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1011
2005/06/18(Sat) 08:40
パトロス
初めての講演
昨日は海上保安庁の関連組織である「中部海上保安懇話会」で、「もう一つの地震学」と題する一時間の講演をさせていただきました。

10年前には地震学を専門にしているという水路部長さんからセミナー扉にあるような感情的な突っ込みを頂戴して、嫌な思い出があったのですが、今日は皆さん熱心に聴いてくださいまして、いい思い出を作ることが出来ました。石田地震科学研究所としては初めての記念すべき講演となりました。質問も前向きなものばかりで、10年前とは大違いでした。

聴講者の反応として「石田さんはコペルニクスだ」とか「(石田理論は)あり得るで〜」という声があったと担当者から報告がありました。
プレートテクトニクスの矛盾がこうやって少しずつ社会に浸透していけばいつかは通説が変化すると思います。

1012
2005/06/19(Sun) 19:56
パトロス
誤った地震知識は恐ろしい
天正13年(1586)11月29日に起こった大地震の詳細な記録集である天正大地震誌(飯田汲事著)という書を図書館で見ていました。フロイス著の「日本史」に以下のような記述があるそうです。

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地震がもたらした被害は甚大で、破壊された町村は数知れず、(その惨状は)信じ難いばかりであった。ここでは、それらの目撃者が後日、司祭たちに語った主なことだけを述べることにする。

近江の国には、当初、関白殿が(織田)信長に仕えていた頃に居住していた長浜という城がある地に、人家千戸を(数える)町がある。(そこでは)地震が起り、大地が割れ、家屋の半ばと多数の人が呑みこまれてしまい、残りの半分の家屋は、その同じ瞬間に炎上し灰燼に帰した。その火が天から(来たもの)か、人間業によるものか知る者はいない。

(中略)これら上記の諸国では、巨大な口を開いた地割れが生じ、万人に恐怖をもたらした。その割れ目からは、黒色を帯びた泥状のものが立ち昇り、ひどく、かっ忌むべき臭気を放ち、そこを通行する者には堪え難いほどであった。

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とあります。また
日本の地震・火山記録 エム・エー・ペレー(「フランス・リヨン科学アカデミー紀要」第十二巻一八六二年)には、その火は地面から出たと記載されています。

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一五八六−日本で起った地震は、人がかつてそこで感じた最も激しい震動であった。震動は堺地方から都(京都)に至る広範囲にわたるもので、地震がおさまったのは四十日後であり、堺の町では、六十戸が倒壌した。近江の国の約一〇〇〇戸の小さな町、長浜ではその半分が消滅破壊され、他の半分は地面から出た火で焼失してしまった。

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当時の先進国である西洋人の記述ですから信じられる内容だと思いますが、火災は瞬時に発生し、火は地中から発したと言うこと、場所によっては天然の石油らしき液体を噴出したことが分かります。

最近でも青苗港の住人が追ってくる火から命からがら逃げ出してきた、という話をされていたのを覚えています。
地震の実態を知らないと、火災は二次災害であって逃げ出さずに各自が家庭で「押し寄せる猛火」から家を守るんだ・・・と言う恐ろしい誤謬に満ちたアナウンスを学者はやってしまうことになります。

参考:「地球は半熟のゆで卵」

1013
2005/06/20(Mon) 14:55
パトロス
プレート論の吟味
ある書籍を読んでいましたら、「考えなおされるプレート境界」という節があり、大きな地震のたびにプレート境界が引きなおされていく現状が紹介され、結論として、

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「この東日本は北アメリカプレートの一部とする説(境界が変遷してきた)でも分かるように、プレートテクトニクス理論は、まだ完成されてはいない。
プレートテクトニクスは大陸の移動をはじめ、(中略)いろいろな現象を説明できる理論である。現在、私たち人類は、この地球上の地球科学的諸現象を説明するのに都合のよい、プレートテクトニクス論以上の理論を持ち合せていない。日本海中部地震も、これまでの知識では説明できない現象であった。観測が進み、より新しい現象や地球の深い所までの情級が得られてくると、まだまだプレートテクトニクスに対する疑問は生じてくるだろうし、解決すべき問題は山積されている。」

