新・地震学セミナーからの学び
25 大地震の火災は二次災害ではない
大地震が起きると、たいていの場合大火災となってしまいます。震動災害だけという大地震は人口密集地ではこれまで無かったのではないでしょうか。この火災は地震の二次災害であると考えられています。火種さえ消しておけば、大火になることはないのてある、よって自宅の火を消して、次には押し寄せる隣家の炎から自宅を護るのだ、ということを推奨する人もいます。でもこれは大変危険です。一刻も早く、避難したほうがよいのです。大地震で起きる火災の原因を説明します。
図−1 解離層の上昇と解離水の発生、前兆現象発生期

図ー2 低温度領域の減少、解離水着火、地震の発生
では、図に従って説明します。これまでにニューオフィス2124において説明したように、高解離度層が上昇してくると、結合水の一部が解離して、解離水が発生いたします(図ー1)。解離水の高圧力によって、マグマは下がり、マイクロクラックが発生して、地震前兆現象が発生します(ANSはこれを見逃しません)。解離反応で吸熱されるために、周囲の温度は下がり、解離水は直ぐには着火しません。図ー2の段階では、低温度領域が減少して、解離水に着火、押し領域に爆発力が作用します。これが地震の発生です。

図ー3 マグマ溜り潰滅、大クラックの発生、地盤隆起、断層の発生 図ー4 地震後に再度の解離水発生、大クラックを通って上昇、地上で火災発生
図ー3の段階になると、結合反応による圧力減のために、マグマ溜りは潰滅し、空間が少なくなりますが、マグマは再度上昇してきます。押し領域には無数の大きなクラックが発生し、逆断層付近は特に大きな傷跡ができます。地球の皮が破れたと言う感じでしょう。

さて、図ー4が一番恐ろしい状況なのです。再度上昇してきたマグマの熱、あるいは、結合反応によって放出された高熱は、再び、結合水の一部を解離させます。この解離水は、爆発によって発生した、大きなクラックの間隙をぬって、地上に噴出してきます。酸素ガスと水素ガスが混合した解離水は地震前のように、地殻の壁で上昇を阻止することが出来なくなっているのです。通常圧力のもとでは、高温の混合ガスは簡単に着火し、大火災を起こしてしまうのです。神戸の町でも、消防が何度も消したというのに、何度も再出火したということがあったようです。少しくらいの放水量では、高熱ガスが直ぐに乾燥させてしまうのでしょう。この火災はマグマ溜りの解離水が無くなるまで続くのです。

これからわかるように、大地震の際には、火災は避けられないと思ったほうが良いでしょう。自宅を護るという意識が逃げ遅れとなって人命を失うことになるのです。北海道西部沖地震のときにも、地震直後から猛火が襲い、火から逃げるのが精一杯だったという話をテレビの画面から見聞きしたのを思い出します。津波で水浸しになった町なのに、地震発生の翌日に出火したという記録もあります。大地震には火災は避けられません。火災は二次災害ではなくて、地震現象そのものなのです。プレート説を信奉していては、命を護ることも出来ないことを知っておいてください。

二枚の写真は神戸を襲った地震による大火災です。家が潰れるだけなら突風でも竜巻でも起こりますが、竜巻で大火災になることはありません。大地震は揺れるだけではなくて、大地から可燃ガスである解離水を噴出する現象と認識するべきです。

  激しく燃え盛る神戸の町並み
2009年2月15日追加:  http://www.youtube.com/watch?v=U8egXCMDPwg
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