前日に戻る
701
2004/01/16(Fri) 18:54
パトロス
著しく弱くなったプレート?
ニューオフィス18 http://www.ailab7.com/indo.html
 に解説しましたインド大陸がアジア大陸に衝突したとされる定説による見方ですが、この時代のプレートは非プレートとしての動きであると言う解釈があるようです。インド大陸側が何の変化も無いのに、アジア大陸だけがヒマラヤを造ったりチベット高原を造ったりと、剛体のはずのプレートがグニャグニャするのはアジア大陸のリソスフェアが水を含んで柔らかくなっているという見方です。石田理論ではその考え方にも納得できないのですが、紹介します。「顕生代以後の非プレートテクトニクス」と云う横浜国大石川正弘先生の論文からの抜粋です。http://www-jm.eps.s.u-tokyo.ac.jp/2002cd-rom/pdf/j057/j057-005.pdf

「地球史を通じて顕生代(5億8千万年前)以後、大陸衝突テクトニクスの様相が変わった可能性が高い。太古代・原生代は大陸も第一近似的には剛体として振る舞っていたと考えられる(プレートテクトニクスの時代)。7億年以降、マントルヘの水の逆流が開始し、小地塊や島弧が多数集合して形成した大陸域は多数のスラブ沈み込みによって水が大量に供給されリソスフェア強度が著しく弱くなり、プレート的な挙動を取らなくなったと予想される。その結果、地球表層の変動はプレートテクトニクスに加え非剛体テクトニクスが混在しはじめたと予想される(プレート・非プレート混在型テクトニクスの時代)。今後、地球は非剛体的テクトニクスの割合が徐々に増していくと予想される。」

以上が結論の部分です。リソスフェア強度が著しく弱くなったとすればプレート論で騒いでいる地震騒動はどのように解釈すればいいのでしょうか。現状ではプレートとしての性質を持っていないということならば、プレート説に立脚した定説地震論も脱皮し、新しい地震論を見つけなければいけないと思うのですが・・・。

702
2004/01/17(Sat) 16:31
パトロス
マントル液体論の強力な下支え
笠原順三先生の「水は地震発生にどう関わっているのか?」と言う大変興味深い論文を見つけました。東京大学地震研究所で行われた一般向けの公開講座のようで大変分かりやすく書かれています。ただしプレート論がベースとなっておりますので、石田理論とは大きく異なっておりますが、何回かに分けて学んで見たいと思います。

http://wwweprc.eri.u-tokyo.ac.jp/~kasa2/
http://wwweprc.eri.u-tokyo.ac.jp/~kasa2/Openhouse0307

まず2節にある水の性質に関する記述からの学びです。

「最近の研究によれば地球内部にも大量の水が存在しそうです。それでは地球の中でなぜ水の存在が重要なのでしょうか。それは、地球の内部にありそうな岩石(珪酸塩鉱物からなる)の構成鉱物にわずか0.5重量%程度の水を加えるとその融点が200℃も下がってしまう現象があるからです。この現象はSiO2を持つような珪酸塩鉱物に水を加えると

−Si−O−Si− + H−O−H   が

−Si−O−H・H−O−Si−

となることにより説明できます。O−H・H−Oの間は結合力の弱い水素結合と呼ばれるものであり、水素結合は比較的簡単に結合が切れてしまいます。その結果、珪酸塩は小さな分子の集合=柔らかくなり、ついには液体になります。

地殻の下のマントルを作る代表的な鉱物としてかんらん石(橄欖岩)と言う鉱物がありますが、常圧では1800℃を超える様な高温でしか溶けないのにわずか0.5%程度の水を加えると1600℃以下の温度で熔け始めます。このように水が有ることにより、より簡単にマグマができたり、岩石が変形しやすくなります。」

とあります。これは大変に面白い現象だと思います。橄欖岩のような硬い岩石でも、簡単に液体になるということはマントルとは熔融しているマグマのことだと考える石田理論を強力に下支えしてくれる事実だと思います。

