓国政府に北朝鮮の態度を改めさせよ」との注文と分析。「文氏の外交的な負担は大きい」と指摘した。

追記2:ついに米朝会談中止発表

<米朝首脳会談>中止に ホワイトハウスが発表 

5/24(木) 23:01配信
毎日新聞

ホワイトハウスのツイッターから

 【ワシントン高本耕太】米ホワイトハウスは24日午前、トランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に宛てた書簡を発表した。北朝鮮側が示した直近の「怒りとあからさまな敵意」を理由に、6月12日に予定されていた米朝首脳会談の実施は「適切ではない」として、中止を通告している。

2780
Date: 2018-05-24 (Thu)
カルデラやカルデラ湖ができる二つの地震爆発
キラウエア火山には巨大なカルデラがあり、その中にまた中小のカルデラがあります。[2778]の考察から、キラウエアでは引き円錐型陥没によって形成されるのだろう、という推察はつきます。

ところで、カルデラについて調べてみるといくつかの分類がしてあります。コトバンクから紹介します。

カルデラとは

火山活動によって火山体に生じた凹地。噴火時にできた火口とは区別され、火口よりも大きい。スペイン語で大鍋の意味。内側は急崖で、外側は緩斜面からなる。爆発カルデラ陥没カルデラ、浸食カルデラに分けられるが、大部分は陥没カルデラである。爆発カルデラは、大水蒸気爆発によって山体上部が崩壊して形成されるもので、馬蹄形になる (磐梯山、ベズビオ火山など) 。陥没カルデラには、クレーター・レーク型 (十和田湖、支笏湖、屈斜路湖など。) 、キラウェア型などがある。浸食カルデラは、火口壁またはカルデラ壁の浸食、崩壊によって、噴火口やカルデラが拡大したものをさす。日本は狭い国土に比してカルデラが多く、阿蘇カルデラ、姶良(あいら)カルデラなどは長径 20km以上で、世界最大級である。

カルデラ湖についても紹介します。

カルデラ湖 カルデラに湛水した湖沼。カルデラ湖の第1の特色は、非常に深い湖が多く、火口湖に比べてその規模もはるかに大きいことである。アメリカ合衆国オレゴン州にあるクレーター湖は最大水深 592mをもつアメリカ第1位の深湖である。日本では田沢湖(423m)をはじめとして、支笏湖(360m)、十和田湖(327m)、池田湖(233m)、摩周湖(211m)など第5位までの深湖はすべてカルデラ湖である。第2の特色は、湖水が栄養塩類に乏しく、プランクトンの成育が貧弱な貧栄養湖が多いことである。しかしこのことは、透明度の高い澄んだ湖が多いということにも通じる。摩周湖の透明度は 20m前後で、ロシアのバイカル湖とともに世界で最も透明度の高い湖の一つである。

興味を持ったのは、カルデラには陥没型と爆発型があること、カルデラ湖は深く、湖の縁が急峻であるという事です。

陥没型と爆発型を代表するような例が洞爺湖と倶多楽湖です。

この二つのカルデラの成因を地震爆発論で解釈してみました。
コトバンクでは爆発型は水蒸気爆発が原因としてあり、陥没型は特に成因について解説してありません。

爆発型は「押し円錐型爆発(地震)」が発生したときに形成されるのではないでしょうか。(コトバンクに載っている図面(小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)を拝借し、加工作成しました)

陥没型はキラウエア、アイスランド、ニイラゴンゴなどで
記録された「引き円錐型爆発(地震)」で形成されると考えられます。

 なお、マグマ溜りの位置や震源は火口の真下とは限らないので、洞爺湖や倶多楽湖のような典型的な形状にはならない場合が多いでしょう。

磐梯山や、セントヘレンズ山のように馬蹄形のカルデラができるケースもありえます。その他、何度も火山活動が繰り返されているケースもあり、複雑な形状になるケースも考えられます。(セントヘレンズ噴火の動画は[2369]参照)

2781
Date: 2018-05-25 (Fri)
弾性反発説にしがみつく地震学者が日大の監督のように見えてしまう
ルール違反である「対戦相手のQBを潰せ」と指示出しした張本人が、白々しく「わたしどもは、ルールの範囲内でやっているのでして」を繰り返すだけで、自分の過ちを認めようとはしないで、心労入院しました。情けない指導者の姿を見て、何時の時代にもいる弱い日本人だなと思っています。

翻って、地震学はどうか。「活断層の間違い」に関する公開質問状には誰も回答を送って来ません。地震関係者は皆弱い日本人なのか、とも思ってしまいます。

今一度「弾性反発説」という違う観点から、「断層地震説」の間違いを説明します。先ずは日本人が書いたWikipediaにある「弾性反発説」の解説を紹介します。

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弾性反発説

弾性反発説(だんせいはんぱつせつ, 英: Elastic-rebound theory)とは、地震の原因を説明するメカニズムの1つであり、現在の地震学では断層地震説およびプレートテクトニクス等と関連付けて幅広く支持されている学説である。

初期の弾性反発説としては、1906年のサンフランシスコ地震等の研究を受けてリード(H.F.Reid)が発表したものが知られている。これは、震源の両側でお互いに逆方向となるような歪みの力が働いており、地下の岩体は歪みを受けると弾性変形を起こして曲がり、やがて限界を超えると剪断破壊を起こして地震を発生させるというものである。これは、弾性歪みによる弾性変形→塑性変形→破壊という、力学でいう物質の変形過程に対応している。現在ではこの考え方は広く受け入れられているが、当時は他の説も展開されており、その証明方法を含めて論争が巻き起こった。


