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2571
Date: 2017-09-03 (Sun)
イエローストーンに冷水を圧入するNASAの計画は無謀である
イエローストーンの超巨大地震から人類を救うというNASAの信じられない計画:しかし、逆に噴火を誘発する可能性がある

というニュースがありました。
イエローストーンでは地震が多発し、噴火が心配されていますが、その破局的な噴火を避けるためにNASAはポンプで冷水を送りマグマを冷却しようという計画をもっているそうです。


左側:フタに穴を開けて水で冷やす方法  右側:長い横穴を掘ってマグマ底部の熱を逃がす方法

その計画に対し、NASAで「小惑星と彗星から惑星を守る方法」を研究してきたウィルコックス(Brian Wilcox)氏は、BBCに対し、「それは噴火を止めるのではなく、噴火を誘発し、もっと恐ろしいホットスポットを誕生させてしまう危険性がある」と語っているそうです。

TOKANAに載っていた仲田しんじ氏の記事から抜粋して紹介します。

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NASAによれば、イエローストーン地下にくすぶる巨大なマグマだまりから放出される熱の35%を奪うことができれば、イエローストーンを“封印”できるという。単純に水を送り込むことで、熱伝導によって火山の熱を奪って噴火を阻止できると主張しているのだ。

 具体的には火山にボーリング工事で10kmの穴を掘り、そこへ圧力をかけて水を注ぎ込むというプランだ。掘ったトンネルは水が循環する構造にして、注いだ水が火山内部の熱を奪い350度ほどになって戻ってくるということである。この作業を繰り返すことで日ごとにゆっくりと火山を“冷却”できるという。ちなみに予算は3000億円を見込んでいるが、政治家をじゅうぶん説得できる魅力ある投資になるとNASAは主張している。

■大規模噴火が起これば人類の大半は餓死  

NASAによる実現可能性の高い火山の“水冷作戦”だが、ウィルコックス氏は、このNASAの計画がきわめてリスキーであると「BBC」に話している。

NASAの“水冷作戦”は噴火を阻止するどころか、大規模噴火を誘発するものになるというのだ。

「ドリルでマグマだまりの“フタ”の部分に穴を開けて水で冷やすのはきわめてリスキーな行為です。“フタ”の部分が脆くなり、これまで放出されたことのない危険な揮発性ガスを放出するきっかけを与えることになります」(ブライアン・ウィルコックス氏)

 噴火を誘発するだけでなく有毒ガスが放出される可能性もあるとすれば確かに危険だ。代案としては火山に穴を掘るのではなく、イエローストーン国立公園のエリア外の低い場所から長距離におよぶ横穴を掘り、マグマだまりの底部の熱を逃がすという方法が考えられるという。

 このようにウィルコックス氏はNASAの計画を手放しで賛成することはできないが、それでもなんらかの対策を早急に講じなければならないと力説している。

 このイエローストーンをはじめ世界には20もの超巨大火山があるが、いずれも大規模噴火を引き起こせば地球規模で気候を変動させ得る可能性をはらんでいる。ちなみに直近の超巨大火山の噴火は、2万6500年前に起こったとされるニュージーランド北部にある巨大火山・タウポの大規模噴火だ。

 現在70億人まで人口が増えた我々の文明が超巨大火山の大規模噴火に直面すれば、いわゆる“核の冬”に匹敵する寒冷化でたちまち食糧難に陥り、たった数カ月で絶滅の危機にさらされるという予測もある。2012年の国連の発表によれば、全世界規模での食糧備蓄は74日分しかないという。食糧生産が止まればたった2カ月半で備蓄が尽きてしまうのだ。

 自然災害を人為的に食い止めるのは至難の業であるが、阻止できる可能性があるのであれば人類の叡智を結集して対策を講じるべきであろう。その一方、個人レベルでの災害の備えを常に確認しておきたい。
(文=仲田しんじ)

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ウイルコック氏の心配は、「小惑星が衝突するのと同じような危険性」ということでしょうが、何故冷水を送って冷却することが危険なのか、何故破局的爆発を起こしてしまうのかが理解されていないのではないでしょうか。少なくとも、マグマが地球内部のマントルと同じ物質であり、「magma reservior」は地球内部に連結しているという認識は無いようです。無知なる人類が浅知恵で恐ろしい計画を立てているように思えます。

[517][1017][2178]-[2180]などで紹介しましたが、大火災の現場では消防用の水を放水すると爆発的に燃え広がってしまう謎の現象があります。高熱の環境下では解離ガスが発生して、水素爆発を起こしてしまうからだと石田理論では解説してきましたが、なかなか理解が得られません。

[1017]でも紹介しましたが、堀内氏は以下のように語っています。

「大火の時に水を掛けるとかえって爆発しますね。水蒸気爆発というのと、もう1つは、水を4000℃ぐらいにしますと水素と酸素が30%ぐらい分かれる。つまり分離するのです。熱分解だけで水から水素と酸素が発生するのです。」(堀内氏回答

 マグマに水を送ればどうなるか、溶鉱炉に水を掛ければ爆発します。これは気化爆発が起きているのですが、密室状態のマグマ溜りに冷水を送れば、気化爆発だけじゃない水素爆発が起こります。([2025]-[2030][2133]など参照)  
気化爆発と水素爆発が火山噴火の原因ですが、人工的に水を圧入することは破局的な火山爆発を起こしてしまうのです。地熱発電によって地震を起こしてしまうのも、地下の解離状態を不安定にするからです。

二つの中越地震、岩手・宮城内陸地震、東北大震災の勿来沖合の爆発、などなど液体を地中に圧入して地震を起こしてしまっている可能性があります。

 そもそもアメリカのデンバーで半世紀も前(1962〜1967年)に廃液の地中圧入で地震を起こしています。オクラホマではシェールオイルの採掘で廃液を圧入し、今も地震が発生し続けています。

何故地震が起きるのか、何故火山は爆発するのか、人類は「水が引き起こす爆発」という新しい概念の研究に取り組む必要があります。

2572
Date: 2017-09-05 (Tue)
カロリン諸島も南方古陸の一部なのかもしれない
中国の海洋調査船が、マリアナ海溝南方にあるカロリン諸島を調査し、かつて海面上に在った証拠を見つけたと報告しています。抜粋して紹介します。

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遠洋総合科学観測船「科学号」、カロリン海山が島だったことを証明
人民網日本語版 2017年09月01日14:49

中国の次世代遠洋総合科学観測船「科学号」は8月7日から29日にかけて、人類が探索したことのない西太平洋カロリン海山で詳細な調査を行い、深海巨大・大型海底生物のサンプルを400点(170種以上)採集した。

科学観測隊員はカロリン海山の探索で、これが以前は水面上に浮かぶ島であることを発見した。科学観測隊員は水深600メートルから山頂までの間に海蝕洞が確認できたため、海蝕洞は波の衝撃により形成されたものであり、つまりこの海山が以前は水面上に浮かぶ島で、プレート活動によって沈み海山になったということだ

中国科学院海洋研究所研究員の徐奎棟氏は、「また水深600メートルから山頂の間に、近海にしか見られないサンゴ礁があったが、今や岩石になっている。これはこの海山が、島が沈むことで形成されたことをさらに裏付けている」と述べた。(編集YF)

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海蝕洞が存在することから「海山が以前は水面上に浮かぶ島で、プレート活動によって沈み海山になった」とありますが、プレート活動で海山になったという理屈が分りません。

[1080][1345]などで話題にしてきましたが、海蝕洞や海底鍾乳洞などの存在は陸地が広範囲に沈降したことをものがったっています。プレート運動とは関係しないはずです。

APDには、調査した地形図が載っています。

調査場所を特定する情報がありませんが、マリアナ海溝の南部が、かつては島、または大陸として存在していたことは確かなようです。

また、カロリン諸島の主島であるパラオには日本の典型的な溺れ谷である英虞湾のような風景があります。

南方古陸の存在した証拠がどんどん報告されてきているのではないでしょうか。ただし中国の科学者も「プレートテクトニクス」に洗脳されていますので、真相が見えてはいませんが・・・。

2573
Date: 2017-09-06 (Wed)
北朝鮮の核実験と白頭山の噴火の関係
9月3日に行なわれた北朝鮮の核実験で、実験場付近には地滑りが発生していたことを報じています。

 

爆発の規模は前回の10倍でTNT火薬120キロトンに相当するとのことです。白頭山の噴火は大丈夫なのでしょうか。

今年の5月頃には北朝鮮の核実験で白頭山が爆発することが心配されていました。9月3日の核実験は震度が6.1という今までにない規模の実験でしたが、白頭山の爆発を心配する声は聞こえてきません。

専門家はどう思っているのでしょうか。5月のCNN記事を抜粋して紹介します。

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北朝鮮の核実験で火山噴火の恐れ?専門家が懸念

(CNN) 北朝鮮が6回目となる核実験を実施すれば、その巨大な振動が大地を伝わり、中国との国境にある火山の噴火活動を誘発しかねない――専門家の間でこうした懸念が浮上していることが2日までに分かった。
米シンクタンク、ランド研究所の上級アナリスト、ブルース・ベネット氏は、北朝鮮が核実験を行った場合、その規模によっては中朝国境に位置する白頭山が噴火する可能性があると警鐘を鳴らす。 ベネット氏はCNNの取材に対し、実際に起こるとすれば「間違いなく大噴火になるだろう。中国と北朝鮮の両国で、数万人とは言わないまでも数千人の死者が出る恐れがある」と明言。「中国側はもう何年も、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が火山の噴火を引き起こす事態を懸念している」と述べた。

