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271
2002/12/01(Sun) 13:21
石田 昭
いつ起きてもおかしくない東海地震?
?マークだけは私がつけましたが、気象庁長官のお言葉だそうです。T氏の情報にありました。

2002年11月26日 気象庁長官:東海地震「いつ起きてもおかしくない」

山本孝二・気象庁長官は26日の会見で、東海地震の想定震源域で昨年7月から続いている「ゆっくり地震」について、「初体験といえる現象だ。東海地震がいつ起きてもおかしくない状況になりつつある。科学的に何が起こっているのかを、冷静に伝える段階と考えている」と述べた。 山本長官は「(データの推移を見守る必要があるときに出す)観測情報を出すような状態ではない」と前置きした上で、「あらゆる局面に対応できるように、情報開示を徹底していきたい」と話した。 ゆっくり地震は、揺れを伴わないプレート(岩板)間の地殻変動で、昨年、静岡県・浜名湖付近で始まった。沈み込む海側のプレートの上にある陸側のプレートが、南東方向に年2〜3センチ滑っており、その後、滑りの領域が北東に広がった。最近は、同県・御前崎の沈降が鈍化するデータも明らかになっている。御前崎は沈み込む海側プレートに引きずられて沈降を続けてきたが、東海地震発生時には逆に隆起に転じると考えられている。 【永山悦子】(毎日新聞

以上です。タイトルのような言い方はある学者の発言以来、30年も使用され続けてきました。その間の住民の心労は如何ばかりか・・と思いますが、その根拠になった測量結果の集計ミスはどうなったのでしょうか。無責任な言葉だけが、幅を利かしています。 そもそもGPS観測で計れるのは、地球表面の動きに関してだけです。地殻の主要な部分は、30〜40キロも深いところにあります。目の前の2〜3センチの動きが、30キロ先の動きと密接に関係しているなどと、どうして断言できるのでしょうか。しかも柔らかな土壌は、地すべりも起こすでしょうし、圧蜜変化も起こすでしょう、そうした柔らかな地球表面の情報から、30キロも深いところの診断を下すのは、何度も言いますが、皮膚科の先生が骨の癌を宣告しているような滑稽さを感じるのです。

272
2002/12/01(Sun) 14:02
石田 昭
地震回避の方法はあるか
T氏からの依頼により、その知人にメールを差し上げました。地震予知の必要性に関する疑問、地震回避にはノアの箱舟が要る、等の私見の吐露がありましたので、コメントしたものです。セミナー参加者にも参考になる部分もありますので、紹介します。

・全件読破と聞きました、すごいですね、ありがとうございます。

・予知の必要性に関する疑問、それは、長期予測的予知のことではないでしょうか。それは私も必要の無いもの、むしろ日常生活に有害な情報だと思いますし、第一そんなこと(何年後に確率?%で起こるという様な予知)は不可能です。 しかし、直前予知は別です。中国では、海城地震の予知に成功して、人命損失が防げました。唐山では、理論の欠如から予知警報の発令が遅延し、20万人以上が亡くなったと言います。直前予知は可能であり、必要なものと言うのが、私の認識であり、ANSの目指すところです。(将来は地震の制御をしたい・・・)

・ノアの箱舟の件、そこまでオーバーに考えないでください。神戸の人も前日に大阪まで避難すれば命は助かったのです。ANS観測マップが全国真っ赤印で埋まるような時には、アトランティスの沈没のような大惨事でしょうが、そこまで考えてもどうしようもありません。大陸ごとの沈没は、ガイヤの意思なのでしょう、諸行は無常、変転こそが本質である、と覚るしかありません。

・地震回避の方法は今の研究の方向からは何も見えてきません。プレートの動きを止めることはできないでしょうから・・。しかし、地震の真相究明が進めば、地殻内の爆発的化学反応を制御することはまったくの不可能事ではないと考えられます。 ANSの先にある、石田研究所の遠い遠い夢として、地震の制御、があります。

