前日に戻る |
1651 Date: 2011-04-25 (Mon) 地盤沈下は引き領域に該当することが原因である 4月24日の産経新聞に、東北沿岸域で地盤の沈下が起き、海水が引かない状態になっていること、そして地盤沈下が起きた原因に関して解説がありました。プレート論と固着域という概念から説明していますが、とても納得できるものではありません。 だいいち固着域があることと、摩擦熱によってマグマが発生するという説明とは矛盾するはずです。固着域などがあって、どうして岩石を融解させるほどの熱を出す激しい摩擦が起こりえるのでしょうか。また、岩石固着域の周囲はズルズル滑るという着想自体に問題を含んでいます。両者の境界にはどんどん亀裂が出来てしまうはずです。 また、固着域のピンが外れて海側に移動し、そこに跡地ができて、地盤が落下する・・・という着想もおよそ科学的な視点とは言えないと思います。これではまるでプレートとは「こんにゃく板」のようなものであると言っているようなもので、「思いつき地震学」と言われてしまうのではないでしょうか。 この「こんにゃく板」のような挙動をする剛体プレートという考え方は、スマトラ沖地震での地盤沈下にも適用されていました(ニューオフィス46)。マスコミで何度も繰り返される解説ですので、地震爆発論の立場からも何度も発信しないといけないと考え、繰り返しになりますが解説しておきます。 |
1652 Date: 2011-04-26 (Tue) ロバート・ゲラー教授への誤解 ロバート・ゲラー教授がNATUREに投稿された文章が教授自身の翻訳で紹介されていました。 私は教授の主張を少し誤解していたようです。下記に抜粋して紹介しますが、下線を施した部分を「現状の知識では・・・地震予知が不可能であることを率直に国民に伝え・・・」と補足すれば、教授の主張は充分に同意できるものであります。誤解に基づく厳しい批判をしたかもしれないことをお詫びします。先ずは教授の論考の抜粋を紹介します。 日本の地震学、改革の時 Robert Geller 図1:リアリティチェック 毎年日本政府は、確率論的地震動予測地図を公表している。しかしながら、1979年以降、 確率論的な地震動予測地図といえば信頼性が高いようにみえるかもしれないが、予測に用いられた手法が検証されるまでは、単なるモデルにすぎない。この地図で最も危険だと評価されているのが、東海、東南海、南海という3つの地域の「シナリオ地震」である。しかし現実には、1979年以降、10人以上の死者を出した地震は、この確率論的地震動予測地図において、比較的リスクが低いとされてきた場所で発生している。この矛盾からだけでも、確率論的地震動予測地図およびその作成に用いられた方法論に欠陥があること、したがって破棄すべきであることが強く示唆される。またこれは、昨今の一連の固有地震モデル(およびその類型である地震空白モデル)に対しても否定的な結果を示しており、確率論的地震動予測地図を作る際に仮定した物理モデルが、本来の地震発生の物理的過程と根本的に異なる誤ったものであることを示唆している。 正直な議論の必要性 今こそ、地震予知が不可能であることを率直に国民に伝え、東海地震予知体制を廃止して、大震法を撤廃する時である。日本全土が地震の危険にさらされているのであって、現在の地震学では、特定の地域のリスクレベルを的確に評価することはできない。その代わりに、研究者は国民と政府に「想定外に備える」ことを勧告しなければならない。そして、研究者は知っていることと知らないことの両方を正確に客観的に知らせなければならない。地震学の将来の基礎研究は、物理学に根ざし、厳密に精査され、顔の見えない官僚によってではなく、日本の一流の科学者によって導かれなければならない。 |
1653 Date: 2011-04-27 (Wed) 「引き円錐」になる特殊なケース フンボルトを祖とする石本博士らの「押し円錐理論」が廃れてしまった一つの理由に、押し円錐では説明できない例外が見つかったということがあります、浜野一彦著「地震の話」から紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 地震の原因 古いところでは紀元前三八四〜三二二年のアリストテレスの地、水、火、風の結合があるが、近代地震学としては東大教授小藤文次郎の“断層地震説”が最初である。明治二十四年の濃尾大地震の根尾谷断層がこの原因説を実証することになり、世界的にも高く評価された。 その後は必ずしも大地震に際して断層が発見されるとは限らず、とくに大正十二年の関東大地震を契機としてジウスに始まった“断層地震説”は批判され、フンボルトの“岩しょう地震説”が注目されることになった。 初代地震研究所長の石本巳四雄は“岩しょう流動説”を提唱した。石本の説は地震波の性質と岩しょうの貫入との関係を無理なく説明した。正にすべての地震は岩しょう流動説によって説明されるかに見えたが、これものちに例外の存在が判明した。 その後、昭和十五年石本已四雄がこの世を去って以来、地震原因論の混沌時代が続いた。 昭和二十年太平洋戦争が終って地震学が近代化され、ウェゲナーの大陸漂移説の見直しとともに、プレートテクトニクスが地震学の主流を占め、“断層地震論”が再び脚光を浴びることになった。 最近、電波研究所の観測でハワイ諸島と日本列島とが一年四センチの速さで近づきつつある、という発表とか、日本海溝の最深部で地震が起こっていないという観測結果の発表があったりして、プレートテクトニクスの矛盾がそろそろ出てきたと思うが、それはそれ、辻褄合せがされているようである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 例外的ケースを明確に説明し得なかったことが「押し円錐理論」が消えていった理由のようですが、誠に残念なことだと思います。