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1711
Date: 2011-10-16 (Sun)
地震学会は通説理論への呪縛があったことを自己批判すべきである
静岡で開催された地震学会で巨大地震を想定できなかったのは「地震学の大きな敗北」であるという自己批判が相次いだと産経新聞が報道しています。


記事を読むと、「東北についてはデータ不足で、最大規模の推定にもっと慎重になればよかった」という松沢暢教授のコメントがあります。読み方によっては「東北域は東海域よりも観測網が十分でなくデータ不足である。もっともっと、観測網を密にして、研究費も投入して、慎重な体制を取るべきだった。」という反省論にも取れるでしょう。しかし、問題は地震学の基礎にある間違いを反省しなければ、砂漠に水を注入するような研究費の無駄遣いになることです。プレートテクトニクス理論にはたくさんの疑問があり破綻していることは明らかです。教科書にまで取り上げられているこの根本的な理論の間違いを見直さないといけないことには地震学者が気がついておられないような気がします。

 「研究費の投入が少なかったことを反省する」というような論調で世論作りをしないでいただきたいと切にお願いします。

 自己批判すべきは「通説理論」にこだわり過ぎたこと、通説への呪縛があったことを認識していただきたいと思います。

1712
Date: 2011-10-27 (Thu)
通説によるトルコの地震原因解説
25日の産経新聞に今回のトルコ地震の解説がありました。またしても悲惨な被害が出ていますが、早く短期的地震予知の成功を期待したいものです。それには地震の発生原因を解明しなければなりませんが、相変わらずマスコミはプレート論者のステレオタイプの解説を紹介しています。しかしその内容は、疑問がいっぱいです。


「アラビアプレートに押され、ユーラシアプレートの内部にたまったエネルギーが開放された」とみている・・・、とあります。しかし、プレートが移動するのは「海嶺で誕生した熱いプレートが、海洋の下を移動する間に冷却され、そのために自重が重くなって、沈んでいく。」とされている能動的移動論から見てこの解説はおかしいのではないでしょうか。

@アラビアプレートが海洋プレートなら、どこで誕生し、どこで沈み込むのか、ほとんど陸上部分ですから、移動する理由が説明できません。

Aアラビアプレートが大陸プレートであって、移動しないのなら、どうしてユーラシアプレートを押すのでしょうか。押す力はどこから生まれるのでしょうか。

「プレートは正面から衝突し」・・・とありますが、「衝突」するにはプレートが移動していなければ衝突になりません。移動する原因または移動させる原因となる力は何なのでしょうか。

下の二つの図はこの付近の地形図とプレート境界を示したものです。

ウイキペディアによれば、

「プレートには、大陸プレートと海洋プレートがあり、海洋プレートは大陸プレートよりも強固で密度が高いため、2つがぶつかると海洋プレートは大陸プレートの下に沈んでいくことになる。また、地下のマグマの上昇によりプレートに亀裂ができ、連続してマグマが上昇し続けるとその後プレートが分断されて両側に分かれることになる。」

とありますが、アフリカプレート、南北のアメリカプレート、そしてユーラシアプレートなどが海洋プレートなのか、大陸プレートなのか、判定ができません。プレート論は矛盾だらけのまま、マンモスタンカーのごとく、進路を変えられないでいます。([1538],[1539],[1540]など参照)



二つの図を見比べると、日本でプレート論一色に近い状況にある理由がわかるような気がします。日本の研究者は太平洋プレートとナスカプレートという海洋部分だけで成り立っているプレートを注目し過ぎているのではないでしょうか。

太平洋のことだけに関心が注がれて、大西洋やインド洋に関心が薄いのでしょう。そのためプレート論に矛盾が存在することを気付けないでいるのではないかと疑ってしまいます。「太平洋でならうまく説明できる」ということに関心が集中し、それ以外の地域の「不都合な真実」をオーパーツ扱いしているような気がしてなりません。今に大西洋や南極大陸から、「想定外」の事実が発見されて、びっくりするのではないでしょうか。

 なお、短期的地震予知(長期的地震予知は不可能かつ不必要)を成功させるためには地震発生のメカニズムを知る必要があります。そのために地震爆発論の解説を各地で行なっております。次回は30日(2時開演)仙台市青年文化センターで行いますが、地震爆発論に疑問のある方も参加して意見を聞かせてください。タウンミーティング方式でご意見を聞く時間を取りたいと思います。

また、運営経費を捻出するために資料も販売させていただきますので、新地震論の理解を深めるためにお求めいただければ幸甚です。講演の後半ではCCSの危険性も訴えていきますが、この運動を展開する意味からも引き続き資金援助(下記に振込をお願いします)をいただければ幸甚に存じます。

東京三菱UFJ銀行藤が丘支店

普通口座 3578478

名義  石田研究所 石田昭

1713
Date: 2011-12-19 (Mon)
東海地震は本当に切迫しているのか

9月25日に静岡で行なった講演会「東海地震は本当に切迫しているのか」を動画にしてyoutubeにアップしてみました。

http://www.youtube.com/watch?v=cT5POrhpNeQ&feature=youtu.be

切迫しているという根拠はプレートテクトニクスが正しくて、断層が動くことが地震であるとする通説に基づいています。プレート理論が間違っているのなら、切迫論の根拠はなくなります。しかし、今回の東北大地震を見れば静岡で大地震が起きないと断言することもできないことは明らかでしょう。したがって、プレート論が正しいのか、私が提起している地震爆発論が正しいのか、それを自分の頭で考えて切迫しているかどうかを判断していただきたいと講演では訴えております。

 会場では「切迫しているのか、そうではないのかをはっきりとさせてくれ」、という意見もありました。しかし、充分な観測網を構築できていませんので、答えを出すことができません。私は正しい地震学を見つけて、地震前兆をキャッチできる計測器を観測網として(地震計ではなく)敷設すれば、短期の予知ならば可能であると思っています。それは国家の仕事であると思っています。地震予知を民間人が出すことはできないのなら、国家機関が責任を持って挑戦するべきです。気象庁などの国の機関はあのように多数の地震計を設置するのではなく、前兆観測のための計器を開発し、全国に配置して観測網を設置していただきたいと思います。


1714
Date: 2012-01-23 (Mon)
地震学のパラダイムシフト
今年になって、東日本大震災の前に「前兆すべりがあった」という報道がありました。昨年の地震直後には「前兆すべりはなかった」と報じられていましたので、なぜ今になってそのような判断がでてきたのか不思議な感じがします。まずはその二つの記事を紹介します。
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http://www.asahi.com/national/update/0426/TKY201104260467_01.html
東日本大震災の前兆すべり観測できず 問われる予知体制
2011年4月26日22時20分
 巨大地震の前触れと考えられている「前兆すべり」が東日本大震災の前に観測されなかったことが、26日に開かれた地震予知連絡会で報告された。前兆すべりの検知を前提とした東海地震の予知体制のあり方が問われることになりそうだ。
 予知連では、山岡耕春名古屋大教授が、国土地理院や防災科学技術研究所などの観測結果をまとめて報告。全地球測位システム(GPS)による地殻変動や、岩盤のわずかな伸び縮みや傾きを観測データを示し、「本震前に前兆すべりのような顕著な変動はみられない」と説明した。

 前兆すべりは、地震を起こすプレート(岩板)とプレートの境界が、地震の前にゆっくりと滑り始める現象。東海地震の予知を目指して、気象庁は東海地方に展開する観測網でとらえようとしている。
 この理論では、東日本大震災の前に前兆すべりが観測されたはずだった。観測網は東海地方の方が充実しているが、マグニチュード(M)9.0という巨大地震でも観測できなかったことは、M8級と想定される東海地震の予知が本当に可能かの検証が必要になる。
 東海地震は、政府が唯一予知の可能性があるとして、大規模地震対策特別措置法で予知した場合に備えた防災体制を構築している。
地震予知連会長の島崎邦彦東大名誉教授は「東海地震のような前兆すべりは観測できなかった」と認めた上で、「(観測条件や地下の特性は)東海とは同じではない」と話した。
 東海地震の予知は、地震学者にも「今の地震学では予知できない可能性の方が高い」とする意見や、ロバート・ゲラー東大教授のように「政府は不毛な短期的地震予知を即刻やめるべきだ」との指摘もある。しかし、予知の可能性は残されており、政府は失敗した場合に備えながらも、予知体制を維持している。
 気象庁地震予知情報課の土井恵治課長は「前兆すべりがとらえられなかったことは事実だが、『なかった』と証明されたわけではない。東海地震の予知体制が否定されたわけではなく、今後も見逃さないように観測を続けていく」と話している。(松尾一郎)
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http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120120t75001.htm

「ゆっくり滑り」発生 東大地震研、誘発の可能性まとめる
2012年01月20日金曜日
 東日本大震災を引き起こした、マグニチュード(M)9.0の東北地方太平洋沖地震の発生前に、震源付近のプレート(岩板)境界で「ゆっくり滑り(スロースリップ)」といわれる現象が連続して起き、ひずみが震源に集中して本震が誘発された可能性があるとの研究結果を、東京大地震研究所の加藤愛太郎助教らがまとめた。20日付の米科学誌サイエンス電子版に掲載された。
 大地震の前に小さめの「前震」が起こることがあるが、本震発生までの推移には不明な部分も多い。加藤さんは「地震予測の精度向上には直ちにはつながらないが、M8〜9級の地震で直前のスロースリップを観測で確かめたのは初めてではないか」としている。
 加藤さんらは、東北地方太平洋沖地震の約1カ月前からの前震を分析。本震の震源北側の同じ領域で2月中〜下旬と、M7.3の最大前震が起きた3月9日から11日までの2度にわたり、本震の震源に近づくように震源が移動しながら前震が続いていたことが確かめられた。震源の移動速度は2月が1日2〜5キロで、3月は1日10キロと速くなっていた。


