解説23 三河地震の体験記

蒲郡市の教育委員会が作成されたHPに三河地震(1945,1,13)の体験記があります。「わすれじの記」と題するサイトにある[地震、その瞬間]という記事から抜粋しました。

・急にグラグラと揺れて立っていることができず、四つん這いになってしまった。前方をみると一直線に伸びているべき道が、まるで蛇行を見るようにうねうねと曲りくねっているのではないか・・。
・「ドドーン」という音が三ヶ根山の方向でおこったと思うと、目の前の直線道路が忽ち西の方から、左右にぐらぐら波うち、しかも同時に上下へも揺れながら迫って来た。
・「ドドン」と物凄い大音響ととも床より体がフワリと浮き上がり同時に落ちた。
・ゴォーという地鳴りが丁度列車が遠くから走ってくる時のような感じで近づいて、私はふと何事か?今迄聞いたことのない音に不安を予感した。その途端でした。体が急に宙に浮き、電灯がパッと消える!!ガラガラゴトゴトドスーン、ドドッドーンと猛烈な震動、私の体は空中で2、3回振り回された感じでした。
・「ドーン」と遠い所から地鳴りが起ると、東の海上を水平線から角度20度位の高さを南西から南東に、焔の玉が周囲を赤く染めながらかけぬけ、三ヶ根山の方角の山合いにはポーツと火の手が上るような感じに赤く染まると「ガタガタ」と地面が揺れる。
・家のつぶれるのは、ほんの一瞬で「ドーン。ガタガタ。ドシャン」という言葉で語られるように逃げる暇なぞ全然ないということであった。
・その時パッと外に閃光が走った。丁度写真のフラッシュか、稲光の様な感じであった。
・この発光現象でピカッーとその辺りが明るくなる。地の底から、何万屯もあるような大きな岩石の落ち込むような音響が、ゴトゴトドーン、とてもこんな文字では表現できない無気味な音が聞こえる。
・その瞬間どうですか、何と言ったらいいのか知ら、あたり一面が火の粉というか、まるで地雷火をかぶったようでねどろどろした火の粉が波みたいにおしよせているような感じでした。火事でも何でもないのです。その時の空中現象というのかね。とにかく、身ぶるいがしました。
・全面が火の粉の波みたいだった。
・ゴトゴトドーン、地の底をゆるがせて、この大地が今にも陥没するのではないか、というようなすごい響きを立てると、グラグラと大地が波打つようにゆれる。思わず、つばをぐっと飲みこむ。息をつめる。また余震です。

以上です。「全面が火の粉の波」というのは何らかの電磁波現象なんでしょうが、まだまだ未知の事柄があるようです。また「家のつぶれるのは、ほんの一瞬」であって、「逃げる暇なぞ全然ない」ということなので、大地震の前に避難出来るように、検知システムを構築したいものです。