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1251
2007-04-20 (Fri)
【仮説】巨大地震は水素核融合で起きる!
[1244]で紹介した山本寛氏の【仮説】巨大地震は水素核融合で起きる!という書籍が工学社から出版されました。一冊ご恵送頂きましたが、これまで手にしたことの無い大変面白い内容です。

最近出版される地震関係の書籍は、どれを手にしても、判で押したようにプレートテクトニクス理論と、弾性反撥説がベースになっていて面白くありませんが、この本は違います。

第一章からセンセーショナルですが、タイトルが「「GPS」が暴露した、「現代地震論」の矛盾」というものです。

私も全く同感なのですが、
「GPS」が暴露した、「プレート・テクトニクス」の矛盾
とか
「固着域」(アスペリティー)という言い訳
というような定説地震学を真っ向から批判する節があって、痛快です。最後は次の言葉で終わっています。

「現在の地震学は、地震はプレートテクトニクスで説明できると考えている。しかし、現実の地震はプレートテクトニクスが予測するようには振舞わない。
品質管理的にこの問題を解くとすれば、最初に「プレートテクトニクス」という仮定をいったん放棄して、トヨタ流品質管理の問題解決の基本である、「現場・現物・現実」の3現主義に立ち返り、地震という現実を見つめ直す必要があると考えている。」

トヨタ流品質管理の話が出てくるとは思いもよりませんでしたが、全く同感です。
第一章に関しては、新・地震学セミナーで書いてきたことと、ほぼ同じですが、第二章以降にある地震の原因が核融合であるという点は解離ガスの爆発説と意見を異にしております。
しかし、地震爆発論としては同じ、しかも水素の爆発という点では同じ論旨であり、地震学の関係者には大きな波紋を投げるものと期待しています。
またそうでなければいけないと思っています。[436][425]に紹介したゴールド博士も言っているように、研究室で地震計の記録や、数値計算の結果だけを分析するのではなく、「3現主義」を見習って地震という現象そのものに関心を持たなければいけないと思います。

今後、順番に気付いた点を紹介して学んで行きたいと思っていますが、とりあえずの一報です。
1252
2007-05-04 (Fri)
ゆっくり地震など存在しない
3日の中日新聞(朝刊)に「ゆっくり地震は「新種」」と題する次のような記事がありました。


「東海地方で観測され、体に感じない「ゆっくり地震」は、これまで知られた地震と異なる法則に従う「新種の地震」の可能性があることを東京大学の井出哲講師(地震学)が見つけた。地震のメカニズム解明につながると期待される。三日付の英科学誌ネイチャーに発表した。」

体に感じない現象を地震として取り上げ(しかも新種として)、サブタイトルにあるように「東海地震など 切迫度の予測前進」として、大地震の切迫度を評価できる可能性があると考えるのは理解ができません。
ゆっくり地震とかスロースリップというのは、GPS観測で地震の予知ができると思い込んでいる測地学的な研究方法に固執するために生まれた無意味な概念に過ぎません。


図は国土地理院が発表している浜松観測点の移動を示したものですが、浜松が南東方向に移動しているのは、プレート論に矛盾しているのではないでしょうか。海側プレートが陸側プレートの下に潜り込むのならば、逆向きでなければなりません。このような動きになるのは、プレート論が正しいとすれば、アスペリティーが外れて陸側プレートが跳ね上がっているときの動きのはずです。
地震学は今オカシナ方向に突き進んでいます。「【仮説】巨大地震は水素核融合で起きる」の著者山本氏はあとがきで次のように述べておられます。

日本は地震国ゆえに、地震予知に向けて巨額の研究費を投入してきたが、地震予知の見込みは立っていない。この一つの原因は、地震のメカニズムをプレート・テクトニクスという誤った仮設に基づいた研究を進めてきたためと著者は考える。
著者は地震の研究者ではないが、囲碁に「岡目八目」という格言がある。岡目とは対戦者のそばで見ている状態を指す。つまり、囲碁を指している当事者よりも、そばで見ている方が八目は有利に手が読めるという格言だ。

八目先を読めば、現在の地震学は根本的に間違った手を指していることがわかるということでしょう。

1253
2007-05-08 (Tue)
地震学は迷路をさ迷っているのか
山本寛氏の【仮説】巨大地震は水素核融合で起きる!という書籍には、岩石に大地震を起こすような歪を蓄えることなどできない、と次のように書いてあります。

「そもそも、一枚の金属でもない岩石に巨大な歪エネルギーを蓄えることができると仮定すること自体、非常に無理な仮説だと言えるのではなかろうか。
地震予知に巨費を投じながら地震予知の技術が進歩しないのは、このような間違った仮説を前提にしているためではないだろうか。」(22ページ)

これは坂柳先生の書にもありますし、このセミナーでは一貫して書いてきたことであります。

どうして、このような自明のことがらが、地震学者には理解ができないのか不思議です。石本博士が存命していた昭和の初期にはこのような妄説を信じる方は少なかったと思いますし、昭和47年の時点でもまだ高木博士のような高い識見の方が居られました。気象研究所研究報告に書いておられる高木聖博士のコメントを紹介します。

(高木博士の研究はセミナー[1185][1186]でも紹介してあります。)

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気象研究所研究報告 第23巻 第1号 1・19頁 昭和47年3月
Papers in Meteorology and Geophysics VOL 23, N0.1,pp.1-19.March 197