 地震の特徴などから、前震はスロースリップに伴って起きていたことが判明。スロースリップは周辺でひずみがたまり、地震が起こりやすくなることが知られている。
 加藤さんは、一連のスロースリップでM7.1の地震に相当するエネルギーが解放されたと推定。これにより震源にひずみが集中し地震を起こした可能性が高いと結論付けた。
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以上二つの報道の流れは「ゆっくりすべりを観測すれば地震の予知が可能になる」というコンセンサスが、いったん崩れたけれども、解釈し直したらコンセンサスは崩れなかった、これまでの研究手法に問題はなかった、メデタシメデタシという流れかと思います。しかし、理解し難い点がいくつかありますので、コメントしておきます。
ちなみに、石田理論では以前から「ゆっくり滑り」という現象を否定しています。([222][1134][1214][1245][1491]など参照)
 GPS観測によって得られる情報は地球表皮の動きの情報であり、地下深部の骨にあたる部分の情報を与えるものではありません。表皮の情報から、地殻全体の動きを推定することには無理があると考えています。
さて、私が理解し難い点を述べておきます。
@ 「ゆっくり滑り」はプレートが潜り込むときに、アスペリティーという固着域以外の領域がズルズルと滑ることによって起きていると解説されているはずです。したがって、「ゆっくり」であろうが「はやく」であろうが、滑る方向(潜り込む方向)は同じでなければ辻つまが合いません。今回判明したゆっくり滑りがプレートの潜り込みと90度もずれているのは、ありえない話であると思います。
A ゆっくり滑りが2月と3月に二回生じていたとされていますが、その判定は地震の発生する場所が時系列的に見て南下しているということから判断しているように見えます。
なぜそれで、ゆっくり滑りが起きたと言えるのか理解できません。

「ゆっくり滑り」とか「アスペリティー」とかの概念は既に一般人にその誤りが見透かされているのではないでしょうか。http://logsoku.com/thread/awabi.2ch.net/poverty/1327030774/
地球物理学の世界にもすでに「クーン革命」が起きたのであって、「通常科学」である「プレートテクトニクス論」では「変革科学」の「地震爆発論」を理解することはできません。パラダイムシフトが起きていることに気付いて、新しい「通常科学」を構築していかなければならない時代に来ています。
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[43]通常科学と変革科学の違い・・・より
通常パラダイムと変革パラダイムは、何が重要で中心問題であるかについて認識が異なるため、新パラダイムは旧パラダイムを論破できない。その逆もまた同様だ。一般に新パラダイムが成功を収めるのは、より多くの現象を説明できる場合だ。競合する数あるパラダイムはそれぞれ異なった現象を説明する。しかし、そのうちの一つが他のパラダイムよりもより多くの現象を説明できるとわかると、科学者たちはそのパラダイムに魅力を感じるようになる。より多くの現象を説明できれば、科学の研究により役立つ。したがって、科学者たちはより多くの仕事を与えてくれるパラダイムを受け入れる。また長期的にみると、社会的重要性と経済性からみて、社会に利益のあるパラダイムのほうが多くの支持を受けやすい。

1715
Date: 2012-01-23 (Mon)
オハイオ州での地震が意味すること
アメリカのオハイオ州で高圧液体を注入したことによる地震が起きたようです。この地域には過去に地震が起きたことがなく、液体注入が地震の原因であると考えられています。ロイターの報道を紹介します。
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米オハイオ州の地震、原因はガス掘削の高圧液体注入=専門家
2012年 01月 4日 15:54 JST
[クリーブランド 3日 ロイター] 米オハイオ州で昨年12月31日に発生したマグニチュード4.0の地震について、地震学の専門家は3日、自然に起きたものではなく、石油・ガスの掘削にからむ高圧の液体注入によって起きた可能性があるとの見方を示した。

オハイオ州の天然資源当局は1日、注水が行われていたヤングスタウンにある深井戸5カ所の操業を停止。同地ではめったに起きない地震の記録を調査している。
井戸は約2700メートルの深さがあり、石油やガスの掘削で利用した廃水の処理に使われている。化学処理された水や砂を地下に注入して石油やガスを採掘する「水圧破砕」は、環境面への影響が指摘されているほか、高圧の液体注入が地震活動を引き起こすとの批判も一部で出ている。
コロンビア大ラモント・ドハティ地球観測所のウォン・ヤン・キム氏は、ロイターのインタビューに対し、状況証拠は地震と高圧液体注入の関連を示していると指摘。「(12月31日の地震の)深さは2マイル(約3.2キロ)で、それは自然の地震とは異なる」とし、「この地域では過去には地震はなく、地震の時間や空間の近さは井戸の操業と合致している」と述べた。
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過去にもデンバーで廃液を地中に圧力をかけて注入し、地震を引き起こしたことがあります。アメリカでは地中封入が禁止されていると聞いたのですが、コロラド州だけの決まりだったんでしょうか、オハイオ州では禁止されていないのかもしれません。いずれにしても、なぜ地中に水を入れると地震が発生するのか、日米の地震学者には分かっていないようです。ビデオで解説もしていますが、浅いところにマグマが存在する日本では、水を圧入することはアメリカよりも危険であります。先程(20時45分)も福島県で地震がありましたが(福島県沖深さ50km M5.1)、いわき市で行われているCCSが地震を発生させている可能性が無いとは言えません。CCSは液化した炭酸ガスを封入するものですが、封入によって「ところてん式」に送り出されるのは地下水ですから、結果として水を注入するのと同じことをやっているわけです。CCSが危険であること、地震は解離した水素ガスの爆発であることを早く理解していただきたいと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=1alQrJ_ZOc8
http://www.youtube.com/watch?v=NGTKFbLXxj4

1716
Date: 2012-02-01 (Wed)
怪しげな新聞報道(1)
このところ怪しげな地震の記事が新聞で報じられています。
その一
富士五湖周辺で起きているいくつかの地震が富士山の噴火とは直接の関連性はないという産経新聞の記事がありますが、その内容がとても怪しげであります。

・ この地震は北上する伊豆半島が陸に衝突する力で発生したとみられる・・・とあります。そして、フィリピン海プレートの上に伊豆半島が突き出るように乗っているために、簡単には沈み込めず、陸側に衝突、地盤が圧縮されて地震が起きやすい。・・・と解説されています。
・ 伊豆半島を載せたフィリピン海プレートは簡単に潜り込めないが、東北沿岸の沖合でなら海底に突き出た海山があっても潜り込める([1710])・・・というのは矛盾があります。
 何度も言うように、プレート理論ではプレートが移動・沈降するのは、冷却されて自重が重くなって沈んで行くと説明されているはずです。沈んで行く岩盤が、ある時は衝突してヒマラヤのような山脈を創り、ある時は固着域アスペリティーをつくり、ある時はズルズルと滑り込み、ある時はかんなクズのように付加体を作るなど、都合に合わせて理論がテキトーに作られている感じがしてなりません。
・ 富士山の噴火を示す兆候は見られないようですが、地震爆発論の知見から言えば、富士山の下部に存在するマグマ内部で解離現象が起きて不安定な状態になっていることは疑えないですから、さらに不安定度が進行すれば富士山の爆発に繋がる可能性もあるはずです。
 解離層が不安定になっている証拠が、富士山周辺で発光現象([1708])が起きていることに、また[1704]で紹介したように駿河湾などで磁気異常が発生していることにも現れています。[1704]にコメントしましたように「解離層が不安定になっていることは確かだけれども、つまり、病原菌に感染しているけれども、発症するかどうかは、健康状態にも左右される」ということでしょうから、徒に不安にならずに、その他の前兆現象をも注視して判断する必要があります。
気象庁も、地震学者も東北大震災の過酷な経験から、津浪対策を厳重にする意識に向かっていますが、海からだけでなく、火山爆発による空からの災害にも注意を向ける必要があります。

注: 富士山周辺の発光現象で“絶景くん”に写っている光は運動場の6基の間照明であることが後日の調査で分かりました。([1747]参照)

1717
Date: 2012-02-03 (Fri)
怪しげな新聞報道(2)
その二
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120123/dst12012311250005-n1.htm
首都直下地震、4年以内の発生確率70% M7クラス、東大試算
2012.1.23 11:24 [地震・津波・地球科学]

 首都直下型などマグニチュード(M)7級の地震が南関東で4年以内に発生する確率は70%に高まった可能性があるとの試算を、東京大地震研究所がまとめたことが23日、分かった。南関東のM7級の確率を30年以内に70%としている政府の評価を大きく上回った。
 同研究所の平田直教授らの研究によると、東日本大震災の影響で南関東の地震活動が活発化。大震災から昨年12月までのM3〜6の地震の発生頻度は、大震災前と比べ約5倍に増加した。
 地震は規模が大きいほど発生頻度が低いという法則が知られている。平田教授らは、この法則性が大震災前後で成り立つことを確認した上で今後のM7級の発生確率を試算した結果、4年以内に70%に達した。
 政府の地震調査委員会は、南関東のM7級は明治27年の東京地震など約120年間で5回起きたとのデータから発生確率を求めており、大震災の影響は考慮しておらず、今回の試算と根拠は異なる。
 南関東でのM3〜6の発生頻度は、昨年5月時点で大震災前の約6倍に達し、現在も約5倍と高い。70%の確率は、現在の発生頻度が10〜20年程度続くと仮定した場合の数値という。
 平田教授は「大震災でひずみが解放され安全になったと考える人もいるが、地震の危険度は依然高く、防災対策をしっかりやるべきだ」と指摘している。
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・ 「大震災でひずみが解放され安全になったと考える人もいるが、地震の危険度は依然高く・・・」とありますが、そもそも、地震は太平洋プレートが潜り込むときに、歪が蓄積され、それが限界を超えたときに“解放”されて大地震になる、と説明されているはずです。地震発生の周期説とはそこから生まれるはずです。だとすれば、一度開放されたら、次に蓄積されるまでは、余震以外は起きないと考えるのが論理的な帰結です。危険度は依然として高いというのが余震の危険性を意味するのなら理解できますが、それならば、余震がなぜ起きるのかそのメカニズムを説明できなければ説得力がありません。一般論として危険が去ったわけではないというのならば、地震周期説はどうなるのでしょうか。一体地震学者は何が分かっているというのでしょうか。理解に苦しみます。
地震学会では、[1644]で紹介したように「数千年かけてゆっくり蓄積された歪が瞬時に開放されるのが本震で、余震とは本震によって新たに発生する歪が起こしているもの。」という説明ですから、結局「歪が開放され、ゼロになる」という解釈ではないようです。歪の開放が新たな歪を生むというわけですから「歪開放説」は論理に矛盾があります。もともと、プレートが擦れ合っている(それが正しいのならば)ような地殻の深部では高熱であり、岩盤に歪が蓄積される筈がない(石本博士の考察)ということは力学を学べば分かることですから、根本的に「歪解放説」には説得性がありません。
東北大震災の後に地震が多発しているのは、もっと他に原因があります。