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と書いてありました。完成された理論ではないとされているのに、どういうわけか、それ以外の仮説には目を向けようとしていません。プレート論よりもはるかに整合性のある「もう一つの地震学」を含む石田理論に目を向けて欲しいなぁと思います。
また、「南極プレートの謎」という節にも目が留まりました。
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「南極プレートの謎」
少なくとも一枚のプレートはその生成口があり、沈み込み口があり、この二つが一つのセットになっている。ところが南極プレートだけは、ほとんどが海嶺、つまりプレートの湧き出し口に囲まれ、一部にはトランスフォームの境界もあるが、沈み込み口の無いプレートである。(中略)

南極観測が国際共同観測として始まってから・・・・かなりの量と種類の地球物理のデータが集まってきている。それでも沈み込み口を推定できるような海溝が発見されていない。
南極プレートは一途に拡大を続けるプレートである。(中略)

このまま拡大を統ければ数億年の閲に南半球は南極プレートだけでおおわれ、南アメリカやアフリカ、オーストラリアの各大陸も北半球に追いやられ、地球上の陸地はほとんど北半球に集中することになる。

調査が十分になされていないことにもよるが、南極プレートはマントル対流のべルトコンベアで運ばれていない、ほとんど動かないプレートであろうと推定されている。この動かないプレートの特徴が、南極プレート内の特殊な地球科学的な現象をひき起こしているのではないか・・・と私は考えている。

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プレート論の矛盾はたくさん指摘されているのですが、常に特殊ケースみたいなものを構築して、基本的にはまず「プレート論」ありき、で進んでいってしまいます。もうそろそろ、立ち止まって、本当にプレート論は正しいのか、と吟味・探求を深めて欲しいと思います。

1014
2005/07/08(Fri) 13:11
パトロス
BlackLightプロセス
「水素経済革命」の著者であり、高名な技術ジャーナリストとしても知られている山本寛氏とコンタクトがとれました。実は氏のほうから私にコンタクトを試みられたそうですが、事務局のメールアドレスにミスがあったせいで、不首尾に終わっていたようでした。大変失礼いたしました。

氏からご連絡いただいた論文にざっと目を通したのですが、核融合という専門外の内容なので、分からないことがいっぱいですが、大変興味深いものです。BlackLightプロセスという理論があることをはじめて知りました。水素の自然発火つまり地震の発生が理論的に説明できるのかもしれません。

下記に紹介させていただきますので、読者のかたで内容を理解できる方は、参考にしていただきたいと思います。

本セミナーの目的は扉ページにありますように、「地震学を地震学者だけにお任せしないで、皆で考えた新しい常識、衆知を結集して築く「新・地震学」をつくっていきましょう。」ということでありますが、この目的が大きく前進するかもしれません。今後の進展が大いに楽しみであります。
http://www.ailab7.com/yamamoto1.pdf
http://www.ailab7.com/yamamoto2.doc

   7月9日 山本寛氏と浜名湖畔のご自宅で地震爆発論の討論を行った。
1015
2005/07/10(Sun) 20:43
パトロス
BlackLightプロセスによる地震発生説
山本寛氏と面会し、情報交換というか核融合に関していくつかの学びを頂戴してきましたので、私が理解した内容を纏めておきたいと思います。以下のまとめは山本氏にも目を通していただいたものです。

・ 通常行われる直流による水の電気分解で得られる酸素と水素は安定した二原子分子となっている。しかしブラウンガスというのは、交流またはパルス状電流で電気分解して得られるもので、かなりの成分が一元子分子(原子水素、原子酸素)の状態で存在している。したがって気体体積(モル数)は最大2倍になっている。

