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2007-07-17 (Tue)
飯綱町の震度計について
中越沖地震で震源から93.5kmという遠隔地にある飯綱町芋川という場所がなぜ大きな震度を観測したのだろうか、と不思議に思い、その原因を地質図とか鉱脈図とかを取り寄せて検討しようと思っていたら、「地盤が軟らかかったため、実際より大きな震度を観測していた」という報道がありました。
どうしてそのようなことがあるのか、不思議です。震度計は確かに大きな値を記録したわけですから、地盤が悪いから・・・正確でないというのは首をひねります。地盤が軟らかい地域には震度計を設置してはいけないのでしょうか・・・。そういう地域の住民こそ震度には敏感なのでしょうから、地震計が欲しいのではないでしょうか。
まぁ、意地悪い質問はやめて、観測所が浮島のような局所的に軟弱な地盤の上に建設されたために、その地域の全般的な震度を代表するデータとは言えない・・・ということだと解釈します。
しかし、ではなぜそのような場所に震度計を設置したのでしょうか、地方行政官の仕事かもしれませんが、気象庁は指導しないのでしょうか、全国にはこうした観測点が他にもあるのでしょうか。いい加減な仕事はやめて欲しいと思います。報道を紹介します。

<中越沖地震>震度計の場所の関係で過大震度を観測…飯綱町
7月17日12時57分配信 毎日新聞
中越沖地震の本震で震度6強を観測した4市町村のうち、長野県飯綱町は震度計を設置した地盤が軟らかかったため、実際より大きな震度を観測していたことが分かった。気象庁が現地に職員を派遣して確認した。周辺の震度計では最大震度5強で震度が2段階も異なることから、同庁地震火山部は「実際より揺れを強く観測したとみられる」と話している。

以上が、その記事です。地図を見ると飯綱町芋川という震度計設置場所は野尻湖の南東5kmの位置にあります。沼地を埋め立てたような場所だった・・・ということでしょうか。

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2007-07-18 (Wed)
複雑な地盤変動
国土地理院の発表によると、新潟県中越沖地震で、柏崎市沿岸部が北西方向に約16センチ、出雲崎町が北東方向に約15センチ移動したそうです。そのほかは、図に見るようにほとんどが北西方向に移動したそうです。

(中日新聞7月17日朝刊より)

また新聞の記事にあるように、柏崎市西山町で最大加速度が1018ガルであったと気象庁が発表しました。980ガルを超えるということは、まさに空中に放り上げられるのと同じ「飛ばされる」ことを意味しています。
体験談では激しく回転するような動きを感じたと述べる人がありましたが、この図を見ると、北西方向にも大きな力が働き、北東方向にも大きな力が働いたことが推定され、このことが「回転するような」という動きになった原因だろうと思われます。
では何故、柏崎市が北西に移動し、出雲崎町が北東に移動することになったのか、現場で地震動を体験した人がなぜ回転するような動きを感じたのか、その原因を説明することは今回の地震が逆断層型地震であったとする断層地震説では不可能だろうと思います。
地震爆発説で説明するには、二つの押し円錐の軸が通常の地震のように直線上に並ぶのではなく、円錐の頂点で交差するような形で爆発が生じたという説明になるかと思います。
つまり爆発の方向が左右対称ではなく、角度をもって「く」の字型になっていたのではないかと思われます。今後の詳しい観測データの提示を待って検討してみたいと思います。

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2007-07-18 (Wed)
地震記事の疑問
中越沖地震に関する新聞報道には「地震爆発説」の立場からは理解に苦しむ解説がありますので、紹介しておきます。
図は朝日新聞からのものですが、いくつか列挙してみます。

(A)図
・岩盤に「ひずみ」が蓄積されるという現象があるとは思えませんので、「ひずみ集中帯」という概念は理解に苦しみます。([1256]および[1249]など参照)
・「ひずみがたまる仕組み」とありますが、なぜに日本海側の震源付近に「たまる」のでしょうか。そのメカニズムがわかりません。
・中越地震は約3年前に40km東南で起こりましたが、なぜ「ひずみ」は開放されなかったのでしょうか。

(B)図
・「地震は震源から始まった破壊が断層面に沿って広がる」とありますが、なぜ地震波は破壊の始点つまり震源から発するような挙動をするのでしょうか。破壊の終点からはなぜ地震波がでないのでしょうか。
・「余震は本震でずれ残った部分で起きる」とありますが、なぜ余震の分布は平面的広がりでなく、空間的広がりを見せるのでしょうか。少なくとも、大きな余震は最初に動いた断層らしき平面の上には並びません。
・余震の分布が空間的広がりを持つということは、「最初の断層の上にはない点から新たな破壊の始まりが起こっている」と見なければなりませんが、だとすれば、震源付近には無数の断層が存在していることになってしまいます。何か矛盾があるのではないでしょうか。

(C)図
・「海底で見つかっている活断層」という記事がありますが、なぜこの断層が原発建設前の調査で見つからなかったのでしょうか。断層は地震発生後に現れた地震の傷痕ではないのでしょうか。大きな地震の後で見つかる地盤の食い違いのことではないのでしょうか。
・「地震を起こした断層は、北東から南西方向に破壊が進んでいることも解析でわかった。」とありますが、余震の震源が棒状に並ぶことからそれを断層面と解釈しているというだけで、解析して分かるというのはおかしいのではないでしょうか。本当に断層があるのなら、原発の建設以前に調査で分かるはずです。
・地震の後では決まって、「断層が存在することは分からなかった」という発言がありますが、地震の結果として出来る傷痕が断層ならば、見当違いの発言だと思います。
・このあたりにはユーラシアプレートと北米プレートとの境界があるということになっていますが、今回このプレート間の動きはなぜ問題にならないのでしょうか。なぜ、日本海中部地震の時とは違う挙動をプレートはするのでしょうか。

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2007-07-18 (Wed)
直下型地震の定義
写真に示す記事は読売新聞(7/18朝刊)に載っていた「直下型地震」の説明です。

