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1111
2006-01-14 (Sat)

再びマントル熔融論の可能性

hiromi氏から再度メールをいただきました。
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「東北大学の実験結果の解説ありがとうございます。
私は、東北大学発表のPDFファイルの図面を見て、
地下400キロ地点に、細長く、含水部分が横たわっていることに奇異さを感じました。

地表近くのマグマだまりと地下400キロの含水部分の間に、何も無い。
普通に考えれば、その間にも、あるはずです。
「マントルの密度とつりあう含水マグマの組成を推定すると、含水量6.7 重量%までのマグマは上部マントル深部に滞留」・・・・としていることから、滞留するためには、表面から滞留部分まで一連性がないとおかしいと思われます。
ただし、そのように図解してしまうと、プレートテクトニクス理論の前提が崩れてしまうので、奇妙な図面にしてしまったような気がします。
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以上がメールの内容ですが、hitomi氏の疑問はまったくそのとおりだと思います。つまり、プレートテクトニクス理論は破綻することになります。
PDFファイルの図面を紹介し、コメントさせていただきます。太字はプレスリリースされた研究の概要文にあるものです。



マントル最上部で発生するマグマは、周囲のマントルよりも密度が低いために上昇し、地表へと噴出します。
【コメント】
固体であると仮定しているマントルの中でこのような浮力という概念を使用するのはおかしいと思います。マグマが固体の地殻中を上昇してくるのは内部圧力が働くからです。地球内部のマグマにも作用している潮汐力がその大きな原因です。

ところが、地震波の解析によって上部マントル最下部に液状の物質が分布している可能性が示されました。
【コメント】
地震波の解析は固体である物質中でしか結果を信用できないはずです。マントルが熔融状態であるとすれば結果を信用することはできません。しかしこの研究の成果は、マントルが熔融している可能性を示すものであり、地震波解析の前提を覆すものであるはずです。

また、現在の地球内部の温度分布とマントル物質の熔融実験から、上部マントル深部でマグマが生ずるためには、マントルは水を含んでいる必要があります。しかしながら、含水マグマの密度測定は技術的に困難であり、そのようなマグマが滞留しうるかどうかは、検証されていませんでした。
【コメント】
地球内部の温度分布というのも、実測されたわけではなく、固体仮定のもとで行った地震波解析によって推定されているものではないでしょうか。論旨全体に疑問があります。

実験結果をもとにして、マントルの密度とつりあう含水マグマの組成を推定すると、含水量6.7 重量%までのマグマは上部マントル深部に滞留することが分かりました。

【コメント】
繰り返しますが、マントルの密度とつりあう・・・というのはアルキメデスの原理で静水力学の概念です。固体仮定をしているマントル内で使用することは出来ません。

今後の展開として、本研究の結果、地球内部にマグマが滞留しうることが示されましたが、最近の地震波速度の観測から上部マントルとマントル遷移層とを分ける地震波不連続面の深さは、場所によって異なっていることが判っており、この違いは温度の違いよりも、むしろ含水量の違いによると考える方が無理なく説明できるため、マントル遷移層に水が含まれることを裏付ける観測事実が、今後さらに判明してくることが期待されます。
【コメント】
地震波解析の結果というものが、信頼できないものであれば、それをベースにした議論は全てがナンセンスとなってしまいます。
マントル遷移層が存在し、マントルが上部下部に分かれるという説明も、地震波の解析から見つかったとされているのですが、解析の前提条件が崩れようとしています。

1112
2006ー01ー15(Sun)

長周期震動の発生する原因は何か

昨日のテレビ朝日の番組「巨大地震は必ず来る」で知らされたことですが、阪神高速道路の橋脚は大きなゆれの後に来る長周期震動で倒れたということです。加速度が最大値を示すときではなく、その後に来るゆっくりとした震動で倒れたというガソリンスタンド店員の証言が新しい知見でした。
もちろん加速度(gal)の大きな主要震動で鉄筋の被覆などがはく離脱落し、強度が低下したことが大きな原因でしょうが、頭部に大きな質量を持つ構造物を一本足の橋脚で保持しようとした構造にも問題があったようです。
セミナーの何箇所([53] [637] [836])かで「高速道路の橋脚を一撃で破壊してしまうような衝撃力が断層が滑るという物理現象からは生じないはず。」というような趣旨の書き込みをしましたが、一撃で破壊したという表現は訂正しなければなりません。
構造物の固有震動周期とマッチした長周期の震動が外力として作用する場合には、一見頑丈に見えるコンクリート構造物でも破壊に至るということが明確になったということです。
しかし、どうして長周期震動が発生するのかという問題を考えると、やはり断層地震説では説明できないように思います。たとえ、数十センチの地盤の食い違い現象が生じても長周期震動は発生しないように思います。
長周期震動は衝撃的な爆発現象の結果から発生するのではないでしょうか。
それは短周期の波浪から長周期のうねりが発生してくるエネルギー移行現象に類似しています。台風などの強風で発生する短周期の風波は長周期のうねりを発生させますが、振幅(波高)の小さい風浪からはうねりは発生しません。大きなエネルギーを持つ風浪のエネルギーは長周期の波へと移行するからですが、同様に考えると、地すべりというようなゆっくりとした(galが小さい)現象からは長周期震動は生まれないと思います。
したがって断層地震説からは長周期震動の発生が説明できないように思うのですが、セミナーの読者に震動論の専門家が居られたらご意見をお聞きしたいものです。