震災後に地震が多発する原因

一つは、[1644]で解説したように、「M9.0という巨大な爆発の刺激によって、地殻の疲労度が進んでいた場所の解離状況が不安定となり、群発的な地震発生につながっている。」という視点です。

もう一つは[1695]で述べたように「近年世界的に地震や火山活動が活発に起きる傾向にあるのは、フォトンベルトなど、地球外からの電磁波的影響によって解離が進行、地球内部で水素爆発が発生しやすくなっている。」という視点です。

この二つの理由で地震や火山活動が活発になっている可能性があります。プレート説や、断層地震説に拘束されていては真相の追求が不可能であり、地震学の進歩発展はないでしょう。
 地震の発生確率、長期予測については何度も述べてきましたが、全く意味がないもの、むしろ「害」と認定しても良いものでしょう。
なお、プレートテクトニクスを否定している石田理論では、通常の地殻は(アフリカと南米が分裂した時のような激変的・例外的な場合を除き)、移動するものではないとしています。下の図に示すように地殻の下部ではマントルの対流が起きていて、その中で水素爆発(解離爆発)が起きているのが深発地震であると解釈しています。


定説と石田理論による解釈の違いは[1158]を参照してください。

1718
Date: 2012-02-04 (Sat)
怪しげな新聞報道(3)
その三
東北大地震の影響で、アウターライズと呼ばれている海洋プレートの部分(海溝軸の沖)で応力場が変化し(圧縮場から伸長場へ変化)、大きな地震が発生し易くなっているという(怪しげな)報告があります。
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http://news.mynavi.jp/news/2012/02/01/056/index.html
JAMSTEC、宮城・福島県東方沖太平洋プレート内部の応力場の変化を確認

海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、宮城県および福島県東方沖の日本海溝東側(太平洋プレート側)において、震源位置と震源メカニズム(断層の向きと運動方向)を調査した結果、この海域の太平洋プレート内部の深さ40km付近の応力場が、東北地方太平洋沖地震後に圧縮場から伸張場に変化しており、「正断層地震活動」の活発化と関連していることが判明したと発表した。今回の海底地震観測は、東北地方太平洋沖地震後に太平洋プレート内部の地震活動が活発化していることから、2011年4月下旬から7月上旬にかけて自己浮上型海底地震計を用いて行われた。

調査・研究はJAMSTEC地球内部ダイナミクス領域の尾鼻主任研究員らよるもので、成果は米国地球物理学連合発行の学術誌「Geophysical Research Letters」に1月31日付けで掲載された。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0)では、地震の発生に伴って震源域周辺の広い範囲で地震活動が活発化している。海溝東側の太平洋プレート内部でも、本震の約40分後にM7.5の地震が発生したのをはじめ、正断層型のメカニズムを持つ地震が数多く発生している状況だ(画像1 省略)。

なお正断層型とは、断層を引き離すような力が働くことで、下側の断層が隆起して、上側の断層が沈降する場合を指す。「逆断層型」はその逆で、断層を押し込む力が働くことで、上側の断層が隆起し、下側の断層が沈降する形だ。また断層が横方向にずれる場合もあり、それは「横ずれ断層」と呼ばれる。(略)

約2カ月間の観測期間中に得られたデータから、約1700個の地震の震源を決定するとともに、50個の地震について震源メカニズムを決定することに成功(画像2)。その結果、太平洋プレート内部で発生している地震は、約40kmの深さまで分布しており、深さによらず正断層型の震源メカニズムを持つことが確認された。


画像2。観測結果。(A)海底地震観測により決定された地震の震央と震源メカニズム。色は震源の深さを表す。震源メカニズムの大きさは地震のマグニチュードに比例。赤い破線に沿った断面が(B)の画像。(B)海溝海側斜面の太平洋プレート内部において、深さ40km付近まで地震が発生していることがわかる。(C)断層の運動方向と震源の深さの関係。純粋な正断層の場合に-90°を示す。地震の深さによらず、正断層型の地震が発生していることがわかる

日本海溝東側(海溝海側斜面)の太平洋プレート内部の応力場は、海溝からの沈み込みに伴うプレートの折れ曲がりにより、浅部で伸張場となるのに対し深部では圧縮場であると考えられている(画像3・左上)。

東北地方太平洋沖地震の発生前に東北大学などが今回の研究の調査海域で実施した海底地震観測では、正断層型の地震の発生は深さ20kmまでに限られるのに対し、(Jamstecの今回調査では)深さ40km付近では逆断層型の地震が発生していることが示されており、プレートの折れ曲がりにより生じるとされる応力場と調和的だ。一方、今回の研究で求められた震源メカニズムは、深さ40km付近まで深さによらず伸張場が卓越していることが示されている(画像3・右下)。

***
画像3。東北地方太平洋沖地震前後の太平洋プレート内部における応力場の比較。地震発生前は太平洋プレート内の浅部と深部で応力場が異なっていたが、地震発生後は深さ40km付近まで全体的に伸張場となっていることが示された。なお、この模式図は勘違いしやすいが、正断層と逆断層の動きを示したものではなく、太平洋プレートの動きとその中の応力場を示したものである

地震前後での太平洋プレート内部における応力場の違いは、2011年東北地方太平洋沖地震の影響により、太平洋プレート内部の深さ40km付近が圧縮場から伸張場に変化した可能性を示している点だ。このような応力場の変化が、本震発生以後の太平洋プレート内部での活発な正断層地震活動に結びついていると考えられている。
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この報告の疑問点を列記します。

@正断層型とは、断層を引き離すような力が働くことで、下側の断層が隆起して、上側の断層が沈降する場合を指す。「逆断層型」はその逆で、断層を押し込む力が働くことで、上側の断層が隆起し、下側の断層が沈降する形である。・・・・という記事がありますが、私は爆発(Explosion)の方向が水平ならば正断層型になり、垂直ならば逆断層型になると考えています。したがって応力場が圧縮場(逆断層)から伸長場(正断層)に変化したというのは間違いで、次の図に示すように、巨大M9地震は垂直型爆発であったが、その後の余震は水平形爆発であるというのが真相だと思っています。


AM9地震の後は40kmの深さまで正断層型(伸長型)に変化しているから、断層がより深くなる可能性があり、地震の規模が大きくなるという解釈のようですが、M9地震がどのようなメカニズムでそうした変化を及ぼすのか、理解ができません。

B太平洋プレート内部の応力場は、海溝からの沈み込みに伴うプレートの折れ曲がりにより、浅部で伸張場となるのに対し深部では圧縮場であると考えられている・・・とあります。これは単純梁の力学から推定しているようですが、プレートが潜り込むのは自重で沈降するという「能動的プレート移動論」から言えば矛盾していると思います。海底の形状が“弓なり”になっていることからの推定であるとしたら、推理のし過ぎではないでしょうか。論理的ではありません。

Cこの研究が発端になっているのかどうか知りませんが、「アウターライズが列島を襲う」というような記事があふれ、危険度が喧伝され恐怖感をまき散らしているように感じます。M9地震が予測できなかった反省から、世間から叩かれないようにという思いで、なんでもいいから発言しようというのであれば「くるくる詐欺」という汚名をきてしまうことになるでしょう。

新聞記者はよく吟味して、自分が納得できる記事だけを書いて欲しいと思います。

追加:画像3を解りやすく示した図が毎日jpに載っていましたので、並べて掲示しました。

1719
Date: 2012-02-05 (Sun)
琵琶湖の湖底から熱水噴出
琵琶湖の湖底から熱水が噴き上がっているというニュースがありました。太平洋などの海嶺からは熱水が噴出していること(ブラックスモーク)が知られていますが、湖底からも噴出しているのは、[1717]で述べた(震災後に地震が多発する原因その2)ような理由で、マグマが加熱されて地下で解離層の不安定化が起きているのではないかと推定されます。地震の多発傾向という現実と合わせて注意が必要のようです。http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001201200001
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琵琶湖底の堆積物噴出活発化
2012年01月20日
【「地震予兆」指摘も】
 高島市沖の琵琶湖の最深部で、湖底から堆積(たい・せき)物が噴き上がる現象が活発化している。近畿地方を震源とした地震の予兆の可能性を指摘する専門家もいる。