この説明では陸域の地震はすべて直下型地震になってしまいます。なぜわざわざ直下型と命名するのか意味がなくなってしまいます。

地震爆発説では直下型地震は明確な意味を持って定義することができます。
陸域で起こった地震のなかで、震源が浅く、爆発の方向が垂直に近い場合には、規模が小さくても震動被害が大きくなるので、直下型地震として恐れるわけです。
爆発の方向が水平ならば、震動被害はそれほど大きくならず、直下型地震と言う必要もありません。
地震学会のFAQも明確な定義はなく、マスコミ用語だとして詳しい説明がなされていませんが、原因は地震の実態把握に誤りがあるからです。
セミナー[1165] で説明しましたし、ライブラリー8にも説明してありますが、上に示した真ん中の図のように「押し円錐」が地表面に垂直に近い地震のことを直下型地震と呼ぶのが、実態を良く表わしていると思います。その時できる断層は逆断層となります。
テレビの解説では「プレートが押し合って一方の上にのし上がるのが逆断層である」という説明が繰り返されていますが、意味をなしておりません。
右端の図のように爆発が水平ならば震動被害は大きくはなりません。たとえ都市の直下でおこっても、直下型地震として恐れる必要はありません。発生する断層は正断層というものです。
「正断層が出来るのはプレートが押し合うのではなく、逆に引き合うからである・・・」という説明も意味をなしておりません。
テレビの解説を聞いていて何時も思うのですが、乗り上げるプレートの奥行き方向、つまり自動車で言えば両サイドの動きはどうなっていると解釈するのだろう・・・ということです。両サイドにこそ大きな断層が発生する筈ではないのかということです。そこまで考慮した解説を聞いたことがありません。

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2007-07-19 (Thu)
深発地震における異常震域の解説
防災科学技術研究所のサイト(http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/tokai031112/)に
深発地震で見られる異常震域の解説がありました。
「潜り込んだ太平洋プレートは緻密な岩盤であって、これが震動を減衰させることなく関東方面に伝えるのである」という説明ですが、700kmというような深い場所で緻密な岩盤が存在できるとは思えません。このような深部では岩石はすべて溶融してしまっていると思います。解説記事を抜粋して紹介します。
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2003年11月12日17時27分ごろ紀伊半島南東沖の深さ約400kmでマグニチュード6.5(気象庁発表)の地震が発生しました。
この地震により、福島県浪江町、茨城県日立市、栃木県宇都宮市で震度4を記録したほか、関東地方から北海道の広い範囲で有感となりました。
この地震は日本海溝から西に向かって沈み込む太平洋プレートの中で発生した地震で、プレートの中が地震波を効率よく伝える性質があるため、震源付近の近畿地方に較べて、関東以北の太平洋沿岸で、より大きな揺れが観測されます。
このような現象は、「異常震域」と呼ばれ、日本海やロシア直下で発生した深発地震で、日本海側よりも太平洋側で有感になる場合がありますが、これも同様の現象です。(中略)
例えば、中国四国地方でもS波が観測されていますが、等距離である関東地方がより大きく揺れていることが分かります。
関東地方以北の揺れは震央付近より大きく、これが太平洋プレートの効果による「異常震域」ということになります。
さらに詳しく観察すると、西南日本ではP波やS波初動が過ぎるとすぐに振動が収まってしまうのに対して、東北日本では振動が若干長く継続します。
この原因についてはまだ十分には解明されていませんが、太平洋プレートが地震波を効率的に伝えるだけでなく、振動をある程度保持する性質を有しているのかもしれません。
さらに、局地的に振動がいつまでも継続する地域がいくつかあります。
例えば、宇都宮付近、および福島県の太平洋沿岸から仙台平野や北上盆地を抜けて八戸にいたる南北に細長い領域、などですが、これらの地域には柔らかい地層が厚く堆積しており、そのために地震動が増幅されると思われます。
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下の図は、石田理論の解釈と防災科学技術研究所を初めとする定説地震論の解釈との比較を示した概略図です。(テレビ報道でも同じ解説があったと知人が教えてくれました。参考図面

太平洋プレートが700kmもの深部まで固体として存在し、緻密であるために震動を減衰させずに伝えるということは有り得ないと思います。
その他の疑問点は図中に示しておきました。
深発地震が関東圏・東北・北海道方面で強く感知されるのは、石田理論の解釈では地殻の基盤である固い橄欖岩の層が地表に近く存在するからです。つまり、大陸部の地殻は厚く海洋部の地殻は薄いために、京都府沖の日本海という遠隔地で起きる地震でも、地震波が上部にある地殻の固い部分を伝って、遠隔地まで伝わるのです。

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2007-07-20 (Fri)
中越沖地震の前兆現象
越沖地震の前兆とも思えるような異常を何人かの住民が体験していたことが、ZAKZAKに載っていました。抜粋して紹介します。
http://www.zakzak.co.jp:80/top/2007_07/t2007071809.html
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【カラス鳴き声3倍…中越沖地震の奇怪な前兆現象数々 】

地鳴り、ガス臭、水蒸気…カラスの鳴き声が普段の3倍
 甚大な被害を出した新潟県中越沖地震。被災地では「そういえば…」と住民が振り返る、地震の前兆ともみられる奇怪な気候の変動や、動物の異常な行動が目撃されていた。
 「地震前日の夕方、新潟から車で関越自動車道を南下していたところ、普段は日没で暗くなるはずが、柏崎の方角が鮮やかな桜色に染まっていた。夕焼けとはまったく違う。桜色と灰色の2層にくっきり別れていた(@)」
 こう証言するのは、震度5強を記録した十日町市に住む女性(58)。女性は「早朝、カラスの鳴き声で目を覚ましたが、16日はいつもの3倍も『カァ、カァ』と鳴いた。義父と『変だね』といっていたら、大地震が起きた」とも話す。(中略) 
 柏崎市豊町に住む30代の主婦は、地震発生前に柏崎市内から長岡方面へ国道8号を車で走っている最中、鼻を突くにおいに異変を察知した。「地震発生の約30分前、ちょうど郊外の交差点にさしかかった辺りで、急に強烈なガスのにおいが立ちこめた」。地震の数分前には、「ゴーッと地鳴りのような音も聞こえた」(A)という。
 複数の住人は以前から天変地異が起きていたと訴える。柏崎市内の会社員、吉川真教さん(42)は「梅雨に入る前後の6月以降、近くの山から水蒸気のように見える気体が上がることが多かった(B)」。(中略) 
 前兆現象と地震の因果関係は解明されていないが、古くから大地震の前には「何か」が起こるとされる。“後付け”ではあるが、複数の住民はその「何か」を感じていた。
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それぞれの現象を引き起こした理由について検討してみます。