1113
2006-01-16 (Mon)

地震爆発現象を証明する飛び石現象

地震時には相当大きな加速度が働き地上の石が飛びあがると云う現象があります。
「飛び石現象」として知られているもので、自然の石もそうですが身近な生活用品が高所からの落下というよりも、それこそ飛んでくる凶器となって人命が失われることがあるようです。
要するに、重力加速度980galを超える力が加われば何十トンもある石でも力の方向に飛びあがり、落下してくるわけですが、こうした大きな加速度が働くのは地震が爆発現象であることを如実に示していると思います。

防災科学技術研究所のサイトにある写真は長野県西部地震(1984)の震央付近で見られた飛び石ですが、調査図にあるように震央付近の黒塗りの地域ではすべての石が飛んだということです。
同サイトには、「1990年フィリピン地震(M=7.8)の震源に近いRizalで広い面積にわたって石が飛び散った。」件あるいは阪神大震災でも、震源に近い野島断層付近で飛び石現象があった件が載っていますが、震源で爆発が起こっていたことを示しているのだと思います。

「住宅ねっと相談室」というブログには以下のような記述がありました。

「 しかし、地震の時は、家具も震れ、特に家具の上部は2重で震れるので振動は大きくなり倒れてくる確率は高いのです。
 また、新潟県中部地震などでは重力より大きい力が加わり、家も家具も瞬間的に飛んだとも言われています。この話は飛び石現象とも言われ昔から言われています。
 そうだとすると室内ではテレビやスピーカーだけでなく、家具の上部だけが飛んで襲いかかることも予想されるのです。 」

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2006-01-17 (Tue)

地殻の構造模式図

定説の地震学で解釈されている地殻の構造と、石田理論での解釈の違いを明確にするために模式図を載せてみました。


地殻の厚さがどの程度なのかは、大陸部や海洋部などの場所によって変わるので、はっきりとはわかりませんが、岩石圏(リソスフェア)と呼ばれている部分を含むものであることは確かだろうと思います。
地殻は大陸部では厚く、海洋部では薄くなります。関東圏が深発地震に敏感で、伊勢湾や、ウラジオストックあたりで発生した地震にまで有感となるのは、地殻第二層の緻密な岩盤(カンラン岩で構成される)が地表近くに位置しているためだと考えられます。
深度600kmというような地球深部の熔融マントル内で起きた解離ガスの爆発(深発地震)震動が地殻第二層を通って伝播されるからだと考えています。
震央で無感になるのは、地殻第一層の柔らかい岩盤(花崗岩、玄武岩で構成される)が厚く、震動を吸収するからだと思います。

1115
2006-01-17 (Tue)

解離ガスの爆縮という地震爆発説

地震爆発説が否定される根拠が防災科学研究所のサイトに載っていましたので、紹介します。
そこには、ライブラリー13にある天竜川地震と同じ四象限型の押し引き分布である西埼玉地震の例が紹介され、それが地震爆発説を否定する根拠とされています。
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図4.3.1-1 1931年西埼玉地震(M=6.9)のP波初動押し引き分布[阿部勝征(1990)による]


 図4.3.1-1に、P波初動の押し引き分布の一例を示す。●が押し、○が引きの観測点である。震央の位置は+印で示されている。この図から、押し引きの分布はでたらめではなく、きれいに4象限に分かれていることがわかる。押しと引きの領域を分ける直線を「節線」という。2本の節線の交点が震央の位置である。
 かつては、地下でマグマが爆発して地震となるという考えがあった。もしこれが正しければ、震源からはあらゆる方向にまず押し波が出て行くことになる。従って、全観測点で初動は押し波となるはずである。逆に、地下の空洞がつぶれて地震になるのならば、全観測点で引きにならなければならない。実際の押し引き分布からは、このような単純な震源像は排除される。
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以上のような理由で地震が爆発であるという単純な(?)震源像は排除されると書いてあります。
しかし、石田理論として提案している地震爆発論は解離ガス(水素と酸素の混合ガス)の爆発であり、厳密には爆縮現象を伴うものであります。震源付近で生じる地盤の動きを模型にしたものが写真のようなものです。