定説では橄欖岩で構成されるマントルを全て固体であると考えていますが、橄欖岩はあるところまでは固体として地殻の一部(石田理論では地殻第二層)を構成していますが、その下は熔融マントルになっているのではないでしょうか。固体と液体の境界のことを、プレートが潜り込んでいる境界(デコルマと名付けられています)と錯覚しているように思えます。

また4節には「プレートの境界は決して堅く固着していなくてもよいことがわかります。」とありますが、そうならばプレートの跳ね上げで大地震が起こると云う可能性は薄いように思われます。そして末尾のまとめには「マグマに水が加わっても水や炭酸ガスと同じように超臨界マグマになることがわかってきました。」とあります。固体マントルと考えられてきた部分は気体の性質と流体の性質を兼ね備えたサラサラとした超臨界状態のマグマである可能性が高いことを教えてくれています。

地震波による地球内部構造の探査という大きなテーマが先走りしたために、肝心のコンピューター解析の手法であるインバージョン法の大前提(地球内部が固体であること)の吟味を忘れたのではないでしょうか。前提が違えば、コンピューター解析の内容はまったく間違っていることになります。これはニューオフィス11マントルトモグラフィーに隠れた重大問題http://www.ailab7.com/tomogura.html

 に提起してある課題であります。

703
2004/01/18(Sun) 01:18
パトロス
地震空白域は安定領域である
ニューオフィス35に「地震空白域ができる理由」を追加しました。
http://www.ailab7.com/kasahara.html

笠原論文を紹介するのに、図面がどうしても必要になりますので、ニューオフィスに石田理論による解釈図も一緒にして掲載いたしました。学んでいくうちに、プレート論を信奉する限りはアスペリティという考えが出てくる必然性みたいなものがあるのを感じました。地震の空白域ができるのは、プレート間に潤滑油的な熔融マグマが発生してすべりを起こすので地震発生にならないが、地震多発域というのはプレート間がしっかりと固着していて、砂を噛んだ滑り面みたいにしょっちゅうゴリゴリと摩擦が起こると言う発想なのでしょう。そのゴリゴリとする場所が固着域アスペリティという概念なのであろうと納得しました。しかしそれは違っていることもあらためて納得しました。

地震空白域というのは、マグマの流れが少ない場所で、解離ガスの発生する機会が少ない安定した場所である可能性が高いのです。詳しい解説はニューオフィスをご覧ください。

704
2004/01/19(Mon) 18:31
パトロス
マスコミ報道には困惑する
マスコミ報道を聞いていると混乱してくるのは自然だと思います。いい加減なところで納得するんじゃなくて、本当に分かろうとするとマスコミ報道では混乱して当然だと思います。会員専用掲示板から少し手直しをして、転載します。

Q1:
NHKの番組で、太平洋の海底に東西を走る溝を「南海トラフ」というと解説していましたが、これは正しいのでしょうか。

A:ラフという単語は辞書にあるとおり「海底の細長い谷」ということですから、そのような形状の場所をトラフと呼ぶのは構わないでしょうが、その奥にある専門用語としての解釈には疑問が生じます。

Q2:
この南海トラフの説明で、陸のプレートの下に、南からフィリピン海プレートが沈み込んできて、その歪みが限界になると地震がくる、というのは正しいのですか。

A:
南海トラフはそのようなものではないと思います。フィリピンプレートの存在自体に疑念があります。そもそもどこで生まれてくるのかプレートの誕生場所が見つからないのです。ひずみの限界説も岩盤の物理的性質から考えて変です。

Q3:
新聞では、このような地震を海溝型地震と呼び、規模はM7〜8と大きいのが特徴と書かれてありました。でも、阪神大震災はM7.3と大きな規模でしたので、海溝型なのかと思ったら、内陸の断層がずれる直下型地震というものらしいのです。海洋型でなくてもM7〜8は起こるのですね。

A:
そうです。どこで起ころうとも、爆発の規模が大きかったら(内陸で起こった唐山地震のように)大地震になるのです。海溝型だけが大地震になると云うものではありません。大地震を起こすエネルギーは大量の水(海域なら海水)と大量のマグマの熱によって起こる化学反応のエネルギーです。

Q4:
地震の形式はプレートが沈み込んでの地震と、断層がずれての地震と二種類あるということになっています。でも、石田理論では、プレート自体が存在しないそうですし、断層は地震の傷跡だと書かれてあります。結局、地震の発生原因は、プレートでも、断層でもないということになりますね?

