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34.地下坑内は安全である:地下深くの炭鉱坑内にいた一万人無事生還
 唐山大地震は百年の歴史に新しい一ページを残した。大地震が発生しても、地下の施設はまわりの岩や土と一体になっているので、そう簡単にはつぶれない。
 地震による加速度は深くなるほどかえって小さくなり、地下の構造物は地上の構造物より軽い被害しか受けない。停電と同時に電灯が消え、送風やエレベーターが止まっても、地底の一万人もの労働者と幹部は、七月二十八日の午後には地上に生還した。
 これは奇跡と言えよう。命を落としたのは、職場を守ろうとして壮烈な最期をとげた人、うっかり行き止まりの坑道に迷いこんでしまった人ら合計一七人と、地震直後に行方不明になった数人だけだった。  
「唐山大地震」より

[解説]
地下の坑内は震源に近いから、それだけ被害も大きいのかと思うとそうではないのです。
地上表面は振動論的には、自由端部といって、自由に動くことのできる部分で、大きく動けるのです。しかし地下深いところは、拘束端部といって、自由に動けない部分なのです。だから、地下深くなるほど拘束されて動けないので、安全であるのです。
 家もがっちりと固めて、家具なども動かないように、拘束端部となるようにすれば、被害が少なくなるのです。
 動物が騒ぎ、地中から熱水が出たり、テレビに電磁波異常が現れたりしたら、電磁波メーターで確認して、周囲のものを手当たりしだいに拘束することです。がんじがらめに縛ることです。
 そしてわが身はそこから退避してください。コンクリートで固めたような地下室があれば、地上部屋よりは安全です。床下からは、可燃ガスが噴き出さないように防熱シートをあらかじめ建築時に張っておくと火災を少しは防げるでしょう。類焼するのは諦めるしかありません。
 安全都市を計画するのなら、各家の床下には防熱シートを張ること、コンクリートで固めた地下室を設けること、などを義務付けるくらいの条例が要るでしょう。道路は踏み固められて、ガスは噴出しにくいですが、床下は柔らかく、ガスが噴出しやすいのです。床下から燃えて大火になってしまうのです。
(石田)
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