@:2層にくっきり別れていた、というのは、震源付近の熱水が解離ガスの発生による圧力増加によって上昇し、地表付近に蒸し暑い空気の層が漂って、冷たく軽い空気との二層構造になったのだと思われます。普段なら暗くなる時刻に明るく桜色と灰色になったというのは、解離ガスの流動によるMDH発電が起こり、発光が起こっていたのではないでしょうか。たぶん二層の地表に近い側が桜色だったのではないでしょうか。それは夕焼け現象と同じ理屈で、蒸し暑い空気の層は波長の長い波しか通さなくなるからでしょう。

月が赤く大きく見える理由参照)

A:地震の前に地なりのような怪音が聞こえてくるのは、爆発現象の特徴ですが、空気震動としての音ではなくて、固体中を伝播するいわゆる「骨導音」を聞いているのだと思われます。つまり、「骨伝導」方式で携帯電話(ハンズフリー)が使用できるのと同じ理屈で、岩盤を伝わって爆発音が聞こえてくるのだと思います。数分も前に聞こえたのは、本震の前にも、小さな爆発現象がおこっていたことが考えられます。

地震の前に聞こえる怪音[1231]参照)
また、30分前に強烈なガスのにおいが立ちこめたというのは、@の原因と同じく、震源付近の圧力増加が、無臭の水素ガスだけでなく付近にある天然ガスなどと一緒に地上に噴出していたのだと考えられます。

B:水蒸気のように見える気体が上がったというのは、昔から大地震の前にはあることで、「地気」があがったというような表現をされていますが、これも@の原因とおなじで、蒸し暑い水蒸気が噴出するのが原因であろうと思われます。

つまり、@からBまで、いずれも小さな地震では起こりませんが、大地震の場合には前兆として人目に付くものであるということが出来ます。
カラスの鳴き声は電磁波なのか、噴出ガスなのかは分かりませんが、普段とは違う異常を感じて騒いでいた可能性が考えられます。
いずれにしても、こうした前兆は「定説地震学」では説明がつかないと思います。地震学を再考する時期に来ているのではないでしょうか。

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2007-07-21 (Sat)
否定の立証責任は誰にあるか
防災科学技術研究所のサイトに中越地震の余震域と今回の中越沖地震の余震域が下図のように報告されていました。

[1267]でも紹介しましたが、二つの地震の震央は40km弱しか離れていません。またその中間に液化炭酸ガスの注入実験が行なわれた帝国石油岩野原基地があります。
右の図は地質図の上に二つの地震の震源位置と注入現場の位置とを示したものであります。
地質図の詳しい読み方は知りませんが、図を見る限りでは、キャップロックという水を通さない岩石は雨傘形状というよりは、かまぼこ形状で東北〜南西に延びているのではないかと推察できます。液化ガスの圧入によって北西側に追い出された地下水は一つ谷を越えて移動するために、解離による水素ガスの貯留に3年という時間が必要であったという見方ができるのではないでしょうか。
このように接近した場所で3年という短い期間に大きな地震が発生するということは、「歪の蓄積」という原因説では説明不可能なのではないでしょうか。もちろん余震の発生原因も説明不可能のように思いますが・・・。

注入した液化ガスに追いやられた地下水が解離現象を起こし、発生した水素ガスが爆発したのではないかというのが「地震爆発説」から導かれる結論ですが、そうではないと否定する立証責任はプロジェクトを実施する側にあるのではないでしょうか。

「巨大地震は水素核融合で起きる!」の著者山本寛氏は次のように述べておられます。

「現時点(平成19年3月)で「新潟県中越地震」は「C02地中貯留」が原因であるとして、国に損害賠償請求を行なったという情報はない。しかし、本書に触発されて、そのような訴訟が起きることが予想される。その場合、「C02地中貯留」と「地震」の因果関係の立証責任は誰にあるのだろうか。
この場合に参考になるのが、「製造物責任」の考えであろう。
 つまり、「原告側」(地震被害者)は、地震が起きて被害を受けた事実を示し、「被告側」(国)はC02地中貯留が被害を起こすような大きな地震を引き起こすことはないことを証明することになろう。(p.223)」

なお、サイト検索していましたら、地元でも岩野原基地でこのような実験が行われていたことをご存じない方が居られるようでしたが、環境アラカルトという取り組みで紹介がなされておりましたから、当事者は環境を良くするのための実験であって、地震を発生させる危険性など、まったくご存じ無いようです。地震学者でさえ、危険性を認識できないのですから致し方ないのかもしれません。

(長岡市秘書課広報より)

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2007-07-23 (Mon)
荒唐無稽な解説
中越地震によって高まった歪で中越沖地震が発生した・・・というのは「地震の原因は地震である」というような荒唐無稽な解説です。産総研の解析という報道を抜粋して紹介します。
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070718ddm002040132000c.html
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中越沖地震:中越のひずみ引き金 「長岡平野西縁でも危険性」−−産総研が解析
中越地震と中越沖地震の関係

 新潟県中越沖地震は、04年10月の中越地震によって地層のひずみが高まった地域で発生していたことが、産業技術総合研究所活断層研究センターの遠田晋次・地震テクトニクス研究チーム長(地震学)の解析で分かった。今回の地震によって、近くの活断層「長岡平野西縁断層帯」の一部でひずみが高まっていることも判明し、遠田チーム長は「同断層帯で大きな地震が起きる可能性がある」と警告している。【山田大輔】