押し円錐の内部と外部が逆転し、内部が引き領域に、外部が押し領域になる理由、つまり「引き円錐」になることもある理由が説明できれば、「押し円錐理論」の有効性は確保されたはずで、残念なことです。 ではここで、この例外的な「引き円錐」のケースを説明します。図に示すように、「引き円錐」になるのは、マグマ溜りが平たいレンズ状、又は海の人手状になっている場合です。 このとき、解離ガスの爆発はレンズの端方向に向かって360度方向に発生し、レンズの面と垂直方向に引き領域が形成されます。したがって、円錐の内部が引き領域になります。マグマ溜りは通常は“きゅうり”か“サツマイモ”的な形状ですが、特殊なケースでは“レンズ”とか“ひとで”のような形状にもなるはずです。そうした場所で解離ガスが貯留され、爆発が起きているのが、「引き円錐」となる理由です。「押し円錐」はレギュラータイプ、「引き円錐」はイレギュラータイプと考えれば、「押し円錐理論」の基本的な有効性は失われないことになります。 追記: [3142]に爆発理論の修正(シンプル化)が載っています。 |
1654 Date: 2011-04-29 (Fri) 東北地震による海底変動 独立行政法人海洋研究開発機構による「東北地方太平洋沖地震に伴う震源域近傍における海底変動」が速報として発表されました。 http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20110428/ それによると、図に示すように[1643]で解説した最初の地震爆発@の震源と海溝軸の間で海底地盤が大きく隆起していることが分かります。オレンジ色は20〜30mの隆起ですから、やはり、@の東南東で起きたと推定されるAの爆発のほうが激しく地盤を隆起させたものと思われます。星印の震源でも隆起しているのは、@の爆発によるものであり、東北の沿岸一帯が沈下しているのは、@、Aともに引き領域になったからであると推定できます。 図中には海溝軸のすぐ西側で地滑りが発生したという記入がありますが、これは2008年の岩手・宮城内陸地震で発生した荒砥沢ダム北部大陥没の状況とよく似ています。荒砥沢ダムの崩落は震源付近で観測された4000ガルという大きな加速度によって、発生したものですが、今回も海底において巨大爆発が起こり、それによる大きな加速度によって崩落したものと思われます。この計測結果からも、Aの爆発のほうが、規模が大きかったのではないかと推測されます。 どこかでこのような反射法地震探査記録に、プレートが潜り込む面の影響が現れ、プレート論の証明であるかのような説明(注)があった記憶があります。プレート論が正しいのならば、何らかの影響が出るのではないでしょうか。現れない理由をどなたか御教示ください。 注:地震学会の機関紙「なゐふる第51号(2005年9月発行)」に載っていました。 三浦半島南端から東京湾を経て浦安にいたる反射法地震探査断面。東京真下に沈み込んでいるフィリピン海プレート上面が、北に向かって傾き下がる反射層(赤矢印)として深さ26km程度まで明瞭に見えています。黒い矢印の部分は、反射が明瞭な部分です。 |
1655 Date: 2011-05-02 (Mon) 平衡破綻型爆発の威力 [1562]で、Water Heaterの爆発を取り上げました。Discoveryのサイトから拝借して作った動画の中で、この爆発を解離ガスの爆発として紹介し、 「安全装置を取り外して「ロケット遊び」をしている動画では水暖房機の上部が内向きに凹んでいるのが分かります。爆縮によって凹んでいるのではないかと思われます。」 と書きましたが、誤解があったので訂正します。これは安全装置を取り外して、解離ガスを発生をさせているもので、332PSI(24.6気圧)という高圧力になってタンクが爆発したもの、つまり、解離爆発ではなくてボイラーが爆発するときの「平衡破綻型爆発」です。よく見ると水暖房機の上部も内向きでなく、外向きに凹んでいます。したがって、地震現象の「押し領域」に相当するExplosionの威力を示しています。自然現象では、容器破綻のきっかけ、つまり地震発生のトリガーになるのが、解離ガスの着火であり、着火爆縮(Implosion)によってマグマ溜りが変形して、平衡破綻型爆発が起きているのが自然現象としての地震であります。動画の後半を少し訂正して作ってみました。 このような小さな規模の容器爆発でもこれほどの威力がありますから、マグマ溜りという大きな容器内で起きる自然現象としての地震現象では、「押し」と「引き」の境界に断層という傷痕が出来るわけです。容器が小さければ断層は発生しませんし、容器が大きいほど、つまり、解離ガスの貯留量が大きいほど巨大な地震となり、津波を発生させる程の地盤の食い違いを起こします。今回の東北地震では最初の爆発以外に周辺の数箇所でも爆発がほぼ同時(数分内)に起きていることがM9.0という巨大地震につながったようです。巨大津波を発生させたのも、複数個所で津波を発生させるような地盤変動が起きたと推定されます。複数地震の発生は地震波形からも推定できることであります。 |