琵琶湖底の調査対象 -------------- 自律型潜水ロボット「淡探」=5日、高島市沖の琵琶湖上


 県琵琶湖環境科学研究センター環境情報統括員の熊谷道夫さん(60)らによる自律型潜水ロボット「淡探(たん・たん)」を使った湖底の調査では、2009年から噴き上がる場所の数や大きさが増し、付近のにごりも増しているという。
 熊谷さんが着目するのは、湖底から1メートルと1.5メートルの場所での水温の比較で、08年ごろから湖底に近いほど高い現象が目立つようになった。「地中の熱が水中に伝わっているためで、水温の差が大きい場所で地下水やガスの噴出が起きているのではないか。25年にわたる湖底観察で初めての現象だ」と話す。
 元東京大学地震研究所准教授の佃為成さんは地殻変動の影響を指摘する。この地域は、地殻変動による「ひずみ」が蓄積した「新潟―神戸ひずみ集中帯」の一部で、同集中帯では1995年の阪神大震災や04年の新潟県中越地震などが起きた。02年以降、琵琶湖から神戸にかけてひずみの変動が大きくなっているデータもあるうえ、高島市から大津市にかけての内陸部には琵琶湖西岸断層帯がある。佃さんは「(噴き上げ現象が)大地震の準備過程を意味する可能性を念頭に置いて防災態勢を急ぐべきだ」と話す。
 元京都大学総長で地震学が専門の尾池和夫・国際高等研究所長は「現時点では、湖底の現象を地震の前兆に結びつける判断はできないが、さまざまな異常現象を集めておくことは地震の前兆現象の研究にとっても大事なことだ」と話す。(飯竹恒一)
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以上が朝日新聞の報道です。定説では認められていませんが、マグマが固化した地殻の下部には溶融したマグマが存在すること、日本列島はそのマグマの上に存在する薄い地殻(卵の殻のような)の上に存在していることを認識しないといけません。マントル固体説では大陸規模での隆起・沈没の可能性がありませんが、早くマントル溶融説に戻らないと、迫っているのかもしれない地球大変動に対処できないでしょう。
追加記事:
2003年の話題([571])で駿河湾の海底でマンガンを異常に多く含む水が噴出しているという静岡新聞の記事を紹介しました。地震が水素爆発であること、その結果として水が誕生することを教示する記事であります。

1720
Date: 2012-02-14 (Tue)
メタンハイドレートの掘削
メタンハイドレートの採掘に向けて「ちきゅう」が出航するというニュースがありました。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/120214/trd12021418030005-n1.htm

メタンハイドレート海底掘削へ 愛知県沖で世界初
2012.2.14 18:02
  独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は14日、次世代エネルギー資源として期待される「メタンハイドレート」の海洋産出試験に向けた掘削作業に着手する最終準備に入った。作業は愛知県の渥美半島沖で3月下旬まで継続。海底に井戸を設置して来年1−3月に世界初となる海洋産出試験を実施する環境を整える。
 掘削作業は当初14日午前に始める予定だったが、悪天候などで間に合わず、同日夜の開始に向けて準備を進める。
 メタンハイドレートを含む地層は海面から約1260メートル下に存在するとみられる。海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」のやぐらから、先端にドリルをつけたパイプを連結させて海底まで下ろしていき、掘り進める。


愛知県渥美半島沖で、メタンハイドレートの掘削作業の準備をする地球深部探査船「ちきゅう」=14日午前


この話題に関して、読者から次のような質問がありました。
「次世代エネルギー資源として注目されるメタンハイドレートの海洋産出試験に向けた事前掘削作業をするようですが、これによって、地震を引き起こす可能性があるのではないかと思います。パトロス様の見解をお願いいたします。」
以下のようにお答えしました。
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メタンハイドレート(MH)の生産方法は加熱方式と減圧方式とがあり、現在減圧方式が検討されているようです。
ハイドレート層内で水を組み上げて減圧し、発生するMHガスを組み上げるということですから、今のところ地震誘発の心配はしておりません。試掘でも安全に生産されているようですから、それほどの危険性はないと考えております。
http://www.mh21japan.gr.jp/mh/05-2/

地震の発生が想定されるのはMH層よりももっと深い場所で、マグマが存在して高温になっている場所です。そのような深部にまで掘削などの人為的工作をすることが地震を誘発させる危険な行為となります。MH層は低温度層ですから、地震誘発の危険性は少ないと考えています。

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減圧方式で吸い上げれば、海底深部にも影響が伝播して解離層を乱すのではないかと心配をされる方もあるかと思いますが、メタンハイドレートは個体として存在しているので、そのような心配は無いと考えられます。「ちきゅう」の掘削で無謀だと思えるのは、マントル層にまで掘り進めようとする試みです。[1609] コラ半島で行なわれたような失敗に終わるか、地震を誘発して驚くことになるでしょう。
なお、メタンハイドレートは採掘費用が掛かりすぎて資源とは言えないという意見(石井吉徳・元国立環境研究所長)があるようですが、そこは日本の技術力を駆使して次世代エネルギーの開発に努力するべきでしょう。

1721
Date: 2012-02-19 (Sun)
福島原発を襲った津波のメカニズム
本日のNHKニュースで、東北大震災で発生した福島県沿岸の津波を実態調査し、二つの方向から波が押し寄せて重なり合って巨大津波になったことを報じていました。
これはすでにこのセミナー[1674]で報告したことでありますが、地震爆発説でないと説明が不可能であると考えています。NHKの報道を紹介します。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120219/k10013131541000.html
警戒区域の津波実態明らかに
2月19日18時9分

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、去年3月の大津波の実態が明らかになっていなかった福島県の沿岸で、今月、専門家と県が初めての調査を行い、津波の高さが最大で21メートルに達していたことが分かりました。
海岸工学が専門の東京大学大学院の佐藤愼司教授の研究グループは、福島県と共同で6日と7日、原子力発電所の事故の影響で警戒区域となっている福島県南相馬市の南部から楢葉町にかけてのおよそ40キロの沿岸で地震後、初めての津波の痕跡調査を行いました。
合わせて28か所を調査した結果、津波の高さは、▽富岡町で県内最大の21.1メートルに達していたほか、▽双葉町で16.5メートル、▽浪江町で15.5メートル、▽楢葉町で12.4メートル、▽南相馬市と大熊町で12.2メートルなどと、広い範囲で10メートルを超えていました。
すでに調査が行われていた福島県沿岸の北側や南側では、津波の高さが10メートル以下の地域が多かったのに対して、原子力発電所がある地域の周辺では、津波が高くなる傾向がみられました。
佐藤教授は「どのようなメカニズムで津波が集中したのかを分析し、今後の防災対策に役立てる必要がある」と話しています。
なぜ津波は高くなったのか
今回調査が行われた福島県の沿岸で津波が高くなる傾向が見られたことについて、専門家は「福島県沖の北側と南側から押し寄せた津波が重なり合った可能性がある」と指摘しています。
今回の調査を行った東京大学大学院の佐藤愼司教授は、各地の調査結果のデータに基づいて、福島県の沿岸に押し寄せた津波を分析しました。
その結果、福島県の沿岸では沖合の北側と南側の両方から津波が押し寄せ、ちょうど浜通り中部の付近で重なり合っていたとみられることが新たに分かりました。
佐藤教授は「2つの津波が集中して大きくなったとみられる。海底の地形の影響のほか、三陸沖や福島県沖など複数の場所で津波が発生していた可能性がある」と指摘しています。


NHK NEWSweb より

去年、東京電力は福島第一原子力発電所を襲った津波の高さはおよそ13メートルと推定されると発表しましたが、これについて佐藤教授は「今回の調査でも第一原発と第二原発の間の区域では東京電力の発表に匹敵する津波の痕跡がみられた。原発周辺の広い範囲で大きな津波が襲っていたことを示している」と話しています。
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実態調査したのは土木工学の分野の一つである海岸工学(以前は私の専門でもありました)が専門の佐藤教授です。佐藤教授は「どのようなメカニズムで津波が集中したのかを分析し、今後の防災対策に役立てる必要がある。」としていますが、地震学者の云うプレート説や断層地震説から卒業して新しい視点「地震爆発説」に基づいて津波の新理論を構築して欲しいと願っています。

再度述べておきますが、福島第一原発を襲った津波は@やAで発生した北からの津波だけでなくBで発生した津波、つまりNHKの報道にある南からの津波が重なったために巨大な津波になったと推定されます。


そして、そのメカニズムはマスコミでも報道されているような、南北に500kmも広がる断層がズレたのではなく、爆発が複数箇所で起き、局所的な隆起も複数箇所で起きて、複数の津波が発生したということが真相です。
 また、原発の南側には勿来火力発電所があり、その沖合でCCSが行われていますが、その作業によって水素爆発を起こしている可能性があることを再三指摘し、CCSの危険性に気付いていただきたいと、各地で講演しているわけであります。
静岡講演の模様をYouTubeに載せてあります(「東海地震は本当に切迫しているのか」)が、理由も述べずに「トンデモ理論」扱いする似非専門家らしき人がいて困ったものです。

1722
Date: 2012-02-27 (Mon)
後付解釈が多い定説地震論
YouTubeに載せた「地震学の基礎にある大きな間違い」のなかで、定説論者が説明している「断層がずれ動くことが地震である」というのは矛盾していると解説しています。そのコメント欄に、ある方から、「地震の後で断層が動くことは「余効すべり」として確認されている、だから、地震の後で断層が滑ることがなぜ定説の否定につながるのか?」という質問がありました。質問と回答を載せておきます。
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質問:
地震後に断層が変動することは現代地震学でも知られています(余効すべり)。なぜ地震が断層で発生すると余効すべりが起きてはいけないのですか?
回答:
「余効すべり」・・・これを否定しているわけではありません。
濃尾地震でも、水鳥地区に現れたあの大きな断層は地震後にズルズルと滑ったそうです。