 断層にかかっていた力は、地震が起きると、解放されて周辺に伝わる。遠田チーム長は、地殻内での力の伝わり方を分析した。
 その結果、中越地震によって、今回の震源域を含む地域は、逆断層タイプの地震活動が促進されるような地殻内の力が増加していた。増加量は気圧の0・1〜0・5倍と少ないが、遠田チーム長は「本震だけの分析。中越地震は大きな余震も多く、余震の効果でさらに増加した力は多いとみられる」と話す。
 一方、中越沖地震が長岡平野西縁断層帯に与えた影響を計算したところ、気圧の数倍〜40倍の大きな力の増加が一部にみられることが判明した。こうした力の増加域では地震活動が活発化し、次の大地震の震源になる場合が多いという。
 同断層帯は、1200〜3700年に一度、マグニチュード(M)8程度の地震が起きるとされ、今後30年以内に発生する確率は2%以下とみられている。しかし、遠田チーム長は「断層帯全体が動くのではなく、予想されているより早い時期に、一部分が動く一回り小さな地震が起きる可能性がある」と説明している。

 一方、気象庁は別の分析で、中越地震によって今回の地震が誘発されたことを否定している。西縁断層帯への影響は、結論が出ていないという。
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以上が報道された記事です。

・ 【 断層にかかっていた力は、地震が起きると、解放されて周辺に伝わる。】?
歪が開放されるのが地震なら、解放された時点で力も無力となります。開放されたが無くならず、周辺に伝わり、それが次の地震の原因になる・・・まったく荒唐無稽でバカバカしい話です。
・ 【増加量[地殻内の力]は気圧の0・1〜0・5倍と少ないが、(これは)「本震だけの分析(であり、)中越地震は大きな余震も多く、余震の効果でさらに増加した力は多いと見られる。】?
余震とは本震ですべり残った部分が動いて起こるというのが定説地震学の考えです。一回で滑りきらない地震のほうが、次々と他の部分に力を蓄積していき・・・次の地震を引き起こしやすい・・ということになるのでしょうか。そんなバカなことはない・・・というのは常識で考えても分かることです。

いまや地震学者の解説は「何でもあり」という感じがします。何も分かっていないのだから、何を言ってもだれも否定できない世界なのでしょうか。
荒唐無稽な解説を聞かされた上に、その研究に使われるための税金であっても、納税の義務があるというのは納得いきません。
国民が真相を知ったら、なんと言うでしょうか。

活断層の論議でも、「地震の結果生まれるのが断層である」のならば、断層の調査とは傷痕ばかり調査しているようなものです。
大地震の前には存在しないわけですから、存在しない断層が存在するかもしれないとして「精密なる事前調査」を行えというのは「枯れススキ」に怯える童子のように思えて仕方がありません。

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2007-07-23 (Mon)
比喩だとしても滑稽な解説
ユーチューブ動画「GPSによるプレート境界精密調査」を紹介します。
http://jp.youtube.com:80/watch?v=s1RA1F1-KPk

この中で地震の直後湧き水の量が大きく増えた・・・と報道されていますが、原因は「地震爆発説」で考えれば容易に説明できます。
地震は安定していた解離層の状態(解離条件は温度と圧力に依存する)が不安定になり、水素ガスが発生してこれが爆発を起こす、というのが「地震爆発説」ですが、地震の前には解離の状態が不安定になり、解離ガス(水素と酸素)が発生して、地中圧力が増すわけですから、地下水位が上昇したり、湧水量が増えたりするわけです。地震現象とはその解離ガスが爆発を起こすのですから、解離状態が安定するまで地下水の流れも通常値には戻りません。

過去の記録では、「地震後、紀州や四国の温泉が枯れてしまい、元に戻るのに時間を要した。」という逆の例もあります。これは、温泉源が引き領域にあたる場合です。
押し領域ならば湯量が増し、引き領域ならば湯量が減ります。
尾池教授の説明では、「六甲山全体が押されたために、水が絞りだされて、湧き水が増えたと考えて良い。」ということですが、雑巾を絞るようにして地下水が搾り出されるというのは、比喩だとしても滑稽な気がします。
動画の中では、さらにプレートの解説があります。
伊豆半島周辺の火山活動が、プレートの裂け目を作り、東西に押し広げている・・・さらにそのプレートが重なり合っている・・・という解説を聞いて、納得して理解できる人が居るのでしょうか。
質問:地下からのマグマはどうして出来るのでしょうか?

答え:プレートが潜り込むときに相手のプレートと擦りあって、その熱で岩石が熔けてマグマが発生するんです。
質問:地下で摩擦熱によって出来たマグマがどうやって地上まで上ってくるのでしょうか?

答え:マグマの熱で岩盤を熔融するからでしょう。
質問:相手を熔融させたらそのマグマは冷えて固形化しませんか?

答え:次々とマグマが上昇しますから、熱は供給されます。
質問:一年間に数センチというスピードでも、地表までの岩石を熔融させるような大量の摩擦熱が発生するのでしょうか。

答え:そういうことになっています。
質問:厚さ何キロもあるプレートが何本かの上昇マグマ(火山)で東西に分裂させられるメカニズムはどのようなものでしょうか?また、分裂後、重なり合うというメカニズムは何でしょうか・・・?