IRISサイトに載っているポスター写真とN.zealand(2011)地震、San Francisco(1906)地震による断層の例

弾性反発説の裏付けとしては、地震波(P波)の初動分布が挙げられる。ふつう、震源を中心に十字に区切られた4領域に押しの領域と引きの領域が交互に並ぶように分布するが、弾性反発説による断層の破壊を考えるとこれを説明できる。ちなみに、断層面の両側に働く力は2対の偶力、つまり各2方向の圧縮力と張力が2対(ダブルカップル)であり日本では当初から支持されていたが、欧米では当初1対の偶力(シングルカップル)と考えられていた。1963年に丸山卓男がこれを物理学的に証明する考え方を提示し、1960年代には欧米でもダブルカップルが定着した。

日本でも大正時代ごろよりこの説をもとにした研究が進められていった。1960年代には、プレートテクトニクスに基づいた海溝型地震の発生メカニズムとしても弾性反発説が採用されるにいたった。

参考:

Juan de Fuca Diagram.

Part of the Century of Earthquakes poster. EARTHQUAKES, FAULTS, AND PLATES

As part of the investigation, H.F. Reid proposed the elastic rebound theory of earthquakes, where materials at distance on opposite sides of the fault move smoothly relative to each other, but friction on the fault “locks” each side and prevents it from slipping. Eventually the accumulated forces (stress) are more than the fault can endure, and the fault slips in an earthquake.

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震源の両側でお互いに逆方向となるような歪みの力が働いており、地下の岩体は歪みを受けると弾性変形を起こして曲がり、やがて限界を超えると剪断破壊を起こして地震を発生させるというもの

とありますが、それが本当ならば、(b)のような状態があるはずですが、観察されたことがありません。また地震後には断層から離れた場所でも(c)のような「食い違い」「変位」は起きているはずです。しかし、現実には食い違いは断層を離れるとゼロになり、地震の影響は局所的です。つまり、ニュージーランド地震の鉄道の例でも分かるように断層に近い場所でしか「食い違い」は起きていないのです。爆破事故の現場で局所的に鉄板が破れているのと同じなのです。

断層面だけを見ても

水平移動は断層の中点附近にて最も著しく、両端に行って消滅して居ります。石本巳四雄:昭和13年(1938)12月日本文化研究講習会講演より([1243]地震は震源付近だけでの力学に起因する参照)」

ということですから、爆発事故で、現場の近くだけしか被害が出ないのと同じような状況なのです。


N.zealand地震における線路の変形に該当する「右ずれ断層」です。
鉄のレールは切れませんので断層のように見えませんが、
線路の下に水平な断層が形成されている筈です。
“引き”よりも“押し”のほうが威力があることが分かります。

この説明はこれまでに何度も解説してきた石本博士の見解でもあります。([1243][1473]など参照)

地震学者はなぜ、石本先生の見解を受け入れられないのでしょうか、不思議でなりません。定説論者の解説を聞いていると、日大アメフト部の監督発言のような「言い訳」、「論理的説明の欠如」を感じてしまいます。この監督には何度質問しても同じ回答しか帰ってこないでしょう。

同じような空しさを地震学者、マスコミ人にも感じるのですが、その姿勢が何十年(半世紀以上)と許容され、継続しているのですから驚きます。

いつまで続く?この路は・・・・。

2782
Date: 2018-05-26 (Sat)
廃液の地下注入は危険・デンバーの注水実験から分かる筈だが
11年前にこのセミナー([1256])でデンバーでの注水実験から「地震エネルギーを小出しにできる」という発想を示された竹内均先生の「地球は半熟のゆで卵」の記事を紹介しました。

当時から、これは「地震爆発論」から見ると危険な発想である、とコメントしてきました(その後も何度も)。

ところが、同じ発想がアメリカの地震学教育版のようなサイトWhat are Earthquake?に現在も載っていました。スライドのタイトルは「地震をコントロールできるか?」となっていますから、「如何にして断層を少しずつ滑らして、調節するか」というところに視点があるようです。」


「液体を圧入すると大きな地震を防げることを示唆している」とありますが、
今まで地震など起きなかった場所で起きているのは
新たに地震を起こしていることを意味します。

これでは、オクラホマの住人が「小さな地震で済むように、廃液を入れているんだから我慢せよ」「廃液注入をやめたらもっと大きな地震が来るぞ、それでもいいのか?」と企業や企業を支持する地震学者に言われたら黙ってしまうかもしれません。

アメリカの地震学者は

「ほとんどの廃水は、「アーバックル地層」と呼ばれる岩の層へ注入される。すると、さらに奥深くにある地震を引き起こす基盤岩の層に水圧が伝わる。注入される水の量が増えるほど、ただでさえストレスがかかっている断層の間隙水圧がますます上昇し、通常はしっかりと固く接着している断層面が滑りやすくなって、地震が発生するのだ。」とか、

「廃水の注入や小規模の誘発地震が、より大きな地震を誘発してもおかしくない(USGS)」

と指摘する程度で、廃液注入が地震そのものの原因になっていることが理解できていません。(参考:米オクラホマ州で人為的な地震が増加-米地質調査所が地震危険度マップを発表。誘発地震の原因は天然資源採掘

