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15.地震は爆発現象に違いないと判断する理由:海震の説明


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[解説]
 「海震」というのは、船の上で感じる地震のことです。船乗りの証言では、航海中に海図にないような岩礁に衝突したのだろうか、あるいは潜水艦にでも衝突したのだろうかと云うような激しい衝撃をうけるのだそうです。しかし、少し離れた近くを走っている仲間の船には何も感じないと云う不思議なことがあるのだそうです。これは、地震波が屈折率の違いによって震源の真上に集中するので衝撃を強く感じるのです。津波が浅瀬に集中するのと同じ理屈の屈折現象です。

チリー沖の地震津波が、大陸棚と直角方向にしか伝播しないというのとは波動の進行が逆の現象です。チリー沖の陸棚と日本海溝の陸棚が平行になっていることが、地球儀をみるとよくわかりますが、それゆえに太平洋の向こう側の地震津波が日本沿岸を襲うのです。少し脱線しましたが、地震波も衝撃波だから、震源の真上を航行する船にしか衝撃を与えないのです。この「海震」という現象を見ても、地震がズルズルと滑って起こるような現象ではなく、爆発現象であることは間違いないと思います。

なお、地震の主要動であるS波が海中へ抜けることはありません。S波は液体中を伝播することはないからです。したがって漁師は沖合いで漁をしていると大地震に気がつかず、津波にも気がつきません。ところが港に帰ってから悲惨な状況に気付きビックリします。津(湊、港)を襲う波という意味が津波の語源です。

マントルが液体であるとすれば、P波は地球の真裏へしか伝播せず、S波はまったくマントル中を伝播しません。殆どの地震は別の仕組み(地殻の二重構造)で遠方にまで伝播しているのだと思います。(ライブラリー35 ニューオフィス8参照)

(石田)(2006・2・24内容を修正しました。)

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