質問は延々と続き、納得できる回答は永遠に得られそうもありません。

追伸:後から気づきました・・・伊豆半島や大島の火山はフィリピン海プレートとユーラシアプレートの間での摩擦熱でマグマを作り、上昇し、地上で火山になっているんですよねぇ・・・。
フィリピン海プレートの上面で発生するマグマがなぜ下部に位置するフィリピン海プレートを引き裂き、分裂させるのでしょうか・・・。
メカニズムが理解できません。

また、ハワイ諸島はホットスポットが作ったといわれていますが、大島も同じような構造の火山なのでしょうか。とすれば、その場合のマグマはどうやって形成されるのでしょうか。

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2007-07-23 (Mon)
日本海側にあった森林地帯
<中越沖地震>震源地近い海底に大量の古木 液状化で浮上か
7月23日3時3分配信 毎日新聞
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 中越沖地震の震源地に近い新潟県出雲崎町沖の海底に、大量の古木が堆積(たいせき)していることが分かった。地震の液状化現象で、地中に埋まっていた古木が浮き上がった可能性があるという。網に絡まり漁業に支障があることから、地元漁協が実態調査を進めている。
 出雲崎漁協(坂下甚十郎組合長)によると、古木が見つかったのは19日未明。出雲崎漁港から数キロ沖合でタイ漁をしていた漁船が、水深約70〜100メートルの海底から網を引き揚げたところ、直径30〜50センチの古木がいくつも絡まっていた。古木の多くは角が取れた楕円(だえん)形で、長さ1メートル以上の棒状のものもあった。既に100個以上引き揚げられている。坂下組合長は「50年漁をやっているが初めて。タイが取れずに困っている」と話している。
 県水産課によると、同様の古木は長岡市寺泊地区でも確認されている。小長井一男・東京大学生産技術研究所教授(地震工学)は「詳しい状況は分からないが、アメリカ・ロマプリエタ地震(89年10月)でも海底の液状化が確認されており、液状化現象で浮き上がった可能性がある」と話している。【伊藤直孝】
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この記事は日本海沿岸が古代には緑豊かな森林地帯であったことを示していると思います。もっと西に行くと、魚津の埋没林Mが有名です。もっと西に移動すると、出雲大社の巨大神殿に使われた巨木が思い出されます。

古代の日本列島はすくなくとも、日本海側に巨木が生い茂る豊かな森林が存在していたのでしょう。その森林がなぜ埋没林となってしまったのか、その原因は「地震爆発論」でしか説明できないと思います。
つまり瓜生島高知の南部が沈降して土佐湾が形成された事件のように、巨大地震の爆発が水平方向に起こったために、引き領域に相当した陸地が海底に沈んでしまったのだと思います。

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2007-07-24 (Tue)
CO2地下貯留プロジェクトと地震の因果関係
地震関連のサイトを見ていると、地震学者の島村英紀氏も長岡で行われたCO2の貯留実験と地震との関係をコメントしておられ、関心を集めています。ただし地震爆発論との見解とはまったく違う解説ですので、島村論文の紹介および爆発論との違いを解説しておく必要があると考え、ニューオフィスに(59)CO2地下貯留プロジェクトと地震の因果関係を追加しました。
地震爆発論から導かれる警告に関してはこれまで述べてきた論点と同じですが、新しい論点として、ヒマラヤ地方のダムでは地震の発生が無く、同じように火山の無いエジプト地方のダム(アスワン)で地震の発生が見られる点に関して以下のような考察をしておきました。
ヒマラヤ地方では、高さ200メートルを超えるダムをはじめ、ほかのダムでも地震が起きているようには見えないそうです。
これも不思議な現象ですが、爆発説で考えると、理由が見えてきます。
ヒマラヤ地方には火山が存在しないことからも分かるように、冷却された地殻が厚く、ダムの建設で局所的に水圧を高くしても、解離状態を乱すような高熱地帯にまでは影響を与えないのではないと思われます。このことが地震を起こさないのではないかと考えられます。
滑りやすさという観点からなら、ヒマラヤ地方でも他の地方と同じように地震が起こってもおかしくないはずです。

また、エジプトのアスワンにあるハイダムでは貯水後20年近くたってから比較的大きな地震が起きたそうです。
エジプト地方でも、火山は存在しないので、条件はヒマラヤ地方と同じではないのか、という気がします。しかし、海洋が近くにあるエジプトの地と、海洋から遠隔の地にあるヒマラヤ地方では、地殻の低温度部分の厚さが大きく違うのだと思います。

雪山に近いヒマラヤではそれが厚く、長い年月にわたって水圧が負荷されても、地震現象に関係する高温度の解離層までは影響を与えないのだと考えられます。
人体でも、毛細血管が浅い部分に、しかも緻密に流れている皮膚もあれば、足裏のように、角質部分が厚い部位があるようなものでしょうか。ヒマラヤは地球の角質に相当する場所のような気がします。

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2007-07-28 (Sat)
国土地理院の断層解釈は矛盾している
毎日新聞の報道によると、国土地理院は中越沖地震を起こした断層に新説を出したそうです。記事を紹介して、疑問点を提示しておきます。
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<中越沖地震>断層、陸から海へ…国土地理院が新説 [ 07月26日 23時30分 ]

 国土地理院(茨城県つくば市)は26日、新潟県中越沖地震を起こした断層の解析結果を発表した。陸側から海側に向かって下がる2枚の断層が動いたとの内容で、海側から陸側に下がる断層が動いたとする各機関のこれまでの解析とは逆の結果。震源断層が東京電力柏崎刈羽原発の直下へは延びていないことを示す一方で、原発までの距離はこれまでの推定より近い可能性がある。8日に開かれる政府の地震調査委員会で詳しく検討される。
 発表によると、2枚の断層はともに北東―南西方向に延び、同原発の北西数キロ付近にある。1本は長さ約12キロ、幅約10キロで、海側の地盤が約1.5メートルせり上がったとみられる。もう1本はその北東側にあり、長さ約10キロ、幅10キロで、海側の地盤が約1.4メートルせり上がったとみられるという。
 他機関の解析と異なる結果になったことについて、国土地理院の飛田幹男・地殻変動研究室長は「緊急の水準測量など、他の解析では使っていないデータも反映した。余震分布からも今回の解析結果の方が妥当だと考えられる。今後、津波などの解析結果を合わせて総合的に検討していく」と話している。【石塚孝志】

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http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2007/0726.htmより)
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以上が新聞の報道記事ですが、国土地理院のサイトに発表されている図を見ると、沿岸部の水平移動はいずれも北西方向を示し、垂直移動はいずれも隆起を示しています。北東部では25センチも隆起しています。
この移動傾向からみて、「陸側から海側に向かって下がる2枚の逆断層が、地震の原因である」という結論(左端に示す概略図)は導き出せないように思えます。逆断層ならば沿岸部は沈降しなければならないはずです。
国土地理院と他の機関との解析結果が異なる([1273]参照)そうですが、そもそも断層が動いて地震が発生するという定説自体に間違いがあると思います。