押し引き分布がきれいに4象限に分かれるのは、震源が浅く、爆発方向が水平(押し円錐の軸が水平)の場合に現れる特徴的な押し引き分布であります。
押し円錐の深さと傾斜角度によって、地表での押し引き分布の形状は違ってきます。ある程度深くて水平ならば双曲線型分布となり、傾きが強ければ楕円形分布となります。ほぼ垂直になる場合が直下型地震となります。
直下型地震とは都市の直下で起こる被害の大きな地震という程度のマスコミ用語で明確な定義は存在しないとされていますが、石田理論では明確に「押し円錐が垂直に近い場合である」と定義することが出来ます。直下型地震は震源から直撃を受けますので、水平方向の爆発よりも震動被害は激しくなります。
押し引き分布の形状はライブラリー13などを参照してください。

なお、爆発現象ならば初動がすべて押しになるから、地震は爆発ではないという見解はかつてとりまき氏が[327]でも展開されていたものですが、地震学者には周知の見解なのであろうと思われますが、正しくはありません。

1116
2006-01-18 (Wed)

定説学者は大騒動になる

1月13日に書きました東北大学の研究ニュースは「400kmの深部でもマグマが存在する」という件に関しては、特に新しい発見でもないようです。引用サイトはリンク切れになってしまいましたが、セミナー[702]にある東京大学の笠原順三先生の研究ではマントル構成物質であるカンラン石は水を加えると簡単に熔融すると次のように述べておられます。
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地殻の下のマントルを作る代表的な鉱物としてかんらん石(橄欖岩)と言う鉱物がありますが、常圧では1800℃を超える様な高温でしか熔けないのにわずか0.5%程度の水を加えると1600℃以下の温度で熔け始めます。このように水が有ることにより、より簡単にマグマができたり、岩石が変形しやすくなります。
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このように、2900kmまでのマントルは熔融している可能性が高いと思われますが、これは従来の地震学や地球内部に関する知識を革命的に変革しなければならないことになり、学者の世界では大騒動になってしまうはずです。
マントル熔融論、地震爆発論、ポールシフト(地殻移動)論が学者の世界に地殻変動を巻き起こすのはそれほど遠いことではないように思います。

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2006-01-19 (Thu)

マントルウェッジが熔融するという定説論

hiromi氏から東京大学の研究情報を送っていただきました。

図中にあるH2Oの放出というのが、何か参考になるのではないか、ということで紹介していただきました。専門用語がいっぱいで難解な内容なので、すべてを理解することはできませんが、文頭にある次の文章でつかえてしまいます。
「島弧・大陸弧?海溝系における火成作用は沈み込んだ海洋プレートから放出されるH2Oによりプレート上位のマントルウェッジが部分熔融することで起こります。」
H2Oは熔融マントル内に大量に存在しているものですが、解離した状態(酸素と水素)か結合した状態(H2O)かは、温度と圧力で違っているはずです。マントル対流が水平移動の場合は解離度に変化はありませんから、地震は起こりませんが、地球内部に潜り込みを始めると、解離度が変化して地震が発生しだします。
これが深発地震面となっていると解釈していますので、固体のプレートが潜り込み、マントルウェッジが部分熔融してマグマになるという解釈はしておりません。
難解すぎて理解困難ではないかとおもっておりますが、もう少し読み込んでみるつもりです。

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2006-01-19 (Thu)

翡翠の誕生と上昇

鉱物才集日記というブログを開設しておられる谷口氏から、翡翠の誕生過程がプレート論によって説明されているという情報をいただきました。氏はその理論に疑問をも感じておられるそうですが、定説の翡翠誕生理論を教えていただきました。
また、翡翠が地上に上昇してくる理屈についても定説に疑問を持つということですが情報をいただきました。勉強してみるつもりです。

1119
2006-01-20 (Fri)