米スミソニアン博物館の火山調査を手掛けるプログラムによれば、白頭山の100キロ圏内にはおよそ160万人が暮らす。また白頭山と北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場は、115〜130キロ程度しか離れていない。
北朝鮮が国際社会で孤立しているため、白頭山に関しては科学的な知見が十分に得られていないのが実情だ。キングス・カレッジ・ロンドンで地理学と環境危機を専攻し、2000年代には白頭山の噴火活動を調査する国際研究チームにも加わったエイミー・ドノバン博士は「白頭山の地下からマグマが供給されるシステムについてはあまり知られていない。マグマだまりの大きさや深さ、状態もほとんど分かってはいない」と指摘する。

北朝鮮による直近の核実験で生じた爆発の威力は、推計でTNT火薬10キロトン分。ドノバン氏は、この規模であれば白頭山が噴火する公算は小さいとみている。ランド研究所のベネット氏によると、50〜100キロトン分の威力が生じた場合、深刻な影響を及ぼす可能性がある。 スミソニアン博物館のプログラムによれば、白頭山が最後に噴火したのは1903年にさかのぼる。噴火の規模としては、直径5キロのカルデラが形成された946年の噴火が最大と考えられている。

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記事には50〜100キロトン分の威力が生じた場合、深刻な影響を及ぼす可能性、とありますが、今回の実験は同じ豊渓里(プンゲリ)で行なわれ、120キロトンだったと日本政府が発表しました。

 深刻な噴火は起きていませんが、アメリカのシンクタンクは信頼性が低いのでしょうか、それとも、何日か後になって影響が出るのでしょうか。

 ナショジオの記事では各国の専門家が調査に当たっているという記事があります。
しかし、専門家も火山は何故噴火するのか、何故海溝付金の火山フロントから離れた場所に白頭山のような火山があるのか、「謎」だとしています。要するに火山が噴火するメカニズムに関して専門家といえども、何も分っていないということでしょう。

調査チームのコメントを抜粋して紹介します。

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北朝鮮の聖なる火山「白頭山」に噴火の兆候
調査チームが多発する地震との関連を示唆
2016.04.20

北朝鮮と中国の国境をまたいでそびえる白頭山(ペクトゥサン)。近年、付近で地震が頻発していることから、噴火の可能性について各国の専門家が調査に乗り出している。

 標高2744メートルの白頭山は、約1000年前に人類史上最大級の噴火を起こした火山で、吹き飛ばされた灰や岩石は遠く日本まで到達したといわれている。しかし、その実態については、詳しいことはほとんどわかっていない。

眠らない巨人

 一般的な火山は、構造プレートがぶつかる位置にあるが、白頭山は、日本列島を形成した巨大な沈み込み帯から1000キロ以上離れた、プレートの真ん中に居座っている。つまり白頭山は、本来あるべきでない場所にある火山なのだ。

これが大きな謎の一つです」とイアコビーノ氏は言う。
しかし、普段はおとなしいこの山も、2002年から2005年にかけては群発地震が発生し、山頂が隆起した。

火山の下に何がある?

 何年にもわたる交渉の末、ハモンド氏らは北朝鮮に入り、地元の学者たちと協力して白頭山の調査を行う許可を得た。彼らは2013年に現地に入ると、全長60キロの直線上にソーラー地震計6基を設置した。

 地震計が収集したデータを基に、地震波が硬い岩盤を通ってきたのか、溶融してどろどろになった物質の中を通ってきたのかを判別する。そうしたデータを統合し、白頭山の地表下の状態を具体的に推測した。

 その結果、白頭山の下には、部分的に溶けた(部分溶融した)岩石の層があることが判明した。つまり、液体、ガス、結晶、岩石がドロドロに混ざった状態になっているのだ。

「こうしたデータは、白頭山がかなり活発に動いている証拠です」とイアコビーノ氏は言う。「しかし、大事なのは、噴火の可能性がどれほどあるのかという点です」

 正確なマグマの量や、部分溶融の規模はまだわかっておらず、ハモンド氏はもう一度現地に行って詳しい調査をしたいとしている。

未来は予測できるか

「白頭山が大規模な噴火を起こす危険性は、非常に現実的なものであると考えられます」と、米テキサス大学の地震学者スティーブン・グランド氏は言う。「火山の地下構造を知ることは噴火の予知に役立ちますが、確実な予測はできません。刻々と変化する状況を注視していく必要があるでしょう」

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以上がナショジオの記事です。

火山が爆発するメカニズムが何も分かっていないのではないでしょうか。マグマが何者かも分かっていません。

 ちなみに、火山学では熔岩が生成される場所は以下の3箇所だけとなっています。

@ 火山フロント:プレートが潜り込む海溝より少し内陸に、摩擦熱で融解したマグマが発生して火山フロントができ、そこからマグマが噴出する。

A 中央海嶺:プレートが誕生する中央海嶺で、固体のマントルが上昇し、融解してマグマができる。

B ホットスポット:地球深部からマグマが沸きあがってくる、たとえばハワイのような場所。

白頭山は@でも、Aでもありませんので、当然Bのホットスポットと考えられているでしょう。海洋底の火山も含めて海溝から離れて単立する火山は全てホットスポット説になるはずです。

 石田理論では、卵の殻に相当する地殻の下は全て熔融マグマであるとしています。白身にあたるマントルを定説では固体であるとしていますが、そこに根本的な間違いがあります。

 白頭山の火山活動が少し収まっているのは、マグマが本来持っている解離能力(温度と圧力で決まる)内に解離ガスが収まっているからだと判断できます。解離能力内のガスならば安定して存在しえる筈ですが、マグマが移動したりすると変化が生じます。  核実験のような爆発で、この安定条件を壊すようなことになれば、また、マグマの上昇を許してしまえば、当然火山は噴火活動を開始してしまいます。

[2571]で述べたイエローストーンの冷却作業のようなことが可能ならば、解離現象が収まるので、噴火を止めることもできるでしょうが、直接に水を送るのは大変危険だということです。
 熱だけを抜く・・・つもりが、マントルから自由にマグマが上がってこれるような状況を作ってしまえば、それこそ破局的な惨事を招くでしょう。  

地球科学は「マントル熔融論」「水の爆発」という新しい視点で把握する必要に迫られています。

注:160キロトンに修正

爆発規模は160キロトン 「広島型」の10倍、実験場付近に広範な地滑り  

小野寺五典防衛相は6日、北朝鮮が3日に強行した核実験の爆発規模(TNT火薬換算)について、160キロトンと推定していることを記者団に明らかにした。これまで120キロトン以上としていたが、包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)によるマグニチュード(M)の最終的な分析結果を踏まえて上方修正したと説明した。  

小野寺氏は「広島に落とされた原爆の10倍ということになる」とし、「水爆実験であった可能性も否定できない」と述べた。その上で「かなりの高い出力を持つ核爆弾が開発されていることは日本のみならず国際社会の大きな脅威になる」と語った。

 一方、米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は6日までに、核実験場の周辺で広範囲にわたり地滑りが起きていたと発表。「過去5回の核実験と比べて数や規模が大きい」と指摘した。実験直後に取り沙汰された地下の爆心地や坑道の崩落を示すクレーターなどは確認されなかった。

 香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「さらなる陥没のリスクや、大規模な環境破壊の恐れがある」と指摘する中国地震専門家らの見解を伝えた。(ワシントン 黒瀬悦成、上海 河崎真澄)

2574
Date: 2017-09-08 (Fri)
地震波トモグラフィーは怪しいが、宇宙線利用の透視は有効
 2015年6月に「思索の部屋」にマントルトモグラフィーとプレートテクトニクスの怪しさという記事が載ったことは知っていましたが、宇宙線を利用したトモグラフィーの話までは関心が及びませんでした。

あらためて読んでみて、記事の中にある東大地震研の田中宏幸氏の論文を探しました。大変興味深いものです。まずは、「思索の部屋」の記事を紹介します。
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マントルトモグラフィー、プレートテクトニクスの怪しさ
2015/06/11 16:24

地震波の伝わり方について
マントルトモグラフィーという画期的な解析によってマグマの熱分布が分かったと埼玉大の角田氏の本にあるから「ほ〜そうなんだ」と感心していたが、それについてつっこんで調べてみると、かなりうそくさい。

MUOGRAPHERSのミュオグラフの東大・田中氏の講演の中でも、マントルトモグラフィー誰がやっても同じにならない「再現性のないもの」としてこき下ろされていた

※トモグラフィーのトモとはギリシャ語で断面という意味だそうだ

マントルトモグラフィーやプレートテクトニクスは石田研究室の「新地震学」のHPでもこき下ろされている。
地震波が密度によって高々2%しか違わない事を根拠にこれだけ異なる物質の深さ方向の分布を一意的に描くのは不可能という訳だ。
確かにその通りで、非常にがっかりさせられる話である。
マントルのスーパープリュームの間断が地震や火山活動の間断につながっているという埼玉大の角田氏の説明に納得していた自分としては、スーパープリューム自体が否定されると大変がっかりする。

一方石田研究室のHPではマントルという流体の中を地震波が伝わるわけがなく、地殻底面と表面の間の散乱(反射・屈折)でしか伝わらない、としているが、これもどうなんだろうか?
音や光が水の中を伝わらないという事実はない。もちろん距離により減衰はする。
それが地震波のようにより長周波数になればより遠くまで伝わるとは容易に予想がつく。

ただ、水中より海底面と海の表面の間の散乱の方がよく伝わるのかどうかは、水中の透過率と海底面、海水面といった境界面での反射率を実際に実験的に測定してみなければ何とも言えない。