根尾谷断層

ということは断層が滑っても地震は起きないことを示しており、「断層が滑ることが地震である」という断層地震説が間違いであることを示しています。

断層は大地震、つまり大爆発の結果として発生するもので、小さな爆発では断層は発生しません。断層地震説は原因(爆発)と結果(断層)の因果関係を取り違えています。
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追加解説:
「余効すべり」とか「ゆっくり滑り」とか、地震の学術用語が作られていますが、「地震を発生させない滑り現象」があること自体が「地震とは断層が動くこと」という地震の定義が矛盾していることを示していると思います。
ウイキペディアには地震の定義が次のように解説されています。
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地震
「地震(じしん、英: Earthquake)は、地球表面の地殻の内部で、固く密着している岩盤同士が、断層と呼ばれる破壊面を境目にして、急激にずれ動くこと。これによって地震動(じしんどう)と呼ばれる大きな地面の振動が引き起こされ、一般的にはこちらも「地震」と呼ぶ。
---------------------
急激に動くのが地震で、「余効すべり」や「ゆっくり滑り」は急激な動きではないから、地震の定義に矛盾はない、という主張をされているのかもしれませんが、「急激に動くのが地震、緩慢に動くのは地震ではない」、というのなら、なぜ急激に動くのか、なぜ緩慢に動くのか、その理由を説得的に解説して欲しいものです。
地震爆発論では、大爆発でなければ断層は発生しない、また爆発によって急激にずれた断層が安定を求めて爆発後にゆっくり動くことがある、という解説になります。
断層地震説やプレート理論は最初に理論ありきであって、その理論に適応させるために様々な解釈を「後付け」で作り上げている感じがします。

1723
Date: 2012-03-01 (Thu)
想定外という言い訳を繰り返さないために
本日のNHKニュースで阿部勝征東大名誉教授が解説していました。東海・南海・東南海の三連動地震が起きる可能性が高くなり、この地域で過去に起きた最も大きな災害を想定して、対策を講じることにした・・・というような内容でした。昨年10月にも以下のように報道された内容ですが、産経ニュースを紹介します。
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http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111030/dst11103018200011-n3.htm
M9級予知できず、なぜ? 経験則に依存 研究者反省

日本海溝の巨大地震は一部の研究者が理論上の可能性を指摘していたが、ほとんどの学者は「あり得ない」と思っていた。「想像力が足りなかった」「既存の知識で理解できたと思い込んでいた」との声も聞かれる。過去の経験則に依存する地震学の限界を露呈したといえそうだ。


大震災で方針転換
 この反省を踏まえ、政府は歴史記録の有無にかかわらず、科学的に起こり得る最大の地震を想定する方針に転換し、見直し作業を進めている。

特に近い将来、大地震が予想される南海トラフ沿いの想定見直しは国家的な課題だ。ただ、連動型巨大地震の仕組みは未解明なことに加え、阪神以降の大地震はいずれも想定外だったことを考えると、予知の成功を前提としない国づくりが急務になる。

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地震学者の「被害想定」はエスカレートする一方ですが、その前に地震学者は以下の課題に関して後始末をしておかなければいけないのではないでしょうか。

その一:東海地震は遅くても2005年までには必ず起きる・・・という警告([510][1087])はどうなったのでしょうか。なぜ予想が外れたのか、どこに間違いがあったのか、後始末をしないままで、さらに大きな被害が想定される三連動地震を煽ることは無責任であると考えます。

その二:同じ問題ですが、東海地震切迫説を最初に切り出した石橋克彦氏は「東海地震に関する長期的予知は、私にとってもう過去の仕事、今はもう一つの小田原地震に関心がある。」と小田原地震の切迫性を2003年に([467])述べています。東海地震も小田原地震も過去の仕事というのでは困ります。地震学者は一般社会へ及ぼしている影響を考えて発言していただかないと、静岡講演での発言のような叱責([1710])をいただいてしまいます。

そして今回のNHKニュースを聞いて思ったのですが、「科学的」ということで過去最大の被害を対象にして対策を講じる・・・という話が引き起こす問題に関して責任が取れるのだろうか、という件です。
実は該当する地域というのは南海トラフのことであり、この海域では白鳳13年(684年)に当時黒田郡と称されていた広大な地域が地震によって海中に沈没しているのです。今回の東北大地震による沈下は一メートル程度ですが、海中に没するような事態まで過去にはあったのです。高知県地震津波資料に掲載された内容をセミナー([1081]、[1083])で紹介しましたが、土佐の郷土史・皆山集にも、下記のようにあるそうです。
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http://nangokutosa.blog47.fc2.com/blog-entry-1221.html
土佐国黒田ト言ハ、是ヨリ南ニ有リ。
此ノ地ヨリ七里バカリ沖ニトッコウノ峯トテ、東西大河ヨリ流出ル川裾 長埜、常磐両村ノ間ニ有リ。
此所ニ黒崎ノ宮トテ五穀御祭ノ御宮ナリ。
有ル時 日数三十日大雨フリ、東西ノ河々ヨリ洪水出。黒田大埜大海ノ如クナリ、
其ノ翌日、大地震シテ、終ニ南海トナル。

(現代語訳)
土佐の国にあった黒田郷は、現在の陸地から約30km程沖合いにトッコウノ峰があって、その東西を大河(現在の仁淀川と物部川か・・・・)が流れよった。
その山裾にゃ長埜と常磐と言う村があり、その両村の間に黒崎ノ宮があった。
ある時、30日程にも及ぶ大雨で二つの大河が氾濫し洪水が起こり、たちまち浸水し海のようになった。
その翌日に白鳳の大地震が発生し、土佐湾に沈んだ。
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現在地震学者は、アトランティスやムーの沈没はもちろん瓜生島の沈没も認めませんから土佐南部に存在した黒田郡の沈没も認めていません。しかし、この黒崎ノ宮を水中考古学的に調査されているかたの報告もあり、海底に人工的な工作物の存在も確認されているようですから、この伝承は非科学的と言い切って無視することはできません。
しからば、本当に過去最大クラスの災害が起きた場合には、「過去最大の被害を想定して対策を講じたはず」の地震学者はまたまた「想定外」といって言い逃れをしなければなりません。海中に沈んでしまうようなことまでは考えている筈はないですから、一般大衆の信頼をますます裏切ることになるでしょう。
 ここは、早く頭を丸めて「通説地震学は間違っていました。地震現象に関して全くの無知でした。ごめんなさい。」と誤って、昭和初期の「マグマ貫入理論」からスタートし直したほうが信頼回復に繋がるのではないかと思います。大恥を書く前に素直に「無知を公表」することが人間として大切なのではないでしょうか。

1724 
Date: 2012-03-06 (Tue)
琵琶湖の湖底から熱水噴出(続)
琵琶湖の湖底からの吹き出し現象が強まっているそうです。
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http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120214mog00m040036000c.html
琵琶湖:湖底の噴き出し増加 「地殻のひずみ」関連か
 ◇宮城・南三陸町沖海底と類似

 琵琶湖の高島市沖の湖底で09年12月に確認された噴き出し箇所の増加が、今年1月に県琵琶湖環境科学研究センターが自立型潜水ロボット「淡探」で実施した調査で確認された。詳しい原因は不明だが、琵琶湖は大地の縮みが集中する「新潟−神戸ひずみ集中帯」に含まれており、地殻変動の影響の可能性もあるとして地震研究者が注目している。【石川勝義】

 同センターの熊谷道夫・環境情報統括員によると、潜水調査は同月5〜8日、安曇川河口沖約3キロの水没島付近から北に約12キロの区間(深さ約90メートル)で実施した。10年12月の調査で1キロ当たり約9個だった噴き出しが、今回は同25〜30個に増加。湖底の濁りも強まっていた。

 また湖底近くの水温が、湖底から1メートル付近と比較して0・001〜0・008度ほど高い場所があり、湖底から水への熱の移動が噴き出しの原因の可能性もあるという。

 噴き出しの増加を「憂慮している」と話すのは、近畿地方の地殻の動きを研究する佃為成・元東京大地震研究所准教授だ。佃さんは地殻変動で岩盤の亀裂に充満している水やガスに圧力がかかり、圧力の弱い部分に噴き出しているのではないかと仮説を立てている。

 佃さんによると、新潟県から神戸市にかけての一帯に岩盤の縮みが集中し、「新潟−神戸ひずみ集中帯」と呼ばれている。この一帯では大きな地震が繰り返し発生し、近年では阪神淡路大震災(95年)、新潟県中越地震(04年)、同中越沖地震(07年)があった。滋賀県もこの集中帯に含まれており、湖底の噴き出しにひずみが影響した可能性がある。

 そもそも琵琶湖は地殻変動でできた構造湖で、熊谷さんによると、同じ構造湖のバイカル湖(ロシア)でも噴き出しが確認されているという。また熊谷さんらは昨年5月、宮城県南三陸町の依頼で同町沖の海底12カ所(約40メートル)を調査した際、5カ所で琵琶湖の湖底とよく似た濁りを発見した。熊谷さんは「東日本大震災の影響で海底に変化が生じた影響かもしれない」と話す。

 ひずみは全国1200カ所のGPS(全地球測位システム)で観測する。新潟−神戸ひずみ集中帯を研究する名古屋大減災連携研究センターの鷺谷威教授(地殻変動学)によると、集中帯では年間約2センチ土地が縮むという。ひずみの理由は不明だが、集中帯は比較的弱い地殻の一帯で、プレートの動きが集中し、将来的にプレート境界ができるのではないかとも考えられている。