ヒスイの誕生を推測する

ヒスイの誕生を推測しておりました。
まず谷口氏のメールには以下の文章がありました。
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「翡翠は蛇紋岩地帯から産出します。この生成過程は、ヒスイの館4号室を見ていただければ、大凡のことは分かります。しかし、色々と疑問があります。
1.地球内部で低温高圧の条件が満たされるのは沈み込み帯と呼ばれている海洋プレートが海溝で大陸プレートの下に沈み込んでいる場所の地下だけです。 
  従来の学説ではヒスイができる場所は右の図の赤丸の位置で、深さは約30km〜50km、温度は300℃と考えられています。
 蛇紋岩は、チャートと密接な関係があります。チャートは、海溝付近で堆積したと考えられ、それがプレートに乗って沈みこんだために、そうした関係になったとされ、これをオフィオライトと呼んでいます。生成位置は、深さは約30km〜50km、温度は300℃とされていますが、その根拠は、曹長石 → ヒスイ輝石 + 石英
NaAlSi3O8 → NaAlSi2O6 + SiO2  の化学式と思われます。ただ、この環境で、人工合成出来たという話は聞きません。他に、水の働きが大きかったのではと思っています。」
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ヒスイの館にある図の赤丸の位置・・・という場所には「付加体の深いところでは、高い温度や圧力で変成岩が出来上がります。」と書いてあります。
プレートテクトニクスを否定している石田理論では付加体というものの存在も認めていませんので、定説の翡翠誕生論とはまったくかみ合いません。
翡翠の誕生は変成岩の誕生する場所、つまり大地震によって地殻が隆起して熔融および半熔融状態であった岩石圏がゆっくりと冷却される場所ならば、鉱物の成分比や温度と圧力の条件などが適合さえしていればどこででも誕生する可能性はあると思います。
翡翠の産出地は、中国大陸の奥地やロシアにもありますが、その地がかつてプレートの潜り込みによる付加体地域であり、それが地表に上昇したと考えるのは無理があるように思います。
また、翡翠の上昇に関しても疑問があると書かれていました。
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2.ヒスイの上昇 ヒスイの館5号室にあるヒスイの上昇に関しても、疑問を持っております。
 仰せの通り、学問は、恣意的に証拠を隠滅、自説に有利な部分のみを取り上げ、足りないところは権威で補強しているように思えます。特に、地学?は、そのようなことが多いように思います。地球の内部を実際に見ることが出来ないし、翡翠のように、再現実験も出来ていないのですから。
 ところで、私は、昨年末に翡翠の露頭を見ただけで、何も分かりません。ただ、ルーペで観て分かることだけを調べています。それでも、何か違うなと感じます。例えば、翡翠は転石が多く、露頭があまりありませんから、はっきりはしませんが、蛇紋岩に伴って産出します。翡翠の生成や上昇が定説通りであれば、蛇紋岩帯でなくとも良いと言うことになります。しかし、私の見た所は、兵庫県と岡山県ですが、どちらも、蛇紋岩帯でした。
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以上がヒスイの上昇に関する氏の疑問です。
ところでヒスイの館の文章には次のようなことが書いてあります。

・蛇紋岩はまわりのカンラン岩よりも密度が低いため、浮力により徐々に上昇していきます。
・浮力によって上昇した蛇紋岩にヒスイなどの変成岩が取り込まれていきます。
・さらに蛇紋岩はヒスイなどの変成岩を取り込んだまま上昇を続けます。

これは明らかに、浮力という静水力学の概念を固体力学に適用したもので、間違っています。地震の爆発力などによる力が作用しなければ、固体が上昇することはありません。
地殻は何度も沈降と隆起を繰り返していますので、地下の変成岩も冷却と熔融を繰り返していると思います。蛇紋岩は橄欖岩に水を含ませると出来るものだと聞いていますが、沈降と隆起の過程で蛇紋岩の形成されるような付近にヒスイの誕生に適した鉱物組成・生成条件が生まれる可能性は十分にあると思います。
地下で冷却し誕生したヒスイが地表近くに表出してくるのも大地震による地盤の隆起が大きな原因ではないかと思います。

日本列島でさえ、各地に海の生物の化石や水中でしか出来ない地層がみられますが、これは地殻が何度も隆起と沈降を繰り返してきたからこそ見られる現象ではないでしょうか。
化石が出来る原因は死骸の腐敗を促す酸素が短期間で供給停止されるような、大津波による堆積作用、山津波による埋没現象であると考えられます。そうした自然災害を起こしたのは大地震とそれによって発生したポールシフトである可能性が高いと思います。
ポールシフトが7800万年の間だけでも171回起こった可能性があるということは、地殻の大変動がかなり頻繁に起こったということを意味しています。
ヒスイの誕生はそうした地球の大変動を経て地下で誕生したのだと思います。

1120
2006-01-21 (Sat)

くいちがい石の生成を推測する

くいちがい石という奇岩があることを始めて知り、 くいちがい石の成因説を興味深く読みました。
何故このような石が出来るのか、納得できる説は今のところ無いように思いますが、生成の原因を推測してみました。

私は砂礫層に生じた地震断層が、礫の食い違いを発生させた直接の原因ではないかと思います。その後、御岳山で起きた岩屑流のような地盤の崩壊現象が起こり、現状の砂礫層に再配置されたのではないかと思います。