波の伝搬というのは原理はシンプルだが、媒体ごとに透過率、反射率が異なるので意外と難しく、直感的に答えられない。

マントルトモグラフィーの計算は誰がやっても同じにならないとミュオグラフの東大・田中氏は言うが、 地殻やマントルに関して実験的に散乱断面積、吸収断面積といった物理データが整備されれば誰がやっても同じとなると期待される。

ただし、内部構造がどうなっているか誰も知らないので、100°の角度を超えて地震波が地球の裏側には伝わらないという実験事実から、地球の中心には固体のコアがあるとかなんとか何らかの説明モデルをあらかじめ持つ必要がある、というところがやっかいなところだ。

そういう意味ではニュートリノ観測こそ地球の内部構造を知る手掛かりになりそうだが、いかんせん検出断面積を稼ぐには膨大な体積の検出器が必要になり、当分実現できそうにない。

現代定説となっている科学でボクが疑っているものは3つとなった。(1)ダーウィンの漸進進化論と2)素粒子論は省略)

3)プレートテクトニクス
マントルが流体であり、それが冷えて固まった地殻が漸進的に移動している、という説明は観測事実に即している。

しかし地殻がマクロ的に見て固体なのか流体なのか、動きはいつも漸進的なのかという疑問点がある。

直感的にはある程度伸び縮みもする弾性変形するものでなければ造山活動はありえない。
完全な固体ならヒマラヤ山脈などできはしない。これは誰が考えても確かだ。

海溝型地震の説明やマグマだまりといった仮説もあやしい。

どこまで厳密な実験事実なのか、何を根拠とすべきなのか、時間をかけて考えないといけない。

地震学者、地質学者、地球物理学といった連中の言っていることを真に受けていいとは到底考えられない。

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 以上が「思索の部屋」の記事紹介です。ブログ主の言葉に「世の中の定説に怪しさを嗅ぎ取るのは元々疑り深い性格もあるが、大学の研究室が当時素粒子論を斜めに見ていた宇宙線物理だったからなのかもしれない。」とありますが、納得できるまで探求する姿勢は学問に必須のものだと思います。今は、「偉い人の言うことを信じなさい」式の学問になっています。

記事の中で「マントルという流体の中を地震波が伝わるわけがなく、地殻底面と表面の間の散乱(反射・屈折)でしか伝わらない、としているが、これもどうなんだろうか?」とありますが、これはその後少し修正してあります。

「マントルが液体であっても、爆発現象のような衝撃的短周期成分なら、マントルは弾性体のように挙動し、短周期成分を伝播させる。ただしそれは爆発エネルギーのほんの少しで、ほとんどのエネルギーは固体である地殻内を反射・屈折を繰り返して伝播する」としています。

さて、田中氏の論文は「ニュートリノを用いた地球内部のイメージング」、「ミュオンを用いた地殻内部構造のイメージング」等が見つかりました。

地震波を利用するマントルトモグラフィーは固体のマントルが「玉ねぎ構造」を持っていると仮定していますし、誤差の範囲内のような時間差を問題にしていて怪しげなものですが、ニュートリノ、ミュオンを利用するトモグラフィーは、そうした怪しげな問題は含んでいないように感じました。

昭和新山や浅間山での観測例など大変興味深いもので、今後火山噴火の予知に利用できる優れた方法だと思います。


左:昭和新山の透視・火道はふさがっている。  右:浅間山の透視・噴火の前後で火道の変化が見られる
「特集:ミュオンの産業応用・社会貢献」に収録の田中宏幸「ミュオンを用いた地殻構造のイメージング」より

 地球トモグラフィーにまで発展させて、地球内部のイメージング研究というのは著者(田中氏)も述べているように、アイディアが先行しすぎて計画に現実味が無いことから、荒唐無稽視されがちです。

 しかし、南極のニュートリノ検出器が有意なデータを検出しているようで、やがて地球内部のイメージングが可能になる可能性があるということです。

大変に夢のある基礎研究だと思いました。

2575 
Date: 2017-09-09 (Sat)
何度も言いますが、 プレート論、付加体論は間違っています
横浜地球物理学研究所の上川氏が角田先生の「地震の癖」にある内容を批判しています。批判内容の一部を紹介します。

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『地震の癖』(角田史雄著、講談社+α新書)の内容について

「プレートが海溝部で沈んでいないとする根拠として、丹沢山地を挙げています。丹沢山地は地質的に、かつて海底であったことが明らかなので、プレートテクトニクス理論が正しければ既に沈み込んでいなければおかしい、というのです。

ですが、この考察はいささか的外れです。たしかに、丹沢山地は海底が隆起したものなのですが、採取される貝や放散虫の化石から、丹沢山地は「温暖な南方から北上して来た」ことがほぼ明らかになっているからです。つまり、角田氏が言うようにその場で隆起したのではなく、プレート運動に乗って北上し、沈み込めずに付加して隆起した付加体であると考えられるのです。

この種の「沈み込めなかった付加体」はあちこちで見つかっていて、実際、日本列島の地質のかなりの部分が付加体であることが分かっています。プレート運動を否定する角田氏の理論では、この地質を説明できません。」

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角田氏の著書「地震の癖」には、「地質調査から見たプレートの矛盾」という節(p.17)でたしかに、

「伊豆・箱根の真北に位置する足柄地域を調査してみると、プレートの衝突や沈み込みは存在しないことがはっきり分ります。」

「実際の足柄の地層は、地下からの押し上げによって、東から西へ押し上げられて曲がっています。力は真南からではなく、明らかに太平洋プレートが存在しない「東」から掛かっているのです。」

という解説があります。

石田理論としては、この部分は角田先生の見解を支持します。上川氏の見解は「放散虫などの化石は温暖な南方から運ばれてきた」という立場ですが、プレート論という一仮説に基づく推論にすぎません。ハプグッド教授の「地殻スライド論」によれば、容易に説明が付けられます。その場で隆起・沈降しているというFixistの立場の方が正しいと思われます。

 また、「沈み込めずに付加して、(その後)隆起した」という推論ですが、沈み込める堆積物と沈み込めない堆積物の違いは何なのか、説明が出来ません。

 角田先生の言う「熱移送が地震の原因である」とは思っていませんが、プレート論を否定される立場は支持します。

[2465]や、 [2512]-[2514]などで解説したように、「海洋プレート層序」というのは空理空論にすぎません。

なお、

[2465]では「私の分析が間違っているのかどうか、お分かりの方は教えてください。宜しくお願いします。isshy7@kfz.biglobe.ne.jp 」

と記しましたが、どなたからもご教示がありません。

注:

 もちろん定説論者は以下のように、まったく違った見方の解説をしています。

地球科学の特性−地球科学の革命前後

 定説は常に覆される運命にある!

2576
Date: 2017-09-13 (Wed)
瀕死のプレート論を支えた付加体理論だが・・・
[2575]で紹介した羽田氏の「地球科学の革命前後」には次のようなコメントがあります。

「1970年を境にして地球科学は全く異なる存在に変身した。プレート・テクトニクスと呼ばれる「新しい地球観」の登場であった。」
「1970年以前にはこれから述べる“地向斜−造山論”であったのに対して、それ以後はプレート・テクトニクスが取って変わることとなったのである。従って、プレート・テクトニクスの出現によって、当然それまでの地向斜−造山論に基づいた議論は全く意味をなさなくなった。」
「1970年にプレート・テクトニクスが確立した後も、革命的な考え方を積極的に検証し発展させるような研究へとすぐには踏み出せず、それに対する拒絶反応が根強くはびこる状況が続いたことは実に残念と言わざるを得ない。」

定説論者は泊次郎氏の「PT論拒絶と受容」にあるのと同じ姿勢でPT論の誕生を迎えておられます。

羽田氏の論文から「地向斜理論」と「PT理論」の入れ替え時期の様子を紹介します。石田理論としては、「地向斜理論」に戻れと言っているのではありません。「地震爆発論」という新しい地球変動のメカニズムを導入すべきだという意見です。

羽田氏の論文を抜粋して紹介します。

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西南日本外帯の地質と十津川流域の地質特性
波田重煕・藤田 崇

西南日本外帯、とくに四万十帯の地質
1970 年代初頭、プレートテクトニクスが地球表層のシステムを規定する基本的原理として確立するまでは、地向斜—造山論が地球の変動を説明する根本原理とみなされ、地球科学者とくに地質学者は、地向斜—造山論に基づいて論理を展開していた
地向斜—造山論が誕生したのは、北米大陸の大西洋岸に南北にのびるアパラチア変動帯(“造山帯”)である。そこでは古生代の地層が異常に厚く発達していたことから、大陸に挟まれた部分で、地殻の下方への連続的な撓曲運動に伴って10 km に及ぶ厚い浅海堆積層(海のことがよく分かっていなかった時代には、砂のような粗粒の堆積物は浅海でしか堆積しないと考えられていたが、現在では乱泥流によって粗粒砕屑物も深海に持ち込まれることが明らかとなっている)の形成が続き、やがて最も物理的に不安定となる中央部を中心にして、著しい火成活動(花崗岩の貫入など)や変成作用が進行して、“造山帯”が形成されるとみなされた(第1図)。地球表面を物質が大規模に水平移動しているなどとは誰も考えていなくて、そこにある物質は基本的にはその場所で形成されたとみなされていた時代には、当然の考え方であったといえる。


