解説16 地震は爆発現象として説明できる

あるサイトで「地震は爆発現象ではない」と明言された方があります。その方が明言された理由は爆発現象ならばダイナマイトによる発破工事の震動のように、発破地点から遠ざかるような「押し」現象しか現われない(これは事実でしょう)、しかし深発地震も含めて全ての地震では、「押し」現象だけでなく、震源方向に動く「引き」現象も見られ、「断層運動のモデル」と言うもので説明される動き方を示す、よって解離した爆鳴気が爆発して地震となると言う石田理論は間違っていると主張されるわけです。

しかし石田理論でいう「解離ガスの爆発」というのは、「爆縮」とも云われている酸素と水素の結合反応のことです。理科の実験でやる大音響を立てる「爆鳴気の爆発」のことです。この爆発(爆縮)現象は、反応後に体積が縮小するために、爆発方向には「押し」領域が発生し、それ以外の周囲領域は爆破点に引き込まれるような「引き」領域を発生させるのです。結果としては。「断層運動のモデル」と命名されている現象と同じことになるのです。

ゆえに、「断層運動のモデル」という仮説を用いなくとも、石本博士が提案された「押し円錐」理論(この用語は地震学では死語のようになってしまいましたが・・)で考えた方が、爆発と言う地震現象を直感的に把握しやすいと私は思っているのです。「断層運動のモデル」というのは二つの偶力が震源地点になぜか作用するというのですが、そんな無理のある説明をしなくても良いと思っています。二つの偶力を引き起こす原因も説明しきれないのですから・・・。

地震は爆発現象であるというのは、カントもニュートンも認めていた直感的認識ですが、地下深部で解離した解離ガス(解離水、爆鳴気、酸素と水素の混合ガスなど、呼び方はいろいろ)の爆発(爆縮)現象と考えるのが地震の正しい理解には相応しいと思います。