地震は地下における水素ガス(実態は水素と酸素の混合ガスで水が熱解離したもの)の爆発であるというのが石田理論の述べる新説であります。
地震学者は疑問に思われないようですが、震源が断層と言われる領域の端っこにあるということ自体が断層地震説の信憑性に疑問を持たざるを得ません。

1283
2007-07-29 (Sun)
現代の地震学は間違っている
地震学者の島村氏の論文を[1281]とニューオフィス59とで紹介しましたが、東京大学加藤照之教授も同じように「地下に水を注入すると岩盤が滑りやすくなって地震に引き金になる」という見解のようです。以下の「zakzak」に載っていました。抜粋して紹介します。

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_07/t2007071931.html
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新潟地震“人造”だった!? 近くでガス田注水作業
地下断層への水浸透が引き金に?

海岸線で土砂崩れが多発するなど被害が大きかった中越沖地震だが・・・
 「新潟県中越沖地震」は、04年10月の「中越地震」の記憶がまだ生々しい新潟県を再び襲い、やはり日本ではいつ、どこで地震が起きるか分からないという現実が突き付けられた。ところが、この両地震について、人為的な刺激が誘発する“人造地震”だったのではないかという可能性が取り沙汰されている。どういうことか。
「両地震の震源からほど近いところあるガス田開発では、“水圧破砕法”といって高圧の水を注入して岩を破砕していた。そのことが2回の地震の引き金になった可能性はある」と指摘するのは、地震学者の島村英紀氏。だが、その破砕の震動が地震を誘発するわけではない。問題は「水」なのである。まず、人造とも言われている「誘発地震」のメカニズムから紹介しよう。
「ダムを建設して水を貯めると、周辺で小さな地震が起き始めることは知られています。地下深くの断層面まで水が浸み込むことで、滑り出しの“潤滑剤”になると考えられています」(東大地震研の加藤照之教授)

ニューディール政策で有名な米フーバーダムでは、1935年に貯水を始めた翌年から地震が増え、40年には過去最大のM5の地震が起きた。アフリカ・ジンバブエとザンビア国境のカリバダムでも貯水が始まってから地震が急増、満水になった63年にM5.8の地震が起きた。このほか、エジプト・アスワンハイダムなど世界各地の巨大ダムで、貯水後に地震が起きているという。貯まった水自体の水圧で地下深くへ浸透していると考えられるが、井戸への高圧注水も同様の効果をもたらすようだ。1960年代、米デンバーの軍需工場で深さ約3600メートルの井戸を掘り廃液を注入したところ、注入量や水圧と地震の発生が連動していることが観測された。
新潟県のケースでは、「南長岡ガス田」の深さ5151メートルの井戸で、01年夏に1カ月にわたって950kg/cm2(指先に約1トン)の水圧破砕作業が行われ、昨年秋にも、別の井戸で再度実施された。ちなみに、今回の震源により近い「東柏崎ガス田」での同作業実績はない。
前出の加藤教授は、「今回の中越沖地震は、広域での応力によって発生したとみられている。震源は油田とは離れており、個人的見解としては、直接の影響はなかった、つまり、誘発地震ではなかったと思う」と話す。
だが島村氏は「水が浸み込む深さや広がりがどうなっているのか地下世界は見当もつかない。世界のダムでは震源が何十キロも離れたケースもあった。もちろん、日本では地震が頻発しており、注水作業が地震の引き金になったと断言はできない。しかし、わが国では誘発地震に関する研究が外国に比べてかなり遅れている。温泉井戸もたくさん掘られており、温泉の汲み出しでも、地下の流体(水)のバランスが崩れて地震の引き金になることも考えられる。研究体制の整備が急がれている」と警告する。

なお、世界の地震学者が注目しているのは、中国・三峡ダムだという。
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以上がその記事です。基本的に地震学者の見解は竹内均先生(東京大学名誉教授、ニュートン初代編集長)の
「原理的には、巨大地震のエネルギーを注水することによって小出しにし、(盲腸の炎症のように)散らしてしまうことが出来る」
という見解と同じであります。
このような発想は地震爆発説からは導出できませんし、それは大変危険な発想であると思っています。

このセミナーで何度も述べてきましたが、現代の地震学は根本的に間違っています。放置すれば液化炭酸ガスの地下封入という間違いが(しかも、下に示す海域において)全国的に展開されてしまいます。海域の場合には津波災害まで引き起こしてしまいますので、被害はより大きなものとなるでしょう。プロジェクトは見直さなければいけません。
液化炭酸ガス地下封入予定地
セミナー[958]参照)

http://www.rite.or.jp/Japanese/project/tityu/fuzon.htmlより加工)
上図が載っているRITEのサイトには輸送コストの関係から、CO2を大規模に排出している排出源近傍域の沿岸域で地中貯留を実施する考えもあるようです。そのようなことになったら、国家の滅亡的な悲惨な事態になってしまいます。抜粋して紹介いたします。
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地中貯留の有効性評価においては、貯留可能量に加えて排出源と貯留サイトとのマッチングが重要です。これは、地中貯留のコスト分析において、輸送に係るコストが相対的に大きな割合を占めることが明らかになってきたことによるものです。排出源近傍において地中貯留のポテンシャルを示すことができれば、今後の地中貯留の実適用が大きく前進することが期待されます。
大規模排出源近傍域の沿岸域で地中貯留の可能性があることを初めて明らかにしました。
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以上ですが、そんな悲惨な事態になる前に、地震学者の皆さんも早く気づいて欲しいものだと思います。

1284
2007-07-29 (Sun)
まったく怪しげな地震断層解説
京都新聞こんな「怪しげな解説」が載ったそうです。
http://www.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/main/outreach/keiji/0304.html
(「京都新聞 2003年(平成15年)5月15日 木曜日」に掲載)
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水が地震を引き起こす(2) そのメカニズム