地震爆発論そのものをアメリカにも教えてあげるべきですが、竹内先生の弟子筋はまったく路線変更できません。
先生は「この方法(地震のコントロール)は理論的には実行可能であるが、実際的にはその実行は不可能である」と書いています。([1256])

アメリカの地震学会会長を務めた安芸敬一、ニュートン編集長だった竹内均などの有名な日本人地震学者は、あの世に帰って何を思うのでしょうか。

地震爆発論から見れば、極めて危険な発想で、
「人為的に地震を起している」ことになります。

後記:

デンバー地震の起きたコロラドの鉱山スクールの記事に、「地震は断層が動くことで起きるから、数千もある断層の履歴を知ることが大切」とか「有名なデンバー兵器工場の廃液注入が誘発した地震も大きなものではないが、無視できない地震である」というような紹介があります。

この様な認識では、何時まで調査しても、地震の実体は把握できません。日本の地震学もそうですが絶望的と言えるでしょう。抜粋して紹介します。

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COLORADO SCHOOL OF MINES

Faulting

Because earthquakes are caused by the movement of faults, it is important to understand the history of Colorado’s thousands of faults. This study is an ongoing project.

The Denver Earthquakes

The most economically damaging earthquake in Colorado’s history occurred on August 9, 1967 in the northeast Denver metropolitan area. This magnitude 4.8 earthquake centered near Commerce City caused more than a million dollars damage in Denver and the northern suburbs. This earthquake is believed to have been triggered by the deep injection of liquid waste into a borehole at the Rocky Mountain Arsenal. It was followed by an earthquake of magnitude 4.5 three months later in November 1967.

Although these events cannot be classified as major earthquakes, they should not be discounted as insignificant.

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地震は断層が動くから起きるのではありません。地下で起きる爆発現象です。
デンバーの兵器工場における廃液注入が断層を刺激して地震を誘発したのではありません。人為的に地震(爆発)を起こしてしまったのです。

この認識をもって、対策を講じない限り、オクラホマのシェールオイル採掘に伴う人為的な人工地震も止まりません。

 断層の調査は「地震の化石」を調査するようなもので、
まったく意味がありません!

The survey of faults is like investigating "earthquake fossils"
There is no meaning at all!

2783
Date: 2018-05-27 (Sun)
現代地震学は間違っている証拠の補足
[2775]に示した気象庁の解説図のキャプションで述べた以下の文章の内容を証拠書籍を示して補足します。

地震学者も、文科省も、気象庁も、「押しと引き」を正しく理解していません
本当の「押し引き」とは、つまり、地表での押し(上向き加速度)はExplosionによるもので、引き(下向き加速度)はImplosionに起因しています。」

現代地震学が間違っている証拠なのですが、「地震のすべてがわかる本」(東京大学地震研究所アウトリーチ推進室土井恵治監修、成美堂出版p.104)に載っている次の図と解説文を紹介します。


共役関係にある「右ズレ断層」を無視している

上図は押し円錐型地震の場合に現れる押し引き分布図ですが、震源が浅く押し円錐軸が水平で、軸が北東―南西に向かっている場合の説明(下図左)です。

「日本では、震源の北と南では押し、東と西では初動は引きとなることが多い」とありますが、でたらめです。天竜川地震では北と南が引きで、東と西が押しになっています。(上図右)

 「押し引き分布」は「押し円錐の発生状況」によって変化しています。つまり、爆発(Explosion)と爆縮(Implosion)の位置関係で決まります。

土井氏監修の本では日本海に「左ズレ断層」が発生したとして、押し領域と引き領域の関係を以下のように解説しています。本当は共役関係にある「右ズレ断層」も説明すべきですが、無視しています。

「動いた岩盤の進行方向にある地震計には押しが、後ろのほうにある地震計には引きが記録されることになる」

とありますが、あまりにバカバカしい説明で、地震学の素人でも意味が理解できません。

[2300]で解説した、熊本地震で見られた「共役」あるいは郷村断層vs山田断層のような「共役」関係にある水平断層が出現するケースの話です。

石本先生の後輩に当たる地震学者たちには先輩が考えた素晴らしいアイディアが理解できないようで、「共役断層」という言葉さえ、死語にしたり、意味を変えたりしてしまいました。

日米ともに、否世界中の地震学者が「断層が動くことが地震現象である」という「狂信的信仰」に陥ってしまっていますので、“押し引き”の意味さえ分からなくなっています。

押しをTensionとか引張り(軸)とし、引きをCompressionとか圧力(軸)としているのは、物理現象から乖離しています。地震時に突き上げられるような衝撃(Explosionnによる衝撃)が押しですし、ストンと落ちるような衝撃(Imolosionによる衝撃)が引きであることから考えても、地震学が「物理学音痴」「力学音痴}になっていることが分かります。

活きた断層(活断層)なんて存在しません。

全ての断層は、地震の傷痕にすぎません。

死んだ断層(地震の化石)というべきです。



There are no living faults (active faults).
All faults are just scars of earthquakes.
It should be a dead fault (an earthquake fossil).