以上です。地震の制御を本気で考えているのか?H.G.Wellsに脳みそをやられたな、などと誰かに揶揄されそうな空気を感じますが、今の地上の状況ではそれは地球意識・ガイヤの意識が許してくれないでしょう。地上の人類がもっと、地上生活の意味に目覚めて、協調、助け合い、奉仕と言った行動指針が取れるようになった時に、許可されるものでしょう。Wellsの「世界はこうなる」には、そういう時代の青年の行動様式が生き生きと描かれています。給料の多寡で仕事を決める青年の姿はなく、どれだけ人々に喜んでいただける仕事なのかを職業選択の基準にしているというのです。セミナーの枠を超えそうですので、このへんで・・・。

273
2002/12/01Sun) 18:26
石田 昭
地球科学の新たな謎
「地球科学の新たな謎」と言う地震学会広報誌の記事をT氏が送ってくださいました。石田理論ではどのように解釈したらよいのか、しばらく考え込んでおりました。まずは記事を紹介します。

深部低周波微動 ―地球科学の新たな謎―

 活動的な火山では、振動がいつまでも続く、いわゆる火山性微動が発生することがあります。これと似たような微動が、火山の存在していない西南日本の、しかも深い場所で常に発生していることが、防災科学技術研究所のHi-netによって発見されました。

Hi-netとは、日本全国の約600ヶ所に新たにつくられた高感度地震観測網のことで、そのおかげで非常に小さな地震まで確実に検知できるようになってきています。(図面はリンクしたURLからのぞいてみてください)

図 (左)愛媛県伊方における1時間の連続波形生記録(2001年8月17日4時)。  (右)四国西部の8観測点における1時間(上と同じ時間帯)のエンベロープ波形 記録。図左は、四国西部の愛媛県伊方(いかた)で観測された連続記録です。全体に見られるゆっくりした揺れは海岸に打ち寄せる波による振動ですが、後半の約15分間にノイズとも思える小刻みな揺れが見られます。これが微動です。微動は、ふつうの地震よりはゆっくり振動するので、「低周波微動」と呼んでいます。もちろん、高感度地震計にかろうじて捉えられる程度なので、人体に感じることはありません。

以前は観測点がまばらで、このような振動が自然現象か、車などによるノイズなのか、わかりませんでした。しかし、 Hi-netによって、微弱なシグナルでも同時に多くの観測点で捉えられるようになったことから、微動として認識できたわけです。このような微弱な微動を調べる上で、観測波形をエンベロープ(包絡線)と呼ばれる信号に変換することはとても有効です。四国西部の8観測点のエンベロープ記録を見ると、35分から50分ごろにかけて出現する微動がとてもはっきりします(図右)。また、エンベロープの変化パターンは異なる観測点でも良く似ています。

微動はP波やS波などの区別がつきにくく、通常の方法で震源を決めることが困難なので、エンベロープの相似性に着目して、震源決定を行う手法を開発しました。微動源は1分ごとに求められますが、1時間ごとに求められた微動源の中心位置を昨年1年間について示したのが表紙の図です。微動は、長野県南部から豊後水道までの長さ約600kmの範囲に帯状に発生しています。この地域には南からフィリピン海プレートが沈み込んでいますが、微動源はそのプレート形状に平行で、プレート内の深さ35〜40kmに発生するふつうの地震の震央位置とほぼ一致します。