第1図 地向斜—造山論を説明する模式図

したがって、西南日本外帯の地質も1980 年代に入る頃までは地向斜—造山論の考え方を枠組みに説明されていた。すなわち、主に石灰岩から産する紡錘虫化石の年代に基づいて秩父累帯に分布する地層は‘秩父古生層’と呼ばれ、古生代から中生代にかけて存在した‘秩父地向斜’において形成され、そこは古生代末から中生代初頭に及んだ‘本州変動’によって次第に陸化したと説明された。かわって、中生代中頃からその南側(太平洋側)に形成されたのが‘四万十地向斜’ で、そこで四万十超層群と呼ばれる厚い地層が形成されたと説明された。第2図および3図に、1970 年代における四万十地向斜の発展と四万十超層群の形成を、地向斜—造山論の枠組みで説明している例を示した。当時四万十帯からは、アンモナイトや貝化石等の大型化石がごく稀にみつかるだけで、広大な地域の地層の年代を議論することは難しく、‘未詳中生界’と総称されていた。そのような砂岩層に四万十帯の第2図 紀伊半島における四万十地向斜の発展を示す模式図(紀州四万十団体研究グループ、1975)(K は黒潮古陸)

南側、すなわち、海側から堆積物が供給されたことを示す‘底痕’が各地で確認されたことと、中国や朝鮮半島のような大規模な大陸地域の先カンブリア系に特徴的で、日本の地層には存在しないオーソコォーツァイトの礫が多量に四万十帯から発見されたという二つの事柄に基づいて、四万十地向斜の北側だけでなく、南側にも物質を供給した大規模な陸地が存在したとみなされ、その‘南方陸地’は「黒潮古陸」と称された

ところが、地向斜のように浅海条件を保ちながら徐々に沈降して1万メートルを越える地層を形成している地球規模の堆積盆は現在の地球上のどこにも存在しないことから、地向斜とはどのような場所なのかということが常に議論の的となっていた。


第3図 四万十超層群を形成した四万十地向斜の復元の例(Tateishi、 1978)

地球科学者は、1950 年代に入るまでの長い間、地球を理解するためにひたすら「大陸」の研究を続けてきた。当時は、何千メートルもの海水で被われた「海」の底のことを知ることはほとんど不可能であったからである。ところが、科学技術が進歩したことによって、海水に被われた海洋底の研究が可能となった途端に、プレートテクトニクスが登場して地球科学は一変した。地球表面積の1/3 程度しか占めていない陸地に住んで「動かざること大地のごとし」などと言っていたら、残り2/3 を占める海洋底のことがわかってみると、実は海洋底の岩盤は常に移動しながら新しいものに更新されていて、大陸は海洋底の岩盤のベルトコンベヤーに乗って移動している、ということになったのである。

プレートテクトニクスの登場によって、それまでの学問体系が根底から覆されて地球科学は一変した。その結果、例えば、地層の形成過程に関する問題も真に現在の地球上で進行しつつある物理・化学的過程の枠組みの中で議論できるようになった。一方大層重要なのは、時期を同じくして、それまで示準化石としてはあまり有効とはみなされていなかったコノドント化石やとくに放散虫化石といった微化石の層序学が急速に進展し(微化石層序学の確立も、海洋底の研究が可能になったことに大きく依存している)、また、そのような化石は大型化石を含まないような種々の岩相の岩石から抽出されるようになった結果、地層の年代論も一変し、例えば‘未詳’とされていた四万十超層群の年代論も画期的に進歩することとなった。

その結果、四万十帯の形成・発展に関する議論も飛躍的に進歩した。四万十帯は、日本列島における最も主要な地質区の一つで、最も太平洋側に位置する。東は房総半島から関東山地に始まり、西南日本外帯に沿い、南西諸島まで分布している。その総延長は走向方向に約1800 km に達する(第4図)。

四万十帯はその名のごとく四国の四万十川流域を模式地としており、岩相層序区分上の単元では、四万十超層群(Shimanto Supergroup)によって構成される。 それはさらに、白亜紀層の部分を下部四万十超層群(Lower Shimanto Supergroup)、


第4図 四万十帯の分布略図(平ほか、 1980)

第三紀層の部分を上部四万十超層群(Upper Shimanto Supergroup)に区分することがある。四万十帯は、仏像構造線を介して秩父累帯の南側に拡がる地帯で、紀伊半島では北より日高川帯、音無川帯、牟婁帯の3帯に区分されている。

紀伊半島西部では秩父累帯が欠如する部分があり、そこでは四万十帯と三波川帯が仏像構造線に相当する有田側構造線で直接している。 さらにその東側では三波川帯も欠如することから、四万十帯は中央構造線を介して領家帯と直接することになる。さらに東部の紀伊半島中央部では、秩父累帯三宝山帯の地質体が四万十帯を低角度の断層関係で構造的に被覆することから、四万十帯の地層はクリッペ状の三宝山帯の地層を取り巻くように、北西側から南西側、そして南側へと分布する。また、紀伊半島の四万十帯では、部分的に新第三紀層である田辺層群や熊野層群、ないし、さらに若い海岸段丘層が基盤の四万十超層群を不整合に被覆している。

島南半部の広い地域を占めて分布するのは四万十超層群で、プレートテクトニクスの登場によって、それは「付加体」と呼ばれる海洋プレートの沈み込みに伴って形成された地層であることが判明した。 四万十帯の付加体を構成する地層は、岩相の上から大きく、粗粒砕屑岩相とメランジュ(混在岩)相の二つに分けられる。粗粒砕屑岩相は、四万十帯の広い部分を占める付加体で、様々の量比で互層する砂岩と泥岩(タービダイト)で構成される。

このような四万十帯の付加体がどのようにして形成されたかは、現在付加過程が進行中の南海トラフの状況も参考にして、次のように考えられている。

海嶺で誕生し、海溝に向かって移動してきた海洋プレートの最上位に最後に堆積するのは、海溝を充填する粗粒砕屑物からなるタービダイト層である。海洋プレートは最終的に海溝で沈み込むが、その海洋プレートに水平方向の圧縮力が作用することによって、タービダイトの中に陸側に傾く衝上断層が段階的に発達して、タービダイトは海洋プレートから順次はぎ取られる


第8図 付加作用における「はぎ取り作用」と「底付け作用」

結果として、タービダイト層は覆瓦スラストを形成しながら、海溝内側斜面基部に順次付加することになる。これが粗粒砕屑岩相の付加体である。その結果、衝上断層で断たれたタービダイト層より下位の半〜遠洋性堆積物(泥岩・多色頁岩・チャート・石灰岩など)と海洋プレートそのものはより深い部分に沈み込むことになる。その過程で進行するさらなる短縮運動や陸側と海側のプレートの境界で進行する剪断運動によって、ついには、沈み込む海洋プレート自体も破壊されるようになり、海洋プレートから枕状溶岩より上位の海洋プレート物質が分離し、陸側プレートに「はぎ取り作用」と「底付け作用」p1ating)」と呼ばれる過程によって付加することになる

このようにして形成されたのがメランジュ相の付加体である。これら付加体が形成されることによって発達していく海溝内側斜面では、短縮運動に伴ってその後も逆断層運動が進行し、凹凸に富んだ地形が形成される。  そのようにして形成される付加体基盤上の斜面海盆あるいは海段とよばれる部分に、陸側から乱泥流などによってもたらされる砕屑物が堆積する。このようにして形成されたのが、整然層である前弧海盆堆積層である。ただし、そのような堆積場は造構的に不安定であることから、前弧海盆堆積層にはしばしば海底地すべり堆積層が伴われる。

(十津川流域の地質特性は省略)

このようなプレートテクトニクスに基づく考え方に従って、白亜紀における四万十帯付加体の形成と当時の造構環境を示した模式図が第10図である(平、 1990)。


第10図 白亜紀における四万十帯付加体の形成と当時の造構環境(平, 1990)(平、 1990)

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プレート論には多くの矛盾があって、崩壊しそうになっていたものを、立ち直らせたのが「付加体理論」なのだと思っています。

しかし付加体理論の論拠となる海側上がりという地層は現地では少数派で、第8図のような海側上がりになってはいません。海側上がりになる場所は褶曲作用が激しかった特別な場所に限られています。


第39回 教育映画祭入賞作品である 日本列島誕生に出てくる四万十帯の地層(3:30あたりから)
は特殊なケースにしか過ぎない。

[2477]などで述べたように、太平洋側も日本海側も、ほとんどの現場では「陸側上がり」つまり、日本列島の中央部で地盤が火山活動で吹き上がったような傾斜構造になっているのが現実です。    


太平洋側も日本海側もほとんどが陸側上がりの傾斜地層になっている。

そもそも、「はぎ取り作用」と「底付け作用」というような「都合の良い」二つのメカニズムがあるとは思えません。おとぎ話を机上で書いているようなものでしょう。

プレート論自体は[2466]で紹介した藤田先生が述べていたように、「親亀こけたら皆こける」ような理論で、海洋底拡大説がこけた時点で、「体系的廃棄」しなければいけなかった理論だと思っています。それを、「付加体理論」でなんとなく老体を支えて今日まで命を繋いできているという感じです。

[2507]で紹介した芝崎美世子氏が「松田時彦(1992)や泊次郎(2008)らが取りあげた「プレート語」には、社会統計学的に見ると思い込みや誤りと言えるものが含まれている。」と記している様に、冷静な視点もあります。

私にはプレート論はどこかの組織のリーダーが「何時倒れるのだろ、ホントウはもう死んでいるのではないかと」と世間で噂になっているような状態なのではないかと見えます。

2577
Date: 2017-09-14 (Thu)
ムー大陸やアトランティス大陸を否定する現在の地球物理学は魅力に欠ける学問になっている
Yahoo知恵袋に、大陸規模の沈降があるのかどうかの質問がありますので、そのベストアンサーと一緒に紹介します。
何故大陸は沈まないのですか? また沈むことはあり得ますか?
losaskyさん  2009/12/2921:00:04
ベストアンサーに選ばれた回答
peronochaetaさん