1656 Date: 2011-05-03 (Tue) 押し円錐の科学的な解釈(2) [1650]で紹介した熱心な質問者から再度以下のような質問がありました。 「何度も失礼します。私はようやく先生の押し円錐理論の重要性が分かって来たような気がしています。そこでもう少し深くお尋ねしたいのですが、私の想像ではimplosionとexplosionはまったく同時に起こるのではなく、最初にimplosionが起こり、その後explosionが引き続いて起こるのではないかと思います。そのときどういうことが起こるかというと、最初のimlosionによって圧縮された空間が、次のexplosionによって逆に発散するわけですが、その際の空間の圧縮と発散がまったく同じエネルギー量によるために、その正確な相対比率によって押しと引きの4象限に分かれるのではないかという気がします。この想像が間違っていないかどうか、先生のご教示を賜りたいと思います。」 以上の内容です。確かに、解離ガスが発生し貯留され、貯留空間が高圧化された状態で、着火温度に達したときが地震の開始ですから、解離ガスのimplosonが最初に起こります。しかし、implosionがトリガーとなって、高圧空間の中が平衡破綻するために、implosionが終了する前にexplosionが発生するのではないかと思います。したがって、表現の問題かとは思いますが、順番はimplosionからexplosionとなるでしょう。しかし、平衡破綻を生じさせるトリガーがimplosionであるというだけで、二つの反応はほぼ同時ではないのかと考えております。押し円錐の頂角が90度になる(4象限に分かれる)件に関しては、たしかに解離反応で増加する気体量(超臨界状態下)の増加と、結合反応で減少する気体量が同等であるからであろうと思われます。 この現象が地表の近くで起きる時が火山の爆発・噴火現象ですが、このときは超臨界状態の気体が大気に接して水蒸気に変化するので、より大きな気体体積になります。これがいわゆる水蒸気爆発であります。地殻内部では、超臨界状態下での反応ですから、モル数の増減によって支配される化学反応であろうと考えています。 なお、この質問にあるように最近では地震爆発論の認知度が上がり、サポーターが増えてきたようで、以前に2chで見られたような誹謗中傷の言葉は少なくなりました。中には「どう考えても石田理論が正しいのに・・・」という主張まで現れるようになりました。下記に紹介しておきます。 |
1657 Date: 2011-05-05 (Thu) CMT解への疑問 再度以下のようなメールをいただきました。 「丁寧な解説ありがとうございます。ところで調べてみますと、地震の象限型分布は定説の断層破壊で説明できているとされているようですが、私にはどうしても納得ができません。断層の破壊によって押し引きのパターンが4象限に分布したり、あるいは双曲線型になったりするというのは、どうしても視覚イメージで無理があるように感じます。その点、先生の押し円錐の理論は視覚イメージでほぼ納得できるものがあります。今度は定説での押し引き分布の説明に無理があることを分かりやすく解説していただけませんでしょうか?事実、今回の震源域でも国土地理院の調査によると、震源を中心とした大きな双曲線のような地殻の移動が認められていますが、それを数百キロの断層破壊で説明するのはどうしても無理があるように思われるのですが。」 以上がその内容です。地震時に現れる初動の押し引き分布は、4象限型、楕円型、双曲線型の3種類に分類されますが、断層破壊にその原因を求めることは確かに視覚イメージ的に無理があります。3種類を説明するために生まれたのが「押し円錐理論」でありますが、詳細はニューオフィス48に解説してあります。 さて、メール文にあります東北地震の海底変動に“双曲線のような移動”というデータが見つかりませんので、要望に応えられないかもしれませんが、象限型(ニューオフィス48の図ー1にあるB図)で全てが表示可能であるとされている定説についての疑問を述べてみます。 黄色でマークした震源付近の、長岡、川西が「押し」、広神、湯之谷、塩沢が「引き」となっています。この押し引き分布は“押し円錐”では説明できない“引き円錐”になっています。震源付近に凸レンズ型のマグマ溜りがあって、その中で解離ガスが貯留され、地震という爆発が起きたものと推定されます。しかも、“引き円錐”の軸は震源で折れ曲がり、左右対称にはなっていないケースのようです。また、円錐の頂角も東南方向の円錐は狭く(90度以下)、北東方向のものは広い(90度以上)ようです。マグマ溜りの形状で円錐の形状は様々なケースに分かれることがあり得ます。 たしかに、象限型で表示できているように見えますが、表示が出来たとしても、この表現形式でどのような地震現象解明の手掛かりがあるのか理解できません。押し円錐、引き円錐の区別も出来ません。図中に「北西に58度傾斜した面」と「南東に32度傾斜した面」とありますが、解説によればどちらかが断層面に相当するはずであるが、どちらになるのかは決定はできないということだそうです。 このように、“押し円錐”または“引き円錐”でならば、地殻内部で起きている現象を物理的に解釈することができますが、CMT解なるものではなぜ初動の押し引き分布が3通りに分かれるのかの説明もできませんし、断層が動くことが地震であるという説明にも説得性がありません。 これらは震源が浅く、“押し円錐”の軸が水平の場合の起きるケースです。 最後になりますが、CMT解に関して気象庁のサイトには、 制度が良い・・・ということは、断層地震説で説明するのに都合の良い・・ということであり、都合のいいデータのみ掲載する・・ということではないのでしょうか。気象庁のこの姿勢は研究者の姿勢としては大きな問題を含んでいると思います。 |