地球の歴史は何回もの大地震による隆起・沈降を繰り返して来たことは、地震の傷跡としての断層や、岩盤中に直線状に走る異質鉱物の貫入の跡などから明らかだと思います。
砂礫層に生じた地震断層で食い違った礫が、そのご地盤の沈降・隆起を繰り返すなかで、結合の強度はそれぞれの地域で異なるでしょうが再度結合され、最後に迎えた崩落現象で現状のように再配置された、このことが一見して不思議な岩石を誕生させたのではないかと考えました。
小さな礫が結合するのは、さざれ石が結合するのと同じ理屈ではないでしょうか。

1121
2006-01-21 (Sat)

地球の海はマグマから分離した水が作った

hiromi氏からジルコンという鉱物を調べると、44億年前に誕生したものがあるので、地球はそのころから、冷えていて、海があったのかもしれないという研究報告を送っていただきました。その中で日経サイエンスの一部を紹介します。
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原始の地球はすぐ冷えた?
J. W. バレー
地球は45億年前に灼熱状態で誕生し,ゆっくりと冷えて,およそ38億年前までにより住み心地のよい気候に変化した──というのがこれまでの定説だが,実は間違いかもしれない。 
ジルコンという鉱物の小さな結晶を調べた結果,太古の地球の状況について新たな事柄がわかった。それによると,地球はずっと早く,おそらく44億年前には十分に冷えていたと考えられる。これら原始のジルコンには,低温で湿潤な環境の存在を示す化学組成を残しているものがある。生命の進化に必要な環境がすでに整っていたのかもしれない。 
ここ5年間で,初期地球に関する従来の考えを一新させる発見があった。非常に古い年代にできた「ジルコン」という鉱物の結晶が多数見つかり,私たちウィスコンシン大学マディソン校のグループをはじめとする地質学者がその化学組成を分析した。この鉱物は異常なまでに頑丈で,それらが形成された時の環境を示す手がかりを驚くほどしっかりと保っている。 
最も古いものはオーストラリアのジャックヒルズで見つかったジルコンで,44億年前にまでさかのぼる。酸素16に対する酸素18の比を測定した結果から,当時の地球表層に低温の環境と液体の水が存在したと考えられる。おそらく完全な海洋がすでにできていて,地球初期の気候は火の玉地獄ではなく,サウナに近かったろう。
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44億年も前の地球の環境を検討する能力はありませんので、深入りは避けて、簡単にコメントさせていただきます。

地球の海が何年前に出来たのかはわかりませんが、水はマグマオーシャンであるマグマの中に解離状態と結合状態で大量に含まれているはずです。地球が冷却し、マグマが固まる過程で結合水が分離して海洋が誕生したことは確かでしょう。確かに記事にあるように、最初はサウナに近い状態であっただろうと思います。
今のような海洋になるのには地表が十分に冷却される必要があったわけで、それがいつごろなのかはよくわかりません。ただし冷却されたマグマの下には依然として熔融マグマが存在しており、それがマントルと呼ばれているものであると考えています。
マントルが固体であるという現在の定説はどうしても受け入れることが出来ません。マントル熔融論を採用する一つの理由です。
もう一つの理由はマントル固体論を導入したのは、地球内部を調べる方法として採用したインバージョン法の前提としてマントルは固体であるという仮定が必要であったわけですが、本当に固体であるのかどうかは検証されてはいないからです。
地球最古の鉱物粒子ジルコンという情報も送っていただきましたので、興味のあるかたは勉強してください。

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2006-01-23 (Mon)