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大陸は分裂することはあっても地球内部に沈むことはありません
ただし海水面が上昇して水没することは可能性としてはあります。氷河期には海水面が今より100メートル以上低下し、インドネシア、マレー半島、ボルネオ島などがつながっていて、大陸のような大きな陸地があり、まとめてスンダ大陸と呼んでいます。
温暖化で海面が上昇すれば大陸面積は減少しますが、それは海水が増えて大陸が水没するだけで、地球内部へ落ち込んで消滅することとは関係がありません。

地球ができてしばらくのあいだは大陸はありませんでした。海の中に島のような陸地があっただけです。
地球の内部でマントル対流が生じて熱が内部から放出される過程で大陸ができあがりました。マントルは固体ですが長い年月の間には流体のように移動します。地球内部から湧き上がって海嶺というとことから吹き出し、表面を動いて海溝というところで内部に沈み込みます。
マントル対流がおきると、マグマの中でも軽い物は浮き上がり重いものは沈みます。軽いマグマが冷えて固まった陸地が大陸です。つまり大陸はマントルの上に浮かんでいるような状態なので、マントル対流によって内部に沈み込むことがありません。
地球内部からどんどん軽い物が浮かび上がり大陸は大きくなっています。40億年かけて大陸は現在の大きさに成長しました。

マントル対流のわき出し口が変化すると大陸は引き裂かれ、プレートと呼ばれる破片となって漂います。大陸同士がぶつかることもあり大陸の上に大陸が乗っかることもありますが、二重になった大陸が周囲より高くなるので大山脈が形成されます。ヒマラヤ山脈はインドがユーラシアに衝突した結果できた山脈です。二重になっているだけでそのまま地球内部に沈むことはありません。

日本列島程度の島なら沈むこともありえますが、海水の増減により水没することはあっても地球内部に沈むことはありません。日本列島は多少の増減はあっても全体として今後も大きくなり最終的にユーラシアと合体すると考えらています。これも大陸に付加され、大陸が大きくなることに貢献しています。

地球内部のエネルギーが尽きず火山活動が続くと、これからも大陸は大きくなります。
ムー大陸、アトランティス大陸、レムリア大陸と沈んだ大陸の話はすべて作り話です。真面目な科学的議論として「黒潮古陸」という紀伊半島のずっと南にあったかも知れない大陸が想定された時代もありましたが現在では否定されています。

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残念ながら「黒潮古陸」も「ムー大陸」も「アトランティス大陸」も否定するのが現代の地球物理学です。  

「瓜生島沈没」も「熱海湊の海没」も作り話というのでしょうか。世界中にある海底遺跡(「海に沈んだ超古代文明」講談社クオーク編集部参照)はみんなウソッパチなんでしょうか。海水位が上下しただけなんでしょうか。

 ところで、付加体論者の平朝彦氏(JAMSTEC理事長)はクオーク編集部の取材に「火山の場合は噴火によって一瞬で数千メートルの海底に沈んでしまうことはありますね」と答えています。アトランティスの沈没を認識されているのかと思ったのですが、つづく回答を見ると違っています。

「沈むというより、山体崩壊ですね。磐梯山が爆発で崩れたように、火山島が爆発して、重力崩壊を起こすわけです。巨大な地滑りとなって、一挙に海底まで滑り落ちるんです。島一つがなくなるなんてことは、世界中でしょっちゅう起きています」

 ということですから、近くに深い海溝でもないと起こりえないことになります。
やはり、「南方古陸」やムー、アトランティスのことは想定の中には無いようです。

 しかし、瓜生島は別府湾の中で局所的に沈降していて、海溝のような深部に崩落したのではありません。現実に別府湾には大きな断層が残っています。(瓜生島沈没−日本のアトランティス物語参照)

大分県の調査では火山灰層の段差は20メートルもあることが分っています。

石田理論では水素爆発で「押し円錐の軸」が水平の場合には、地殻が沈降する場合もあることになります。爆発が何度も連続すれば、大陸規模で沈降することも不可能ではありません。

瓜生島は「押し円錐軸」が水平の解離ガス爆発がおきて沈降したと推定できる。

アトランティス否定論者だった地球物理学者のユーイングは、アゾレス海域を調査し、「これは陸地が一度に3〜4千メートルも沈下したか、それとも、海面が上昇したかのどちらかを示す驚くべき証拠だ」と述べています。(ムーとアトランティスはここにあった参照)

海面が一度に数千メートルも上昇するメカニズムは考えられませんから、瓜生島が沈降したのと同じ水素の爆発というメカニズムが働いたのでしょう。

現在の地球物理学のレベルではムー大陸はあった? いいえ。ありませんでしたとなってしまい、まことに残念です。

 本当は魅力に満ちた、面白い研究分野なのですが、真摯な姿勢で探究心に燃える学徒には「知識の押し付け」「定説による洗脳」ばかりが流行する面白みに欠けてる学問分野になっているのではないのでしょうか。

 日本は海洋国家として、アメリカ生まれのプレート論なんかに縛られないで、日本生まれの理論を使って、もっと真剣に海洋のことを調査研究する必要があります。  

 ジーランディアを調査する日本に対して、中国はカロリン諸島を調査([2572]参照)していますが、皮肉なことですね。

ジーランディアはムー大陸の在った場所ではありません。

2578 
Date: 2017-09-15 (Fri)
全球凍結、プレート論、付加体論、マントル固体論などを廃棄しよう
[1130]全球凍結は誤解である、や[1131]などで述べましたが、全地球が氷の世界に包まれるという話は「生物進化に係わる既存の一般常識からも首を捻るところが多い」(生物学者の言葉)ものだといえます。

6億年前に水深2,000mまで凍りついたのなら、生物は死滅してしまったはずです。その直後に地球上で「カンブリア大爆発」といわれる生物の大発生が起きたとは考えられません。

ネット上では全球が一旦凍結したら、太陽は何倍かの活動量を示さないと、解凍することができない、とか火山活動による二酸化炭素の増加で解凍される、とかの話も交わされていますが(Yahoo知恵袋)、地球が姿勢を変えたというハプグッド教授の「地殻スライド論」を認めればなんでもない地球科学史の一事象だと分ります

地球が姿勢を変えたので、極が地球上の各地に散らばっていることを“極の軌跡曲線”が教えているのではないでしょうか。([2570]など参照)

全球凍結に関してBlue Earthのp.10にJAMSTECの山口氏(?)が解説していますが、まったくの的外れです。山口氏だけではなく、学会全体の認識が間違っていますので、以下に紹介・指摘しておきます。

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白い地球の出現―大陸移動と生物が地球を凍らせた

青い地球が白い地球へと姿を変えた時期があった。大陸は赤道付近まで氷に覆われ、海も水深2,000mまで凍り付いた。このできごとは「全球凍結」と呼ばれている。しかも、それは一度ではない。6億年前と7億5,000万年前、そして約23億年前にも全球凍結が起きたと考えられている。
 全球凍結の有力な証拠は、ナミビアで見つかった。地層がむき出しになった茶色っぽい断崖に埋まっている白い石がそれだ。直径1mほどで、その存在は明らかに周りから浮いている。この白い石は、なぜここにあるのだろうか。 犯人は氷河だ。氷河は、周りの岩石を削りながらゆっくりと動いていく。削られた岩石は10mに達するものから1cmに満たないものまでさまざまだ。それらが氷河とともに運ばれていく。氷河は海に到達し、はるか沖合いまで運ばれるものもある。沖合の海底では、沿岸域の海底に比べ、とても細かい粒子が堆積する。氷河が融解することによって解放された巨石がそのような海底に沈んでいった。そうして、場違いな白い巨石は細かい粒子からなる地層に埋め込まれた。このようなものを「氷河性堆積物」と呼び、世界各地に見られる。氷河性堆積物は、かつてそこに氷河があったことを意味する。


ナミビアで発見された氷河性堆積物 
中央に見える白い岩は、氷河によって削り出されて運ばれ、土砂に埋もれたもの。
氷河性堆積物と呼ばれる。この岩石に含まれる磁気を帯びた鉱物を調べた結果、
赤道近くでできたことが分かった。地層の年代から、6億年前、赤道付近には
氷河が存在していたことになる。これは全球凍結の証拠である。
アメリカ・ハーバード大学のポール・ホフマン教授(右)の成果
(写真提供:Gabriell Walker)


全球凍結

        地球全体が氷に覆われスノーボール(雪玉)のようになっていたという説は、
1992年、アメリカ・カリフォルニア工科大学のジョセフ・カーシュビンク教授によって提唱された。

カーシュビンク教授は、世界各地で見つかる氷河性堆
積物や、その地層のすぐ上にある炭酸塩岩やしま状鉄鉱層
など、いくつかの謎は全球凍結で説明できると考えた
(イラスト:本多冬人)

 アフリカのナミビアに氷河!?と驚くかもしれないが、プレートテクトニクスによって大陸は移動し、現在のアフリカ大陸が高緯度にあったこともあるので、それだけでは驚くに値しない。しかし、岩石に記録された地磁気の解析から、それは6億年前に赤道付近でできたことが分かった。最も暖かいはずの赤道付近に氷河があった――この事実は、地球全体が氷に覆われていたことを意味する