地震は地殻の岩盤がこわれることですが、地球の中は圧力が高いため、粉々にこわれるのではなく、羊羹(ようかん)をナイフでスパッと切ったようにシャープな切れ目ができます。
この切れ目が断層であり、それを境に岩盤が上下または左右に“ずれる”現象が地震なのです。
先月は、水に圧力をかけて地下ふかく注入すると、その周辺で地震が起こることを述べました。これは、もともと地殻の中にあった切れ目(断層面)に水がしみこんで、断層をずれやすくしたためです。
水で濡れた接触面は滑りやすくなることは、日常的にも体験することで、例えば濡れた床をゴム長靴で歩くと滑りやすいのもそのひとつです。
この場合は、床面の薄い水の層がゴム靴で押さえつけられた瞬間、水の圧力がいっきょに高くなって、ゴム底に大きな浮力を生じさせるため、滑りやすくなるのです。
このように、水の存在に加えて圧力をかけるというところが重要なポイントです。
ですから、単に雨が降って断層に水がしみ込んだだけでは、水に圧力がかかっていませんから地震のトリガーにはなりません。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)
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【地震は地殻の岩盤が壊れること】と言い切っておられますが、激しい爆発の結果として断層が出来るのであって、小さな爆発では断層は出来ません。
断層が現れなくても地震が起こっていることを見れば、「断層が動くことが地震である」というのは間違いです。

このような解説を聞かされる京都新聞の購読者もいい迷惑でしょうね。

1285
2007-07-31 (Tue)
CO2の地下封入は世界で実用化?
CO2の地下封入に関して、海外では実用化されていて、既に3箇所で稼働中であるという情報をいただきました。地震など起こっていないという反論の意味もあるのでしょうが、日本は環太平洋火山帯に位置しており、地下浅いところに高熱領域つまり水の解離度が高くなっている領域があることを認識しなければいけないと思います。

(理科年表より加工)
図は世界の火山帯分布を示したものですが、稼動中と計画中のいずれの場所も火山帯には属しておりません。
つまり、[1281](ダム建設に伴う地震の話題)でコメントしたように、地殻の冷えた部分が厚い場所とそうでない場所との違いがあるわけで、世界では実用化されているということだけで安心は出来ないのです。
日本のように地下一帯にマグマの流れが毛細血管のように存在する場所では、地下水を熱解離させる層(解離層)が当然浅い場所にあることになります。水そのものではないとしても、液化ガスなどを、圧力をかけて注入すれば、安定していた解離層を乱し、水素ガスを発生させることは明らかなことです。今回(長岡市深沢で)注入された1100mと同じ深さであっても、解離層が深い場所にしか存在しないところでは、ダムを建設しようが、水を注入しようが水素ガスは発生しないのです。

火山帯を離れた場所でもアメリカのデンバーでの事件のように、3800mもの深さにまで注入すれば地震は起こるのです。長岡の場合は1100mという浅い場所に注入していますが、キャップロック(帽岩)の下部にある帯水層に注入したことにより、帽岩の縁あたりの水を解離層に押し出してしまったということが問題になるのです。
また、石油採掘をした後の空間に、液化ガスを送って置換するという方式ならば、解離層を乱して水素ガスを発生させるという危険性は少なくなるはずですが、単に圧力をかけて液化ガスを封入するということは危険性が大きいわけです。

1286
2007-08-05 (Sun)
研究調査費用の調達に関するお願い
この掲示板が2、3日故障していて書き込みが出来ませんでした。トップページに書いておきましたが、研究調査費用の寄付金募集をさせていただくことにいたしました。
現地観測用の水素濃度計を購入したいのですが、20万円以上という金額はすぐには出せませんので、篤志の方のご協力をよろしくお願いいたします。
なお、御礼の意味で「石田理論解説シリーズ」No.1〜No.4をCDに収録したもの"を送付させていただきます。公的な機関からの研究費用調達は不可能ですのでよろしくお願いいたします。なお、ご希望があれば、ビデオテープに収録することも可能です。
なお、収録には間に合いませんでしたが、深い地震が起きる理由がよく理解できないという質問がありましたのでニューオフィス2326に「補遺」として載せておきました。
マントルが液体であって、乱流として対流していることを考慮すると、深発地震面の謎が解けるのではないかと思います。
1287
2007-08-08 (Wed)
二つの中越地震直下にマグマ
中越地震と中越沖地震の直下40キロ以深にマグマが存在することが地震波解析で確認されたそうです。読売新聞の記事を紹介します。
なお、石田理論では地球内部トモグラフィーの矛盾を提起していますが、地殻内の調査については地震波による調査・解析に矛盾はありません。
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中越沖地震、直下のマグマが原因か
 新潟県中越沖地震や2004年の中越地震は、地下約40キロまで上がっているマグマによって引き起こされた可能性が高いことが、東北大学の研究でわかった。
 地上に出れば火山噴火となるマグマが、地下にとどまったまま地震の断層運動に影響を与えたとみられる。予測の難しい内陸型地震の発生地域の特定に役立つ成果という。
 同大の研究チームは、北陸から近畿にかけての地下400キロより浅い部分の構造を、地震波が伝わる速度を使って調査した。その結果、多量の液体を含む部分を、地下40キロ以深の「マントル」と、地下25キロ付近の「地殻」の部分にそれぞれ発見した。
 深い方の真上には火山が集中しており、研究チームはこの液体を岩石が溶けたマグマと推定している。中越沖地震や中越地震の震源直下にも、この領域が広がっていた。
 浅い方は、冷えたマグマから分離した水とみられ、飛騨山脈から兵庫県にかけて分布していた。両側から力を受けている断層に加わった水が潤滑剤となり、そこだけが、大きな揺れを伴わないままゆっくり動く。水が来なかった部分には一層のひずみがたまり、それがたまると急激に滑って強い地震波を出したという。
 中越地方で水の領域は見つかっていないが、研究が先行している東北地方では、03年の宮城県北部地震の震源直下でマグマと水が確認されている。
 中島淳一助教(地震学)は「マグマが直下にある場所は地震が発生しやすいといえる」と話している。
(2007年8月7日3時1分 読売新聞)
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以上が記事ですが、模式的に描くと次図のようになります。