1658 Date: 2011-05-06 (Fri) M9地震の真相は複数爆発である 東京大学地震研究所の広報アウトリーチ室が開示しているサイトに、東北地震の地震波形を沿岸に沿って表示してあるものがありました。[1643]でも紹介したM9.0地震が複数の爆発で構成されていることを示す興味深い解説がありましたので紹介しておきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 地震動分布から直接見る震源断層の破壊過程 防災科学研究所K-NET、KiK-net強震計(加速度)記録を太平洋岸に沿って南北に並べることにより、本地震の約500 kmにわたる断層破壊過程を直接かつ詳細に知ることができる。 最初の大きな断層破壊は宮城県沖で起き、強い地震波が東北日本全体に放射された(図中の紫色の線)。その数十秒後に宮城県沖で大きな断層破壊が再び起きて強い地震波が放出された(水色)。地震波の到着時刻は、破壊開始点からの距離とともに遅くなるが、距離による時間差は二つ目の断層破壊(水色)では小さい。このことは、二つ目の断層破壊が、陸から遠く離れた沖合で起きたことを示している。 それから間髪をいれずに、三つ目の断層破壊が茨城県北部の、陸に近い沖合で(赤色)起き、茨城県〜栃木県に強い揺れが放射された。 なお、変位波形記録では、三つ目の地震は放射が加速度記録ほど明瞭でなく、断層の破壊特性や地震波の放射特性が異なっていることがわかる。 なお、一連の地震の結果として起きた海底変動の様子がNewton誌に載っていましたが、測量したものか、推定値なのかは不明です。 いずれにしても、本震だけでも複数回の爆発が短時間内で起きており、余震を含めると次図のように多くの爆発が起きていますから、実際は複雑な隆起・沈降現象になっているはずです。 今回の地震で沿岸域で沈降現象が起きていますが、これはスマトラ沖地震でも起きている現象で、バンダ・アチェの町が大きく沈降して姿を変えたことが記憶に新しいところです。これも[1522]で解説したように、地震爆発論でならば、説明可能です。 「いつも丁寧な説明ありがとうございます。実は私は最近あるセミナーで京都大学の地震学者から直接聞いたのですが、今回の地震で地盤が沈下したことは説明できない現象であると言ってました。先生の押し円錐理論では明らかに宮城県を中心とする一帯は引き領域であるために地盤沈下を起こしていることは簡単に分かるのですが、定説では説明が難しいのでしょうか?その辺の解説もお願いしたいです。」 というメールをいただきました。新聞報道などでは、陸側プレートが沖方向に移動し、その空間を埋めるために沿岸部が沈降した、という書き方になっています。地震研究者はこれを認めていないということなのでしょうか、新聞記者は定説で認めていないことを勝手な憶測で書いている、ということになってしまいますね。 [1651]で紹介した産経新聞の記事は東大の地震学者の解説になっていますから、地震学者の間でも、統一意見はないのでしょうか。とにかく新聞などで、地震学者が解説する内容はもはや陳腐なものになっています。 |
1659 Date: 2011-05-07 (Sat) 総理大臣の判断を誤らせる地震学 昨日の菅総理大臣の「浜岡原発停止要請」には驚きました。政治的な見解は差し控えても、正しい地震科学の知識に基づく検討の結果として、誤謬がありますので指摘しておきます。 @30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する確率は87%と、きわめて切迫している。 A浜岡原発は従来、活断層の上に立地する危険性などが指摘されてきた。 B先の震災とそれにともなう原発事故 私は、次世代のエネルギー開発が軌道に乗るまでは、原発も併用していくべきである、そのための安全対策(特に津波対策)を講じるべきであると考えております。 |
1660 Date: 2011-05-08 (Sun) 中部電力への要請 熱心に地震爆発論を勉強し、質問してくださる方(はやしさん)から以下のコメントをいただきました。 「newtonの図をみて驚きました。この図は明らかに定説が間違いであることを証明しているのではないでしょうか? [1656]でも紹介しましたが、地震爆発論を納得してくださる方が増えてきています。ネットを探していくつかの支持意見を見つけました。 http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/dca0089528a9b6f38c639643663fd9d8 http://asyura2.com/11/lunchbreak45/msg/175.html http://ameblo.jp/jesmotoi/day-20110415.html http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2011/04/?offset=20 以上のように、支持者が増えていることをバックにして、中部電力会長に浜岡原発の停止要請を受けないように以下のような、お願い文のFaxを打ちました。明日の取締役会議で受諾するような話が流れていますが、再考されることを祈っています。 今般の政府指導によります、浜岡原発の停止要請は国家・社会を衰退に導く愚策であります。中部圏のみならず、日本全体の産業に与える影響は計り知れないものがあります。 どうか政府の要請には従わないでいただきたくお願い申し上げます。 