              地震は歪力で発生するか
                 高木 聖

 マントル説は、大陸の形、地磁気、氷河、地震などに接点を持っていて、確定的になったものと狂信している人もあるようであるが、この説は科学的には何一つ立証されていない。その一例として、地震との接点ついて述べる。
マントル説は、地震の原因について、マントル流が大陸の下にもぐり込んで、大陸との間に摩擦を生じ、大陸に歪を与えて破壊し、地震となる、というのであるが、もし地震現象が、このような歪力で起っていないということになれば、マントル説と地震とは関係がないことになる。
 地震が歪力で起っていないことは、次の3つの地震現象が証明している

(1)初動分布が円錐型であること
(2)地形変動と初動分布とが一致しないこと
(3)震源での最初の運動が、運動量不変則に合っていないことが多いこと

以上の3つの現象は、歪力の立場からは絶対に説明できない。ということは、地震現象が歪力説(断層説、海洋底拡大説、プレート説等)を否定しているということである。

 (1)については、今まで四象限型の初動分布と思われていたものは、全部、円錐型初動分布になるし、四象限型に区分できなかったものは、全部、円錐型に区分できる。ということは、初動分布は、元来、円錐型であるが、観測網の不備のため、四象限型にも区分できたに過ぎなかったことを物語っている。

 (2)については、断層の走向と初動分布の節線とは、歪力説では一致しなければならないのに、実際の現象では一致していないことから明らかである。特に、昭和19年の東南海地震と、昭和21年の南海道地質の場合とを比較すると、初動分布は同じであるのに、地形変動のほうは逆になっていることから歴然としている。

 (3)については、昭和23年の福井地震が単的に物語っている。同じ押波であるのに、震央の西側は初動が大きく、東側は非常に小さい。これは運動量が0でないことを示している。

以上の3つの地震現象は歪力を根底から否定している。したがって、マントル流で地震が起ると考えることはできない。万一、マントル流が存在するとしても、それは地震とは無縁のものである。
 歪力説に対するこれらの矛盾を統一したものが、岩しょうの爆発を仮定した「岩しよう爆発説」である。(注:石本巳四雄博士の岩漿(マグマ)貫入説)
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以上が昭和47年の高木博士の識見です。以来35年たった現在、プレート理論、弾性反撥説以外の地震論を唱える地震学者は存在しなくなってしまいました。地震学は迷路をさ迷っているように見えてなりません

現状では地震学に期待ができませんが、地震関連のサイトをみていましたら、地震学の研究をしたことがないと思われるような方が次のように書いておられました。
http://blog.goo.ne.jp/ukis-cafe/

いい加減に気が付いて欲しい

断層で地震が起きるのではなく
断層は、過去の地震の履歴であり
未来の震源地には成り得ない事を。

現代科学で地震を予知出来ないのは
「現代地震学」が間違っているからであり
学者やメディアに予知が難しいと
刷り込まれているだけ。

1254
2007-05-08 (Tue)
「現代地震学」は間違っている
山本氏の【仮説】では、水が地中深くに送り込まれると鉄などの金属に触れて原子状の水素が発生し、これが核融合反応を起こして爆発的なエネルギーを放出する、これが地震であるとなっています。ゆえに、長岡で行ったような液化炭酸ガスを地中に注入することは人工地震を起こすようなもので大変危険であるというのです。この主張は当セミナーでも([955]-[958])繰り返し述べてきたことでありますが、氏の【仮説】を抜粋して紹介します。
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(注水によって地震が起こる原因に関して) 地震学者は、「注水によって地殻が滑りやすくなったため」と説明しているが、ちょっとピント外れのように思われる。
地球物理学においては、地殻の沈み込みによって水が地中深く送り込まれ、そこで、たとえば鉄などの金属に触れると次の反応によって、《原子状の水素》が発生することが知られている。
3Fe+4H2O → 8H(原子状の水素)+Fe3O4+熱
この「鉄」と「水」の反応は、暖房用品「ホッカイロ」の発熱の原理そのものである。(中略)
もし、この「原子状の水素ガス」が単独で爆発するメカニズムを構築することができれば、地震が地下での爆発とする説の有力な根拠となる。
「水素原子」のみで爆発が起きる可能性としては「核融合」が考えられ、逆に核融合の生成物である「ヘリウム」が検出できれば、「地震=核融合」の仮説が成立する。(中略)
1965年(昭和40年)8月に始まった「長野県松代町皆神山」を震源とする群発地震(後略)・・・・
この群発地震の特筆現象に、「ヘリウム・スポット」と呼ばれるヘリウム・ガスを噴出する地域が出現したことである。(中略)
震源地の松代町皆神山周辺の岩石が特に放射性元素に富んでいないので、ヘリウムガス発生の要因として、核融合が起きた可能性が高い。
つまり、「松代群発地震」は地震の原因は核融合であることを示唆している
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私は核融合論には全くの素人ですので山本氏の仮説を詳しくは論評できませんが、水が熱解離してできる水素と酸素の混合ガスが原子状の水素であると考えれば、(金属に触れなくても原子状水素が発生し)核融合が起こる可能性はあるのかなと思います。大陸を浮上させたり、沈降させてしまうような巨大なエネルギーを放出する地震現象が古典的な物理現象や化学反応のエネルギーではなく、核融合のエネルギーであるとしても不思議ではないと思います。巨大地震では解離ガスの爆発と同時に水素核融合が起こっているのかもしれません。

むしろ、地震学を専門とする研究者の方々には、こうした方面からの知識を取り入れて早く地震現象の解明をお願いしたいと思うわけです。
しかし、山本氏の書が出版されてほぼ一ヶ月が経つのに、地震学者からの反応は皆無のようです。逆にマスコミが報道するものには全く滑稽なノアの洪水原因説まで登場します。
http://english.pravda.ru/science/earth/89420-0/