二酸化炭素の地下封じ込めに関して

hiromi氏からメールをいただいております。「地下への二酸化炭素封じ込め」に関するセミナー記事[955]などを読まれたのでしょうか、科学雑誌NATUREの記事
Nature Vol.431(1032-1034)/28 October 2004
「予知」の封印を解く
A seismic shift in thinking
が気になっているという内容でした。
気になる理由は、最近見つかったという非火山性震動が「潜り込む海洋プレートとともに地下約30キロの深さへ運ばれる水によって引き起こされる」と考えている研究者がいるから・・・封じ込めはこの新しく見つかった非火山性地震を誘発するのではないかと疑っている・・・ということではないのかと推察します。
記事を抜粋して紹介しますが、特に気にかかる箇所としておられる部分は太字で表示しておきます。
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静かな地震
新たに見つかったエネルギー放出メカニズムの1つは、「サイレント地震」あるいは「スロースリップ」と呼ばれている。この現象は深さ30キロから40キロの地中で起こり、1日から1年間続き、マグニチュード7.0の地震に相当するエネルギーを放出することがある。しかし、通常の地震よりも運動は遅く、地表で感じることはこれまでなかった。こうした断層線での摩擦は、互いに滑らかにゆっくり動いている構造プレートの境界にある、滑らかに動いている断層よりも大きい。しかし、断層の滑り量が大きく、大きな地震を引き起こすような断層内の小領域における摩擦よりは小さい。こうしたサイレント地震を地表で検出するにはふつう、GPSが使われる。世界でもっとも大規模なGPS観測点網を持つ日本では、そのような現象が過去10年間に10回見つかり、サイレント地震はまれで、取るに足らない例外現象であるという批判が誤っていることを証明した。
 もう1つのエネルギー放出機構に伴う地震活動は、火山の地下を動くマグマが起こす震動と似ているが、火山の近くではないところで起こる。防・科学技術研究所(茨城県つくば市)の小原一成・高感度地震観測管理室長は2000年9月はじめ、紀伊半島などの3カ所でこの種の地震活動を観測した。いずれの震動も、本来は震動の源であるはずのマグマから遠い場所で、沈み込み帯という地震活動が活発な場所で起こった。沈み込み帯は海洋のプレートが大陸のプレートの下に潜り込む場所ではあるものの、見つかった震動はこれまでにない新しい現象だった。米地質調査所のカリフォルニア州メンローパークにある支所に所属するBill Ellsworthは「これは新しい地震波源だ。新しい地震波源は、ここ50年間見つかっていなかった」と言う。 こうした非火山性震動は、潜り込む海洋プレートとともに地下約30キロの深さへ運ばれる水によって引き起こされると小原室長はみている。その深さでは水は強く圧縮され、地殻深くの裂け目に無理に入り込むか、新しい裂け目を作るというのだ。
 両方の現象とも地震発生の複雑さを示している。地震予知に使われる単純なモデルがきわめて不完全であることを知っていた研究者にとっては、こうした現象の発見は喜ばしい前進だ。「複雑なシステムが理解されれば、予知は可能かもしれない」と川崎教授は話す。川崎教授は1992年にサイレント地震を追跡した。「こうした新しい地震発生機構は、ほとんどの人が10年前には想像もできなかった新しい地震像を教えてくれる」と川崎教授は話す。
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文中にある川崎教授はサイレント地震の第一人者として知られている方です。サイレント地震に関してはセミナー[211] [222] [605] [689]
などに見解を述べてありますが、GPSの観測結果を解釈するために発想した(苦肉の策的な)もので、本当にそのような現象があるとは私には思えません。
また、非火山性震動が「潜り込む海洋プレートとともに地下約30キロの深さへ運ばれる水によって引き起こされる」という見解も納得できるものではありません。火山性であれ、非火山性であれ、マグマの中に含まれる水の解離度が変化することが、解離ガスの爆発という地震の原因になるのであり、海洋プレートの潜り込み(この概念自体が疑問ですが)によって水が供給されるのではないと思います。
地下に液化した二酸化炭素を圧入することはそこにあった地下水をさらに深部に追いやることになり、マグマの解離度を変化させることが、地震を誘発するという危険性を含んでいるわけです。

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2006-01-24 (Tue)
質問:マントルウェッジとは

ある方からマントルウェッジって何のことかと質問されました。
これは海洋プレートが大陸プレートの下に斜めに潜り込む場所では、大陸プレートの下部に楔のような三角形の断面をした部分が形成されますので、その部分をウエッジ(楔)と呼んでいます。プレート論を否定している石田理論には無い概念です。図は富士山の地学より


図に示すように、定説ではこの部分の下面が潜り込むプレートとの摩擦によって発生する高熱で熔融すると考えています。その熔融したマントル物質がマグマであると考え、そのマグマが固体マントルの内部を上昇していき、地表に達した場所が火山であるということになっています。
何度も言いますが、固体中を上昇するということはあり得ないと思います。また、潜り込みの形式は場所によって異なりますから、下図のように垂直に潜っている(石田理論では熔融しているマントルが対流している姿と解釈していますが)マリアナ海溝(D)のような場所では、定説の解釈はおかしなことになるように思います。

マントル対流と地震の関係あるいは、深発地震の起きる理由を参考にしてください。石田理論によれば、これは熔融しているマントルが対流している姿であって、対流に応じて解離度が変化するために爆発という地震が起こっていると解釈しています。そのほうが納得できる解釈だと思います。
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2006-01-25 (Wed)
イズミット地震での退潮現象

モーゼ効果という電磁気学上の現象があるそうです。強い磁場の下では、水面が低下することがあるそうで、出エジプト記にある紅海を二分したモーゼの奇跡に似ていることから命名されたようです。
これと似たような現象がトルコのイズミット地震のときに起こったことが、池谷先生の書かれた記事にありました。ただしこれは電磁気的なモーゼ効果で海が割れたのではないと書いてあります。海が割れて小船が海底に接地したのは、海水が地中に吸い込まれたからであるとしています。これは大地震の前の退潮現象ですが、船に乗っていた漁師の体験というのは大変興味深い現象ですので抜粋して紹介します。イズミット湾の形状と水深は下図のとおりです。活断層研究センター岡村土研サイトより