2784
Date: 2018-05-28 (Mon)
新聞紙上はステレオタイプの記事の羅列
新聞やメディアの報道は学者の言うことを「垂れ流す」だけのものになっています。
記事には、ステレオタイプの表現が並んでいるだけです。

ステレオタイプをいくつか列挙します。

★「マントルという分厚い岩石の層がある」 定説はマントルを固体としています。ホットスポットでも、「熱いマントルが上昇するけど融けてはいない」となっています。しかし、核にある解けた物質が上昇するという解釈をしている場合もあります。

★「ホットスポットではマグマが早いスピードで作られ、供給される」 熱いマントル(あくまで固体)からどのようなメカニズムでマグマが形成されるのでしょうか。キラウエア火山からのマグマ流出は相当多くの量になりますが、合理的なメカニズムは存在しません。

★「プレートは海溝で沈み込んで消える」 固体のプレートが固体のマントルの中に消え、固体の中を対流する、というのは、力学の無視です。ハワイもやがて、日本に近づいた後消えるのでしょうか。

★「ホットスポットの位置は動かないので、火山は次々にプレートに乗って移動する」
ホットスポトという概念は、プレート境界(火山が並ぶ線で区切っただけのもの)の内部にも火山があるので、これを説明するために導入しただけのものです。

地震爆発論ではマントルは熔融マグマと同じものであり、地殻は固化した表面部分で、潜り込み(subduction)という現象を認めていません。

新聞やメディアの「ステレタイプ記事」をいくら勉強しても、科学的な真実には近づけません。

2785
Date: 2018-05-30 (Wed)
キラウエアでも安山岩マグマが噴出する
キラウエア火山の活動で安山岩マグマが噴出しているそうです。
亀裂17から噴出する熔岩は、通常のキラウエア火山で見られるシリカ成分の少ない玄武岩熔岩と違って、シリカ成分が57%も含まれているそうです。

Lava flows from fissures 16-20 moving across the landscape on May 19, 2018. USGS/HVO.

その原因をエリック・クレメティ氏( Erik Klemetti 2018年5月21日)は、前回の噴火時(多分1924年の噴火)から長く停留していたマグマに結晶分化が起こってシリカ成分が増大したのだろうと推定しています。

It is different than earlier samples which we have been attributing to 1955magma.It is therefore possib that the magma feeding Fissure17 has been in the rift zone longer−perhaps from1924.

Discoverに載っている氏の記事では長く停留することで増えたシリカの多いマグマと通常の(シリカが少ない)マグマの混合比率を以下のように説明しています。

「私の大まかな計算では、亀裂17の噴火のような溶岩を作るためには、60%の玄武岩(49.5重量%のシリカ)と40%のデイサイト(シリカ67重量%)が必要になります。これは、東リフトで沈んだ古いマグマのある部分が、新しいマグマと相互作用した可能性があることを示唆しています。このような混合は他の火山では一般的ですが、このようなハイブリッド溶岩Kīlaueaではまれです。これは、2010年にアイスランドでEyjafjallajökullの噴火の間に起こったと考えられるものに似ています(Kilaueaでの混合では、アイスランドで見たような大規模な爆発を引き起こさないでしょう)。
1つの興味深い話があります。Puna地熱発電所は、亀裂17のすぐ隣にあるそうですが、2005年の探査掘削中にデイサイトのマグマ(67重量%のシリカ含有)の中にまで掘り進んだことがあるそうです。」

各種岩石とシリカ成分の比率を有珠火山の研究サイトから紹介します。


有珠火山の岩石の組成範囲.成層火山体の形成期には玄武岩〜玄武岩質安山岩が、
1663年以降にはデイサイト〜流紋岩が噴出した 。
活動期によってはっきり違うマグマが出たこと、
日本の火山に多く見られる安山岩を噴出していないことが特徴である(バイモーダル火成活動)。
図中の各岩石の組成範囲はIUGSによる分類に基づく。

有珠火山では、最初は玄武岩〜玄武岩安山岩性の溶岩が噴出し、後にシリカの多い熔岩が噴出したそうです。 これは、溶岩が上昇してきたときに、周囲にあった大陸性の岩石(安山岩、花こう岩など)を再度融解してシリカ成分の多い熔岩を形成したのではないでしょうか。

大陸性の岩石である花こう岩は水分がある環境下で長い年月かかって結晶化し、体積が少し膨張して比重が小さくなります。

キラウエア火山で同じような結晶化プロセスが94年(1924年からの時間)という短期間で起きるものでしょうか。それならば、大抵の玄武岩も安山岩や花こう岩に変化するのではないでしょうか。

また、60%の玄武岩と40%のデイサイトが混合したというプロセスも安易な考えのように思います。やはり、シリカを多く含んだ大陸性の岩石が再度融解しのではないでしょうか。

石田理論としては、小笠原の西之島噴火で見られる安山岩熔岩のように、ハワイ島にも地下深部には花こう岩が存在し、それが再度融解してマグマ化した成分があると考えています。「2005年の探査掘削中にデイサイトのマグマ(67重量%のシリカ含有)の中まで掘り進んだ」というのも、大陸性として認識されている岩石が再融解したものではないかと推定しています。

火成岩の多様性の原因を説明している図も紹介しておきます。



岩石の分類

参考:

Kilauea produces an andesite
For the geologists watching the eruption, one surprise was the composition of some of the lava erupting from fissure 17. The initial analyses show that it is 57 weight percent silica … which makes it an andesite. Now, Kīlauea is consistent if anything and it almost always erupts basalt, which has less silica in it. So, a lava erupting 57% silica is pretty unique for Kilauea and suggests that the basalt coming from up on the East Rift from the summit mixed with some other magma to form the andesite.