地球トモグラフィーには根本的に誤謬があるこ とは当セミナーで主張してきたことですが、そのトモグラフィーによる3次元解析から、マントル内部に巨大な水が存在することが判明したと報じています。
地球の内部1,200キロメートルから1,400キロメートルまで及ぶ深さに地球表面にある水の5倍にも相当する水があり、その水が噴出したのがノアの洪水の原因であろう、そして将来またこの水が噴出して洪水を起こすかもしれない・・・というとんでもない滑稽な議論を大真面目でやっている大学教授が外国にはいるようです。

何故このような愚かな話を学者がするのか・・・地球内部のマントルが固体であり、地震波の伝播する挙動から地球内部が人間のからだを調べるように調べることが可能であるという錯覚をしているからです。

つまり、「現代地震学」は全く間違っていて、言葉が厳しいですが、ナンセンスな御伽噺を繰り出すことに役立っているだけなのです(少なくとも、地球トモグラフィーについては)。
注釈:2008・7月:[1464]にて、マントルは熔融しているが、衝撃的震動のS波なら伝播させる、と若干の修正をしています。

1255
2007-05-12 (Sat)
地下注水実験は危険である
山本氏が書いておられるように液化した炭酸ガスを地中に圧入して貯留することが大変危険であることは、当セミナーでも([955]-[958])繰り返し述べてきたことでありますが、その注水実験を野島断層で行っていたとは知りませんでした。
抜粋して紹介し、コメントを加えておきます。

・ なぜ断層に注水するのか?
 どうして断層に水を入れるのか、不思議に思う方が多いと思います。これは地震によって破壊を生じた断層がどれくらい早く元の強さに戻るのかという断層の回復過程を調べる実験なのです。注水実験自体は、アメリカ、ドイツ、そしてわが国でも過去に松代で行われていますが、地震発生直後の断層にアクティブに働きかける実験としては、これまで世界的にも例のないものです。

・ コメント:回復状況を調べるのに、何故水を注入するのでしょうか、地震学者の説明にありましたが、水の注入によって岩盤が滑りやすくなって、地震が発生しやすくなるというのなら、地震発生直後の断層に注水することは危険なはずですから、意図がよくわかりません。
また、滑りやすくなるというのは“地震は蓄積された歪が開放される現象”という解説とは矛盾するのではないでしょうか。

・ 解離ガスを発生させて爆発したのではないのか?
図4はボアホール周辺に発生した地震数の変化で、ここでは積算で表現されています。地震発生数が一定ならば右上がりの傾き一定の直線になりますが、40気圧注水の開始6日後に、地震数が増加していることが分かります。いずれもマグニチュード1から-2程度という極めて小さい地震ばかりです。これは1997年の注水実験でも観測された現象ですが、注入水が深さ3〜4kmの断層面周辺に分布する亀裂内の間隙水圧を高めることによって発生する誘発地震と考えられます。
(図―4)

・ コメント:注入量が少量ですから、デンバーで起こったような被害の出るような地震にはなりませんでしたが、大量に注入すれば被害が出ることが予見されます。この実験の結果は注水することによって解離ガスが発生し、それが爆発を起こして地震になったと言う”地震爆発説“を証明する実験だったのではないでしょうか。

上が抜粋紹介とコメントです。
山本氏はその著で以下のように書いておられます。
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今まで述べてきたように、「新潟県中越地震」は(財)地球環境産業技術研究機構による「C02地中貯留」により引き起こされた可能性が高いと著者は考える。
しかし、この地震の発生メカニズムを、「C02地中貯留」の観点から検討した国および大学の研究機関の報道を見聞したことがない。
 地球温暖化対策として今後ますます「C02地中貯留」のニーズが高まると予想される。国としては、「新潟県中越地震」を事例として「C02注入」と「地震」の因果関係を究明し、将来に備える必要があると考える。
 また、現時点(平成19年3月)で「新潟県中越地震」は「C02地中貯留」が原因であるとして、国に損害賠償請求を行なったという情報はない。しかし、本書に触発されて、そのような訴訟が起きることが予想される。その場合、「C02地中貯留」と「地震」の因果関係の立証責任は誰にあるのだろうか。
この場合に参考になるのが、「製造物責任」の考えであろう。
 つまり、「原告側」(地震被害者)は、地震が起きて被害を受けた事実を示し、「被告側」(国)はC02地中貯留が被害を起こすような大きな地震を引き起こすことはないことを証明することになろう。(p.223)
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以上ですが、2005年3月の時点でセミナー[988]に紹介したようなやり取りがありますので、一部分を再掲します。

プロジェクトリーダー: ご指摘の件につきましては、以下の理由から正確さを欠く不適切なものと判断致します。
地質学的・地球物理学的状況の全く異なる海外事例からの憶測ではなく、科学的根拠にもとづく適正なご意見や対応をお願い致します。(以下3項目に渡る安全認識のコメントが続く)

反論: 科学的な根拠と言うのは大変重要なことですが、これまでも企業などが社会的責任を追及されてきた事件は、いずれもその時点では科学的に未知であったいわゆる未科学の分野に原因があったのではなかったでしょうか。「当時は分らなかった・・・・」といって・・多くの悲劇の後に謝罪するということが繰り返されてきたように思います。
確かに現時点の既知科学では地震学者が「地震は断層が動いて地震になるのだ」と証言してくれますから、地下に物質を圧入することと地震発生との因果関係が存在しないようにみえます。しかし、将来明らかになる未知科学では因果関係なしとは言い切れないかもしれないと言うことです。そのときに問われる企業の責任まで考慮されているのかどうかです。「予見できなかった・・・」として法的責任は免れたとしても道義的責任まで免ぜられるかどうかはわかりません。多くの市民の難渋生活と悲劇を伴うことですから・・・。