  全球凍結のきっかけは、大陸の配置の変化だと考えられている。全球凍結が起きる前、大陸は一つにまとまって超大陸をつくっていた。それが、プレートテクトニクスによって大陸がばらばらになった。大陸の周りには浅瀬ができるので、大陸分裂によって光合成を行う生物たちの生息場所が増え、数が急増した。その結果、大気中の二酸化炭素が光合成に使われて減少し、温室効果が弱まり、気温が低下したのだろう。雪や氷が増えると太陽エネルギーを反射しやすくなり、地球は一気に凍り付いた。これが、全球凍結に至るシナリオだ。

  全球凍結は数千万年も続いた。その間も火山活動は続いていたため、大気中に二酸化炭素が少しずつたまっていき、その温室効果によって気温が再び上昇し、地球は青い姿を取り戻したと考えられている。

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戦後の地球物理学を魅力のない陳腐な学問にしているのは活断層地震説やプレート論、そしてマントル固体論や付加体論などですが、地球の姿勢が「誕生以来不変である」と考えていることにも原因があります。

「地球の姿勢は不変」という縛りがあるために、ナミビアの砂漠に氷河が運んだ「迷い石」があるというだけで、“赤道付近まで氷河が発達していた”という「全球凍結」の錯覚に陥ってしまいます。また、日本にも赤道付近にしか産しない水生生物の化石があるというだけで、“海洋底が徐々に北上・移動した”とかの話になってしまいます。

 そうした御伽噺のような話を創作しないでも済むことをアインシュタインは以下のように述べたのだと思います。

「初めてハプグッド氏からの手紙を読んだとき、私は強い衝撃を感じたことも事実である。ハプグッド氏の考え方は今までにはなかった新しいもので非常に簡潔でわかりやすく、・・・・さらに実証性が高まれば・・・地球の地表の歴史に関する、他のどんな説よりも重要な説となるであろう。」([1074]参照)

南方古陸(ムー大陸)もアトランティス大陸も海底に沈んでしまっていますので、「実証性」を高めることは容易ではありませんが、南極大陸の氷床の下から古代文明の証拠が出てくれば、「地球が姿勢を変えた」ことの実証性は高まるでしょう。

 石田理論はことごとく定説を否定していますので、社会から受容されるのは相当な困難が予想されます。しかし、[2566]に書いたように「何度も押せば釣鐘のような重いものでも指で動く」の心境で、今日も定説の間違いを指摘しておきます。

ナミビアに氷河があった頃には、
今の南極大陸は赤道付近にあっただろう。

2579
Date: 2017-09-15 (Fri)
海は陸の誕生後に出来たはず、海がマグマを冷却したのではない
[2578]で紹介したBlue Earthの記事には石田理論からは納得できない内容が他にもあります。(p.5)

 海の誕生とプレートテクトニクスの関係の記述を紹介します。地球以外の惑星には海が無いのでプレートテクトニクスが機能していないというのが定説ですが、その解釈には怪しげな論点があります。先ずはその記事を紹介します。

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 青い地球の誕生――海はプレートテクトニクスや 大陸を生み出した

海はいつ誕生したのだろうか。

 その答えを教えてくれるものとして、オーストラリアのジャックヒルズで発見された堆積岩中の鉱物粒子が注目されている。堆積岩に含まれるジルコンという鉱物粒子を調べたところ、それが形成されたのは約44億年前という結果が出た。これまでに発見された地球最古の物質である。しかし、注目されている理由は、その古さだけではない。  

ジルコンは宝石にもなっている鉱物だ。熱や水に強いため変成を受けにくく、形成された当時の環境の情報を組成中にとどめている。ジャックヒルズで発見されたジルコンの酸素同位体比を調べたところ、海の誕生についての新事実が明らかになったのだ。同位体とは、同じ元素でも中性子の数、つまり質量数が異なるもの。自然界に安定して存在する酸素の主要な同位体には質量数16と18があり、その比率を調べることで物質が形成されたときの環境を知ることができる。ジルコンの酸素同位対比は、それが低い温度の液体の水とマグマが反応して形成されたことを物語っていた

  44億年前より以前には地球の表面に水、つまり海があった――これが、ジャックヒルズのジルコンが提示した新事実である。


ジャックヒルズ地域の堆積岩

オーストラリア・ウェスタンオーストラリア州のジャックヒルズには、30億年前に形
成された堆積岩が露出している。この堆積岩のなかから、海の誕生時期を物語る
ジルコンが発見された。

地球が誕生した46億年前、地表には岩石が溶けたマグマが広がり、温度は千数百℃にも達していた。それが44億年前までに、海が存在できるほどに冷えていたことになる。これまでは、マグマオーシャンが広がる高温の状態が地球誕生以来約7億年間続いたと考えられていた。ジャックヒルズのジルコンは定説を覆し、地球は2億年かからずに急速に冷えたことになる。

 しかし、海は44億年前から現在まで、ずっと存在していたわけではない。地球誕生後も数億年間は微惑星の衝突が続いており、そのエネルギーを計算すると、海を一瞬にして蒸発させることが可能だ。おそらく海は幾度となく誕生と蒸発を繰り返してきたのだろう

 海の誕生により、地球は大きく変わり始める。まず海が形成されたことで地球の表面が冷やされ、かたいプレートと呼ばれる岩板となる。やがて、海嶺で生まれたプレートが移動し、海溝で沈み込むようになった。プレートテクトニクスの始まりだ。さらに、水をたくさん含んだ海洋プレートが沈み込むと、地下数十kmで溶けて花崗岩が形成され、周囲と比べて軽い花崗岩が上昇してくる。そうして大陸地殻がつくられた
 海がなかったら、プレートテクトニクスも大陸もなかったであろう。それだけではない。実は……。

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 記述内容には多くの疑問があります。

44億年前より以前には地球の表面に水、つまり海があった
とありますが、海が出来る前に陸があったはずです。海が無くても冷却された陸上でジルコンは形成された可能性があります。

海が形成されたことで地球の表面が冷やされ、かたいプレートと呼ばれる岩板となる。やがて、海嶺で生まれたプレートが移動し、海溝で沈み込むようになった
とありますが、順序が逆じゃないでしょうか?マグマに含まれている大量の水が気化し、地球を覆っていた。しかし地球表面が冷えたので水蒸気が液化し、雨となり、海が形成された、筈です。マグマ→冷却→陸地→海 の順番で出来たのではないでしょうか。プレートが移動する力は現在でも原動力が見つかっていません。

・水をたくさん含んだ海洋プレートが沈み込むと、地下数十kmで溶けて花崗岩が形成され、周囲と比べて軽い花崗岩が上昇してくる。そうして大陸地殻がつくられた
とありますが、花崗岩は大陸がさらに冷やされて、「水を含んだままのマグマがゆっくりと冷却」して出来るものです。「周囲と比べて軽い花こう岩」が上昇するという浮力のようなメカニズムは存在しません。深成岩である花こう岩が地表に出てくるのは、浮力とは関係の無い別の要因です。

地球が冷却したから、地殻ができ、海ができ、花こう岩ができた、というのが真相でしょう。花こう岩は今もヒマラヤなどの大陸の下では形成され続けているはずです。

定説論者は火星や金星には海がないからプレートテクトニクスが機能していないと解説しますが、地球だってプレートテクトニクスは機能していません。火星や金星はかつて存在した海が蒸発して無くなったということでしょう。何億年も経過したら地球も火星や金星のようになるのかもしれません。

2580 
Date: 2017-09-15 (Fri)
日本は大陸から分離した?そして再度元に戻る?どちらも嘘です
「日本列島は2500万年前は大陸の一部であった」というのは[2543][2556]で紹介したNHK「列島誕生・ジオジャパン」でも放映されていた内容ですが、南栃市周辺の地質調査でも「この一帯は大陸の一部だった」ことが明らかになったということです。

 そうだとすれば、日本海の海底には引き裂かれた傷痕があるのでしょうか、付加体理論では将来大陸と合体するとも言っています。

 疑問は広がります。

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日本海形成時の地質変動の記録一南砺市周辺の地質調査

1.背景と研究目的

日本海は、日本列島がかつてユーラシア大陸の縁辺部に位置し、プレートの沈み込みに伴って大陸から分断された時に形成された特殊な海である。
日本海と同じような特徴を持つ海は縁海と呼ばれていて東南アジア周辺に多く分布している。これは一般的に大陸が割れて深い溝になった部分であると解釈されている。
しかし、プレートの沈み込みと縁海の形成がどのようなプロセスで起きているかは十分には理解されていない。縁海形成時には地球深部から大量のマグマが供給され、激しい火山活動が伴った可能性が指摘されている。
実際に、日本列島においては'三|本海側に、日本海が形成されるときに伴った大規模な火山活動の痕跡が残されており、特徴的な地質が広く分布している。
しかし、その詳細は十分に分かっていない。本研究は日本海形成時に伴う事件が記録されている地層が多く分布する南砺市周辺の地質調査を行い、地質を明らかにすることと日本海形成時の地質学的変動を議論することを目的とした。

5結論

・南砺市周辺の地質が明らかになった。

>この地域はかつて大陸の一部だった。

>大陸が割れるときには月長石流紋岩の火山活動を伴っていた。

>大陸が割れた後に非常に大規模な火山活動があった。

>一連の火山活動の後に断層が形成された。


日本海観音開き論
最終的にはまた大陸に合体する論
観念論的創作話に過ぎません

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アフリカ大陸と南アメリカ大陸の間には、海嶺があって引き裂かれた傷跡を見せています。日本海の海底にはそのようなものはありません。