A:
そうです。地震の発生は解離ガスの爆発にあり、プレート間の摩擦でも断層の動きでもありません。地震の分類は人によって違っています。地震のタイプとして、セミナー[702]に紹介した笠原論文でも

a)プレート境界の地震
b)内陸の地震 
c)プレート内部の地震
d)深発地震
e)火山活動に関して起きる地震
という分類がしてありました。b)とd)は大陸プレートと海洋プレートの違いがありますが、共にc)に入ると思います。いずれにしても、地震の起こる場所が違っているだけで、地震の起こる原因は同じ爆発であると言うのが石田理論です。

Q5:
津波の場合は、プレート境界面が斜めになっているために、津波が起こりやすいということらしいのですが、阪神大震災のときは、震源は淡路でした。海に囲まれているのに、なぜ津波が起こらなかったのか・・と疑問を抱いて調べたら、理由は内陸の断層がずれたから・・ということなので、納得できないのです。

A:
そうですよねえ、素朴な疑問への答えにはなりませんね。<br>津波が起こらなかったのは、海溝型とか内陸型とかには関係なく、爆発による傷としての地盤の隆起・陥没という地盤変動が海底面に現れなかったと云うことです。

Q6:
断層と活断層とは違うのでしょうか?字の意味からすると、活断層は活発に動いている?ということなのでしょうか。

A:
断層とは大きな地震によって地表にできた傷跡です。活発に動いている断層というものは考えられませんので、石田理論には活断層と言う概念はありません。

Q7:
今日(1・18)のNHK番組で「長周期地震動」についてやっていました。南海地震を想定しての実験で、約3分ほど大きく揺れて、阪神大震災のときの4倍近いエネルギーが加わるということでした。阪神大震災のときは、地震発生後すぐに建物が揺れましたが、これは1分ぐらいしてから揺れ出すそうです。「長周期地震動」によって生じる想定外の大きく長い揺れ、それが高層ビルに何を引き起こすのか、現段階では未知の領域だと言っていましたが、現在ある高層ビルは大丈夫なのでしょうか。

A:
その番組を見ていませんでしたので、確かなことは分かりません。一般論として言えば、地震動の波形(ランダム波となりますが)にはいろんな周波数の成分が含まれています。解析すれば(スペクトル解析といいますが)わずかであっても長周期成分が含まれています。一方建築物にはその構造に応じた固有周期と云うものがあります。その固有周期は高層ビルになるほど長い周期になります。地震動に含まれる長い周期の成分とビルの固有振動周期が一致すると、共鳴作用と云うものが生じて、ますます大きく揺れるようになります。阪神大震災では爆発的衝撃であっという間にビルが倒壊してしまいましたが、最初の衝撃に耐え残った高いビルがあったら、きっとしばらくしてから(共鳴現象に要する時間を経過した後ですが)長い周期の揺れかたが現れたことだと思います。
現在あるビルで絶対大丈夫だと言うものは存在しないでしょう。大地震では瓜生島に代表されるように土地が陥没する現象が起こっていますが、そのような場合にはどんな対策を練っても倒壊は避けられません。事前に検知して避難するしかないでしょうね。

Q8:
新聞では、南海地震は海溝型地震だから被害が甚大ということになっています。でも内陸型の阪神大震災でもあれだけ大きな被害が出たことを考えると、石田理論でいう地震に区別がないということのほうに説得力がありそうで、・・・マスコミ報道には困惑いたします。

A:
繰り返しますが、どこで起こるかに関係なく、地震の規模は解離したガス量(供給される水の量とも言えますが)とマグマの熱量で決まります。内陸部でも大量の地下水が解離すれば大地震の可能性はあります。でもそのような大地震のときには、コンパス程度の観測網で十分検知できると思います。それもかなり前から異常が現れますので、事前に避難する時間は十分に取れると考えています。いたずらに動揺しないためにもANS観測網を広げたいと思っています。