「本書(山本氏の新刊書)に触発されて、そのような訴訟が起きる・・・」かどうかはわかりませんが、地震学者こそが真剣に対処しなければいけないと思います。

1256
2007-05-14 (Mon)
権威者の認識が与える影響
野島断層で注水実験を行った研究者も、CO2の地中貯留を計画している責任者も、その危険性にまったく気が付いておられないのですが、その原因はデンバーで行われた廃液注入による地震発生を地震学の権威者を含めて真剣に考えておられないからだと思います。

注入によって岩盤が滑りやすくなったという見解と、地震は蓄積された歪の開放によって起こるという見解はまったく違うのですが、両方とも正しいというような曖昧な思考が横行しているのです。[1249]でも述べましたが、地震は破壊現象なのか、反発現象なのか、についても曖昧な解釈のまま、両方とも正しいと認識されているようです。

ニュートン編集長としても活躍された竹内均先生は、(先生が地球科学への関心を社会に醸成された偉大な功績を残されたことは大いに認める一人ですが・・)デンバーの廃液注入に関して、その著作(「地球は半熟のゆで卵」)の中で次のように書いておられます。

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 31大地震の発生を防ぐ方法@
 地球表面の薄皮である地殻の一部に大きいエネルギーがたまり、やがてそれが放出されて大地震がおこる。この意味で大地震の勃発はコンデンサー(蓄電器)の放電に似ている。コンデンサーならば、そこから電気を小出しに放出して、やがてはそれを空にすることができる。これと似たことをして、地震のエネルギーを小出しにし、大地震がおこらないようにすることができないものだろうか。

 そういうことをやってのける実行可能な方法が、すでに一つ見つかっている。その方法は偶然に見つかった。1962年にアメリカのコロラド州にあるデンバーという町で、原子力発電所からの廃棄物を処理するために、それを水に薄めて地下に注入した。突然小さい地震が数多くおこり始めた。注入をとめると地震がとまり、再び水を注入すると再び小さい地震が数多くおこった。

 こういったことを数回くり返した後で、放射性廃棄物を地下へ注入するプロジェクトは中止された。しかしこの大がかりな実験によって、地下へ水を注入することで、小さい地震を数多くおこせることが発見されたのである

 この方法でたとえば大正12年の関東大地震くらいの大きさの地震のエネルギーを小出しにしようとすると、関東大地震よりももっと迷惑なことがおこりかねない。

したがってこの方法は理論的には実行可能であるが、実際的にはその実行は不可能である。
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地震の権威者がこのように書いておられるのですから、水の地下注入が危険であると思う人は研究者・技術者も含めて誰もいないのであろうと思います。「理論的には実行可能な大地震の発生を防ぐ方法」と受け止める人がほとんどでしょう。権威者の間違った認識が与える影響は大変に怖いことであると思います。

1257
2007-05-31 (Thu)
水素濃度計購入
地震の起きる原因はプレートが潜り込むためなどではなく、地中での解離ガス(水素と酸素)が爆発することにある・・・とするのが石田理論の骨子ですが、この理論によって地震の予知を行うのには、水素濃度を計測する観測網を全国に敷設することが最重要となります。
これまで、水素濃度計が高額で入手困難と思っておりましたが、数PPMというような感度を求めないとすれば、安価に入手できることが分りましたので、一式を購入し研究を開始しました。

製品はフィガロ社のTGS 821SR-D1というものです。
センサー部分を室外に設置し、室内で計測するように計画しています。
まだ、出力の意味を正確に把握していませんので、今後勉強してみますが、とりあえずは数値が大きく変化することが無ければ、安心しておられるのではないかと考えます。

神戸の地震では断層から3%(30000PPM)というような高濃度の水素が検出されたと聞いています。このTGS-821では100〜2,000ppmの範囲で水素濃度が検知できるという事ですから、十分に巨大地震の予知に利用できるのではないかと考えます。被害の発生しない程度の小規模地震は予知の必要は無いですし、水素ガスが地表に出てきませんので、かえって予知は難しいものだと思います。

税込みで2万5千円(テスターは2300円)程度ですので、3万円の安心料金と考えていただき、多くの方に観測のご協力をいただけたらと思っています。観測網が広がれば安心感も拡大することになります。


なお、写真はRL抵抗値に56.4kΩを装填した室内での観測ですが、数百PPM程度の水素濃度を正確に計測するには1kΩ程度を装填するのが良いようです。

地震予知計としては低濃度の水素を検知するほうが目的に適うわけですから、当面は56.4kΩを装填して観測しようと思っております。高濃度になるほど、小さな抵抗値(最小値は500Ω)を装填するのが良いようです。低濃度(56.4kΩ)と高濃度(1.2kΩ)に切り替えられるように、工夫してみます。

1258
2007-06-14 (Thu)
水素濃度計切り替えスイッチ
水素濃度計に切り替えスイッチを取り付けました。
通常は低濃度用の56.4kΩ側にしておきますが、大地震直前ともなれば高濃度用の1.2kΩ側に切り替えて計測すればいいと思います。
低濃度モードで計測不可能になるほどの場合は一生のうちに経験することが無いように祈っています(笑)。
なお、計測値が安定するのには、10分程度掛かります。入電直後は5〜6ボルトを示していますが、次第に数値が低くなり通常の室内で2ボルト台で安定します。
今後観測値の記録は入電後10分経過後の数値(低濃度モード)を記帳していくことにしたいと思います。したがって毎日の計測記入は困難だと思います。コンパスの観測値などに異常がある場合には、頻度を高くして計測します。

