解説21 プレート説は単なる仮説であって真理ではない

藤田至則先生の著書(28年前の昭和50年に発行された「地質への招待」という書物)には大洋のプレートが海嶺で誕生し、2億年の旅路を終わって海溝で寿命を終えるというストーリーとは矛盾する地質学上の事実があることが次のように述べられている。

・・・この考え方(プレート説・大洋拡大説)によれば、大海嶺の部分は、つねに、生れてくる新しい岩石に占められているはずである。ところが、実際には、この大海嶺の上からは、様ざまの時代の岩石が発見されている。

大西洋の大海嶺からは、三十億年前の岩石が見つかっている。また、同じ大西洋の大海嶺から中生代の白亜紀(約一億年前)の蛇紋岩がみつかっている。また、太平洋の海嶺からも、始新世(約六干万年前)の岩石や、中新世(約二千万年前)の岩石も発見されている。このような岩石の存在について、大洋拡大説を信じている人たちは、古い時代の岩石が、何かの原因でとり残されたものと解釈している。これでは一度ならず、二度、三度と、偶然的なことが生じると、考えなくてはならない。それはもはや偶然とはいえない。大海嶺で大洋底は拡大していないのだといわれても仕方ないことである。

一方、地磁気の強弱の帯状の模様をともなう大海嶺が陸上に上陸しているといわれているアイスランドや、北極海に面するユーラシア大陸の部分などで、地質構造をしらべると、大洋拡大説で考えられているように、大海嶺の軸を中心に、両側へと、次第に古い岩石が配列するという事実のないこともわかってきた。・・・