なお、地震発生確率として計算されているものは全く根拠のないものであることは東大のゲラー教授も述べています。これは破棄すべきものであり、地震学が間違っていることに原因があります。以下に私、石田地震科学研究所所長が解説する新・地震学セミナーの一節を送らせていただきます。 昨日の菅総理大臣の「浜岡原発停止要請」には驚きました。政治的な見解は差し控えても、正しい地震科学の知識に基づく検討の結果として、誤謬がありますので指摘しておきます。 以上ほんの一節を紹介しましたが、地震学の間違いについては以下のBBSで論じております。 政府の要請には正しい地震学の知見から言って間違いがあり、従う必用はありません。地震学者の反論があれば、石田が責任を持って論駁いたします。どうか、政府の愚策に協力して、国家の衰退に手を貸すような愚かな行為を選択なさらないようにお願い申しあげます。 草々 幸福実現党愛知県本部幹事長 工博 石田昭 PS: |
1661 2011-05-09 (Mon) またしても人災地震を起こしたのか ネットサーフィンをやって、驚きの事実に遭遇しました。既に[1283]、[1285]などで地震誘発の危険性を訴えておりましたが、本格的な液化CO2の地中封入(CCS)がいわき市勿来で実施されていたことです。[1283]の図面で福島県東方海域と記されている場所で、本格的な封入プロジェクトが行われていたことを、初めて知りました。http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g81030d06j.pdf (これは2008年10月30日開催の会議配布資料二酸化炭素回収・貯留研究会 (平成20年度第1回)日時:平成20年10月30日(木)9時30分〜11時00分 場所:経済産業省別館3階第4特別会議室)
ネットの世界では、これが3・11東北M9.0地震のあとに起きた4・11地震および、その後に頻発しているこの地域の余震の原因ではないのかと騒ぎになっているようです。 赤色は火山または火山帯をしめす。稼働中または計画中のサイトは全て火山帯から離れている。 日本は火山帯の上にあり、CO2の地中封入には適していない。 最近始まったドイツの封入現場も含めて、全てが火山活動からは無縁の場所にあることが分かります。液化炭酸ガスの地下封入という方法は日本のように火山活動が活発で、解離層が浅いところにある場所では採用するべきではないことを認識する必要があります。 |
1662 2011-05-10 (Tue) 繰り返される人災地震ではないだろうか 二酸化炭素の地下貯留に関する研究をされている京都大學石田毅教授の論考から紹介します。図面の一枚は別サイトから拝借しました。 http://geo.kumst.kyoto-u.ac.jp/lab/member/Ishida_t/Research%20Subject%203.htm 圧入した二酸化炭素の岩盤中の挙動については十分な研究がなされておらず、ましてやCO2の圧入によって押し出された地下水が熱解離すること、解離したガスが爆発現象を起こすこと、などに関しては関心がなく、地震誘発の危惧など、全く考慮されていないことが分かります。長岡で注入実験をしているRITEのプロジェクトリーダーの認識も全く同じでした。 まずは、その論考を抜粋して紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2.二酸化炭素の地下貯留に関する研究 (1)はじめに 火力発電は日本の発電量の5割を占めていますが、火力発電は地球温暖化の主要原因とされる二酸化炭素ガスの大気中への放出を伴います。二酸化炭素地中貯留プロジェクトは、この二酸化炭素ガスを地中に貯留し、大気へ放出を防ぐことを目的としています。 現在このような帯水層貯留に関しては、わが国では新潟県の岩野原において年間1万トンの規模で実証実験が行われています。一方諸外国では、次の3地点で年100万トンを超える実用的規模での地中貯留がすでに実施されています。 しかし、キャップ・ロックを持つ帯水層への貯留では、貯留に適した地層が限定されます。また、大量発生源である火力発電所や製鉄所、化学工場などで回収した二酸化炭素を、貯留に適した地層まで運搬する必要があります。これに対し、図に示すようにこれらの大量発生源直下の深さ2000m〜3000mの岩盤中に二酸化炭素を注入できれば経済的であり、分散型の大容量の地中貯留が実現できます。そこで私はこの方式による、二酸化炭素地下貯留を提案しています。地下深部の岩盤に対する水の圧入は、乾燥した高温の岩盤から地熱を抽出する研究プロジェクトに関連して内外でいくつかの実験が行われており、わが国でも山形県肘折や、秋田県雄勝でも実施されています。これらの事例を調べたところ、大量発生源直下の深部岩盤を水圧破砕して二酸化炭素を注入した場合にも、現実的な貯留量が確保できるかことが確認できました。 (2)二酸化炭素地下貯留の技術的課題 超臨界状態は気体と液体の中間的な状態であり、二酸化炭素の場合、水に対する比重は0.5、粘度は水の1/100〜1/10という、軽い、さらさらとした状態です。このように水に対する比重が小さいので、地中に注入された二酸化炭素は、ゆっくりと地表に向けて上昇します。したがって、キャップ・ロックが注入箇所の上部にある地層においては、二酸化炭素がキャップ・ロックから漏洩していないかどうかの監視が必要です。また、地中に注入された二酸化炭素は粘度の低いさらさらとした状態ですので、水に比べて岩盤に圧入しやすい傾向があり直下型の地下貯留に関しては貯留量の確保の上でプラスになりますが、キャップ・ロックを利用した貯留では、既存の亀裂などを通じて漏洩しやすい傾向があると言えます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