6月16日より観測・報告を開始します。記録簿をご覧になってください。

1259
2007-06-16 (Sat)
頑固で粘り強い活動
カレイダグラフというサイトに面白い記事が載っていました。地震の研究を新しい観点から行おうとしても、「地震学者たち(あるいは科学者一般)の頭の中にある旧来からの観念」が研究費の配分さえ止めてしまうという現実を述べています。抜粋して紹介します。
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圧力を受けた岩石は実際にバッテリーと同様の振舞いをします。そこを流れる電流は、圧力を受けた岩石1立方 km あたり 10,000 - 100,000 A に達します。火成岩に電流を発生する性質があるというこれまでに知られていなかった発見が、過去に報告された広範にわたる地震発生前の信号を再評価する物理的根拠、すなわち、地震の前兆としての潜在的な指標として初めて提示されたのです。

それ以後、現実に乗り越えなければならない唯一の障壁は、自分たちがそれまでに学んだり理解してきたことを根本から覆すような新たな発見を受け入れようとしない多くの地震学者たち(あるいは科学者一般)の頭の中にある旧来からの観念です。我々の科学的活動およびその資金調達は、承認(制度)に基づいているため、意欲的なアイデアを遂行しようとそれを匿名でなされる審査に提出したところで、それが認められるかどうかは、まさにギャンブルと同様、確実なことは誰にもわかりません。あらゆる可能性に対する頑固な粘り強さだけが、科学界の保守的傾向といわれる障壁を乗り越えることができるのです。
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前半は地電流の流れる理由を説明したものですが、私はMHD発電という仕組みで地電流が流れると解釈しています。どちらにしても、地震学者は地電流を地震の予兆とは認めておりません。
山本寛氏の「巨大地震は水素核融合で起きる!」という書籍はかなり衝撃的な内容なんですが、この書が出版されても、地震学者には何の影響も与えていないような空気を感じます。
今の地震学がやっているのことは、金塊も埋まっていない場所を、必死になって掘り起こそうとしているようなものでしょう。金塊が埋まっていると信じて疑わないようなものです。
でもあまりにも多くの研究者が、あまりにも長くひとつの方向ばかり見つめてきたものですから、方向を変えることはマンモスタンカーの進路を変えさせるような困難があります。
上の記事にあるように「頑固な粘り強さだけが、科学界の保守的傾向といわれる障壁を乗り越えることができる。」のですから、粘り強く「コンパス観測」や「水素濃度の計測」を行っていきたいと思います。

1260
2007-07-02 (Mon)
水素濃度の観測
[1258]で紹介した水素濃度計による観測値の一部を紹介します。
6月28日から7月2日までの4日間のものですが、サンプリング間隔を30分として、1ch用のデータロガー(電圧データロガーMI1-USB-3R)に収録しました。
RL抵抗は低濃度用の56.4kΩを使用しています。出力ボルトとppm濃度との関係は更正曲線から読みとる必要がありますが、正確な更正表は作れませんので、当面は大まかな濃度の変動を観測することにします。
この程度の観測であっても、大地震の前兆は把握できるものと考えています。

下図はセンサーに線香の煙りを近づけた時の反応を示します。人間にはかなり煙たい状況ですが、タバコとか線香の煙りにも反応しますので、純粋に水素だけの反応かどうかは、よく状況判断をしないといけないと思われます。参考のために実験をしてみました。

1261
2007-07-06 (Fri)
水素濃度の観測(2)
水素濃度を観測していますが、2日から5日まではセンサー部分を夜間は室内にセットしておりました。
5日朝からは、センサーを完全に室外に設置して計測しました。

記録を見ればわかるように、室内の濃度は生活環境の影響を強く受けていることが分かりました。
センサーを風雨に晒したくないので、昼間は換気を計ったり、室外に持ち出したりしておりましたが、今後は完全に室外にセットする方法を工夫したいと思います。
雨に当たらないようにセッティングを工夫します。

1262
2007-07-06 (Fri)
水素濃度の室外計測
本日夕刻から水素濃度計を室外にセッティングしました。

写真に示すように、プラスティック容器内に濃度計本体とデータロガーを収納し、センサー部分だけを容器から出る形式にしました。

したがって、記録はデータロガーの記録を4日程度ごとに、まとめて【ANS観測網トップページ】にグラフ表示の形式で報告したいと思います。
観測記録簿の水素濃度の表示は時々しか表示できないかもしれません。

なお、大地震であれば4日程度あれば前兆が現れるものと思いますので、4日ごとの表示でも十分に前兆把握は可能であると判断します。

また、コンパスなど、その他の観測値に異状が現れた場合には、水素濃度も4日と限らないで、頻繁にウオッチしたいと思います。

1263
2007-07-10 (Tue)
海底の動きは地震と無関係
東海沖の海底が年3センチ北西方向に移動していることが確認されたとの報道がありました。

何度も書いていますが、この観測結果をもって、プレートが潜り込んでいる証拠であるとする事には大いに疑問があります。([853]など)
まず報道を紹介しておきます。
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東海沖の海底が年3センチ移動

7月9日21時38分配信 時事通信

東海地震の想定震源域に含まれる静岡県沖の海底が、年間約3センチのペースで移動していることが初めて確認された。赤い矢印が確認された海底移動。想定震源域(ピンク色)の南東端に位置する(海上保安庁提供)(時事通信社)
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下の記事は中日新聞(7/10朝刊)の報道です。