 鷺谷教授は「琵琶湖周辺は地殻の変形が激しい場所の一つ。噴き出しが何を意味するかは分からないが、詳しく調べる価値がある」と指摘している。

2012年2月14日
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この記事の他にも全国で異常が見られるという報道があります。
http://gendai.net/articles/view/syakai/135398
昨年の大震災以降、全国的に地震が多発しており、異常現象も増えているようです。地震多発の原因は記事にあるような「ひずみ」ではなく、地下の解離層が揺さぶられて不安定になっていること、また地下にマグマが存在していることが原因だと思っています。
ところで、3月14日と21日(いずれもAM(5:20〜5:40))の東海ラジオで「竜の口法子の未来ビジョン」が放送されますが、私(石田)が対談相手を務めます。タイトルは「日本列島が地震頻発時期に入ったのか」「新しい地震学の構築に向けて」で、その一部を紹介します。
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3月14日分
竜の口:石田さんは今各地で地震が頻発している原因はなんだと考えていますか。
石田:地震科学的には二つの理由を考えています。
一つは、3.11のような巨大地震によって、日本中が揺さぶられましたから、さきほど述べた地下の深い部分でのバランスが崩れているんですね、そのバランスが安定するまで、爆発が繰り返される、これが余震または誘発地震ですが・・これが地震が止まらないひとつの原因ですね。
もう一つはフォトンベルトと言われる宇宙からの影響で、今地球が電子レンジの中に入っているような事態になっていることですね。
竜の口:電子レンジのなかですか?それが地震と関係するんですか。
石田:宇宙から飛んでくる電磁波が今多くなっていて、地球が電子レンジの中に入っているような状況にあるんですよ。これが原因で地下に於ける水素と酸素のバランスが壊れて、爆発が多くなっていると考えています。その影響が今年は最大になるようですね。
その二つの理由で地震が多発していると考えていますが、そのほかに科学者がガイヤの意識と呼んでいる「地球意識」と関連する問題がありますが、それは次回の話題といたします。

3月21日分
竜ノ口:先回の話で出ていましたが、ガイヤの意識との関連というのはどのようなことなんですか。
石田:ガイヤ意識というのはラブロックという科学者の意見で「地球には生き物としての意識がある」という説なんですね。単なる物体ではなくて、地球を生命体として見ていて、我々人間と同じように意識を持っていると主張しているんです。このラブロックの学説に私は大変共感を持っているんです。
竜の口:それが地震の多発する原因と関係するんですか。
石田:そうなんです。地球はその表面にたくさんの民族・すなわち子供を住まわせて、子供が成長し、発展することを願って、大気と水を用意し、地下資源を供給してくれています。その姿は、お母さんが背中に子供を背負って子育てしているような姿ですね。そして、子供がいい子にしていればお母さんは元気いっぱいに、疲労を感じないで仕事ができます。地球も同じで、民族同士が仲良くし、国民同士が一致団結して進歩・発展を目指していれば、元気いっぱい、疲労を感じることなく過ごすことができます。地球の疲労が地震と関係するんです。
石原都知事は今回の地震について天罰発言を撤回しましたが、私は国家の指導者が地球意識に不快感を与えるような仕事をしていたのだと思いますね。日本でも関東大震災、神戸の大震災、今回の東北大震災などを学びの材料として、国家のリーダーが謙虚に反省すれば、宝もののような教訓が得られると思っています。
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以上が番組中での解説の一部です。
「ひずみ」という概念では地震現象を正しく把握することは不可能であると考えます。

1725
Date: 2012-03-26 (Mon)
房総沖での断層発見の報道について
房総沖で未知の断層が発見されたという報道がありました。断層は地震爆発説から言えば単なる爆発による傷跡であって、地震発生の直接的原因になるものではありません。報道を紹介します。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012032501001821.html
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房総沖に未知の長大な2活断層 長さ160と300キロ
2012年03月26日

 房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、これまで存在が知られていなかった長大な二つの活断層が存在するとの調査結果を、広島大や名古屋大、海洋研究開発機構などの研究グループが25日までにまとめた。

 長さは160キロと300キロ以上で、一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード(M)8〜9の地震を起こす可能性があるという。グループの渡辺満久・東洋大教授(変動地形学)は「ノーマークで未調査の活断層2 件。強い揺れや津波が関東南部や東海地方に及ぶ可能性があり、早急に詳しく調査するべきだ」としている。(共同)
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これまでに何度も解説してきましたが、地震発生のメカニズムが地震学者に理解されておらず、いつまでも「断層地震説」に拘泥していることに問題があります。早く、昭和初期にあった「マグマ貫入理論」にまで引き返し、そこから再スタートしなければ、地震学の発展はありえないと考えます。多くの皆様に、世論喚起をお願いしたいと思います。

なお、既成の地震学を学んだことがある人ほど、地震現象が爆発であることを納得できないようです。それは爆発現象ならば地震時の初動がすべて震源から遠ざかるように動くはずだから、全方位の押し状態になって「押し引き分布」が形成されないはずだという固定的な拘束感があるからです。これもすでに何度も解説してきましたが、酸素と水素の化学反応である水素爆発では反応式からもわかるように体積が縮小することで、震源に引き込まれるような動きとなる「引き」現象が現れるのです。これを理解せずにいる方が次のようなコメントを書いて地震学を専門としていない方々の学習を妨害・混乱させています。
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石田昭とかいう地震爆発原因説というトンデモを主張してる奴は何がやりたいの? 馬鹿なのか、それとも何らかの理由で故意にやってるのだろうか? 主張も変 爆発が原因なら、P波の初動は全方位で押しになるはずだが、実際の地震の押し引き分布は4象限型だ その点を誰かに指摘されたからなのか、強引に爆発で押しと引きができる理屈を考えだしてる だけど、その分布は何故か円錐型 観測事実が円錐形ならともかく、実際は4象限型なのに… 爆発が原因だという結論が最初からあるとしか思えない 何故爆発が原因という事に異常に執着するんだろ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ネット上でこの書き込みをされた方には、「何故、プレート論や断層地震説に異常に執着するんだろう?・・・」という返信を差し上げたいと思います。
参考:
[1115][1381][1650][1707]など。

1726
Date: 2012-04-08 (Sun)
 反プレートテクトニクス論
 星野通平先生の「反プレートテクトニクス論」(2010年8月イー・ジー・サービス出版部)という書籍を入手しました。

これまでにも、星野先生からは多くのことを学ばせていただきましたが(ライブラリー28など)、プレートテクトニクス論を「ファクト(注)」と見る日本の学界の中で、異論を唱えることは勇気のいることです。(ただし、先生の「地球膨張論を支持しているわけではありませんが・・)

前書きの冒頭には泊次郎氏の著作を高く評価された上田誠也先生の解説記事の話題が載っています。上田先生は、プレート論を日本に最初に紹介された学者だそうです。地球科学情報誌JGLに載った上田先生の書評解説文を紹介します。

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「プレートテクトニクスの拒絶と受容 ─ 戦後日本の地球科学史

泊 次郎 著

東京大学出版会

2008 年6 月,268p.

評者        東京大学名誉教授・日本学士院会員  上田 誠也

日本でのプレートテクトニクス(PT)の受け入れが先進諸国に10 年以上も遅れたことの原因を,科学史的見地から本格的に論じた初めての著作.

20 世紀後半の「地球観革命」は「狭義のPT」と,その地質学への応用「広義のPT」の2 段階にわけることが出来よう.

前者は固体地球表層部の運動学であり,後者はそれに基づく造山作用などに関する理論である.地球物理ではどんなに革命的であっても“real time” の観測事実は“無思想的?” に受容されるのが原則であるのに対し, 地質学では現状の観察から“realtime 観測のない遠い過去”を探るのだから,ものの見方が重要な働きをする.地層の観察などからは,過去の事象の時系列,上下変動などに比べると,水平移動は著しくわかりにくいだろう.従って,伝統的な造山論では大規模な水平運動は考慮されなかった.だから,大規模な水平移動を眼目とする「PT」を受容するか否かは大問題だったに違いない.「革命」の受容には,しばしば時間がかかった.しかし,英米などではそれが2-3 年程度であったものが,我が国での「改宗?」にはなぜ10 年以上を要したのかを著者は詳細に検討したのである.それにはいくつかの原因があったが,戦後澎湃として興った研究民主化の波に乗じて発足した「地学団体研究会」(地団研)の影響が最大であったという.発足当初,都城秋穂なども参加した地団研の理想主義の意気込みが,その勢力拡大と共に次第に劣化し,カリスマ井尻正二への個人崇拝へと堕していった過程は,評者にはソ連崩壊とともに滅び去った人民民主主義の国々の運命の縮図と映る.

井尻は,評者には理解困難なことだが、信奉した唯物弁証法からの結論として,自然法則の歴史不変性を否定した.従って「法則の不変性」に基づいて資本主義国で生まれた「PT」を彼や地団研が拒否したのは当然だったが,その支配力は大きかった.

地質学界は,「PT」を受容した人がいても,それを発言できないという今では信じがたい状況に支配されたのである.

評者は地球物理学徒だから地団研の支配をうけることはなく,彼ら独特の「地向斜造山論」や日本海成因論などをめぐって,いくたびか論争を試みたが,実際には彼らの論拠はほとんど理解できず,後年「一種の知的活動ではあるらしいが,どうもサイエンスとは異質の作業であるらしい」とどこかに書いたと本書に引用されている.その後1980 年代後半になってようやく,勘米良亀齢,平朝彦他による「PT」に基づく日本列島成因論など,すなわち「PT」そのもの,が広く受け入れられるようになった.

評者は「PT」以前から,地球物理学と地質学とはもっと一体となるべきと主張してきた一人だが,「PT」の効用の最たるものは,地球科学の世界に相互理解と協力関係を実現したことだろう.日本地球惑星科学連合の誕生はその大きな成果だし,最近の高橋雅紀の日本地質構造論などは評者の知る一果実である.