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■トルコのイズミット地震の前兆

 ・・・・ ところが、旧約聖書にあるモーゼの出エジプト記を思わせる「割れた海、水の壁」が現れたとの漁師の証言に出くわした。日本では、地震の前に「潮が引いて海底が現れた」、「川の水が逆流した」との古文書があるが、割れた海の報告はない。
■モーゼの海は、モーゼ効果(強磁場効果)?廃墟となった被災地イズミットのテントで、漁師は語った。

「イズミット湾で魚を捕っていた2:57(地震の5分前)に、海底から音が聞こえ震動を感じた。スクリューの故障かと思ったが、そうではない。ピンクの光が海面から空に向かって出るのを見た。海面が下がり3:04には海が2つに割れ両側に10-15mの高さの水の壁ができ、船が底に着いたように感じた。大きな波がきて、船は岸に打ち上げられた」。(中略)

  物理学の「モーゼ効果」は、テスラ単位の強磁場で反磁性の水がへこむ現象をいう。大地震の前には、1-100ナノテスラの磁場変動があるが、水が割れるに必要な強い磁場の報告はない。したがって、地震の前の割れた海は、モーゼ効果のためではない。
■断層破砕帯から海水の流出と流入

地球の表層は、プレートがどろどろしたマントルの上に浮いている。トルコをのせたプレートと北側のユーラシアプレートの境界に、東西に1200 kmにわたって「北アナトリア断層」が走り、その西で地震が起こった。断層をまっすぐに延長したイズミット湾のGolcuk岬付近で、割れた海が起こったという。
断層が動く前、断層の端に微小破壊やクラックが走ると、海水は急激に吸い込まれる。岩石破壊の実験では、微小破壊域の体積の0.2%の水が吸い込まれ、それから破壊が起きる。イズミット湾は水路のように細く、海水はゴルクック岬にさえぎられて破砕帯に流入できない。水の供給に限りがあると、破砕帯位置での水面が下がり、水の壁ができてもよい。浅瀬も岬と同じように、水の流入を妨げる。ある地理条件の下で、地震直前の破砕帯の形成によって水路では割れた海ができ、遠浅の湾では潮が引く。

■開放水路の実験 

(前略)「前兆を岩石微小破壊に伴う電磁パルスですべて説明しようとしている」と言われている筆者であるが、割れた海は電磁現象ではなく、簡単な水力学の世界である。巨大地震の前の「希有な自然現象」に過ぎない。
 科学がまだ進歩していないから「未科学現象」があるのではない。科学者が専門分野から出て市民の疑問に答えないから、未科学のままなのだ。大学が産学共同で稼ぐ独立法人の時代になっても、未科学を科学にする「遊び」を忘れて欲しくない。
大学や科学財団が「遊び人」に自由に使える研究費の最低保障をしないと、ハイリスクでノーリターンの研究に手が出せず、思いがけない科学技術の「種」は生まれない。大学こそがリスク覚悟で賭ける役割を分担すべきなのだ。それに、理学研究科だからこそ、脱線して科学を楽しみたい。基礎科学には、谷町のひいきが必要なのだ。
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以上が抜粋ですが、イズミットの漁師が体験したのは、大地震の前に良く起こる退潮現象です。クラカトア島の大爆発でも大量の海水が地球内部に吸い込まれました。
地震は解離ガスの爆発現象ですが、解離ガスは温度の上昇と圧力の減少で発生します。

@ 温度の上昇:毎日のように起こっている小さな地震は、マグマの移動に伴って起こる温度変化が解離ガスを発生させて解離ガス⇒爆発⇒結合水を繰り返している現象です。
A 圧力の減少:上の記事では「断層が動く前、断層の端に微小破壊やクラックが走ると、海水は急激に吸い込まれる。」とありますが、地殻内部に出来るマグマ溜りなどが空になる現象が大量の海水を落下させるのではないでしょうか、これによる大量の解離ガス発生が巨大地震の起こる原因であると考えています。退潮現象が起こるほどの地殻内部の空隙発生が巨大地震の原因であり、その繰り返しによって大陸規模の沈降という大異変が起こる可能性があります。

上の記事では「地球の表層は、プレートがどろどろしたマントルの上に浮いている。」と書いてあります。プレートを地殻と直せば私もそうだと思っている一人なのですが、地震学者はそう思っていないようです。
「科学者が専門分野から出て市民の疑問に答えないから、未科学のままなのだ。」というのは私もそうだと思います。ゴールド博士も地震計が出来てからは、机の上で研究論文が書けるようになったので、若い地震学者などは地震現象をよく知らずに研究していると嘆いています。市民の疑問にも答えられないのではないでしょうか。