Now, my rough, back-of-the-envelope calculation would say you would need about 60% basalt (49.5 weight % silica) and 40% dacite (67 weight % silica) to make a lava like what was erupted at fissure 17. This would suggest that some body of older magma that has sat around and crystallized in the East Rift to make dacite may have interacted with the new magma being fed into the system, Mixing like this is common at other volcanoes, but a hybrid lava like this is rare at Kīlauea. This is akin to what is thought to have happened during the eruption of Eyjafjallajökull in Iceland in 2010 (with the BIG caveat that this mixing at Kilauea is not going to produce a massive explosive eruption like we saw in Iceland.)

One interesting note: the Puna Geothermal Venture, right next to where fissure 17 is erupting, drilled into a dacite magma at 67 weight % silica during some exploratory drilling in 2005! Right now, it is only conjecture on my part, but if the new East Rift basalt mixed with this dacite melt, that would be a great way to get the erupted andesite. You can read the full report on that dacitic melt here.

2786
Date: 2018-06-01 (Fri)
キラウエア火山一帯のマグマの動きについての考察
Hawaiian Volcano Observatory(HVO)の解説で、亀裂から噴出するマグマは溶岩湖の中心部から地殻内部の空隙を通って流れている、という解釈がしてあります。「宏観亭見聞録」でも「マグマの通り道」として紹介しています。

しかし、地震爆発論の解釈([2762]など参照)とは違うようですので、解説を加えておきます。

まずは、5月29日と24日の記事を紹介します。

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Why so many earthquakes in the Kīlauea summit area?
May 29, 2018
Deflation at Kilauea's summit has caused up to 1.5 meters (about 5 feet) of subsidence, which has stressed the faults around and within Kilauea Caldera.

Ground- and space-based monitoring reveal where magma has moved under Kilauea Volcano
May 24, 2018
Kilauea Volcano is currently erupting at two locations: from Halema‘uma‘u, a crater within the summit caldera, and from the lower East Rift Zone (LERZ) in and near the Leilani Estates and Lanipuna subdivisions.

Small explosive episodes at Kilauea's summit are a consequence of magma withdrawing from a shallow reservoir beneath the east margin of Halema‘uma‘u. The eruption of lava along the LERZ resulted from the underground movement of magma eastward from the volcano's middle East Rift Zone.


Illustration of Kīlauea Volcano from the summit caldera to the lower East Rift Zone (LERZ).
Blue arrows = contraction across the upper and middle rift zone,
black arrows = expansion in LERZ.

In early May, days after the collapse of Pu‘u ‘Ō‘ō, the lava lake level in Halema‘uma‘u began to drop as the summit area subsided at a high rate. The lava lake surface disappeared from view on about May 10, at a depth of more than 325 m (1,070 ft) below the Halema‘uma‘u crater floor.
Subsidence of the summit area continues. Between May 1 and May 24 the caldera floor subsided as much as 1.4 m (4.5 ft). The GPS station, labeled as CRIM on the edge of Kilauea's summit caldera [Fig.2], has subsided about 0.6 m (1.9 ft). Continued summit subsidence indicates that magma is moving from the summit magma reservoir and into the East Rift Zone at a higher rate than magma is entering the reservoir from below. To date, geochemical analysis of erupted lava indicates that summit magma has not yet erupted from the LERZ fissures 1-23.

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4月30日にプウオオ火口の崩落があってから、頂上火口のマグマレベルも、325m以上低下しています。解釈ではこの付近の低下したマグマは東側の薄い板状の空隙の中を流れて移動していると考えています。

「宏観亭見聞録」では活動中のキラウエアではみることができないが、冷却すれば同じようなものが見られるはずだとして、岩脈の例が紹介してあります。
岩脈の頂部は凹凸があって、マグマが水平に流れたようには見えません。高さが10m程あるそうですが、下部には水平な筋があって、マグマのレベルが上昇しては冷却されるという現象を繰り返したように見えます。


This photograph from northwestern New Mexico shows a ridge roughly 30 feet (about 10 meters) tall
that formed from lava filling an underground fracture then resisting erosion better than the material around it did.

さて、HVOの図面では、プウオオ火口付近には「magma withdrawel」(撤退)が働き、さらに流下して「magma accumulation」(蓄積)されて、亀裂から噴出するとしています。しかし、何故withdrawelが働くのか理由は示してありません。

また、薄い板状の空隙を通して粘性の高いマグマが流れるものでしょうか、疑問が残ります。

ところで、[2785]に「紹介したように亀裂F17からはシリカ成分の高いマグマが噴出していますから、HVOの図が示すような一方向(東向き)の流れでは、中間部分にだけ性質の違うマグマが噴出する理由を説明できません。

次に石田理論で考察するマグマの挙動を推定します。


熔岩湖のマグマが、板状の空隙を通って東方に流れるというHVOの解釈では、
亀裂F17から異質のマグマが噴出することを説明できない。
地下のマグマは毛細血管や動脈瘤のような構造の内部を移動していると考えられる。