ところで、下の図の左側は海底が3センチ移動しているという今回海上保安庁が発表したものです。

一方右側はセミナー[1252]で紹介した国土地理院のデータです。地表の動きがまったく逆になっていますが、どのように解釈したら良いのでしょうか。
海保のデータは一様に北西方向に移動しておりますが、国土地理院のデータは南東方向に動いています。どちらかの計測に間違いがあるのでしょうか、このようなデータを使って「まことしやかに地震を解説される」のは、えらい迷惑なことではないでしょうか。
私はGPS観測にしろ、海底に設置したマークの観測にしろ、いかに正確、精密に観測できたとしても、地表の動きから、厚みが30km〜100kmもある地殻全体の移動量が計測できるとは思っていません。

セミナー内を検索していただければ分かるように、何度も書いきましたがそれは皮膚の動きから骨のがんを診断するようなものだと思います。皮膚は写真のように、微妙に北東⇔南西の動きをしているのではないでしょうか。そしてその動きは地殻(骨)の動きとは関係がないのではないかと思います。
ましてや、その動きから「震源地や規模の予測に役立てたい」という望みは、いつまでたっても適わない儚い夢のような感じがしています。

なぜなら、地震はプレートの動きとは関係のない水素の爆発現象であるからです。

追記:
本日のニュースで渋谷で起こった温泉くみ上げ施設での爆発事故により、「シエスパ」は営業を中止したと報道されました。
この爆発事故も、私は温泉くみ上げ施設内に貯留された水素ガスが自然爆発限界の4%に達して爆発したのではないかと思っています。メタン説その他の可燃ガスの貯留などいくつかの説があるのでしょうが、発火原因が明確に解明されない限り、水素の自然爆発の疑いは消えないと思います。

1264
2007-07-11 (Wed)
海底の動きは地震と無関係(2)
[1252]で紹介した国土地理院発表の地殻変動とは、定常的な変動を差し引いた「非定常地殻変動」だから、今回の海保のデータと直接比較することはできないという指摘をいただきました。正味の変動量は下図のように、やはり西北に移動しているというご指摘です。

データの性格が違うので、一緒に掲示するのは誤解を与えるというご意見ですが、確かにそのとおりだと思います。
しかし、私の言わんとすることは、地表の動きはこのように定常的にも非定常的にも動きを示しますが、それが地殻全体の動き、つまりプレートの動きを表すものではないだろうということです。30km〜100kmもの厚さがある地殻、或いはプレートと呼ばれている部分の動きを示すものではないということです。
このような測地学的地殻変動の研究をどれだけ継続しても、地震の発生原因を究明することには繋がらないと思います。

測地学的な研究に石本教授は否定的でしたし、坂柳教授は、研究の方向を変えないといつまでたっても地震の解明は出来ないと述べておられます。
坂柳教授の厳しい批判は地震学者の耳に届かないのでしょうか。
[1253]にも紹介しましたが、高木聖博士は

マントル説(プレート説)は、大陸の形、地磁気、氷河、地震などに接点を持っていて、確定的になったものと狂信している人もあるようであるが、この説は科学的には何一つ立証されていない。
と述べています。耳を傾けて欲しいと願うばかりです。

1265
2007-07-14 (Sat)
大地震の前兆として計測される水素ガス
念願だった水素濃度の観測を始めて一ヶ月がたちました。これまでのところでは、セミナーでも紹介した測定時の切り替えについては、高濃度用に切り替える必要のあるケースは一度もありませんでした。つまりRL抵抗値は46.5kΩのまま、1.2kΩへ切り替える必要のあるケースはありませんでした。
下図に示すように、この8日間の記録を見ますと、RL値が46.5kΩで、出力が1ボルト前後(RL=46.5kΩ)が通常の大気中に含まれる水素濃度(0.5ppm)を表しているように思います。

それでは、大地震の前兆としてはどの程度の出力になるかということですが、経験したことがありませんので、本当のところは良く分かりません。

しかし、これまでの研究報告などから推定すると、この装置の高濃度測定限界(1000ppm)をはるかに超える濃度になるのではないかと思われます。そう判断されるいくつかの研究報告を紹介しておきます。
地球化学的地震予知研究について: 小泉尚嗣
http://www.gsj.go.jp/~koizumi/JSNDS97.html  よりの抜粋

・  Wakita et al.(1980)が、山崎断層周辺の土壌ガス中の水素濃度の分布を調べたところ、断層上の土壌ガス中の水素濃度は大気中の値(0.5 ppm)よりも高濃度で、中には3%以上の濃度のものがあることを見いだした。
(注:3%とは30000ppmという高濃度である。)
・地震前に断層近傍の土壌ガス中の水素濃度が異常な変化を示す例もいくつか報告された(Satake et al. 1984/85,Sugisaki and Sugiura,1986 )。
・観測を重ねるにつれ、土壌ガス中の水素濃度は、非常に時間変化が激しく、同一の場所でも、10日程度で2〜3桁も変化するのが珍しくないことが分かってきた。実際、1984年5月30日に山崎断層でM5.6の地震が発生した直後に、中村・脇田(1985)は、山崎断層で再び水素の分布を測定したが、断層上で高濃度の水素は認められず、Wakita et al.(1980)とはまったく異なる結果となった。
・活動的な断層では水素濃度が高いことを示す報告もある。水素を対象とした化学的地震予知研究は興味深い課題を提供していることは確かなことである。
飛騨における地震予知の研究 平成13年度地学部
(岐阜県立吉城高校地学部H13年度の研究報告:「まとめ」)
http://chigakub.hp.infoseek.co.jp/jisinyoti.html よりの抜粋
・跡津川断層上の、河合村天生と宮川村野首でCO2、H2 断層ガスの連続観測を行った。(中略)
・H2 は不規則な変化を示すが、最高で大気中の約4万倍の2%(注:20000ppm)という値を示した。
・断層ガスの変化を、気温、水温、気圧、降水量などの気象要素と比較したところ、断層ガスはこれら気象要素の影響を受けないことが分かった。そこで地震活動の影響を調べたところ、天生観測点近くで発生した群発地震の際に、地震が始まる約2週間前にCO2濃度が激減し、群発地震の約1週間前にH2濃度の最高値を記録していることが判明した。

