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40.走時線が折れ曲がって、走時曲線になる理由

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[解説]
 地震波が到達するのに要した時間と距離の関係を示すグラフのことを「走時」と呼びます。一定スピードならば直線になるはずですが、観測結果は曲線になってしまうので、「走時曲線」とも呼ばれています。曲線になる理由は橄欖岩でできた高速度地帯を進む先頭の波が玄武岩でできた低速度帯との境界(発見者の名をとって、モホロヴィッチ不連続面、略してモホ面といいます)で一部屈折して浮上するからです。地上の地震計には、低速度帯を通ってくる波よりも早く記録されるからです。屈折しなかった残りのエネルギーはさらに潜水を続け、エネルギーが残っているかぎり、前進をつづけます。力尽きる地点が震源から中心角で計って103度といわれています。ここが、地震波の到達しない「影の領域」と呼ばれる領域の端っこになります。もう一つの端っこは溶融マントル内を通っていく直進波が到達する限界の地点です。これが石田理論の仕様です。
(石田)
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