「magma withdrawel」が起きたのは、5月4日のM6.9地震の引き領域になったからであり、東部の亀裂から噴出しているのは、押し領域になったからであって、「magma accumulation」(蓄積)というのは合理的な説得性がありません。

引き領域に当たる部分のマグマは全体的にはM6.9地震の震源に向かって移動しますが、東斜面内の板状の地下空間を流れて噴出しているのではないと考えます。

岩脈の例を見ても、マグマが水平方向に流れた形跡はありません。群発地震的に起きている小地震の押し領域に当たるために、下部からマグマが貫入していることが推定できます。

板状になるのは、M6.9地震で発生した、水平左ずれ断層による亀裂ができたためであり、その亀裂に向けて地下のマグマが貫入したからです。

熔岩湖からマグマが水平に移動するのなら、亀裂から異質なマグマ(シリカ成分が高い)が噴出することを説明できません。亀裂F17付近の地下には安山岩や花こう岩のようなシリカ成分に富む岩石が融解してマグマプールを作っている可能性があります。

F17近くにある地熱発電所で2005年にデイサイトマグマまで掘り進んだというのは([2585])、そのマグマプールまでドリルで掘り下げたという事でしょう。地下内部ではマグマが水平方向にだけ移動しているわけじゃないことを証明しているのではないでしょうか。

毛細血管や動脈瘤の様な構造の内部を移動しているものと思われます。

2787
Date: 2018-06-01 (Fri)
地震時の「跳び石現象」は爆発が起きたことを意味している
地殻の中に、壁のような貫入岩が形成されるのには、高圧の環境または衝撃的な爆発力が必要になります。地震時には「海震」とか「飛び石(跳び石)」という現象が観察されることがあります。([1248][1268][1423]など参照)

この飛び石現象に関して、「絵でわかる地震の科学」という書籍(井出哲著講談社刊p.24)に、中国での例が載っていました。


飛び石現象に気が付きながら、内容は「断層地震説」のままです。

石が飛ぶ(跳ぶ)ためには、重力加速度を超える力が必要ですが、そのような力が断層がずれることで発生するはずがありません。しかし、そのことにはまったく気付かないまま、その書籍も「断層地震説」を展開しています。

飛び石(跳び石)現象は「石灯籠が水平的に飛んできて人命を奪った」とか、日本でもたくさん観測されています。一例ですが、強震動の基礎には、長野県西部地震(王滝村)で起きたものを調査した結果が載っています。


長野県西部地震(王滝村)で調査した跳び石現象
本震の震央近くでは、ほとんどすべての石が跳んだ(黒塗り部分)とある。

震央付近では「全ての石が飛んだ」という範囲が記録されています。

[1423]断層地震説では説明できない巨大な跳び石に紹介した四川大地震の巨石の写真もその一例だと思います。

また、岩手宮城内陸地震([1429]4000ガルを超える爆発現象)で記録された4000ガルを超えるような加速度は「地震は爆発である」ことを証明しているのですが、地震学者は「断層地震説」にしがみついています。

調べていて見つけたのですが、2011年の東北大震災で副次的に起きた「いわき市田人」の地震災害の「現場を見学する会」の報告記事があります。

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想定外 正断層のずれ 「浜通り地震」の見学会
2015年3月31日東京新聞


1メートル以上の段差がある塩ノ平断層が延々と続く=いずれも福島県いわき市田人で

 東日本大震災から一カ月後、二〇一一年四月十一日に「福島県浜通り地震」が起き、いわき市で死者四人を出した。震災後、各地で大きな地震が相次いだが、この地震は研究者が「これこそ想定外」と言うほど特異だった。今月二十一、二十二の両日、同市で開かれた講演会と現地見学会に参加した。

 この地震は、いわき市田人(たびと)の地下六キロを震源にしたマグニチュード(M)7・0の大地震だった。田人地区では約十四キロにわたって断層が現れ、ずれは最大二・一メートルにもなった。研究者を驚かせたのは、それが近年の日本では初めて出現した正断層だったことだ。しかも、東北地方太平洋沖地震に誘発されて起きた。

 講演会の講師は、地震の直後から現地で調査を続けている産業技術総合研究所(産総研)の活断層評価研究グループリーダー、宮下由香里さん。

 地震を起こした断層は、塩ノ平(ひら)断層と湯ノ岳断層という二つの断層だった。「活断層とは分かっていたが、主要活断層帯のリストには入っていない断層だった」と宮下さんは説明した。リストとは、国の地震調査研究推進本部がM7クラスの地震を起こす可能性があるとして選んだ百十の断層のことだ。

 今回の地震では、わずか数秒の違いで塩ノ平断層、湯ノ岳断層と二つの断層が活動。塩ノ平断層は北北西−南南東方向、湯ノ岳断層は北西−南東方向で、いずれも西側が滑り落ちている

 宮下さんの調査から、湯ノ岳断層は千〜六千年前の間に一度、活動していたことが分かった。塩ノ平断層は、別の調査で前回は一万二千年より前だった。二つの断層の活動間隔は違うようだ。

 講演会後、地震発生の仕組みに詳しい産総研の今西和俊・地震テクトニクス研究グループ長に「なぜ、震災前には分からなかったのか」と聞いた。

 「日本列島は東西から圧縮されているので、正断層の地震が起きるとは考えられていなかった。調べてみると、東北地方太平洋沖地震の前から、福島県から茨城県にかけては局所的に圧縮場ではなく、正断層の小さな地震が起きていた。地震が小さく、数も少ないので、震災前は気付かなかった」と今西さんは言う。