705
2004/01/21(Wed) 11:38
パトロス
石本博士の嘆きを想定する
会員専用掲示板にある書き込みから質問者の同意を得て、一部手直ししたものを転載します。

Q1:周期性があると言っているのに、東海地震が周期的に起こっていないから、「いつ来てもおかしくない」という言葉になって、24時間体制で観測しているというわけですね。

A:観測だけなら良いのですが、避難訓練までさせられるのだから大変ですよね。マヤの酋長のように的確な判断をしてくれたらいいのですがね。

Q2:そして、来るはずの地震が来ないから、蓄積されていて大規模になるということになってくるのですね。

A:セミナー[148]にあるように、貴女は盲腸が残っている、だからいつ盲腸炎になってもおかしくない、毎月検査に来なさい、と言われ続けて何十年・・・というようなものでしょうね。

Q3:解離ガスの蓄積状態というのは、何かの器械で観測できるようなことはないのでしょうか?

A:セミナー[404][443][493](セミナー倉庫 水素ガス検知で検索すると便利です)にありますが、水素ガス検知器ができれば可能です。

Q4:○○断層があるから危険だというようなことは、あり得ないということでいいのですね。

A:断層は傷跡ですから地盤的に弱く、近くで地震が起これば建物被害が出ることはあり得ますが、断層そのものが動いて危険ということはありません。

地震がなぜ起こるのかを理解したいと言う方は多いと思います。もちろん、ネットで調べれば、すぐにヒットしますし、テレビでも、特集のたびにプレートが・・・断層が・・・と説明をしています。これに矛盾を感じなければ何の疑問も起こりませんが、良く考えれば矛盾はたくさん出てくるはずです。それなのに、「矛盾を感じないという方が多すぎて・・・、それも学者のなかにねえ・・・困ったものだよ・・・・。」

と言うのが天国の石本巳四雄博士の嘆きではないかと想定いたします。

706
2004/01/24(Sat) 13:17
パトロス
プレートテクトニクスへの抵抗
大学での専攻は地質学岩石学で、卒論は北海道常呂帯、修論は同じく日高帯の中生代海底玄武岩(いわゆる緑色岩、オフィオライト)の地質や変成作用の研究でしたとおっしゃる高校の地学の先生が書いておられるHPにプレートテクトニクスが教科書に採用されるに至った経緯がわかりやすくまとめてありました。
http://georoom.hp.infoseek.co.jp/3litho/24platehistorical.htm
解説・紹介するのにはそれ以前のモデルである地向斜モデル造山理論についての図面が必要ですのでニューオフィス36

に掲載しましたが、同じ頁にあるプレートテクトニクスへの抵抗と言う面白い解説を紹介します。

「プレートテクトニクスへの抵抗・・・「地層や岩石についての地質調査データを地道に積み上げていけば、造山運動論のような大きな体系が自ずとでき上がる」・・・わけでは決してありません。個々のデータを解釈するには、強力なモデルの助けが必要です。地向斜モデルは、その場で下から上へと堆積した地層が、その場で浸食されたり、変成・変形したりすることを前提としているので、地質学者にとっては無理がない使いやすい枠組みでした。また、地質学者自身が建設した体系として愛着もあったでしょう。これに対し、プレートテクトニクスは地球物理学者が提案したモデルです。地質学者の中には「今まで地向斜論でそれなりにやってきたのだから、わざわざプレート論に乗り換える必要はない」「俺たちは山を歩いて丹念に地質を観察した。プレート論のような大ざっぱなホラ話は許せない」・・・と言ったアンチプレート気分の強い人も大勢いました。私自身、学生時代に自分の行っているローカルな地質調査が、プレートテクトニクスという大きな体系に対して否定も肯定もできない、ただプレート説にしたがって解釈するだけ、という状態に困惑しました。視野の狭かった私の不足なのですが、若かった私はそんな「地質学」自体を恨みました(笑)。逆にプレートを恨んだ人もいたでしょう。科学は、ある意味で解釈(説明の体系)ですから、伝統的な地質データだけなら、地向斜造山論で解釈することは、現代においてさえ可能かも知れません。現場の技術者や教員の中では、今でもアンチプレート派の方に出会うことがあり、興味深いものがあります。」