微動源の深さは、それらの地震の直上、およそ30kmで、地殻とマントルの境界であるモホ面近傍に相当します
紀伊水道から徳島県東部の地域では微動は発見されていません。 
微動は、いったん起き始めると長い場合では2〜3週間も活動が続き、その後はしばらく静かになります。また、微動は付近で発生した大きな地震をきっかけに活動的になる場合があります。
例えば、2001年3月24日の芸予地震(M6.4)の直後、四国で微動が活発化しました。逆に、付近で発生した地震によって微動がおさまった例もあります。また、微動源は一ヶ所に留まらず、移動しやすい性質を持っています。四国西部では2001年1月には東から西へ、8月には西から東へ、1日に約10kmのスピードで微動源が徐々に移動する現象が見られました。 低周波微動がなぜ発生するかは、まだわかっていませんが、その連鎖性や移動性を考えると、流体が関与していることはまず間違いないでしょう
このような流体の存在やその挙動が分かれば、沈み込み帯における地震の発生や地質形成を解明できる可能性があり、微動の「謎」解きは、とても重要です。
(防災科学技術研究所 小原一成http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/naifuru/vol30/v30p1.html

 以上がその記事です。「低周波震動が流体と関係している」と言う点はうなずけますが、「沈み込むプレートでは岩石から水が搾り出される脱水反応が起こっていることから、微動の発生に関与する流体はプレートから供給されたものと考えられます。」と言う解説は納得するわけに行きません。  石田理論の解釈では、低周波震動の震動源あたりに、巨大なマグマプールが出来上がっているのだと解釈します
大陸の沈降現象はこうしたマグマプールのもっと巨大なものが、何段にも無数に発達し、そこで巨大地震が連発して、大陸を沈降させてしまうのだと思います。
チャーチワードは空っぽのガスチャンバーを想像しましたが、そうではなくて、マグマプールの発達と考えたほうが、大陸の沈降を説明しやすいと思います。 それにしても、人体には感じない、微々たる震動です。それを検知できるHi-netに大金をかけるよりも、もっと地震予知に役立つところに大金を使って欲しいと思います・・・。

274
2002/12/01(Sun) 20:38
石田 昭
直下型地震の驚くべき曖昧な議論

地震学会の広報誌をみていたら「直下型地震」に関する何とも情けない曖昧な議論がありました。

「直下型地震」って何語? 試験問題から議論沸騰− なゐふるメーリングリストから −

 「『地下の浅いところで起こる地震は(  )とよばれ、震源からの距離が近いため大きな被害をもたらすことがある』。解答は『直下型地震』。この中学生の試験問題って、適切じゃないのでは?」。中学生のお子さんのプリントをみて、疑問を抱いた高校の先生の投稿が、なゐふるメーリングリスト久々の大ヒット。400字詰め原稿用紙で200ページ以上の膨大な議論がかわされました。 「地震3兄弟」と「直下型」は違う!? 

まず、「直下型地震」という言葉が、どこで使われているのかについて、「マスコミ用語では」、「被害との関連で使われる用語」などと、議論が始まりました。1972年のニカラグアのマナグア地震の際、専門家の現地レポートで「都市直下型地震被害」と書いた記事に、新聞が「直下型地震」との見出しを付けたのが最初ではとの紹介があり、新聞記事のデータベースで検索が可能な85年以降で「都市直下型地震」など防災施策などの関連でしばしば使われているとの報告もありました。今回の試験問題の( )内に入る言葉としては、「浅い地震」とか「浅発地震」と考えてしまうとされ、直下型地震がイコール内陸地殻浅発地震ではないのに、混同されていることが問題との指摘がありました。 その中で、地震の起き方を混同しないように、種別プレートの収束境界で起きる地震を「プレート境界の地震を長男、スラブの地震が二男、上盤側プレートの地震が三男と、『地震3兄弟』と分類すると分かりやすい」との提案があり、直下型かどうかはこれらの分け方と基準の異なるメタ(超)分類だと指摘されました。例えば、長男型の宮城県沖地震や想定東海地震でも、震源が陸域に及んでいることなど、3兄弟いずれの地震でも内陸の直下型がありうるわけです。ちなみに、この3兄弟の「親」がプレートテクトニクス、「祖父母」はマントル対流と考えればとのことです。 何の直下なのかを考えると、震源が何かの直下にあるから直下型となるとして、都市直下型地震だけでなく、猿山直下型地震とも言えるとして、直下型地震は震源と受け手の関係性で規定される用語ともされました。 地震学と地震防災の違いも 「直下型地震」とい言葉が、「地震学の学術用語ではない」などとして「出来るだけ使わない」との発言もありましたが、工学や防災学では直下型という言葉が現に使われており、地震学の厳密な定義とは違う使われ方を否定することはないともされました。 地域防災計画などで地震防災対策を進めていく上で、想定される地震を引き起こす断層が、都市の直下なのか、山地の直下なのかなど、何の直下にあるかを踏まえることは必要で、防災用語としては不適切とは言えないともされました。