液化CO2がどのような挙動を示すのか、十分には研究されていない。それなのに、地震誘発の疑いがあるプロジェクトが進行することは大きな問題です。ましてや、実用段階にある諸外国と違って、マグマが地下の浅いところに分布している日本の場合の危険性を全く認識せずに行われていることは恐ろしいことです。 |
1663 2011-05-10 (Tue) いわき市における液化炭酸ガス地中封入実験と群発性地震との関連 [1649]に紹介した4/17付けの朝日新聞では、M9地震の後日本列島への力の掛かり方が変化し、引っ張られるような力によって、正断層型地震が増えたという地震学者の解説がありました。前日の16日には読売新聞が地震学者のコメントとして、「予想外の断層があった」ことが4・11地震の原因だったと次のように報じていました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 先日のM7余震、予想外の井戸沢断層が原因 11日に福島県東部で起きた、東日本大震災の余震とみられるマグニチュード(M)7・0の地震は、大きな地震の発生が予想されていなかった「井戸沢断層」が動いて起きていたことが分かった。 M9・0の東日本大震災の影響で、内陸部の活断層でも力のかかり具合が変化して地震が起きやすくなっていると見られ、動く確率が低いとされてきた活断層にも警戒が必要だと、専門家は指摘している。
新潟県長岡での試し実験から本格的な実験に移行したということです。しかし、[1662]で解説したように大学教授でもその危険性に気付いておられないですから、現場の技術者は何をためらうこともなく効率的な封入技術にしか関心が無いわけです。 しかし、4.11地震の後の起きている余震の発生傾向を見ると、明らかに実験場所の直ぐ真上といっても良い地域で、群発的な地震が起こり3.11地震から2ヶ月、4.11地震からでも一ヶ月の間余震が頻発し、収束する見込みがないかのようです。或いは、[1658]で述べたBの爆発は、4.11地震の震源と同じだったのかもしれません。地震波形からは、Bを単独の地震としてみたときの初期微動を区別することは出来ません。よってBの爆発がどこで起こったのかは特定できませんが、少なくとも勿来の注入現場に近いということは確かです。
これだけの事実を見せられたら、地下封入と地震との関連を疑うことは出来ないでしょう。しかし、恐ろしいことは、この現場での封入をやめたとしても、地震の知識が変わらない限り今後日本各地で同じことが起きることです。菅首相が原発を止めて、火力発電に頼るようになると、各地で見込まれるCO2排出量が大幅に増加し、地中封入量もまして、日本全国で地震が頻発という事態になることです。下の図は日経BPの環境経営フォーラムが報じている各地の排出予想量です。
液化炭酸ガスを運搬するにも費用がかかりますから、排出源の近くで封入しようということが考えられていますから、東京湾、伊勢湾、大阪湾などに、封入されるのでしょう。そうすれば、日本の心臓部が完全にやられてしまいます。愚かなる菅総理に一日も早くその職を辞していただくことが、一番の手っ取り早い対策のように思えます。 注:YHOO検索などでは文字化けが起きているようです。Bが?と化けますが、3の爆発のことです。 |
1664 2011-05-13 (Fri) 悪魔に魅入られた二人が運転する地獄行き特急列車に乗っている日本 日本は悪魔に魅入られた二人が運転する地獄行き特急列車に乗っている。 タイトルにも示したような日本の現実に、今朝気が付きました。勿論二人とは鳩山氏と菅氏のことですが、それを説明しましょう。即座に二人を運転席から追い出し、列車の方向を変えなければなりません。 @民主党初代総理鳩山氏は悪魔に魅入られて地球温暖化詐欺([1451]、[1452])に引っ掛かり、国連の演説で、温室効果ガスを2020年までに25%削減(1990年比で)することを目指すと表明しました。そこで現在日本では炭酸ガスを地中に封入することが国家プロジェクトとして各地で進行しているのです。しかし、地震爆発論によれば、その液化炭酸ガスの新潟県長岡での地中封入実験によって、中越地震([955])、中越沖地震([1267])の二つが誘発され、秋田県雄勝での実験([1499]-[1501])によって宮城・岩手内陸地震が起きた可能性が高いのです。さらに今回起きた東北M9地震の三番目の爆発([1658])と4.11地震は、いわき市勿来での本格的な封入によって誘発された可能性があるのです。 A民主党二代目の総理大臣である菅氏は、福島の原発が津波によって破壊されただけであるのに、原発全てが危険であるかのような悪魔のささやきを見抜けずに、運転中の浜岡原発まで止めようとしています。削減分の電力を風力や太陽光によるクリーンエネルギーだけで補充することは不可能ですから、当然化石燃料といわれる石炭石油などによる火力発電に頼ることになります。それは中電の三田会長が液化天然ガス(LNG)追加調達の ため、中東カタールに向かったことからも明らかです。さすれば、液化炭酸ガスの地中封入プロジェクトは益々その速度を上げて実施されていきます。そして日本全国大地震の連発という事態になります。悪魔は高笑いすることになるでしょう。 ゆえにこの事態を止めなければなりません。