以上ですが、石田理論はプレートモデルを捨てて地向斜モデルに戻れと言っているわけではありません。地向斜モデルにも固体の岩盤に浮力と言う流体の概念を使用したり、花崗岩が突然貫入すると言う不合理な点が在ります。2点だけ挙げれば、浮上による造山現象ではなく、解離ガスの爆発による造山現象です。また花崗岩が貫入するのも不合理で、花崗岩ははマグマが長時間掛けて冷却したものだと思います。

解説した先生は「科学は、ある意味で解釈(説明の体系)ですから」と述べておられますが、私もそう思います。石田理論は納得しやすい合理的なまったく新しい解釈を提示するものです。

707
2004/01/24(Sat) 13:19
パトロス
変成岩の形成について
[706]でもニューオフィス36でも紹介させていただいた、高校の地学の先生のHPに変成岩のわかり易い解説がありました。
http://georoom.hp.infoseek.co.jp/3litho/24metamorphism.htm

変成岩とは
 「一度できた岩石が、地下で別の温度・圧力のもとにおかれ、再結晶した岩石を変成岩と呼びます。元になる岩石は堆積岩でも火成岩でもかまいません。変成岩が、別の新しい変成岩になることもあります。ここで再結晶というのは、元になる鉱物に化学反応が起きて、新しい別の鉱物(変成鉱物)が生じることで、固体のままの化学反応です。変成岩ができることを変成作用と呼びます。

 火成岩や堆積岩が中学理科から登場し、高校地学にも頻繁に出てくるのに対し、変成岩はあまり登場しません。教科書では造山運動とセットで扱われていますが、教員は敬遠しがちで、私自身授業では割愛しています。変成岩は見た目が地味で観察が難しい、分類の基準が複数あって分かりづらい、などがその理由でしょうか。しかし、地球の研究のためには実は大変重要な岩石で、プロの岩石学者の半分(?)は変成岩を研究しているほどです。と言うのも、変成岩はしばしば造山帯や古い大陸地殻に大規模に出現し、変成帯と呼ばれる地帯をつくります。変成帯はかつて地下深くにあったところが地表に露出している場所ですから、地球内部を直接観察できる貴重な場所です。深成岩やマントルの断片(カンラン岩)の研究も重要ですが、地下深部に関して広範な情報を提供してくれるのが、まずは変成岩なのです。」

以上ですが、「教科書では造山運動とセットで扱われていますが、教員は敬遠しがちで、私自身授業では割愛しています。」とありますのは、本音でいうとプレート論では説明し難いと言うことなのではないでしょうか。「一度できた岩石が、地下で別の温度・圧力のもとにおかれ、再結晶した岩石を変成岩と呼びます」とか、「変成帯はかつて地下深くにあったところが地表に露出している場所」とかを水平移動で解釈するプレート論では学生たちを納得させる説明ができないので敬遠されるのではないでしょうか。地盤の上下運動で解釈する地向斜論のほうが、変成岩の形成を説明しやすいことが、地質関係者に今もアンチプレート派がいる理由でしょう。しかし現実的パワーを持っているプレート派の影響下で教科書ができているので、仕方なく授業と研究は別物と考えて、変成岩を研究しておられるのでしょう。

解離ガス爆発地震説、爆発による地盤の上下運動など一連の石田理論を導入すれば、変成岩の形成についても簡単に学生を納得させられるはずです。それには教科書を書き変えねばなりませんが・・・。

708
2004/01/24(Sat) 18:51
パトロス
マントルとマグマの実像
http://georoom.hp.infoseek.co.jp/3litho/12magma.htm
では、マントルをドロドロに溶けていると考える人がいるが、それは間違っていると明確に否定されています。ニューオフィス34の内容とも重複しますが、ニューオフィス37としてマグマの実像 http://www.ailab7.com/magma.html

