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461
2003/06/08(Sun) 14:46
パトロス
ゴールド博士から学ぶ(9)
ゴールド博士がリストアップしている大地震の次の三つはいずれもヨーロッパ大陸での地震です。リスボン大地震は大変有名で、セミナーでも紹介したように1800km離れたドイツの教会で、磁石が大きく狂ったことをカントが報告しています。
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(4)リスボン(ポルトガル)一七五五年一月一日

「・・・馬車の音のようなガラガラという音が聞こえた。音はだんだんと大きくなり、ついには最も大きな大砲の音に匹敵するまでに至った。そして、その直後に最初の衝撃を感じ、ついで二回目、三回目の衝撃が続いた。四回目の時など、衝撃の最中に石炭をかき立てた時のような明るい火炎が山腹からいくつも立ち昇るのが見えた。・・・私は、黒くはないが濃い煙が大量に出てくるのを(コラレス近くの)アドラガの浜に近いフォホと呼ばれる丘から見た。煙は四回目の衝撃とともにいっそう増加し、その後は勢いが増したり、衰えたりしながら噴出し続けた。ちょうど地中の轟音を耳にした途端、フォホでも煙が噴き出した。煙の量は常に地下の轟音と比例していた」(ストックラー、一七五六)。

(5)コマロム(ハンガリー)、一七六三年六月二十八日

「土砂崩れが何千という場所で発生した。そのほとんどすべてから水と砂塵が火災と悪臭を放つ煙とともに噴き出した。・・・ドナウ川の水は盛り上がり、あたかも沸騰しているかのように湯気を出していた。硫黄臭があった。土砂崩れの大部分は川岸近くで発生し、そのうちのいくつかから炎が砂や煙と交互に噴き出した。コマロム西方一〇〇キロメートルのフェルテ湖はごうごうと音を立てて一面に泡立った。・・・樽ほどもある大きな炎が川面に見えた。多数の牛、羊、山羊が大地から湧き出した悪臭を放つ恐ろしい蒸気の中で死んでいった。・・・ヴォグという別の小川の土手では割れ目から紅炎が、ついで硫黄色の水が噴き出した。・・・地面から真っ黒な水が湧き出したところもあった。ヴォグ川の水は沸騰しているように見えた」(レスリー、一九五二の引用文)。

(6)カラブリア(イタリヤ)、一七八三年二月五日

「夜間の地震の最中に、海に面した町の近くで大地から火炎が立ち昇るのが見えた。爆発は勢いを増し、多くの農民が恐怖にかられて逃げだした。この炎は、数日前、異常な熱を感じた、まさにその場所から上がっていた」(イッポリート、一七八三)。

「二月五日にコセンザと近隣の村々を襲った地震の二、三時間前、井戸、海、そして養魚場で水位が上昇するのが観察された。これらの水はいつもより格別に熱くなっているようには見えないにもかかわらず、沸騰しているかのように泡立っていた」(ガリ、一九一一の引用文)。
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ハンガリーの地震からはカメルーンのニオス湖地震が連想させられます。炭酸ガスが山上にあるにニオス湖から流下して、多数の人と家畜が犠牲になりました。二オス湖の水面は2メートル下がり、湖水は激しく攪拌されたようです。レスリーの表現のように沸騰しているように見えたことでしょう。イタリヤの地震からは、奥尻島の地震を連想するのではないでしょうか。避難する住民の後から猛火が迫ってくるのを、テレビが伝えていました。また、青苗港に係留してあった船から発火していたのは、どう考えても火の不始末とは考えられません。可燃ガスが噴出していたのではないでしょうか。

462
2003/06/09(Mon) 23:23
パトロス
天然水素ガスバーナーが犯人か?
T氏よりメールをいただきました。
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ゴールド博士の「未知なる地底高熱生物圏」を入手致しました。 セミナーで教えて頂き、地震の部分は図書館で読んだのですが始めから通して読みたく思っておりました。実に興味深く見事な理論構成です。 半分しか読んでいませんので、まだ早いのですが、気づいた点を、メモして見ます。

 ゴールド博士が深層ガスとしてメタンガスを取り上げながら、条件次第ではもっと多い筈の[(*1)水の解スとしての]水素及び酸素について触れていない事が、疑問でした。 ゴールド博士の最大の関心事は、石炭・石油の起源が地底からの深層ガスによる、という無機説の証明ですので、地下で分布に片寄りがあるとはいえ、メタンを酸化してしまう酸素が(地震の原因となる程に)多量に存在しては、説明が横道にそれる為、あえて触れていないのではないかとも考えられます。 地中に酸素がありますと、メタンは炭酸ガスとなり、炭酸塩となって固定してしまいますので、石油にも石炭にもならないからです。 唯、水素が相当量存在しますと、条件次第で比率が変わりますが、メタンガスと炭酸ガスと水素・酸素の混合ガスとなり、水素の反応性の高さからは炭酸ガスはそれ程多くならない筈です。