一方、その際に被害の様態を決める要因である震源の広さや深さなどの特徴と、直下型であるかどうかとは異なることを踏まえて使われるべきとの発言もありました。 「直下」とは足元からの強い揺れのニュアンスを現している言葉だとして、「直下型地震動」という言い方も提案されました。また、「地震」とは「震源での断層のずれ」という地震学者と、「地表での揺れ」を考える防災関係者や一般市民との認識のずれも、直下型地震という言葉を巡る問題と重なっているとの指摘もありました。

 学校教育って何を教えるの? 直下型地震を説明する教科書の事例が報告され、適切に説明できている例もあることが確認されましたが、一方で「直下型地震」という言葉が、厳密な定義がしづらいからとして、「定義がはっきりしない言葉を教科書に使うのは良くないのでは」との指摘から、学校教育の話題にも広がりました。 学校教育の中で「あいまいな言葉が、あいまいなまま広まってしまうことの危険性」という指摘には、「学問的に正確を期すあまり、難しい教科書になってしまいかねない」との声が寄せられました。また、「正解が難しい問題を試験で問われて、成績が決まり、進路や人生が決定してしまうのはいかがか」との声には、「現場では、学校の勉強は『重要だ』『人生のほんの一部だ』という矛盾する言葉を両方述べる。矛盾を抱えながらなされる教育では」との、奥の深い議論もまで出てきました。 (日本地震学会広報委員 中川和之)
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http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/naifuru/vol31/v31p8.html と云う一つのテーマで、幅の広い議論が出来るのもなゐふるメーリングリストならではです。参加申し込みは、 http://www.mmjp.or.jp/zisin-nfml/

以上ですが、地震学者が「直下型地震」に明快に答えられない実態が見て取れます。学会としての回答も出せないのでしょう。「直下型地震」とは新・地震学セミナーで勉強された方には自明のことです。爆発の方向が地表面に向かっている場合の地震のことです。下から突き上げられるような地震です。都市の直下で起こる地震であっても、爆発が水平方向ならば、直下型地震ではありません。直下型は地震の規模が小さくとも甚大な被害が出ます。傷跡としての断層は垂直ずれ(正断層、逆断層も含んで)が現れます。爆発が水平方向の地震では、横ずれ(右ずれ、左ずれがある)断層が現れます。もちろん小さな規模の地震では断層は現れません。

275
2002/12/01(Sun) 23:28
石田 昭
役所の無駄使い・癒着


[270]で4億円の補正予算の無駄使いの話をしました。補正予算とは、どうしても必要になった計画のための手当てなのではないのでしょうか。ナウキャスト対応の地震計配備のためということですが、屋上屋を重ねる地震計に思えます。また[273]では人体に感じない震動を検知するというHi-net地震計の話がありました。先程の東北の地震でも震度1、2を報告する地震計が夥しい数であることが分かります。
 そんなことを思っているうちに、T氏が4時間もお話を聞いたと言う方の憤懣を思い返しました。公的な研究所の内部事情をご存知の方なのでしょうか、次のようなメールの文章でした。
 「彼が身近で見た無駄遣いの話が有りました。地震計設置、断層調査費等、民間感覚からは10倍以上の金額となり、先生方へのお小遣いも目に余ると・・、先生などと肩書きを与えるからいけないとお怒りでした。」
先生方へのお小遣いも目に余る・・・こんなことが何時までも続けられていい筈がありません。地震予算を食い物にする業者との癒着が問題にされる時がくるでしょう。
276
2002/12/03(Tue) 14:49
管理人
電磁波漏れ調査 
ある方からの、参加申し込み欄に次のようなコメントがありました。