 湯ノ岳断層は福島第一原発から五十キロ、福島第二原発からは四十キロにある。東京電力は震災前、耐震設計上、考慮する活断層とは評価していなかったが、地震の後「考慮すべきであった」という調査結果を公表している。 (福島駐在編集委員)


尾根筋で見られる塩ノ平断層。尾根道が突然、行き止まりになっている。

◆「塩ノ平」背丈ほどの段差

 今回の講演会と見学会は、震災遺産保全プロジェクトの一つとして、福島県立博物館が主催した。いわき市民を中心に約五十人が集まった。見学会はマイクロバス二台に分乗して、同市田人地区で塩ノ平断層を見学した。

 断層の名前にもなった塩ノ平地区。バスを降りると、断層の記念植樹が目に飛び込んできた。荒れ地を歩くと小さな池があり、その先に谷川が流れている。

 「断層が川を横切り、上流側が下がったので、水の流れがせき止められて池ができました」と宮下由香里さん。「断層池」と呼ばれる、珍しい地形だ。

 次は近くの民家の庭にバスを止めさせてもらい、里山に登る。尾根を少し歩くと、人の背の高さほどの段差が見えた。断層は崩れずに残っていた。宮下さんがネジリ鎌で表面についた土を削った。土の中にあった、握りこぶしほどの石が鋭利な刃物で切られたようになっていた。断層のすごさを感じた。

 「(名物の)たびとまんじゅうを売れば、町おこしになる」「除染なんかやるより、ここを(震災遺構として)残したい」。迫力ある断層に参加者から声が上がった。

 見学から戻ると、民家の人がお茶を用意してくれていた。見学者用トイレも造っていた。「地震の時は、鉄板の上で跳びはねるような、ドンドンというすごい音が続いた。家は全壊はしなかったが・・・」と話してくれた。

 最後は熊野神社奥宮に向かう。参道を横切って断層があった。杉林の中を延々と続いている。意外にも、ずれの大きさは大きくなったり、小さくなったりしていた。断層の近くにあった杉の木は傾いていた。

 今回の震災では、津波の脅威を後世に伝えようと、被害に遭った建築物の保存が注目されている。塩ノ平断層は「私たちが知らないことは多い」という教訓を伝える貴重な震災遺構だ。教育施設を併設し、保存されることを願わずにはいられない。

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現場の報告を見れば、地震が大きな加速度を発生させる大爆発であることがわかると思います。

石を鋭利な刃物で切られたような」という表現からも、爆発の威力がわかります。

断層は正断層で「西側がずれ落ちた」ようですが、これは「押し円錐の軸」が東上がりに緩傾斜していたことを示しています。垂直に近ければ「逆断層」が出現しますが、「逆断層ばかり考えていた」というのは言い訳にもなりません。石本博士の業績を知っていればわかることです。


押し円錐の軸が水平、もしくは緩傾斜なら、正断層が出現する。
垂直もしくは急傾斜なら、逆断層が出現する。

地震学者もマスコミ人も、地震現象に無知であることを白状しているようなものです。

一日も早く、「地震爆発論」に切り替えて頂きたいと願っています。

2788
Date: 2018-06-02 (Sat)
何もわからない・ 書籍「絵でわかる地震の科学」
「絵でわかる地震の科学」の中に断層近傍で起きていること(p.88〜p.91)という一節があり、読んでみましたが、ここにも因果関係の矛盾する記述がありました。

破壊スベリが最初にあって、水の膨張や拡散があり、膨張すれば「こわれやすい」、拡散すれば「こわれにくい」、というのは因果関係が逆転していて論理が矛盾しているのではないでしょうか。


「すべりが生み出す摩擦熱」というのは既に地震が起こって大きな摩擦熱が生み出されたということのはずです。最初は小さなすべりだが、やがて大きな地震に進展するか、停止するか、それは複雑でプロセスの詳細を全て追うことは不可能・・・とありますが。最初の小さなすべり程度では“発熱”は起きないのではないでしょうか。

重要なのは、最初の破壊スベリがどうしておきるのか、ということですが、その説明はありません。

SF小説を読んでいるような錯覚に陥ります。

もう一つ鉱物脱水と地震発生(p.92〜p93)では、岩石から水が絞り出されて、巨大地震を促進し、70km〜100kmの間を循環しているという話があります。その先は鉱物が変化(相転移)して脱水反応が起きるとあります。


プレートが潜り込むのは、冷却されて自重が重くなり、(密度が増えて)自然落下(あるいはテーブルクロスの引き摺り下ろし)することになっています。「潜りこむと岩盤にかかる圧力が増大し、空隙の水が絞りだされる」というような環境に自由落下することは考えられません。矛盾があります。鉱物が組成変化して酸素と水素を分離し、H2Oを構成するというのも“ご都合主義の解釈”にすぎません。

定説論者の本には決まって最後に「詳細は十分に解明されていません」と書いてあります。

では、今まで読まされてきた「断定的な解説」は全部未解明のSFに過ぎないというのでしょうか。結局何もわかっていないのです。

NHKの番組「巨大災害」でもタモリ氏が「地震にも水が大いに関係するんですね」と藤井敏嗣氏に問いかけていますが、まったく違う意味で地震に関係することが理解されていません。