 少し問題なのは、炭酸ガスが炭酸塩となって固定しますと比率がくずれメタンが減って炭酸ガスが増えると思いますので、少し困ったことになりますけれど・・・。 メタンガスの同位体が地中からの上昇時に分離する話しで思いつきましたが、酸水素ガスが地中で生まれ、上昇する時には、分子量の差からいって、水素が優先的に上昇する筈ですから、深い場所で解離した場合は水素成分比率の多いガスとなり、地上では爆発するばかりでなく水素ガスバーナーの様に、炎を上げて激しく燃える場合も有得る事に気付きました。

 (*1) 水が高温・高圧下で、触媒を含めてどのような条件下で解離し易いか、又はエネルギーを蓄積し易いかが分かれば、解離水爆発説がもっと容易に説明が出来るのではないかと思い探していますが、これまで以上のデータは出てきません。
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以上です。元大手メーカーの化学研究員だったT氏の解説で、水素が単独で上昇する可能性のあることを考えなければいけないことを知らされました。熱海沖の海底送電線の溶断事件は天然の水素ガスバーナーが犯人である・・・と言えそうな気がしてきました。

463
2003/06/10(Tue) 15:45
パトロス
ゴールド博士から学ぶ(10)
次に紹介する三つはアメリカ大陸での大地震です。いずれも、可燃ガスの噴出を想起させる現象です。
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(7)クマナ(ベネズエラ)、一七九七年十二月十四日

「クマナでは破局の半時間前・・・セント・フランシス修道院の丘付近で硫黄の強い臭いが感じられた。・・・同じ頃、カプチンス宿舎近くのマンザナレス川の土手とマリギタール近くのカリアコ湾で火災が発生した」(フンボルト、一八二二)。

(8)ニューマドリッド(アメリカ、ミズーリ州)一八一一年十ニ月十六日、一八一ニ年一月ニ十三日、ニ月七日

「最初の4回の衝撃の間、大砲の一斉射撃にも似た恐ろしい爆発音が(ミシシッピー川の)対岸から休みなく聞こえてきた。・・・地震で亀裂が生じたところではどこでも燃えさかる物質が火山噴火のように高く噴き上がり、地中からは轟音が絶え間なく聞こえ、川底ははなはだしく振動して水は濁り、沸騰しているような様相を示した。私たちの舟の近くで圧搾空気の柱が水を突き立てて立ち昇り、轟音とともに川底から泥やねばねばしたものを少なくとも水面上一〇メートルまで噴き上げた」(ピエス、一八一ニ)。

「いくつかの地点で燃えさかる石炭の中を通ってふいごの管から出る風のようなものが大地から噴出した。・・・ミシシッピー川の西側では、地面の温度が素足には熱すぎるぐらいに上昇した。次の日、すなわち最初の地震の前日は濃い霧のため朝から晩まで暗く、多くの人々が硫黄臭を感じた。・・・数マイル先で大砲を発射したような爆発音が聞こえた。夜になると、稲妻のような閃光が時々大地からはなたれた。・・・地震の前日は、風もないのに池の水が終日ざわついていた。・・・地震の前にはきまって大気が鈍く重い暗黒に包まれたものである。暗黒の白昼をもたらした蒸気は雲とも煙とも似ていながら、そのどちらでもなかったようである(ヘイウッド、一八二三)。

「・・・まるでボイラーから蒸気が噴き出す時のような・・・轟音とシューッという音とともに・・・ミシシッピー川の水面は恐ろしい勢いで沸き上がって山となり・・・ガスの爆発を彷彿とさせる閃光がほとばしり・・・大気には硫黄臭を放つ蒸気が充満し・・・大地が高さ数フィートの山と谷をなす波をうってうねるのが観察された。・・・これらの爆発で大量の水、砂、石炭が空中に吹き飛ばされた」(フラー、一九一二)。

(9)リマ(ペルー)、一八ニ八年三月三十日<br>「湾の水はまるで赤熱した鉄を突っ込んだようにシュッという音を立て、泡と魚の死骸が浮かんできた。軍艦ボラーへの錨の鎖は湾底の泥中に埋まっている間に一部が熔融した」(バグノルド、一八二九)。
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アメリカ合衆国随一の大河ミシシッピー河のほとりで、これほど明瞭なガス噴出現象があったのに、そして研究者が「ガスの爆発を彷彿とさせる閃光がほとばしり・・・」と紹介してくれているのに、現在のアメリカでは断層地震説一色になってしまっています。断層説以外の理論では研究費が貰えないという現実は、自由の国アメリカの実態がそれほど自由でもないことを意味しています。何の役にも立たない研究ばかりしているのも困りものですが、研究姿勢を決められてしまうのも困ったものです。