・ ブラウンガスの炎自体は280度程度だが、金属に当てるとすぐに金属を溶かしてしまうことが知られている。
http://www.recycle-solution.jp/shinki/dai3/05.html
これは、BlackLightプロセスによって“hydrino”が発生し、高エネルギーが放出されるからである。太陽表面が6000度程度なのに、放出されるコロナは200万度とかになるのも同じBlackLightプロセスで説明できる。

・ 原子水素が電子の周回軌道を縮小(水素の体積が縮小)した“hydrino”となり、高いエネルギーを放出する現象、これをBlackLightプロセスとよんでいる。山本説はプレートの潜り込みと共に引き込まれた水が鉄などの金属にぶつかった時に発生する原子(原子状)水素がBlackLightプロセスによる爆発を起こすことが地震の原因であるとするものである。つまり、3個の原子水素が衝突すると一個のhydrinoと二個の水素と二個の電子になり、大きなエネルギーを放出する。原子水素は酸素が無くても爆発するのである。

・ 中越地震についても、CO2の注入で水を押しやるために、このBlackLightプロセスが起こって、人為的に地震を起こしてしまったのではないかと考えておられる。この件は近日中に出版される書籍「水素 プラズマエネルギー革命」に紹介してあるそうです。  

なお山本説(ブラックライトプロセス、ハイドリノなど)についてより詳しく知りたい方は下記をクリックして参考にしてください、ということです。
http://wwwcf.elc.iwate-u.ac.jp/jcf/file/jcf5/jcf5_19.pdf

1016
2005/07/12(Tue) 00:56
パトロス
中越地震人為的誘発の可能性
山本寛氏から近日発売される「水素 プラズマエネルギー革命」(工学社)に載せた中越地震の人為的地震誘発の可能性に関する原稿を戴きました。抜粋して紹介しますので、詳細は発売後に書籍を購読してください。

現時点では解離ガスの爆発説を採用している石田地震科学研究所としてブラックライトプロセス(原子水素爆発説)を全面的に肯定するものではありませんが、弾性反発地震説以外の新しい地震論が提起されることは重要なことであると思っております。

「コラム:新潟県中越地震は廃ガス田へのCO2注入によるブラックライト・プロセスか?
 今日では地震の発生メカニズムは、地球の表面が10数枚の固いプレートに分かれていて、その相対運動によりプレート内に弾性エネルギーが蓄積され、それが急激に開放されることにより引起されるとするプレートテクトニクス理論により説明されている。(中略)地震予知に巨費を投じながら地震予知の技術が進歩しないのは、このような間違った仮説を前提としているためではなかろうか?
 しからばどうしたらよいのであろうか?
 その答えは人間の行為が地震を引起した事例を調査し、その因果関係を検証することである。

 人為的な行為が地震を引起した事例としては大きなダムの建設および地下への水の注入などがある。特に1962年からアメリカ軍がコロラド州デンバー郊外で3600mの深井戸を堀り、放射能を帯びた廃水を注入したことにより引起された群発地震が知れられている。この事例では注水の中断、再開と群発地震の数の増減に見事な相関関係が報告されている。またこの群発地震では、多くの住民が非常に大きな爆発音を聞いている。また日本でも直下型地震の際には爆発音に近い衝撃音が体感されていることも注目されるべきことと思う。

 注水と地震にはどのような因果関係があるのであろうか?
 地震学者は、注水により地殻が滑りやすくなったためと説明しているが著者にはちょっとピント外れのように思われる。
地球物理学において、大量の水がプレートの沈みこみにより地中深く送り込まれ、そこで例えば鉄等の金属に触れると下記の反応により原子状の水素が発生することが知られている。3Fe +4H2O → 8H + Fe3O4

当然このようにして発生した水素は、近くに炭素があれば、炭素と結合してメタンとなり、さらに複雑な反応を経て石油に変わることができる。しかし次々と生成される水素に反応する物質がなくなれば、原子状の水素ガスが蓄積されることになる。水素原子はすぐに他の水素原子と結合して水素分子を作るには、丁度その反応の場にその生成熱を吸収する第三の物質が存在する必要がある。この熱吸収体が存在しないときには弾性反発を繰り返す。従って一旦生成された水素原子は、特に1,500℃程度の高温では原子の姿で長く存在する。