著者は日本の地球物理はもともと先端的であったから「PT」受容には抵抗がなかったとしている.確かにその面はあっただろうが,当時,先走って「PT」樹立の渦中にあった評者には,地球物理仲間からも「都合の良いデータだけ並べて, プレートを勝手に動かす軽薄の徒」などとの批判は少なからずあった.著者の東大地球物理学科卒業,朝日新聞社入社の1967 年といえば,既にメディアなどでも「動的地球観」は普通に語られており,彼も直接地団研の支配を体感することはなかったようだ.それだけに問題を冷静に科学史的にとらえるには適切な立場であった.長年の記者経験に支えられた文章の明解さも見事なものだ.日本の「PT」受容の遅れは国際的にも謎なのだから,是非英語版も出していただきたい

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 私は、土木工学の世界におりましたので、地団研とも、「PT」論者とも、関係を持ったことがありません。「PT」論の受容が10年遅れたのは、むしろ「納得できるまでは、受容しない」という姿勢があったことの証明であるから、立派なことであった、とどこかに解説した記憶があります。自然災害科学の辞典編集作業で、亡くなられた藤田至則先生とのご縁を持ちましたが、地団研のリーダー的存在であるとは当時知りませんでしたし、自然科学の研究にイデオロギー論争が関連するとは思いもしませんでした。

(注)p.193に次のように紹介してあります。

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1984年秋、ロシアのハバロフスクの研究所で開かれた討論会の席上、上田誠也は「プレートテクトニクスはファクトである」、と発言した。途端に研究所長のコスイギンは「プレート説は仮説である」、と反論した。

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私(石田)には、イデオロギー論争は別にして、コスイギン所長の「プレート説は仮説である」という主張のほうが正しく思えます。なお、星野先生のこの書籍には、プレート論が成り立たない多くの証拠が紹介されています。このように地球科学の研究者のなかには、プレート説に異論を唱える方がたくさんあるのに、何故教科書にまで真理であるかのように載せるのか、不思議な感じがいたします。

 星野先生の書籍の帯には「それでも「プレート説」を信じるのか。」・・・とあります。[PT]論者は自己保身を捨てないと、後世に恥を残すのではないでしょうか。

参考:セミナー[1495]、[1496]など

1727
Date: 2012-04-19 (Thu)
夫婦岩が露出という報道から思う
ANSの会員掲示板に次のような質問がありました。

「夫婦岩“全身”あらわに」という報道がありました。こういう滅多にない現象を見ると、地震に関連するのかと思ってしまいます。琵琶湖の熱水についてもですが、なにか近畿圏で前兆といえるようなことが起こっているのでしょうか?」

というものです。まずは、その報道を紹介します。

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夫婦岩“全身”あらわに

2012年4月11日 中日新聞


岩肌があらわになった夫婦岩や周囲の岩礁=伊勢市の二見興玉神社で


 伊勢市二見町江の二見興玉(ふたみおきたま)神社で十日、海に浮かぶ名所の夫婦岩周辺の潮が大きく引き、夫婦岩の全体の姿がすっぽりと現れた。干満の差が中ぐらいの中潮(なかしお)の時期に当たるが、神社に十三年ほど仕える神職は「夫婦岩がこんなに完全に海面から出るのは見たことがない」とびっくり。珍しいという。

 神社によると、干満の差が最大となる大潮のときでも通常、夫婦岩の男岩(おいわ)(高さ九メートル)と女岩(めいわ)(四メートル)のうち、男岩の最下部は海水に漬かっている。

 この日は少なくとも午後から、男岩のほか、周囲の岩礁もあらわになるほど潮が引いた。同様の光景は九日も見られた。

 第四管区海上保安本部(名古屋市)によると、計算上は潮位に異常はないという。津地方気象台によると、近くの鳥羽の十日の干潮時の潮位は予測値よりも若干低めだったが「それでも誤差の範囲内。気圧が潮位に影響を与えることもあるが、原因は分からない」と首をかしげている。  

   (渡辺大地)

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大きな潮位変化のようですが、海上保安部では誤差の範囲内といっています。しかし、それにしても、神職が「夫婦岩がこんなに完全に海面から出るのは見たことがない。」とびっくりしているのですから、なんらかの異常な現象には違いないと思います。

異常の原因が何なのか、地震現象の前兆なのか、気になるところですが、プレート論に縛られている限りはなぞの解明はできないでしょう。

考えられることを列挙してみます。

@ 地下深部のマグマ溜りで、プラズマ状態の解離ガス発生し、高圧力となってマグマ溜り内部や亀裂内を高速度で移動するので、MHD発電が生じる。それによって[1640]に紹介したモーゼ効果と呼ばれる電磁気的効果によって、潮位が下がった。

A 地殻内部に疲労破壊による亀裂が生じ、その中に海水が落下して潮位が下がった。・・・しかしそれならば、すでに大地震が発生しているはずであり、可能性としては低いと思われる。

B マグマ溜り内部で発生する解離ガスが高圧となり、一時的に地盤を上昇させた。

C 深海における海底火山の活動で、温度上昇が起こり、海流の変化が生じて、通常の流れの下で発生していた潮位が変化した。

以上の原因が想定できますので、琵琶湖の異変報道([1719]、[1724])などを含めて、何らかの地震前兆を意味している可能性は充分に考えられます。その他の前兆現象も注意深く観察して総合的な判断をする必要があります。

しかし、[1638]に紹介した昭和の南海地震では2メートルの退潮現象が地震発生の11時間も前から継続していたそうですから、写真で見る夫婦岩の潮位変化が誤差の範囲内というものであり、この程度の異常で終息していくのなら、南海地震のような巨大地震を心配しなくてもよいのかもしれません。

いづれにしても、プレート論、断層地震説からは何も見えてこないですから、新しい地震学に基づいた研究を大学や国家機関でやってもらいたいと思います。定説の地震学では、地震発生に伴う付随現象を合理的に説明できないために、地震学者や彼らの解説を鵜呑みにして報道する記者たちの解説が信頼を失っています。

地震の発生確率とか、津波の高さ予測とか、根拠もない数値を基にして社会が混乱しています。大災害の後に「想定外だった」とは言わないために、過去最大の被害を想定して・・・というならば、海底に沈没している瓜生島、土佐湾を想定しなければなりません。そのような天変地異に対処する方策はありませんし、もしそうなったら学者の威信は地に落ちてしまうでしょう。

 熱海にも海底遺跡が存在しています。富山湾には埋没林がありますが、地震で海没したのは明らかです。地震の真相を探求しないで防災対策をねっても、合理性のない混乱したものにしかなりません。

なお、地球レベルで地震が多発しているのは、地球外部からの宇宙線による影響があると考えています。会員掲示板には次のように回答しておきました。

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投稿ありがとうございました。セミナーに少しコメントを載せておきました。近畿圏に限らず、今地球は地震多発傾向にあるのだと考えています。その原因は丸山茂徳東工大教授も述べているように、地球外からの宇宙線が多くなっていることにあります。その影響で地球内部が電子レンジで暖められるような状態にあり、解離ガスの発生が促進されるからです。フォトンベルトの影響が今年最大になるということが地震多発、予兆的現象の多発に関係していると思います。

1728
Date: 2012-04-22 (Sun)
アメリカで廃液注入による地震が多発
米国の内陸部で廃液処理による地震増加が起きており、「ほぼ確実に人為的」であるという報道がありました。デンバーでの廃液処理によって地震が起きた話は有名ですが、マグマが地下深部にあるアメリカでさえ、地震が起きるのですから、マグマが浅い所に在る日本ではCCSというプロジェクトは危険です。先ずはアメリカでの報道を紹介します。

http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE83I01720120419/

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米内陸部での地震増加、「ほぼ確実に人為的」=USGS

2012年 04月 19日 10:52

[ワシントン 17日 ロイター]

 米地質調査所(USGS)の研究者らは、米内陸部にある石油やガスの掘削で利用した廃水を処理する場所の近くで、地震の回数が「飛躍的に」増えたとする報告書をまとめた。

報告書は、アーカンソー州、コロラド州、オクラホマ州、ニューメキシコ州、テキサス州の米内陸部で昨年、マグニチュード(M)3以上の地震が20世紀の平均の6倍に増えたと指摘。

化学処理された水や砂を地下に注入して石油やガスを採掘する「水圧破砕」と地震の増加をはっきりとは関連付けていないが、水圧破砕で出る廃水などが断層をずらす原因になっている可能性を示唆している。

同報告書の内容は、サンディエゴで開催される米地震学学会の会合で詳しく協議されるが、抜粋では「M3以上の地震増加は現在進行中」と指摘。「ここに記述された地震活動率の変化は、ほぼ確実に人為的だが、採掘方法の変化もしくは石油・ガス生産の生産速度にどれぐらい関係しているかはいまだに分からない」としている。

USGSの統計によると、M3以上の地震発生回数は1970─2000年には年間21回(誤差7.6)だったが、2001─2008年には同29回(誤差3.5)となり、2009年には50回、2010年には87回、2011年には134回と飛躍的に増えた。

USGS地震科学センターのアーサー・マッガー氏は、急激な地震の増加について「理由は分からないが、自然現象とは思わない。なぜなら自然では、これほどまでの増加は余震や火山環境でしか見られないからだ」と語っている。

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 断層地震説が誕生したのはアメリカですが、断層地震説に縛られているために、何故地震が発生するのか理解ができでいません。USGSの専門家でも、急激な地震増加の理由は分からない、と述べています。日米の専門家たちに、廃液や液化炭酸ガスなどの、液体を圧力をかけて地中に封入することの危険性、地震発生の原因となることを気付いていただきたいと思います。それが現実に、CCSプロジェクトの現場に近い福島県南部沖で地震が止まらない原因になっている可能性があるのです。気づかないでこのまま、北九州、苫小牧などでも、プロジェクトを続行すれば、悲劇は再現されてしまいます。国家機関に影響力のある方のご尽力方をお願いします。

1729
Date: 2012-04-23 (Mon)
ベネティアの地下注水プランの危険性
水没被害を防ぐために、ベネチアの街に直径10キロの円を描く12本の井戸を掘り、10年間で1500億リットルの海水を地下注入する計画が提案されているそうです。圧力を掛けて地下に注入すれば、CCSと同じ結果になることは明らかで、わが国と同じ火山国のイタリアでこのような工事を行うことは地震を起こす可能性があります。

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http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120120001

ベネチア水没、地下へ海水注入で防止?