リマの地震例では、軍艦の錨の鎖が一部熔融したとあります。天然の水素ガスバーナーが、熱海沖の送電線切断事件と同じように地中から噴出し、鋼鉄を熔かしたのではないでしょうか。

464
2003/06/13(Fri) 08:36
ノリマン
ANSの見解は?
観測マップに初めて、赤点が三箇所ついています。その前には、千葉にもついていました。異常報告が広がったことを心配している会員もあるかと思いますが、ANSとしてはどのように解釈しているのでしょうか。
465
2003/06/13(Fri) 09:42
パトロス
震災級地震の心配はしていません
確かに三箇所同時の異常というのは初めてです。・・が、広がり方が局所的なものですので、それほど心配はしていません。何箇所かで同時に小さな地震の発生はあるかもしれませんが、老人婦女子を避難させた方がいいと判断しなければいけないような震災といったものではないと思います。他のサイトでは、震災級前兆とか危機的状態というような言葉がみられますが、今のところではその心配は無いと私は思っています。それが安心ネットワークシステム主宰者の見解です。
466
2003/06/14(Sat) 16:33
ノリマン
地震学者の役割って何?
再三耳にしますが、先日もある著名なパネリストが、東海地震はいつ来てもおかしくない、明日かもしれない、東南海や南海地震は少し余裕があるけれど・・・、と言っていました。30年もの間いつ来てもおかしくないと言い続けていると言うのは異常ではないでしょうか。石橋論文が話題にならなかったら、こんなことにはならなかったはずです。その石橋論文には矛盾があるとも聞いています。その人がまた、朝日新聞が自分の投稿(原発の危険性を指摘する主旨)を無視したと激怒しているらしいです。活断層近辺に空港建設をするのは危険であるとも主張されているようです。原発もやめて、空港もやめて、地震に怯えていろとでも言うのでしょうか。地震学者の役割って一体何なのでしょうか。
467
2003/06/15(Sun) 18:38
パトロス
Re[466]地震学者の役割
コメントし難い内容ですが、東海地震が注目される原因となった論文の著者である石橋氏の事実情報だけを記してみます。石橋氏は「東京は60秒で崩壊する」を著した英国人ジャーナリストのインタビューに答えて、東海地震はもう過去の仕事だと述べ、小田原地震の重要性に言及されています。同書の中から引用して紹介しておきましょう。

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不吉なことを予言する男にしては控え目な感じなので、私(著者)は意外に思った。「二十一世紀のホロコーストから東京を救いたいのなら、今すぐに手を打て」と書いた男がそこにいた。「ボストン・グローブ」に掲載された記事の中で、彼の次の発言が引用されている。「気違いじみた成長はやめて、人口のいくらかを東京から移すことを考えるべきだ。さもないと次に大地震が起こったら、被害は一九二三年をはるかに上回ることになる」

石橋は古い研究成果を却下するかのように手を振った。「東海地震に関する長期的予知は、私にとってもう過去の仕事になってしまったのです。今はもうひとつの地震の研究に力を入れています・・・小田原近くのね」

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東海地震にはもう関心がなくて小田原地震が関心の的だと言われるわけです。その東海地震が注目されるきっかけになった、駿河湾の歪計算のもとになったのは、明治時代の測量との比較から得られたものです。明治時代の測量結果の取り扱いにミスがあったと言う件は「地震」−地震学者と地質学者との対話(東海大学出版会1980)のp305に載っています。そのミスをどのように解釈し直されたのかは、知りませんが、東海地震のインパクトだけは消えずに残っています。
また、神戸の地震直後に発行された緊急増刊AERA誌上では次の記事があります。

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「小田原地震がひきがね」
建設省建築研究所国際地震工学部の石橋克彦応用地震学室長は、著書『大地動乱の時代』(岩波新書)の中で、この小田原地震に着目し、東海地震、関東直下型が連動して起こると予測している。フィリピン海プレートの動きなどから、小田原地震が東海地震の引き金となる可能性が高く、それがさらに関東直下型の活動期のきっかけとなる公算が大きい、とする説だ。その几帳面さからして、小田原地震は今世紀末から来世紀初めに起こる可能性があると石橋さんは見ている。もし、そうだとすると、関東直下型は、かなり近い将来ということになる。

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このように紹介されています。ちなみにその後には、現在地震防災対策強化地域判定会会長である溝上氏が登場しています。