さらに疑問は広がります。[2577]のベストアンサーにもあるように定説論者は、 「日本列島は多少の増減はあっても、全体として今後も大きくなり最終的にはユーラシアと合体すると考えられています。これも大陸に付加され、大陸が大きくなることに貢献しています」

と考えています。「大陸から分離した日本列島が、最終的にはまた、大陸と合体する」・・・こんなことが本当にあると信じているのでしょうか。アフリカ大陸と南アメリカ大陸は何億年後に合体するか、というようなものでばかばかしい話です。

 Mobilistの「御伽噺創作」はそろそろ止めなければ、地球物理学は混乱するばかりです。アフリカ大陸と南アメリカ大陸の分離は特殊な例、つまり特殊解であって一般解ではありません。一般解はハプグッド教授が提示した「地殻全体のスライド」現象です。

 海洋の地殻は薄く、大陸の地殻は厚く出来ていまが、それでも100km程度のものです。その地殻の重心は回転軸の上にありますが、局所的に地殻が隆起・沈降したり、地球内部への剥離現象などが起きると、重心が変化します。変化すると回転軸も新しい重心を通るように傾きます。  

 太陽や他の星から見ていれば、地球が姿を変えたとか、地殻がスライドした、というように見えるわけです。

 ポールシフトという言葉がオカルト用語になってしまっていますので、不信を買っていますが、地殻のスライド現象として、認識すべきです。

「日本列島の誕生」(平朝彦著)には、もっと超古代には「イザナギプレートが北上した」とか解説してありますが、モビリストの創作話です。

2581
Date: 2017-09-16 (Sat)
恐竜が浅海層に棲息していた? なんだかおかしい!
9月14日、三重県庁で産総研が下記の様な発表をしたと伊勢新聞が報じています。

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“恐竜化石地層”鳥羽に点在 「トバリュウ」発見の理由 産総研解明
9/15(金) 11:00配信
伊勢新聞社

 国立研究開発法人・産業技術総合研究所(産総研)は14日、三重県鳥羽市で恐竜「トバリュウ」の化石が見つかった理由を解明し、「恐竜は周辺地域にもいたと思われるが、地殻変動で地質が変化し、恐竜の化石が含まれる地層が鳥羽市の一部だけに残った」と結論付けた。化石の見つかった地層と同じ地質の地層は市内に点在しており、「同じ地層を掘ればトバリュウの新たな化石が見つかるかもしれない」と、まだ見つかっていない部位の発見の可能性を示した。  

同市安楽島町の海岸には、恐竜の存在した中生代白亜紀前期(1億4500万年―9700万年前)の地層「松尾層」が分布し、平成8年7月に恐竜の化石が見つかった。発見地にちなんで「トバリュウ」と呼ばれるが、なぜ化石があるのか解明されていなかった。

 産総研は、全国で岩石の分布や地層の年代を平面図に落とし込んだ地質図を作成している。これまで鳥羽地域の地質図は20万分の1の精度だった。研究員ら3人が5年間、約300日かけて鳥羽地域の地質を調査し、より詳細な5万分の1の地質図を作成した。

 完成した地質図から、鳥羽地域は地層が複雑に分布し、化石の見つかった地質と同じ松尾層で表面が覆われていたことが判明。地殻変動で、現在の市北西部と南東部にあたる地面が上昇し、松尾層がはがれた。化石の見つかった地域は地面の上昇が少なく、松尾層が残ったという。

 同日、県庁で記者会見した内野隆之主任研究員(44)は「恐竜(トバリュウ)はどこにでもいたが、たまたま鳥羽に化石が残った」と説明。その上で「他の松尾層を掘れば、トバリュウの新たな化石が見つかるかもしれない」と述べた。

 トバリュウは全長16―18メートル、体重31―32トンと推定される大型草食恐竜。恐竜の中で最も大型の竜脚類「ティタノサウルス」の仲間とされるが、現在のところ種の特定には至っていない。今後、新たな部位の化石が発見されれば、全容解明につながる可能性も期待されている。

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産総研のサイトには画像がありました。

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恐竜化石はなぜ鳥羽で見つかったのか?

ポイント

• 地殻変動の復元から、鳥羽で恐竜化石が発見された理由を解明

概要

 紀伊半島の東端、志摩半島に位置する鳥羽地域は、古生代〜中生代のさまざまな種類の地層・岩石が分布する日本列島でも有数の場所で、1996年には恐竜「トバリュウ」の化石が発見されたことでも知られる。しかし、これまでこの地域の詳細な地質図は作製されていなかった。

 今回、詳細な地表踏査を基に、複雑に分布する地質を把握して鳥羽地域の精緻な地質図を作製した。また、これまで時代未詳であった地層の年代を決定し、地層名の定義や、地質のまとまりである地質帯の区分と整理を行った。鳥羽地域の地質の成り立ちを解明する上で重要な地殻変動の復元を行った結果、鳥羽で恐竜化石が発見された理由や、この地域の最高峰である朝熊ヶ岳あさまがたけが形成された過程を解明できた。鳥羽図幅は、今後、学術研究に加え、防災・減災計画、都市計画、観光産業、地学教育の基礎となる重要な資料として利活用されることが期待される。


陸上に棲息した恐竜が浅海層で見つかるのは、どこかがおかしいのでは?
付加体理論に矛盾がある証拠ではないのか?

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産総研発表の図を見ると、南部には白亜紀の付加体である四万十帯が、北部にはもっと古いジュラ紀の付加体である秩父帯があり、その中間の上昇が少ない領域で鳥羽竜の化石が発見されています。

内野隆之主任研究員は「松尾層という浅海層が取り残されてたまたま化石が残った」と解説していますが、付加体理論では“潜り込み”に失敗した海底の堆積物が“剥ぎ取られ”か“底付け”作用で残ったもののはずですから、付加体から陸上生物の化石が見つかるのは当然矛盾します。
鳥羽竜はその上の松尾層から見つかっていますが、それにしてもなぜ浅海層に化石として残ったのでしょうか。水陸両用の両棲類だったのでしょうか。疑問の残るところです。

もちろん付加体理論を捨てれば何の不思議も無いことですが・・・・。  

2582
Date: 2017-09-17 (Sun)
御伽噺の創作活動が止まらない、憂慮すべき地球科学
9月14日のJAMSTECの発表によると、カムチャッカ半島では、深発地震面(定説論者は潜り込みプレートの上面と考えている)の浅い場所(60〜80km)で火山が形成されているということです。通常は深発地震面が100〜150kmで火山フロントができるのだが、暖かい天王海山が潜り込んでいるために、浅い場所で火山が形成されているそうです。(そのほかにも化学的な成分を分析しています)

 日本付近で海山が潜りこんでいる場所もあるから、思わぬところで海底火山活動が起きる可能性があり、要注意だという報告です。  

 JAMSTEC発表の図面を見ると、なじみのプレートがさらに細かく分割され、マイクロプレートの存在が事実であるかのような扱いになっています。発散領域(誕生)と収束領域(潜り込み)が何処にあるのかがはっきりしないので、ネットで探すと以下の図がありました。


In Deep(旧)太平洋プレートの緊張が高まっている :
カムチャッカ地方で記録的な数の群発地震(2015年5月)
に載っていたカムチャッカ付近のプレート

2015年5月に発生した群発地震との関連はJAMSTECの発表では何も言及されていません。無視していいものなのでしょうか。
また、発散・収束とトランスフォームがこのような細切れ状態で形成されるものか、おおいに疑問が残ります。

 先ずはJAMSTECのプレスリリースを抜粋して紹介します。

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沈み込んだ海山が引き起こした予期せぬ火山活動

カムチャッカ半島に沈み込みつつある天皇海山列は、火山活動を停止してからの時間は長いものの、海山をとりまく周囲のプレートよりも温かいことが分かっていましたが、その沈み込みがカムチャッカ半島の火山活動にどのような影響を及ぼすかは不明でした

今回の分析等の結果により、沈み込み後に、その熱的異常及び海山変形・崩壊による割れ目の発達に伴い、ケイ素に富む流体が、通常ではマグマの生成されない比較的海溝に近い地域(前弧域)に一時的に供給されたと推定されました。また、この流体により、地下の岩石が変質作用を受け、局所的に組成が異なるマントル岩石(マグマを生んだ源岩)が溶融することで、一時的に多様で特徴的なマグマ(安山岩質でありながら高いニッケルやマグネシウムを含むマグマ)が生じたことが明らかになりました。

これは、「海山の沈み込みにより、通常ではマグマを生じない地域にも火山が形成される可能性がある」ことを意味します。日本列島においても複数の海山が沈み込んでおり、これまで海山と地震発生との関わりが指摘されていました。本研究は、沈み込んだ海山が火山活動にも影響を及ぼしうることを示しており、日本列島の変動現象を理解する上でも重要な知見です。


Cone火山群 [EC])の拡大図。
三角は個々の火山を表し、黒塗りつぶしは調査・分析した8つの火山。
これらの火山が、スラブ上面の等深線(60 km〜80 km)の上に位置することがわかる。


上図:カムチャッカ半島に沈み込む天皇海山列沿いの太平洋プレートは、周囲に比べ薄く、
更に沈み込む直前に深部からの温かいマントル上昇流(プルーム)によって加熱されていたため、
沈み込んだ後、比較的浅所(深さ60〜80q)で脱水が起こった。
下図:沈み込んだ海山が変形・崩壊し、割れ目を通してスラブ起源流体が上昇した。
このように、海山の沈み込みによる熱的・化学的影響によって、
通常は火山ができない前弧域に多様な島弧マグマが同時期に形成したと考えられる。

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地震爆発論の知見から言えば、“真っ赤なうそ”です。 その理由を述べておきます。