Brian Handwerk

for National Geographic News

January 20, 2012

 地盤沈下と海面上昇で水没が懸念されるイタリアのベネチア。効果的な対策が模索される中、「水には水を」という新発想のプランが提案された。多孔性の地層に大量の海水を注入、膨張させれば、水の都が約30センチも上昇するという。

 高潮由来の異常潮位現象「アックア・アルタ」は、毎年4回程度ベネチアを襲い、海抜の最も低い地域(総面積の約14%)を水没させる。 しかも、被害は悪化の一途をたどっている。


 ベネチアでは、1950〜70年にかけて産業用に大量の地下水を汲み上げ、20年で約12センチも地盤が下がった。ただし、「Geophysical Research Letters」誌に掲載された2002年の調査によると、現在は100年で5センチ以下にペースダウンしているという。

 しかし、ベネチアの沈下ペースが落ちても、周りを取り囲むアドリア海は膨張を続けている。海水注入策を提案したイタリア、パドヴァ大学の水文学者ジュゼッペ・ガンボラティ(Giuseppe Gambolati)氏によると、ベネチア沿岸の海面は今世紀末までに約30センチの上昇が見込まれるという。

 同氏のプランでは、ベネチアの街に直径10キロの円を描く12本の井戸を掘り、10年間で1500億リットルの海水を地下注入する。

「海水を注入した地層が膨張して、沈下の進行を食い止める。地層が安定したら、今度は隆起を促していく」とガンボラティ氏は説明する。

◆高潮の遮断

 ある程度の隆起に成功した場合、建設中のモーゼ防潮システム(モーゼ計画)の必要性は低くなる。電動可動式の防潮堤で、ベネチアの潟の入り江3カ所に導入が進められている。大規模な高潮が迫ると、海底の防潮堤が立ち上がり、潟の入り口を封鎖する仕組みだ。

「Climate Dynamics」誌に掲載された2010年の調査によると、現地の海面が平均28センチほど上昇すると、2100年頃には年に35回もモーゼを稼働しなければならない。

 しかし、海水注入プロジェクトが成功すれば、モーゼの稼働を年4回に減らせる可能性がある。

 研究チームは、石油会社やガス会社が爆発物を使い、潟を掘削して地質調査を行った1980年代の地震データと最近のデータを結合。作成した3Dマップでは、ベネチアの地下にある不浸透性の粘土層を過去最高の精度で確認できる。

 ガンボラティ氏によると、この粘土が重要なのだという。「海水は地下650〜1000メートルに横たわる幾重もの砂の層に注入する。粘土層が蓋の役割を果たせば、海水が上方へ漏れ出すことはない。注入した地層の中で横方向に拡散するはずだ」。

◆実現の可能性

 ガンボラティ氏によると、10年計画の海水注入プロジェクトは着工許可が下りれば1〜2年で開始できるという。

 経済性も高く、モーゼ計画ほどコストがかからない。「まだ詳細な見積もりは出していないが、総費用は2億〜3億ユーロ(約200億〜300億円)だろう。モーゼ計画は保守を除いた建設のみでも50億ユーロと発表されている」。

 ガンボラティ氏が参加した最新研究は、「Water Resources Research」誌に2011年12月7日付けで掲載されている。

Photograph by Alvaro Leiva, Age Fotostock/Getty Images

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モーゼ計画とは、ベネティアの水害を防ぐための電動可動式の防潮堤建設のこと。


ケーソンの作動は水位の調整も含めてコンピュータ制御がなされ、開閉時間には4〜5時間を要する。年に3〜5回程度作動する予定である。

http://www.zenken.com/temp/27_01_%E5%A0%B1%E5%91%8A%EF%BC%88%E4%BE%8B%EF%BC%89.doc

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東京のイタリア大使館には、メールを送ってありますが、今のところ返信はありません。国家としてモーゼ計画を推進しているので、注水工事は国家としては考えていないということならば安心ですが、地震発生の正しい知識を浸透させなければいけないと感じています。読者の皆様にも地震知識の拡散・浸透にご協力をお願いしたいと思います。

1730
Date: 2012-04-25 (Wed)
イルカや鯨が打ち上げられる原因
ペルーの海岸で大量のイルカが打ち上げられたという報道がありました。近年各地でイルカや鯨などが打ち上げられる報道がありますが、その原因の一つは、海底で起きている爆発現象つまり、海面にまでは達しない海底火山の影響(地震現象も含めて)ではないかと思っています。海底から噴出する熱水や高温のガスによって火傷を負ったのではないかと考えています。
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http://sankei.jp.msn.com/world/news/120423/amr12042310550001-n1.htm

ペルー北海岸 約900のイルカの死体漂着
2012.4.23 10:53 [動物園・水族館]


海岸に打ち上げられたイルカの死体を調べる沿岸警備隊員=6日、ペルー・チクラヨ(AP)



 南米ペルー北部の海岸で、今年2月から4月中旬までに約880のイルカの死体が漂着しているのが見つかり、当局が死因などを調査している。21日、AP通信が伝えた。

 環境保護団体は「2月初旬から2カ月間、ペルー北部沖で実施された石油の試掘作業で生じた振動が原因ではないか」としているが、当局は「ウイルス感染の可能性が高い」と話している。(SANKEI EXPRESS)
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次に、少し古い記事ですが。2007年にイランでも同じような現象が報道されています。
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http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2304655/2294627
イラン南部でイルカが謎の大量死

2007年10月30日 19:38 発信地:ジャースク/イラン


イラン南部ジャースク(Jask)の海岸に打ち上げられたスジイルカの死がい(2007年9月25日撮影)。 (c)AFP/FARS NEWS

【10月30日 AFP】ここ1か月で152頭のイルカの死がいがイラン南部の海岸に打ち上げられるという奇妙な現象が起きている。「集団自殺」との指摘もある中、環境保護団体は29日、地元の漁業活動に責任があるとの見方を示した。
 9月末、79頭のスジイルカがイラン南部ジャースク(Jask)の南港に打ち上げられているのが発見された。さらに前週、別の73頭が同エリアで死んでいるのが見つかった。
 多数のイルカの死がいが横たわる姿は国内各紙で取り上げられ、「自殺」と報じられた。野生のイルカは時に自殺することが知られている。
「ジャースク海岸でのイルカの自殺は続いている。地元民がイルカを海に戻そうとしても、当のイルカが戻ろうとしない」と27日の政府系新聞は報じている。
 イルカの大量死に対する懸念が高まる中、環境保護団体の副代表を務めるMohammad Baqer Nabavi氏は29日、イルカの死がいを前に記者会見を開き、「自殺」問題について次のように述べた。
「1か月前の調査では、イルカの組織から汚染物質は検出されなかった。われわれは、イルカの大量死は漁業に遠因があると考えている。ペルシャ湾に設置された定置網のような大型の網に引っかかったイルカが、おぼれた可能性が高い。イルカは海洋生物だが、水面に出て呼吸する必要があるからだ」


 記者会見用にイラン南部から運ばれてきたイルカには打ち身や切り傷があったが、消化器官からは汚染した魚を食べた結果生じる汚染物質は検出されず、ウイルスや寄生生物も見つからなかったという。
 ただ、これでイルカの大量死の謎が完全に解明されたわけではない。Nabavi氏によれば、さらなる原因究明に向け、石油省、テヘラン大学(Tehran University)、獣医、漁業団体、海軍からなる委員会を設立する。今後2週間かけて、死因を明らかにする計画だ。
 ペルシャ湾では米国の原子力船をはじめとする最新鋭の船舶が任務に当たっているが、これらが使う超音波探査装置が、イルカなどの海洋ほ乳類が距離を把握するために使う「反響定位」能力の妨げになることもあるという。
 スジイルカは、温帯または熱帯水域に生息する個体。腹側は白かピンクで、目の下からヒレまで1、2本の濃紺の筋が入っており、その色から比較的見分けやすい。(c)AFP/Farhad Pouladi
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以上ペルーとイランの事例報道を紹介しましたが、いずれのケースでも写真を見るとイルカには火傷のあとが見られるように感じます。次の写真もイランでの例です。



海底には中央海嶺などから定常的に熱水が吹き上げていますが、イルカなどの動物はそうした定常的な熱源は回避できるでしょう。しかし、突然爆発的に吹き上げる海底火山現象には、対処する能力がなくて被害にあってしまうのではないでしょうか。地震も震源が浅い場合には同じような熱水(熱ガス)吹き上げを伴うことがあるはずです。
因みに、紀州での津波災害では被害に逢って亡くなったひとの身体には火傷のあとがあったと聞いたことがあります。地震の原因が爆発現象であることを頷かせる話であります。また、河田恵昭著「津浪災害」には以下のような記述があります。

「もし、津波と一緒に砂浜を引きずられたとしよう。その場合、水の中であるのに、あなたは大やけどをする可能性がある。なぜなら、砂浜はあたかも「濡れたサンドペーパー」のようになるからである。その上で身体をこすりつけるようになるからである。1998年のパプアニューギニアの地震津波災害の調査を実施したとき、私はこのことに気がついた。負傷者が運ばれてきた病院では、骨折よりも圧倒的にやけどを負った住民が多かったのである。」(p.4)

津波で流される間に、砂浜の砂でこすられて火傷をするとは考えられません。地震は爆発現象であり、海底から高温のガスが噴出して、漂流中の被災者にやけどを負わすのではないでしょうか。また陸地部分でなら、それが原因で火災が起きるのではないでしょうか。
近年地震や火山爆発が多発していますが、海底においても、火山活動、地震による噴出現象が起きており、イルカや鯨だけでなく、深海魚などが浮き上がってくる原因なのでしょう。それが地震爆発説による動物の打ち上げ現象の謎解き解説になります。

なお、ペルーの沖は地震がよく起きる場所ですし、イランのJaskはホルムズ海峡の近くで、[1611]で紹介したように商船三井のタンカーが損傷を受けた場所です。海底に何らかの変動が起きていると考えられます。

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