中越地震や中越沖地震の震源付近には地下40km以上の深部にマグマ溜りが存在し、その上部に水を解離させる高熱地帯が広がっているものと考えられます。
記事では25km付近にはマグマから分離した水が存在すると記してありますが、これもやはりマグマ溜りであろうと思います。水が潤滑剤となって岩盤を滑りやすくするという、解釈は見当はずれだと思います。
1288
2007-08-08 (Wed)
震源の深さは10キロか17キロか?
中越地震の震源の深さは10キロであったと気象庁が最算出したそうですが、「公式記録は17キロで変わりは無い」ということらしい。なんとも理解し難い発表ではないでしょうか。
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中越沖地震、震源の深さは10キロ…気象庁が再算出
 気象庁は7日、新潟県中越沖地震の震源の深さについて、地下の詳細な構造を考慮して計算し直すと、約10キロになると発表した。
 同庁は、「同じ深さならばどの場所でも地震波の速度は一律」と仮定して、複数の観測点のデータから震源の位置を決定しており、地震直後に、震源の深さは17キロと発表していた。
 ただ、今回の10キロという数字は、調査研究の一環で算出したもので、同庁は「震源の決定方法はすべての地震で統一しており、中越沖地震の震源の深さの公式記録は17キロで変わりない」としている。
(2007年8月7日21時23分 読売新聞)
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10キロと17キロではずいぶん違うのだけど、最算出したのなら、なぜ10キロを公式記録にしないのだろうか。生のデータが使えない研究者がデータをまとめ、そこから推論する時に、公式記録の17キロでなく10キロを使って推論したら、公式記録を使った研究者と矛盾した結果になるではないですか。
公式って一体どんな意味があるのだろうか・・・・、地震研究ってそんなアバウト・いい加減でいいのだろうか・・。
1289
2007-08-09 (Thu)
地震前兆としての電磁波異常
ライブラリー49に掲載した図を作り直しました。

唐山地震では、地上にあった建設用資材の鉄筋から、

「目がつぶれるようなまぶしい火花が飛び散っていた。まるで透明人間がアーク溶接でもしているようだった。」

という証言がありますが、岩石が破壊される時に発生する電磁波程度のものでは無いように思います。破壊時に出来る電磁波ならば、地震と同時に出現するはずですが、発光現象もそうですが、地震の震動が起こる前に見られたということです。
証言によると、レーダーの異常は地震(28日)の前日26日、27日に見られたそうですし、鉄筋からの火花現象も地震の前日の27日であります。
このことから考えて、解離した酸素と水素の混合ガスがプラズマ状態でマグマの流路内や、岩盤の割れ目の中を高速で移動するために発生するMHD発電が起こっていたことが原因のように思います。
地震の何日か前から、地下で瞬間的に発電所が出来ていたようなもので、そこで発生する電流が、発光現象や、磁界の異常現象などを引き起こしているのではないかと考えています。

1290
2007-08-10 (Fri)
マントル固体論の矛盾
マントルが固体であるというのが、定説地震論の一つの柱であり、地震爆発論を批判する方の論拠にもなっています。
しかし、これは現代地震学の基礎にある根本的な間違いの一つであると思います。もう一つの間違いはプレートテクトニクス理論ですが、両者は密接な関係にあり、これを論破しなくては地震爆発論が顧みられることが無いと思います。
そこで、マントル固体論がなぜ間違っているのかを説明します。
固体論が導入された経緯は、地震波の伝播問題を計算によって処理しようとした最初の研究者(グーテンベルグとジェフリース)が、そう仮定しないと計算が出来ないから、計算の便宜上大前提として地球内部(2900kmまで)を固体であると仮定したに過ぎません。本当に固体なのかどうかを吟味したわけではありません。(インバージョン法の矛盾)
しかし、固体であるとすれば、一方の地殻が他方の地殻の下に潜り込むというプレート論の重要な論旨に矛盾が生じます。そのような流体力学的概念を固体力学に導入するのは間違っています。<br>軽い固体の上にいくら重い固体を載せておいても、潜り込みという現象は起こりません。ましてや、跳ね上げると云うような現象も起こりません。
マントルが固体であるという仮定と液体であるという仮定では、明らかに液体仮定のほうが納得できます。
地球誕生の歴史から考えても、マグマオーシャン状態の地球が、冷却され表面に薄皮のような地殻ができ、さらに海洋が誕生して人類が生息できるようになったのは明らかです。
冷却の進行と共に、地殻は厚さを増しているでしょうが、その下部には溶融したマグマオーシャンが今も広がっていると考えるのが当然だと思います。
地球表面を12枚のプレートが被覆しており、常にプレートが移動して衝突し、潜りこんでいるとすればどのような矛盾が生まれるのか、イラストにしてみました。

@プレートの境界で潜り込みが起こっているとすれば、プレートという板に働く曲げモーメントはここではゼロになる筈です。プレート境界には曲げモーメントに耐える要素は存在しません。
A曲げモーメントがゼロということは、マントルにも作用している潮汐を起す力(起潮力)によって、地殻はグラグラ・グニャグニャと動くことを意味します。
B地殻はそのようには動いていませんから、自由に動ける海水だけが移動して海洋での潮汐現象が現れます。ということはプレート境界と言われている場所は剛体として連続体になっていて、年間数センチという速度でずれているということはありえません。
つまり、プレート論は潮汐現象から推定しても矛盾があるということになります。
イヤイヤそうではない、海水は動くけど、地球は2900kmまで固体だから固体マントル全体として起潮力に耐えているんだよ・・・という反論があるのでしょうが・・・「沈み込んだ」とか「沈みこませた」という流体的性質を持つ地球内部がどうして曲げモーメントに耐える耐モーメント性を発揮するのか、力学的にはナンセンスだと思います。
注釈:2008・7月[1464]にて、マントルは熔融しているが、衝撃的震動のS波なら伝播させる、と若干の修正をしています。
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