以上が地震時には高濃度の水素ガスが噴出することを想定させる報告です。

なお、水素ガスの発生メカニズムに関しては水の熱解離によって発生するという視点はなく、岩石の破壊と関連した研究しかないようです。

上述した小泉尚嗣氏の論文から抜粋して紹介します。

・ Wakita et al.(1980)は、微小地震(破壊)によって形成された岩石の新しい表面と水が反応して水素を生成しているという仮説を提唱した。

・ Kita et al.(1982)は,室内の岩石破砕実験を行い、水の存在下で、石英や花崗岩を破砕すると水素が発生することを確認した。

・ Kita et al.(1982)の示した反応機構だけでは、断層で観測される数%にもおよぶ水素濃度を説明するには不十分だとする立場(Sugi saki et al.,1983)や地表で測定される水素に対し(多様な水素の生成反応の中から)地震による岩石破砕時の化学反応のみを重視するのはおかしいという立場(Masuda and Tsurumaki 1982)がある。また、サンアンドレアス断層での測定結果から、岩石中の2価鉄が水と反応して水素を発生する反応を重視する考えもある(Sato et al. 1984/85)。

・地震の発生しているところで水素が生成されたとしても、水素のような反応性に富む気体が、生成時の情報を保持して地表にまで達すると考えるのはむずかしい。

以上が地震現象と水素ガス発生とに関する地震研究者の報告ですが、高熱の地下水が熱解離によって多量の水素ガスを放出しているという石田理論の視点を導入していただければ、上述した謎は一気に解けるのではないでしょうか。

そして、一セット5万円弱という水素濃度計測装置による観測網を全国に展開すれば十分に大地震の事前予知は可能であると思います。

なお、断層の水素ガス検出は5000ppm〜20000ppmという高濃度を検出する検知管方式で観測されている(吉城高校)ようですが、この検知管方式では高濃度すぎて地震予知の道具としては不向きのように思います。もちろん検知管方式では連続観測はできません。

1266
2007-07-15 (Sun)
動物は何を感知するのか
サイト検索していましたら、「インド洋を襲ったあの大津波は、ヤラ国立公園を3kmに渡って浸食した。しかし、まったく驚いたことに動物の死体ひとつ見あたらなかった」という記事がありました。
http://x51.org/x/04/12/3048.php
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動物達が大津波を予知か - 死骸発見されず スリランカ

【Alert】スリランカを襲った大津波からの復旧作業が続けられる中、ある事実が現地の野生動物保護員達を驚かせている。それは2万二千人もの死亡者を出したこの大惨事にも関わらず。野生動物の死骸が一匹足りとも見つからないのである。今回スリランカを襲ったこの大津波は3kmに渡って浸食したが、園内の野生動物保護員が救出に向かったところ、そこには動物の死体ひとつ見あたらなかったという。
「まったく驚いたことに、動物の死骸がひとつとして見当たらないんです。象の死骸もなければ、ウサギの死骸ひとつさえも見つからないんです。動物達はきっと災害を予知してたんでしょう。彼らには第六感があります。何がいつ起こるかを分かっていたんだと思います。」
野生保護局代表はそう語っている。同国立公園ではこれまで日本人9人を含む40人の観光客の死亡が確認されている。今回の大津波は日曜、インド洋にて発生した大地震が引き金となり、スリランカ南部、東部、北部に甚大に被害をもたらした。押し寄せた津波は高さ5mにおよび、近隣の町や村、ホテルなど広範囲に渡って被害を残している。
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人間にとっては無色・無味・無臭の「水素ガス」ですが、動物は感知するのかもしれません。地電流か、それによって生じる磁場変化を感知するのかもしれませんが、地下から噴出する「水素ガス」を感知して、逃げ出すこともあるでしょう。
ただし、スリランカの場合にはあまりにも震源と離れすぎています。水素を感知したというよりも、やはり津波襲来の微振動を感知したのではないでしょうか。震源付近でも動物の死骸がないとすれば、「水素ガス」を感知して逃げ出すという可能性もあると思います。

1267
2007-07-16 (Mon)
先ほどの地震について(1)
本日10時13分頃、新潟県出雲崎町沖付近を震源とするM6.8の地震が起きました。死者もでているようですが、大きな災害になるのではないかと心配です。


(http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/niigata070716/より)