・ このような狭い領域での事象を取り上げて一般化するのは危険です。

・ 深発地震面は“潜り込みスラブ”ではありません。熔融マントルが対流し、その内部で解離度が変化して起きるのが深発地震です。

・ 「潜り込むプレートから脱水作用が起きてマントル物資の融解を早め、火山が形成された」、という解釈は脱水のメカニズムが説明できません。雑巾の水を絞るようなことは起こりえません。

・ 天皇海山が潜り込んでいるという証拠はありません。

・ マントルは熔融しているので、海底火山は何処にでも形成される可能性があります。有明海で“不知火の火“が見られるのも、小規模ながら海底に火山があり、可燃性のガスを噴出しているからです。([1594][2059]参照)

・ [1491][1710]では潜り込んだ海山が崩壊して、巨大地震の原因になったという“御伽噺”を紹介しましたが、“海山が潜り込んで新火山を作った”というのも“御伽噺”にすぎません。

現代の地球科学は[2059]で紹介した霊人ソクラテスの言葉にあるように 「数多くの“ガラクタ”が生み出されていて、単なる思想の自由市場で淘汰を待つのみ

という状態なんでしょう。

そして、また「時々の「ブーム」というのもあり、「ブームに則ってPT論や付加体論が広がっている」という状況なんでしょう。ブームが去るまで待つしかないのかも・・・。

地球科学もブームという「夜明け前の闇」を経験しないと、「朝の光」は射して来ないのかもしれませんね。

2583
Date: 2017-09-18 (Mon)
付加体論は一つの仮説と教え、新仮説を望む教授もいる
 岐阜大学の小嶋教授が「付加体論は一つの仮説」だと学生に教えている、という誠実な姿勢を記事にしておられます。

 高校では地向斜理論を学んだが、大学ではプレート論の時代なので職を得るために、「郷に入れば郷に従う」という知恵が必要なのかもしれません。

 「付加体論」を妄信はしていない研究者がいることを紹介しておきます。

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山のでき方、こわれ方:付加体造山論と山体重力変形地形

小嶋 智(第3部連携会員:岐阜大学工学部教授)

(1)山のでき方
 「山は何故高い?」 私が高校生の頃、この素朴な疑問に対する科学的な答えは地向斜造山論という体系であった。地殻のある部分が(何故か)薄化し、沈み、地向斜と呼ばれるその窪みに多量の砂や泥が厚く堆積し、その後、(何故か)そこが上昇を始め高い山脈を造るという。私が学んだ高校の地学の教科書にもそう書かれていた。高校の教科書に書かれているピタゴラスの定理や運動量保存の法則を疑う高校生がいないのと同様、私も地向斜造山論を、その証明や論理的な演繹がないことを訝しく思いながらも信じた。

  大学に入って理学部地球科学科に進むと、既に、地向斜造山論を信じている人はある特定のスクールに限られていることを知った。世はプレートテクトニクスの時代である。ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートが衝突することによりヒマラヤが上昇するということも論じられていた。しかし、自分が調査している日本の造山帯(例えば私は美濃から飛騨の山々を調査した)ができたのは1億年以上前の話である。それが、現在の地球科学現象を支配するプレートテクトニクスと関係があるのかないのかは、いくら沢を詰め、岩を攀じ、薮を漕いでもわからなかった。

  その頃(1980年)、大阪市立大学のグループが岐阜・愛知県境の木曽川河床を調査し、放散虫という1mmにも満たない微生物の化石を用い、画期的な発見をした。厚く繰り返し堆積したと思っていた、放散虫の遺骸からなるチャートや泥岩・砂岩といった地層は、実は、薄い(数百メートル)1枚の地層に過ぎず、それが何度も断層で繰り返すことにより見かけ厚い(数千から数万メートル)地層をつくっているというのである。そのためには、海洋プランクトンである放散虫が堆積する広い海と、その地層を大陸縁まで移動させ、陸からもたらされた砂や泥と一緒に畳み込まれるように繰り返す作用、つまり地向斜造山論のように地層を上下に動かすだけではなく、側方に何百km、何千kmと移動させるような運動が必須なのである。この発見により日本の地質学者は(少なくとも私は)、日本の造山帯は海洋プレートの沈み込みにより形成されたという確信を得、その後、日本各地から同様な発見が相次ぎ、付加体造山論が確立された。

  付加体造山論は、造山帯の形成過程を次のように説明する。海洋プレートは海嶺で生まれ両側に拡大し、大陸に向かって移動する。その過程で海洋プレート上に堆積できるものは、プランクトンの死骸・大陸から風に乗って飛んでくるごく細粒の泥や火山灰・宇宙から降る宇宙塵くらいのもので、その結果、プランクトンの死骸を主成分とするチャートが形成される。途中、ハワイのような火山ができれば、玄武岩やそれを覆う礁を起源とする石灰岩も堆積する。数千万年かけてこの海洋プレートが大陸縁辺の海溝に達すると、陸から多量の土砂が供給され砂岩や泥岩が堆積する。こういった堆積物をのせた海洋プレートがそのまま地殻の下にあるマントルの中へ沈み込んでいけば何事も起こらない。現に、東北地方の日本海溝に沿って、付加体は形成されていない。しかし、条件が整えば、これらの堆積物は海洋プレートからはぎ取られ、楔形の大陸プレートの下に付加する。さらに同じことが続けば、次に形成された付加体は、既に付加した付加体を下から押し上げる。これが何千万年も続けば、やがて古い付加体は下から次々と押し上げられ、陸化し、山脈をつくるようになる。

  このような現象が見られるのは日本だけに限られるのであろうか? 海洋プレートの沈み込みは何千kmも続く海溝に沿って、何千万年も続く現象である。もし付加体造山論が正しいのであれば、日本列島の付加体と同様な地質体は日本の北あるいは南にもあって、然るべきである。私は、日本列島の北方延長と考えられる地域を調査することにした。1986年から、水谷伸治郎先生の助けを借り、中国やロシアを毎年のように調査した。その結果、日本列島の付加体は、中国東北部のナタハタ山地やロシア沿海州のハバロフスク、さらにはその北方へ、延々と1,000km以上も続くことが明らかになった。

  アルプスやヒマラヤといった大山脈は、前述のように大陸プレートと大陸プレートが衝突して形成される。しかし、衝突以前には、衝突する大陸の前面に広がっていた海洋プレートが沈み込んでいたはずである。そうであれば、ヒマラヤ山脈にもインド亜大陸が衝突する前に形成された付加体があるに違いない。そのような確信のもとに、パキスタンやインドで、両プレートの境界(インダス縫合帯と呼ばれる)の調査も行った。パキスタンのインダス縫合帯には、やはり付加体がみられた。しかし、インドヒマラヤのインダス縫合帯では、その名残しか見つけることができなかった。インドヒマラヤは北上するインド亜大陸の真正面に位置し、それまでに形成された付加体は激しい衝突のために失われてしまった、あるいは高度変成作用を受けて、もともと付加体であったかどうか解らなくなったのであろう。

  付加体造山論も、地向斜造山論と同じく一つの仮説である。深海掘削船により世界各地の海溝陸側斜面で掘削調査が行われ、現在も付加体が形成されていることが明らかにされている。しかし、あくまでも仮説である。学生巡検では、常に事実と仮説を区別して説明するように心がけている。私が巡検で案内した若い学究の誰かが、また別の新しい仮説を提唱することを期待して

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日本の地質学者が海洋プレートの沈み込みによる付加のメカニズムで造山されたことを確信することになった理由が述べてあります。

「繰り返し堆積したと思っていた、放散虫の遺骸からなるチャートや泥岩・砂岩といった地層は、実は、薄い(数百メートル)1枚の地層に過ぎず、それが何度も断層で繰り返すことにより見かけ厚い(数千から数万メートル)地層をつくっている。そのためには、放散虫が堆積する広い海と、その地層を大陸縁まで移動させ、陸からもたらされた砂や泥と一緒に畳み込まれるように繰り返す作用、つまり地向斜造山論のように地層を上下に動かすだけではなく、側方に何百km、何千kmと移動させるような運動が必須なのである。」

薄い層でも積み上げれば厚くなることは雪かき作業でも分ることですが、雪かきをする「動力」が無ければ積み上がることはありません。

地向斜論者(Fixist)も付加体論者(Mobilist)も肝心の動力が何なのか、どうして生まれるのか、を説明できていません。

 石田理論では、動力は熔融マグマに含まれている解離ガス、つまり酸素と水素の混合ガス・「爆鳴気」の爆発力が動力だと説明しています。
 解離ガスが爆発するときに形成される「押し円錐」の軸が垂直ならば「直下型地震」になり、これが連続すれば地殻の隆起現象の原因になります。一方「押し円錐」の軸が水平ならば地殻の沈降がおこり、連続すれば大陸の海没現象にもなります。

 付加体構造をaccretionary prism、またはaccretionary wedge、と呼びますが、図のような海側上がりの傾斜構造になることはありません。日本の周囲の海岸線を見ると、ほとんどは陸側で巨大な隆起現象が起きて、陸側上がりの傾斜構造になっています。


定説論者は日本列島が大陸から分離してできたと思っているようです、
だから、再び大陸と合体することを望んでいるのでしょうか?

日本の周囲の海岸線を見ると、ほとんどは陸側で巨大な隆起現象が起き、陸側上がりの傾斜構造になっています。

あくまでも仮説である。私が巡検で案内した若い学究の誰かが、また別の新しい仮説を提唱することを期待して」とありますが、巷には年老いた学究がいることも忘れないでいただきたいと思います。

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