こんな間違いだらけの地震学では有効な地震予知も防災対策も立てられないでしょう。

2789
Date: 2018-06-03 (Sun)
火山学者が否定しようとも、 ハワイのマグマ噴出は人為的なミスの可能性がある
Evidence Grows that Hawaii Volcanic Eruption Caused by Puna Geothermal Venture

という記事に載っている動画で、地熱発電がM6.9という大きな地震を引き起こし、マグマ噴出も起こしているのではないか、という疑いを述べています。

動画の後半で述べている「ワンワールドを企む勢力」という陰謀論には与し得ませんし、津波の話も支持できません。しかし、地熱発電が地震を引き起こす危険性に関しては十分に「あり得る話」ですので、動画の図を拝借して紹介します。

地震学者は「トンデモ理論だ」といって怒っているようですが、冷静に考えて地震や火山噴火の説得的メカニズムが把握できていないのですから、傾聴すべきです。 M6.9地震が発生した震央近くには、PUNA地熱発電所があり、今日現在、発電用の井戸にまでマグマが押し寄せたようです。


PUNA地熱発電所(PGV)に押し寄せるマグマ

実はここでは自然に噴出する蒸気を利用するのではなく、水を人工的に高温地帯に送り、別の井戸から回収する方式で熱を抜き取っています。


Puna地熱発電所での地熱抜き取り方式
自然湧出の熱水を利用するのではなく、人工的にマグマに水を送って回収している。

熱を人為的にEXTRACTION(抜き取り)すると、高熱地帯の「水の解離バランス」を壊す惧れがあります。何故地震が起きるのか(もう一つの地震学、動画地震が起きる本当の理由など参照)を考慮すると、これは大変危険な作業をしていることになります。

実際に、2010年から2013年の間の注水量と地震の関係を示すグラフには明瞭に相関関係が現れています。これはデンバーでの廃液注入と地震の関係と同じです。


注水量と地震発生の間には、明確な相関関係がある。
M6.9の震央はPUNA地熱発電所の近くであったことから考えて、この作業が危険なものであることは疑わざるを得ません。


M6.9巨大地震はPUNA地熱発電所の近くで発生した。

地震学者は、否定的なツイートをしていることを「宏観亭見聞録」でも紹介していますが、地震の原因と火山噴火の原因が不明であるのに、「証拠が無い」と言い張るのはおかしなものです。

なお、マグマの流れは[2786]にしめしたような「板状の空間」ではなく、下図のような通路を想定しています。


地下におけるマグマの流れ推定図

実際には、EAST RIFT ZONEで亀裂がもっと多数発生していますから、毛細血管のようにマグマの流路が出来ているはずです。

地下に廃液などの流体を圧入すると地震が起きることはデンバーの実験で証明されていることですが、「流体によって断層が滑り易くなった」という見当はずれの解釈をしているために、オクラホマなどで、人為的な地震を起こしてしまっています。

日本でも、地熱発電による地震(熊本地震も疑いあり)は何件も起きていますが、気付いていないだけです。(([1672][2354]、[2360]熊本地震と地熱発電の関係など参照)

注:

主張ではフラッキング(破砕)という言葉が使用されています。ツイートのなかで、地熱発電ではフラッキングは使用しない、というコメントがありますが、熱水を大量に汲み上げるのにフラッキングが行われたとしても不思議ではないと考えます。実際にフラッキングが行われたかどうかは不明ですが、「高温岩帯式」での、以下のような作業のことかもしれません。

高温岩帯・マグマ


貯留層を造るためのフラッキング?

1.高温の乾燥した岩体に、高圧の水などにより人工的なき裂を作り、人工の貯留層を造成します
2.注入井より水を人工貯留層に注入し、生産井より高温流体を回収します。
3.回収後の高温流体は、地上設備により発電に使用されます。

2790
Date: 2018-06-04 (Mon)
ハワイの熔岩流出災害は本当に自然災害なのだろうか
6月3日(現地時間11:00)のマグマの流出範囲は東端の町Kapohoの海岸にまで迫っています。Kapohoから大きく南東に向きを変え、[2789]に示した5月の状況から大きく変化しています。なぜ、このような大災害になってしまったのでしょうか。

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Kilauea lower East Rift Zone lava flows and fissures, June 3, 11:00 a.m. HST

This thermal map shows the fissure system and lava flows as of 12:30 pm on Sunday, June 3. The flow from Fissure 8 continues to advance and had a wide flow front advancing towards the ocean in Kapoho. The black and white area is the extent of the thermal map.

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PUNA地熱発電所(PGV)の地熱EXTRACTION(抜き取り)方式に問題があることは十分に可能性があります。

地震爆発論をトンデモ扱いしていると、とんでもないことになるのではないでしょうか。

なんといっても、M6.9という大地震を起こして、地盤に亀裂を発生させてしまったことが大きいように思います。

日本でも起こりえる地熱発電の警鐘として受け止めるべきでしょう。

21世紀に入って、人類社会は大きな間違いを繰り返しているのではないでしょうか。

日本で繰り返される巨大地震(二つの中越地震、岩手・宮城内陸地震、東北大震災、熊本地震、鳥取地震など)、アメリカのシェールガス採掘に伴う地震被害、そして今回のハワイのマグマ流出災害などは「無知が引き起こした災害」という感じがしてなりません。

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