(本文内で)水素原子が3個同時に衝突するとブラックライト・プロセスが発生することを示した。また(本文の図)に水素2、酸素1の割合の混合ガスの事故着火を引起す温度と圧力の関係を示した。この図からもわかるように、この自己着火を起こす条件は複雑な曲線を描く。(中略)水素原子ガス単独でのデータは何もないが、図と同じように圧力が低下するとブラックライト・プロセスが始まる領域の存在が予想される。(中略)

このような仮説を立てると、新潟県中越地震と、財団法人 地球環境産業技術研究機構が2003年7月から開始した廃天然ガス田へのCO2ガス注入との因果関係が見えてくる。(中略)著者はCO2注入により地下水が地下に押し下げられ、上記のメカニズムで地震発生に至ったのではないかと考えている。
(大きく略す)以上の仮説を荒唐無稽と笑う人も多かろう。しかし新しい視点で地震予知を考える際の一つの参考になると考える。」

以上が抜粋ですが、「大量の水がプレートの沈みこみにより地中深く送り込まれ」・・・という部分、また地震時には押し引き分布が現れることが一つの特徴ですが、この押し引き分布が説明できるのかどうかなどの点に関して原子水素爆発説(山本説)に一定の疑問を持っております。

1017
2005/07/12(Tue) 22:43
パトロス
三重県企業庁ごみ発電施設の爆発原因
セミナー[584] http://www.ailab7.com/log/eqlog581-590.html
から始まっている三重県企業庁のごみ発電施設の爆発事故に関する一連のコメントでは、高熱で燃え盛る現場に水を掛けたために解離ガスが発生してその酸素と水素がさらに火勢を強めるのではないかと発言しておりました。また、ブラウンガスを解説しておられる堀内氏の質疑応答
http://www.recycle-solution.jp/shinki/dai3/05.html
でも

「一つの例でいえば、大火の時に水を掛けるとかえって爆発しますね。水蒸気爆発というのと、もう1つは、水を4000℃ぐらいにしますと水素と酸素が30%ぐらい分かれる。つまり分離するのです。熱分解だけで水は水素と酸素……高温でなければだめですよ、4000℃とか、なかなか難しいわけですが、ブラウンガスがそれに到達しているので、ブラウンガス自身が水をまた加熱して一部ブラウンガスにして燃えますから、それでボンボン燃えるということが今言われています。」

とあるように、水の解離によって発生するブラウンガスの燃焼現象と解釈しておられます。

ところが、先日伺ったエンジンの燃焼関係が専門である山本寛氏は、放水によってさらに燃えるのはエマルジョン燃料がよく燃えるのと同じ理由、つまりエマルジョン燃料(水と炭化水素の混合体)がよく燃えるのは燃焼反応によって、一酸化炭素と水素分子が発生し、この水素分子が空中の酸素と結合して燃焼するから燃焼効率が高くなるのであるという解釈でありました。
通常のエマルジョン燃料の燃焼概念であのタンクを爆破してしまうような爆発現象が説明できるものなのか、あの事故に関してもブラウンガスあるいはブラックライトプロセスで説明した方が、説得力があるのではないかという感想を持ちました。実際は何が起こったのか解明されていないまま調査報告がなされて終了しているのではないでしょうか。

1018
2005/07/13(Wed) 10:37
パトロス
山火事の原因
ロサンゼルス北西約100kmにあるロス・パドレス国有林において、火山地帯でもない森林の地中温度(地下3メートル)が摂氏306度にもなり、これが原因で火災が起こったとして学者を困惑させているということです。以下はNemoという方の翻訳による報告です。
http://www.montereyherald.com/mld/montereyherald/news/12112572.htm