 本日方位磁石を手に入れました。結構雑音が多く、部屋の中でも、かなり針の方向がずれます。こんなものでいいのか気になりますが、これから観測いたします。これからもご指導よろしくお願いいたします。

というものです。次のような返事を差し上げました。他にも同じようなケースの方がありましたら、参考にしてください。

 参加申し込みありがとうございました。ところで、方位磁石は両面テープなどで、どこか動かない場所に固定されてありますでしょうか。それでも、動くようでしたら、

・家電製品、PC等の強い磁場を受けていないかどうかの調査。

・高圧電線、送電線の影響調査。

・電車、地下鉄などの軌道の影響調査。

・近隣工場からの電磁波漏れ調査。

を一度お願いできないでしょうか。そのためには、ガウスメーター4080型等が必要ですが・・・。一家の健康のために、4〜5万円くらいは安いもの・・と考えることにしましょう。「健康上、4mG以下が望ましい。それ以上では、幼児の癌(白血病)の発生率が高くなる。」という国立環境研究所の報告が週間朝日2002,9,23日号の載っています。 以上よろしくお願いいたします。

277
2002/12/03(Tue) 18:15
管理人
電磁波障害は第二のBSE問題か
[276]に紹介した方からの返事がありました。


どうも電気製品の影響を受けていたようで、それから離しました。それからは、ちゃんと北を指していると思います。

というものです。[261]に紹介した方のコメントにも、「電子機器の影響のない場所を探すのは苦労しました。初めて自分の環境が電磁波まみれであることを知りました。」というのがありましたが、電磁波による健康障害を等閑に付して、家庭電磁調理器などの宣伝をしている電力会社は大丈夫なのでしょうか。件の週刊朝日には「事実を認めず先送りしていたら第二のBSE問題となって、取り返しのつかないことになるだろう」とありました。

278
2002/12/05(Thu) 08:06
石田 昭
KAZU氏からの報告 
優れた観測員である仙台のKAZU氏からまた貴重な報告がありましたので、セミナーに報告いたします。

本日(12/5) 0時50分 宮城県沖(気仙沼沖)M5.3発生。また2日 8時02分には少し南側の女川沖でM4.5発生していますが、やはりメ−タ−には、ほとんど変化ありませんでした。先日のM6.2でふれなかったのですから当然の結果でしょうか。 デ-タ数が少ないので報告をあげませんでしたが我が家2階東向き設置のマルマン製の電波時計が11/30と12/1の2日間不受信でした。隣県の有感M4以上で反応するように思います。11月中旬からモニタ−開始以来2日間の不受信は始めてでした。8月からモニタ−しているカシオ製電波時計には不受信を確認することはできませんでした。(見逃しはあると思います。)気象衛星ひまわり12/3 8時−10時可視に気になるものがあり、注意していたところでした。 以下は12/2からの電磁波メ−タ−の記録です。このところ寝過ごしてしまったり、忙がしかったりで時間は不定期です。

12/2 23時41分00秒-23時46分00秒  0-0.2mG

12/3 7時24分15秒-7時27分15秒   0-0.1mG ほとんど0.0で推移。

12/4 1時24分00秒-1時29分00秒   0-0.1mG ほとんど0.0で推移。

12/5 0時55分00秒-1時00分00秒   0-0.1mG ほとんど0.0で推移。

 石田先生に質問があります。電磁波メ−タ−での測定の仕方ですが、先生はどのように、どのくらいの時間行っているのでしょうか。震災級の地震前兆の捕捉という観点からは、さほど時間をとらなくてもいいように思いますが、地震電磁波研究同好会のHPなどみますと電磁波の放射に波があるようです。波の底にあたるところで測定すると見逃すことはないのでしょうか。TVノイズの有無は念頭においていますが、CATV環境のためあまりあてにはしてません。先般のM6.2のときはTVのON-OFFの現象がみられたため、その時にも測定してみました。