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東京大学の溝上恵教授は、八〇年の千葉県中部の地震、八三年の山梨県東部の地震、八七年の千葉県東方沖地震などに注目し、関東地方の地震が、静穏期を終えて活動期にさしかかったと指摘する。「規模からいって本店クラスである関東大地震にはまだ間がありますが、M6クラスの地方出張所の”倒産”がぽつぽつ出始めている。まだ顔を出していない有力支店の関東直下型地震は、いつ起きてもおかしくありません」

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とコメントされた記事があります。AERAの結論は、日本列鳥は、間違いなく、地震の活動期に入っているようだ。となっています。

以上雑誌等から引用しました。最後の地震学者の役割に関しては、危機を警鐘するという役割もあるということかと思いますが、もっと真剣に予知に取り組んでいただきたい、という思いもいたします。

468
2003/06/16(Mon) 10:50
パトロス
ゴールド博士から学ぶ(11)
ゴールド博士が意識的にガス噴出の事例がある大地震だけを集めたとは思われませんが、たとえそうだとしてもこれだけ多くのガスの噴出が世界中で認められているのですから、それを合理的に説明できる地震理論を見つけなければいけないと思います。次に紹介する三件もアメリカ大陸での地震です。

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(10)バルディビア(チリ)、一八三五年ニ月ニ十日

「・・・・コンセプシオン湾は大波が入ってきて荒れた。・・・波が入り込んでいる間に二回の爆発あるいは噴火が見えた。そのひとつはキリキナ島越しに・・・塔の形をした暗黒の煙の柱のように見えた。もうひとつはサン・ビセンテ湾のまん中から、とてつもなく大きい鯨が潮を吹いているかのように上がった。・・・壊滅の時そして大波がおさまってからも、湾の水はどこも沸騰しているように見えた。空気あるいはガスの泡が激しい勢いで立ち昇っていた。また、水の色は黒変し、この上なく不快な硫黄臭を発散した。・・・ファン・フェルナンデス島では、この影響が甚大であった。バカラオ岬沖約ニキロメートルの水深五〇から八〇ひろの地点で海中から噴火が起こった。ほぼ一日中煙と水が噴き上がり続け、夜には火災が見えた」(フィッツロイ、一八三六)。

(11)フォート・ユマ(アメリカ、コロラド・デルタ)、一八五二年十一月二十九日

「・・・大地がうねるように一メートルほど前後に揺れ、ついで重い雷鳴そっくりの轟音とともに爆発が起こり、大地がひき裂かれて長く深い裂け目が発生した。そこから過熱した炉の煙によく似たガス状の物質が多量に漏れ出してきた」(サンフランシスコ:デイリー・アルタ・カリフォルニア紙、一八五二年十二月三十一日付:アグニュー、一九七八の引用文)。

(12)アリカ(チリ)、一八六八年八月十三日

「どの裂け目からも塵のような乾いた土煙が噴き出してきた。つづいて、あらゆる生き物をひどく息苦しくさせる窒息性のガスに代わった。このガスはおよそ九十秒問噴き出しただけであったが、もしもっと長い問噴出が止まらなかったら、生き物は窒息して全滅していたであろう」(ニューヨーク一:トリビューン紙、一八六八年九月十四日付)。

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生き物を窒息させるガスの件は、ニオス湖地震や(5)のコマロム地震と同じ炭酸カルシュームの解離によってできる炭酸ガスではないかと思います。セネカがポンペイ地方の地震で羊が大量に死んだ事件を描写していることは、このセミナー[187][434]で既に紹介しています。

469
2003/06/16(Mon) 19:50
パトロス
伊東沖無感地震を熱海で事前検知
本日の気象庁発表によると、13日夜から静岡・伊東沖で無感地震が群発しているそうです。今朝8時までに609回の無感地震があったそうです。 http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/gaikyo/others/izu_toho_030616.pdf

ANSの熱海観測データでは、11日未明から西3度のコンパス異常が見られ、12日には西5度となり、13〜16日は西3〜4度と報告されています(記録簿参照)。無感地震であっても、深度が今回のように8〜10キロと浅い場合には、解離ガスの圧力増加による地電流の発生、局所的磁場変化を捉えることが出来るようです。

470
2003/06/16(Mon) 20:49
パトロス
敦賀市のコンパス異常について
敦賀市の異常は15日3:00の西15度を最高に、夜には5度の収まって、本日19時にはゼロに戻っているようです(記録簿参照)。コンパス異常がおさまってから発振ということもあるでしょうが、解離ガスが漏れて抜け出てしまうというケースがあるのかもしれません。あるいは、伊東沖の無感地震のような現象で消散してしまうことがあるのかもしれません。
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