▼ ロサンゼルス北西約100kmにあるロス・パドレス国有林で昨年夏、森林火災が発生。消火作業中の消防隊員が、地面に亀裂が走り熱気が上昇しているのを発見。測定では華氏400度(摂氏204度)を超える。 

▼調査にあたった科学者は困惑。火山性のものならば200度程度のはず。航空機を使った熱赤外線イメージングの結果では、ホット・スポットは3エーカー(12000平方メートル)の広がり。最高温度は地下11フィート(約3メートル)の地点で584度(摂氏307度)。 

▼石炭、石油、天然ガスの埋蔵地ではない。火山の火道が近くにあるわけでもなく、また、噴火などの火山活動もない。ガイガーカウンターによる計測でも放射能レベルは正常。 

▼現在検討されているのは、地震を起こす断層が熱源になっているという可能性。

これまでにも、セミナー[76]〜[79]
http://www.ailab7.com/log/eqlog71-80.html
[429]http://www.ailab7.com/log/eqlog421-430.html
[439]http://www.ailab7.com/log/eqlog431-440.html
などでも話題にしましたが、原因不明の山火事というのは、地下から解離ガスあるいは、解離ガスが再結合した高温度の水蒸気などが噴出して、発火させているのではないかと思います。

つい先日も勉強会の打ち上げ会でオーストラリアの山火事の話題がでました(会員用掲示板ANSカフェ)が、日本でも原因不明の山火事がたくさん報告されています。[439]に「オーストラリアの山火事はユーカリの木が風に揺られて擦られて、摩擦熱で発火する、と言われていますが、そうでない原因説の一つになりそうですね。消防庁に教えてあげなくっちゃ・・・ですね。」と書きましたように、消防庁に知り合いが居られましたら、このアメリカの出来事も含めて教えてあげてください。

1019
2005/07/13(Wed) 14:05
パトロス
山本説と石田説からの考察
地震の原因を原子水素の爆発(ブラックライトプロセス)と考えている山本説と、解離ガスの爆発と考えている石田説の比較検討並びに考察を行ってみたいと思います。山本説の日本文による詳細は今月20日発売の「水素プラズマエネルギー革命」をご覧になってください。

・ 山本説では海側プレートが陸側プレートの下に潜り込むときに、水を帯同して引きずり込む、としていますが。石田説ではプレートの潜り込み自体を否定しています。水はマグマ内部に結合状態のものと、解離状態のものが十分に含まれていると考えています。

・ 山本説では原子水素が爆発する理由は減圧効果としています。原子水素の発生で増大した地下空間の圧力増によりクラックが発生すると、圧力が急減し爆発条件(圧力と温度の関係によって決まる)が満たされて、爆発する・・としています。

考察:

「クラックが発生すると、圧力が急減し・・・」という部分の解釈ですが、セミナー [122]、[181]
でも検討したボイラーの爆発に相当する平衡破綻型爆発が押し領域発生の原因であり、その後に続く原子水素の爆発、あるいは解離ガスの爆発という爆縮現象が、引き領域発生の原因になるのかもしれません。
マグマ溜りの平衡破綻型爆発であるExplosionと、原子水素または混合ガスの化学反応による爆縮Implosionが短かい時間差で発生することが、押し引き分布が形成される原因と見ていいのではないでしょうか。

・ 石田説では水の解離プロセスは吸熱反応であるため、周囲は温度低下によってしばらくは着火(爆発)温度に達していないので、解離ガスは爆発しない。しかし周囲から温度が移動して高熱になると着火して爆発(地震)となる・・・としています。解離ガスが発生するのは解離度が上昇するからで、上昇する理由は、マグマの上昇による温度の上昇、マグマの下降または疲労破壊などによる圧力低下(マグマ溜り破壊)などがあるとしています。

・ 山本説では、爆発によりハイドリノと、通常水素と電子が発生するとしています。この電子が移動すれば、強い地電流が流れるであろうことが予想されます。
考察:

爆発と爆縮が短時間で起こるということは、マグマの流れる火道の中、または岩盤のひび割れ内部を流体が相当の高速で移動することになります。これによる電気現象が発生することは積乱雲の中の雷電現象、火山噴火時の雷電現象などから容易に推定することができます。

以上を総合すると、地震現象とは

「解離度の上昇(原因は温度上昇と圧力低下が考えられる)によって解離した解離ガス(酸素と水素は分子状態のものも、原子状態のものも混合していることが考えられる。)は温度低下(吸熱反応)のため直ぐには化合しませんが、圧力が増大(原子状態であれば体積は2倍になり圧力増も激しい)しているので、マグマ溜りの壁を押し潰したり、停留しているマグマを瞬時に移動させたりして、平衡破綻型爆発を起こし、急激な圧力低下を生じさせることになる。この圧力低下と、温度回復(周囲から温度が移流してくる)によって、原子水素単独の、あるいは酸素と水素の混合ガス体としての爆縮現象がおこり、高熱の水蒸気ガスに移行する。」

ということが言えるのではないでしょうか。特に断層が発生するような大地震では、部分的に原子状態の水素の爆発が起こっていて大きなエネルギーの放出になっているのかもしれません。

1020
2005/07/13(Wed) 15:33
パトロス
再度主張・石本理論の再評価を
これまでにも、セミナー[186] http://www.ailab7.com/log/eqlog181-190.html
[783] http://www.ailab7.com/log/eqlog781-790.html
[815] http://www.ailab7.com/log/eqlog811-820.html
などで石本博士の業績(「マグマ貫入理論」「押し円錐理論」など)の見直しを主張してきたことですが、日本の地震研究の概略を安藤先生の解説から抜粋してみます。

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『地震の原因の探求』
 大地震のときに地表に断層が現れることは、濃尾地震以来しばしばみられた現象である。地震断層が地震の原因であるという断層地震説は、はじめ小藤文次郎が濃尾地震の断層調査から主張した(1893)。有名な根尾谷(ねおだに)断層はこのときに生じた。濃尾地震以後、多くの地震には断層がはっきりと生じなかったこともあり、日本では小藤の考えはそれほど評価されなかった。むしろ、大きな揺れのため結果的に地表に破壊が生じたと考えられた。断層が地震の原因であることを明確に示したのはアメリカのリード(H.F.Reid、1859〜1944)で、濃尾地震から20年後であった。

リードは1906年のカリフォルニア地震前後の三角測量結果にもとづいて弾性反発説(elastic rebound hypothesis)を主張した。今日の大多数の地震学者はこの説の延長上で研究を進めている。

(中略) このような風潮に対して、小川琢治は、フンボルトの見解の重要性を指摘して、マグマ成因説をとなえた(1929)。この小川の学説を具体化して論じたのは石本巳四雄(いしもとみしお)で、地殻内間隙へのマグマの急激な貫入による衝撃が地震であるとするマグマ貫入説を提唱した(1932)。断層地震説では、遠方からはたらく外力を想定しているのに対して、石本説は震源域近くにはたらく具体的な力を重視している。

お分かりのように、断層地震説は日本では評価されていませんでした。現場をよく見ていた当時の研究者は「大きな揺れのため結果的に地表に破壊が生じた」と見ていたのです。しかし、アメリカで弾性反発説が誕生すると、「大多数の地震学者はこの説の延長上で研究を進め」ることになってしまったのです。

「断層地震説では、遠方からはたらく外力を想定しているのに対して、石本説は震源域近くにはたらく具体的な力を重視」しているのは、地震の現場をよく知っていたからでしょう。

石本博士のマグマ貫入理論というのは、[1019]で解説すると地震の第一段階である平衡破綻型爆発に該当します。この爆発(Explosion)によって、マグマがひび割れ内部に突き刺さるように貫入していることを、地層の観察などの現場体験でよく知っておられたのだろうと思います。
地震学は今、昭和の初期の石本理論まで戻り、そこから再スタートすべきであると思っています。

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