 以上ですが、次のような返信を差し上げておきました。

 いつも貴重な報告ありがとうございます。やはり電波時計は過敏に反応するようですね。中地震の検知には向いているのかもしれません。 ご質問ですが、以前は一日2回定時観測をしていた時もありましたが、現在定時観測は朝の一回だけです。時間は数秒の短時間で終わりです。方位磁石は机の端に固定してあり、いつでも目につくようになっています。気になる情報があるときは、ガウスメーターも適宜スイッチを入れて見ています。
 ところで、セミナーの[170]にあります情報

http://yochi.iord.u-tokai.ac.jp/eprcJ/page018.html

を抜粋しておきますが、M5.5程度の地震であっても、2日前から地電流の定常的な変化が、見られるようですし(山崎断層観測点)、M6.6では、56日まえから定常的変化があるようです(狼煙電極)。

・地震の前に観測された異常変化

・山崎断層の地震 鳥取大学の宮腰は地電流観測を長年続けており、兵庫県の山崎断層でも観測を実施していた。1984年その観測点のほぼ直下でM5.5の地震が発生した。地電流変化はその地震の前2日ほどから顕著に変化していた。

・能登半島沖地震(1992.2.7) 地電流測定のため、我々はNTT交換局間のメタリック回線を用いた地電流観測を行っていた。ここでは能登半島・珠洲周辺に展開された観測網で得られた1993年2月7日に発生した能登半島沖地震(M6.6)についての事例を紹介する。 1991年12月中旬から地震発生当日まで56日間継続する非常に大きな地電流変化(狼煙−大谷間での電位の変化は500mVに達した)が能登半島先端に設置された珠洲長基線観測網で観測された.変化の原因は測線配置から能登半島先端の狼煙電極が原因であることがわった。なお狼煙電極は震央から最も近い電極であり、その距離は約15kmであった。異常変化は地震発生後約2時間で通常のレベルに回復した。異常変化は、後に地震予知連絡会により「能登半島沖地震の前震であった」と判断された地震活動が発生したのとほぼ時を同じ時期に開始していた。

 以上ですが、パルス的変動ではなくて一定レベルの変化が、定常的に現れるようですので、数秒単位の計測で充分だと思います。震央からの距離、震源の深さ、マグニチュード、などとの関係法則を早く見つけたいものだと思います。

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280
2002/12/05(Thu) 11:41
石田 昭
検知可能な地震に関する一考察
検知可能な地震に関する考察
産業技術総合研究所のHP

http://unit.aist.go.jp/geoscience/tecto-hydr/products/productsj.html
には、地下水位変化と地震の規模との関係をグラフで示してあります。此れと同じような関係がANS観測網の検知可能地震に関しても成立するのではないかと考えられます。地下水位変動から検知する場合には、そのHPにある図―2の関係式が、マグニチュードMと震央までの距離L(km単位)との間でおおよそ、 M=2.4logL+0.8
の関係がありますので、M8ならば、1000km先の地震が、M7ならば、380km先の地震が、またM6ならば、140km先の地震が検知できることになります。

[231]のKAZU氏の報告では、M6.2地震が約130km離れた仙台で検知しなかったと言うことですから、コンパス、電磁波メーターはもう少し感度が鈍く、大地震検知用としては適切なのかもしれません。電波時計では、感度が良すぎて被害の出ないような中地震をも拾ってしまうことになるのでしょう。1800km先のコンパスを狂わせたというリスボン大地震クラスですと、M8.6以上と言う数値になります。

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