地震は爆発現象であることを拡がらないように揶揄・中傷してきた似非地震学者たちも悪魔に魅入られた存在かもしれません。 じつは、もっと恐ろしいシナリオを悪魔は描いているかもしれません。現在ではCO2の地中封入計画は日本以外では火山帯を外れた地域で行われています。しかし、地震学を新しい地震学に切り替えて警告を発しないと、インドネシア等の火山帯でも行われることになるでしょう。地球の歴史の中で、巨大地震の連発により、大陸規模での沈降現象がアトランティスやムーで起こりました。マントルが固体であると信じている定説地震学者はそれを認めませんが、上述したような悪魔に魅入られた運転士が国を動かしていれば、やがてそのような地球規模での恐ろしい惨事が引き起こされる可能性もあります。大陸規模の沈没現象が起きれば、ポールシフトという恐ろしい事態が現実のものになります。生き残った人類は原始時代から再スタートを切らなければなりません。そのようなことは絶対に避けなければなりません。 今日本を先頭にして地球的レベルでの危機が迫っていると認識するべきです。民主党政権を打倒しないと、日本のみならず地球の危機を迎えます。幸福実現党愛知県幹事長としてとても心配しています。幸福実現党を宗教政党という色眼鏡で見ないでいただきたいと思います。真剣に日本のことを、世界のことを、地球の未来を心配しているのですから・・・。 PS: プレートテクトニクスTrackは断崖に向かってます!という警告でしょうか。 |
1665 2011-05-16 (Mon) 高温度である粘弾性体の地殻に歪が蓄積されることはない ANSフリートークに以下のような書き込みがありました。 「動画(地中に水を圧入するのは危険である(前編))を見させていただきました。デンバーの事例は私も存じておりますが、『もともと80年間も地震がなかった場所に巨大地震の原因となるような地震エネルギーが蓄積されていたということはありえないことで』というくだりが理解できませんでした。現在の定説における断層理論では、80年間地震が起きずに歪が蓄積されるというのはよくある話ですが、この場所では何か特殊な条件があるのでしょうか?その辺りの根拠が示されていなく、どういうことなのかと思い書き込みさせていただきました。」 以上です。たしかに、地震学会のFAQ([1644]参照)にも「地震とは、百年から数千年かけてゆっくりと地殻の岩盤に蓄積された歪みを、ほんの数十秒間で終わってしまう限られた範囲の岩石の破壊によって解放するものです。」とありますから、解説文には言葉足りずのところがあり、誤解が生まれるかも知れませんので、次のように補足します。 『もともと80年間も地震がなかった場所に巨大地震の原因となるような地震エネルギーが蓄積されていたということは、地震爆発論のベースにあるマグマ貫入理論を説かれた石本博士の教示([1473]参照)ではありえないことで』 と、補足してお読みください。石本博士の教示とは地殻が粘弾性であることの解釈を述べられたものですが、[1473]に紹介してあります。地震爆発論では粘弾性体に関する博士の認識を正しいと認定していますので、表題のようなことは自明のこととして書いております。 要約すると、「通説では歪が蓄積されて限界に達する時に地震が起こるという解釈になっていますが、地殻は粘弾性であるから、ゆっくりとした変動には流体的な挙動をするので、歪が蓄積される事は有り得ないという考え」です。 なお、アメリカで2000〜2004年間に発生した地震の分布図を見ても、デンバーは地震多発地帯ではありません。 定説地震学によれば、こうした地震多発地帯とは言えない地域の地下に巨大地震のエネルギーが蓄積されているということになりますが、一般常識とはかけ離れているのではないでしょうか。 |
1666 2011-05-17 (Tue) 余震に伴う爆発音・地鳴り YAHOOの知恵袋に「いわき市の地鳴り・爆発音」について以下のような質疑が載っていました。既に解決済み質問ということですが、地震爆発論を周知させる必要を感じましたので、質問といくつかの回答を紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 4月11日にM7地震のあった福島県いわき市田人町で揺れをともなわない爆発音が地面の下から yoshy2001wxyzさん 4月11日にM7地震のあった福島県いわき市田人町で揺れをともなわない爆発音が地面の下から何度も聞こえてきます。3月11日の地震以降ずっとです。これは何なのでしょうか? 東日本大震災発生以降、地面の下からダイナマイトが爆発するような、「ドン」という音が続いています。 凹凸のある道路のすぐ近くの家で寝ているときに大きなダンプカーが通過して行くような感じにも似ています。 不思議なことに揺れは全くないかほとんどありません。4月11日にM7の地震がありましたが、それ以降もずっと続いています。 時間の経過と共に少なくなってはきましたが、メディアで報道されることもないし同じいわき市でも田人町のような南東部(南西部?)の山間部で特に多いようです。 井戸沢活断層のすぐ近くで大規模な地殻変動があったようですが、それと関係あるのでしょうか? この間紹介したような爆発音・地鳴りが聞こえているわけですが、定説地震学ではこの現象を説明できないので、マスコミで報道されることもなく、住民を不安にさせているようです。余震が何故このように頻繁に起きるのかは、24 水の三態図と解離水爆発の関係(余震が起きる理由)を参照してください。 |