を掲載しました。地球の実像が誤解され、地震の実態が把握できない根本原因がこのマントル固体論にあると思いますので、繰り返し提示させていただきました。

709
2004/01/25(Sun) 11:01
ノリマン
星野理論との整合性
石田理論を大学教養課程の知識で論破できると述べた方のHPに、星野先生の「膨らむ地球」の紹介に続いて「科学革命問とは何か」を書いた都城氏の言葉が載っていました。「地球膨張説の立場に移り、そこからプレートテクトニクスへの攻撃を続けて、体面を保とうとしたのである。」と言うのは星野先生を指しているように思えますが、星野理論と石田理論とは整合性はないのですよね。
http://d.hatena.ne.jp/goito-mineral/200311
「一九八〇年代になって地球膨張説を新しく支持するようになった地質学者が、かなりたくさんいる。たとえば日本では、牛来正夫氏がそうである。そのような人たちの多くは、一九七〇年代には地向斜造山説の立場からプレートテクトニクスを攻撃していた。しかし一九八〇年代になるとプレートテクトニクスが強力に確立したので一歩後退して、中央海嶺上での海洋底拡大だけは認めるが、海溝の線での沈み込みのほうは認めないという地球膨張説の立場に移り、そこからプレートテクトニクスへの攻撃を続けて、体面を保とうとしたのである。」 『科学革命とは何か』(都城秋穂・岩波書店 1998)
710
2004/01/25(Sun) 14:55
パトロス
Re: 星野理論との整合性
ノリマン様 このHPではプレート論を否定するために星野先生の言葉をしばしば拝借してきました。しかし星野理論と整合するのは非プレート論という一点だけで、それ以外の整合性はまったくありません。星野先生は「地球の半径」というご著書でp.66に次のように記しておられます。
「私はささやかな地球膨張論者である。上部マントルが部分的に溶けると、溶けた物質は親の岩石より密度の小さな玄武岩マグマになって膨張し、岩石圏の割れ目を通って、地表や海底に溢れたり、表層の岩石層の下にもぐりこむ。溶ける前の母岩に比べて、それから生まれる玄武岩質マグマの体積は、15%も大きい、という見積もりがある。玄武岩マグマが冷えて固まっても、もとの母岩の体積にもどることはない。これが地球膨張の仕組みである。」

これは「膨らむ地球」の前書きに
「私が考えていることは、現在の地球科学界の流行学説(プレート説)とは、大きくちがっている。私は、地球上の地質現象を、おもに地球物理学的観測結果をもとにして解釈するこの流行説に賛成できない。地質現象の解釈は、地球を構成する岩石が語ることばを、根拠にすべきであると私は思っている。」

とあるように、海洋地質学者としてマグマや玄武岩をなどの「地球を構成する岩石」が語ることばを見聞きしてこられた先生の信念なのだろうと思います。

また、大陸の沈降に関してもp.94で

「私も、昔の陸地が深海底に沈んでいることに賛成する。しかし、それは岩石の質が変わったためではない。大洋底が上げ底になって、海面が上昇したために、大陸のふちや、海原に浮かんでいた島が沈んだまでのことである。・・・・(中略)昔の陸地の沈水は、海面上昇の結果であり、海面上昇は地球の膨張――深海底の上げ底作用――の結果である、と言うのが私の結論である。」

と述べておられます。しかし、地球内部からマグマが出てきて発砲スチロールのように膨張して海底を上げ底にするとか、地球も海面も膨張して、昔の都市は水没した・・という理論には納得がいきません。

石田理論が星野理論と同様な立場でプレート論に反対しているように見られているのなら、それは間違いですので、はっきりと整合性のないことを述べておきたいと思います。
因みに最近のテレビ報道では台湾近海でも海底に都市構造のようなものがあると話題になっていました。これは、古代の文明が大地震、しかも爆発方向が水平(押し領域が水平、引き領域が垂直になる)の巨大地震によって沈没した、というのが石田理論の見解です。

前ページへ戻る  次へ進む
索引へ戻る