この地震は図に示しますように、液化炭酸ガスを地中に圧入する実験をしてきた長岡市深沢の帝国石油サイトから北西に20km弱に位置します。

この深沢から南東に20km弱の木沢付近が三年前の中越地震の震央であったことを考えると、断層が跳ね上がって地震が起きるという地震の定説には疑問を感じます。
中越地震から約3年経過していますが、3年弱の間に液化ガス圧入による解離層の不安定化現象が解離水素ガスを貯留させて、今回の地震になったという可能性もあるのではないかと思います
右側の図に示すように、直後から余震が多発しております。地震の原因が「太平洋プレートがユーラシアプレートを押しているために生じる歪が開放されて起きた地震(京大防災研究所川崎教授談:NHK報道)」であるのなら、どうしてこのように大きな地震を契機として歪の開放という地震現象が多発するのか説明が出来ません。
余震は圧力と温度で決まってくる解離層(解離条件)の安定が図られるまでは、終わることがないと思います。
今回の地震が液化炭酸ガス圧入によるものかどうかは分かりませんが、震源も規模も地震の性質も中越地震と同じであるという報道を聞くと、その可能性もあると考えられると思います。
下図は深沢で行われた液化炭酸ガスの圧力注入の概略図です。キャップロックといわれる雨傘のような構造の不透水層の下に液化ガスを注入するのですが、その結果、地下水を地下深く傘の縁部に押しやり、その付近の解離条件を乱すことが考えられるのです。
液化ガスを注入するのは深さが1.1kmの部分ですが、20km先の傘の縁部では二つの地震(今回と中越)の震源位置(1.7km)くらいまで地下水を移動させてしまうこともあると思います。

(「二酸化炭素地中隔離技術の適用に関する世界の動向」より)

今回の被害者の声で中越地震より揺れが激しかったという報道がありますが、震源に近いのですから当然のことだと思います。

1268
2007-07-16 (Mon)
先ほどの地震について(2)
NHKのニュース報道を聞いておりましたが、刈羽村で豆腐業を営むモリモトジュンイチという方が地震の体験として、振動というよりも「飛ばされた・・・」という表現をしていました。

[1248] でも紹介しましたが中越地震では畑の大根がピョンピョン飛び跳ねるように抜けたそうですし、灯篭の上部が凶器のように飛んできて胸に当たる・・とか、「飛ばされる」というのは、地震が爆発現象であることを証明するような話であると感じました。
今回も中越地震と同じように震源が浅い地震ですから、「飛び石」(または、「跳び石」)のような「衝撃現象」が起こっているのだと思います。

「飛騨の自然と風土」(飛騨地学研究会)には跡津川断層の調査報告があり(17.跡津川断層8・安政飛騨地震の石碑(舩坂忠夫))、「山抜け」という言葉があります。(下記参考に抜粋紹介)
山の中腹が飛び出すという現象があったようで、地震は断層が動くという定説では説明が付かないことだと思います。
参考:
「災害の古文書見舞帳の書き出しによると「大ぢしんうすり、あら町立石八は大きなる山ぬけ、みなつきうめ・・」とある。つきうめとは、山抜けの土砂が反対側の谷壁につき当たり、あたりを埋めてしまうことで、現在荒町の集落はこの上に立地している。」
その後、やはり被害は相当大きなものになってしまったようです。亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、怪我をされた方々、避難生活を余儀なくされておられる方々に心からお見舞い申し上げます。

1269
2007-07-17 (Tue)
昨日起こった二つの地震
昨日(7月16日)は不思議な日でありました。
午前中にM=6.8の中越沖地震が発生し、夜(7月16日23時18分)にはM=6.6の深発地震が発生しました。
夜の地震は気象庁の発表によると、震源地が京都府沖 の日本海で、震源の深さは約370km、地震の規模(マグニチュード)はM=6.6ということです。
図からわかるように、震度は北海道の浦幌町桜町で震度4ですが、震央に近い日本海沿岸ではほぼ無感となっています。
この地震は、震源よりも遠くでしか感知しないという深発地震の不思議な特徴を見事に表わしています。

http://www.tenki.jp/qua/index.html より)
深発地震の不思議な挙動に関しては、これまでにも、ライブラリー(44〜46)や、
ニューオフィス34、ならびにセミナー[1184]などで、説明してありますが、日本列島の地殻の構造と深く関係があります。
昨日夜のNHK報道では東大名誉教授の地震学者である阿部氏が太平洋プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んで居るという説明(午前中の川崎教授と同じ見解)をしていましたが、定説ではとても深発地震の不可思議な伝播特性は説明できないはずです
「もう一つの地震学」にも「深発地震の発生メカニズム」の項で解説してあります。)

1270
2007-07-17 (Tue)
爆発現象以外には考えられない巨大加速度
報道によれば柏崎刈羽原子力発電所一号機に設置された加速度計が、想定していた最大加速度の実に2.5倍もの巨大な加速度を記録したということです。
想定超える地震加速度=柏崎刈羽原発−東電
7月17日2時0分配信 時事通信

 東京電力は16日、新潟県中越沖地震で緊急停止した柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市)で、耐震設計上の想定を大幅に超える地震の加速度を記録したと発表した。
 東電は1、5、6号機の地下に設置された地震計の記録を解析。1号機で南北方向に311ガル(設計上の想定の最大値は274ガル)、東西方向に680ガル(同273ガル)を記録。5号機でも南北277ガル(同249ガル)、東西442ガル(同254ガル)、6号機で南北271ガル(同263ガル)、東西322ガル(同263ガル)をそれぞれ記録した。
以上が時事通信の報道です。設計上の想定最大値が273ガルであるのに対して、680ガルを記録したというのは、2,5倍です。これは明らかに地震現象が爆発であることを示していると思います。[1268]で紹介した刈羽村のお豆腐屋さんが『飛ばされた』ように感じたという証言を裏付けるようなデータです。
岩盤という弾性体(たとえ弾性体であると認めたとしても)のつっかい棒が外れて跳ね上がるとしても、このような加速度で跳ね上がることは不可能です。
早く、「地震は爆発現象である」という認識を持たないといけないと思います。

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