1667 2011-05-17 (Tue) 次は苫小牧と北九州か 液化炭酸ガスの本格的な地中(海底)封入は、いわき市のほかに苫小牧市沖と北九州市沖の3カ所が予定されているそうです。苫小牧と北九州の人に知らせてください。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- http://plaza.rakuten.co.jp/gnetoffice/diary/201010220000/ 苫小牧沖CCS⇒CO2を海底下の地層に封じ込める技術 2.二酸化炭素回収・貯留(CCS)とは 2010/03/26 更新 http://blogs.yahoo.co.jp/kozohys2002/folder/629616.html 後記: 温暖化防止の有効打となるか、日本で開発が進むCCS技術とは? ■国内での利用は難しい? |
1668 2011-05-18 (Wed) 岩手・宮城内陸地震の原因を検討する必要がある 岩手・宮城内陸地震が発生したのは、2008年6月14日でした。ちょうどその頃が、雄勝実験場で2002年から始まった先導研究に続く「CO2の地中直接固定化技術開発」の最終年度にあたり、CO2を含んだ水を地中封入する実験が行われていたことが、岩石鉱物科学という学会誌の文献に載っています。 私は科学の発達することを歓迎するものですが、未知の現象を知らないで開発を急ぐことは悲劇を生みますし、科学者の責任は大きいものがあると考え、慎重に情報を集めて行って欲しいと願うものでもあります。そのために、論文からの情報を紹介しておきます。 「原理的には水を循環させていますから、CO2の地下貯留のように「ところてん式」に地下水を押し出すことは無いはずですが、ビデオを見ると分かるように、水の回収率が25〜30%(最初は14%)ということですから、圧入した総量一万トン(水圧破砕のために使用した水だけなのかもしれないが)の水のうち70〜75%の水は亀裂を通って外部に押し出されていることになります。」 としか、書いておりません。それほどの危険性はないのかという思いがありました。しかし、ビデオの中で報じられているように、地表に現れた凝灰岩の岩盤が「N85E北落ち20度」となっていることは一帯の地層が震源方向(北が下がる)に傾斜していること、本実験ではCO2を溶かした水を送っていること、その後にも押し込むための水を使っていることなどから、もともと存在する水を傾斜岩盤に沿って北方に押しやることは確実であり、やはり新潟県長岡での実験に疑われているのと同じ地震誘発の可能性は高いのではないかと思います。今一度、地中封入の危険性に関して検討をお願いしたいものです。 地下の浅い場所に高熱岩盤があって、周囲に温泉が何箇所もあるような場所で、地下に流体を送れば、地震が起きることは明らかではないでしょうか。液体の地下圧入が危険性を持つことをはやく認識して欲しいと思います。つまり、地震学の間違いを早急に気づいていただきたいとお願いします。 |
1669 2011-05-18 (Wed) スイスでは地熱発電による地震で社長が提訴される ある方から、「フランスのラックにおけるガス田でも液体抽出による地震の誘発があったが、これは地震爆発説ではどのようになるのでしょうか。」という質問がありました。フランスの件は知りませんでしたが、液体を抽出すれば、地下の圧力が減少しますから、解離度が増大し、解離ガス(HHOガス)が発生します。したがって当然地震を誘発する危険度は高くなります。Paul Segallという研究者が論文を書いているそうですが、断層地震説の枠の中で考察しておられるようです。 調べるとスイスでも地熱発電によって地震が発生し、発電会社の社長が提訴されたという記事がありました。日本では国家プロジェクトとしてCCSが進行していますが、責任者は安閑とはしておられないと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 別の情報では圧力破砕を行なっていたそうで、これが地震誘発の原因と疑われているようです。 「地震が起きた時間、郊外の地熱発電施設で地下約5キロに達するパイプから圧力をかけた水を噴射し、高温の岩を砕く作業をしていた。小規模な揺れが数十回記録されていたことから、これが地震の原因として浮上専門家は「破砕作業で予想を超える衝撃が起きた可能性がある」とした。」 2011/3/5 米アーカンソー群発地震は人工地震の疑いが強くなり、天然ガスの廃塩水地下注入を停止した。アーカンソー州には数百の廃水注入井があるが、閉鎖された2井は未知の断層に近いと懸念されている。http://www.foxnews.com/scitech/2011/03/04/arkansas-quakes-manmade-business-halts-science-steps/#ixzz1Fn7lKCVW |
1670 2011-05-20 (Fri) 地震学者も東大もいいかげんにしてくれ 東大准教授が今回の地震で起きた巨大津波は「すべり過ぎ現象」が起きたためであることが地震記録から分かった、という研究をアメリカの科学雑誌「サイエンス」に発表したと、今朝の産経新聞が報じています。 ダイナミックオーバーシュート(動的過剰すべり)なるものが剛体であるはずのプレートで起こるとはとても考えられませんが、それらしいネーミングを付けると、専門外の人には受け入れてもらえるのでしょう。サイエンス誌の権威が疑われてしまいそうです。「地震学者も東大も、いいかげんにしてくれ・・・・」と言いたくなります。 |
前ページへ戻る 次へ進む |
索引へ戻る |