1125
2006-01-26 (Thu)
プレート論の辻つま合わせ

マグマが出来るのはプレート間の摩擦熱によってマントル物質が熔融するからである・・・とするのは古い説で、最近は以下のような考え方があると富士山の地学にありました。

「沈み込んだ海洋性プレートの上面が深さ100km〜150kmに達すると脱水分解反応が行なわれ、放出されたH2Oによって、マントルウエッジにマグマが発生するという考えがある。」

どちらにしても、プレート間で熔融物質が存在するということは、「プレートの押し合いで生まれる歪が限界に達して・・・東海地震はいつ起こってもおかしくない。」という説が矛盾することになります。
プレート間に潤滑油のような働きをする高熱マグマがあれば、弾性反撥地震説は矛盾します。脱水分解反応で放出されたH2Oが加わることで溶解するという説でも同じことです。

この矛盾を解決するために、アスペリティー理論が誕生したのでしょうか、剛体であるプレートだがある部分は自由に滑り、ある部分だけがピンのように引っかかって、これが外れると跳ね上げ現象が起こるのだ・・・とされているようです。

しかし、そのような挙動をするのはもはや剛体ではありません。星野先生の次の言葉が思い出されます。

「多分、これからはもっと沢山、プレート説では説明出来ないことが指摘されることであろう。そして、プレート論者は、それはこれこれこういうことである、というにちがいない。しかしその答えは、しだいに辻つまの合わないものになるであろう、と私は思っている。」

1126
2006-01-27 (Fri)
疑問がいっぱいの地学教科書

高校生が勉強する地学副読本:マグマの発生には島弧で誕生するマグマに関して次のような記述がありました。

海洋プレート表面の玄武岩自身はもともと水分を含んでいませんが、これが海底で海水と反応して水分を含む鉱物ができています。つまり海洋プレート自身が水分を含んでいます。これが海溝からマントル深くにもぐり込むと、高温高圧により水がしぼり出され、周囲のカンラン岩マントルにしみ込みます。ところが水には、物質の融点を引き下げる性質があります。そこで水分がしみ込んだところだけカンラン岩が融けて、玄武岩マグマとなります。このようにしてできた玄武岩マグマがさらにさまざまなプロセスを経て、地表に見られるような安山岩マグマを中心とした多様なマグマになったと考えられます。

現在ではこれが定説なのでしょう、搾り出されるとか、浸み込む・・・というような概念を固体である岩石にしても良いものでしょうか、疑問に思います。

副読本では海嶺で浮上してくるマグマに関しても次の図を使って説明があります。


図ー1 カンラン岩の状態(液体−固体)と地下の温度・圧力の関係       図ー2 海嶺地下の様子(地学教室より)

「海嶺地下には高温のマントルが上昇して来ています。このような高温マントルの上昇は、地球全体の放熱(マントル対流)の一部です。そこで海嶺の地下では、図1赤矢印のように高温のまま圧力が下がり部分融解が始まります。このようにカンラン岩が部分融解してできる液体が玄武岩マグマなのです。

固体マントルの中をどうして上昇できるのでしょうか。部分融解が起こっているような場所でどうして弾性反撥による地震が起こり得るのでしょうか。海嶺部での地震は解離水の爆発ではないのでしょうか。

柔らかい固体(マントル)という概念は”まやかし”、”辻つま合わせ”のように思えて仕方がありません。疑問がいっぱい発生します。

さらに、マントルに関しては、明確に

「マントル=ドロドロと融けたマグマ」と言ったイメージが持たれがちですが、これは完全な誤りです。マントルは、多少軟らかくなっている部分があるとは言え、あくまで固体です。」

とありますから、私も池谷先生も高校地学の単位はとれそうにありません。

地学教育が危機的状況にあるという話を良く聞きますが、直感的に間違っているのではないかと感じ取られる内容こそが”魅力の無い地学教育”の根本原因ではないのでしょうか。

1127
2006-01-29 (Sun)
南極の氷床の年代算出について

H氏から以下のような質問が届きました。100万年前の氷が南極にあるということは暮れのテレビで解説したポールシフトの可能性は否定されるのではないかということです。

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『3千m超の氷床掘削に成功 南極ドームふじ基地』という話題がありましたが、100万年前の氷と推定されています。氷の年齢は、圧縮された氷の層を数えればカウント出来るので、そんなに大きな間違いは無いと思います。
とすると、少なくともここ100万年間は、南極と熱帯が入れ替わるような大きなポールシフトは無かったと、考えられるのでは無いでしょうか。

この件についての、考え方をご教示頂けますでしょうか。

よろしくお願い致します。

http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20060124/20060124a4850.html

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以上が質問ですが、これは大変根の深い大きな地球物理学上の問題を含んでいます。地球は回転体であるから回転軸が傾くようなことはない、太陽に対して姿勢を変えるようなことはあり得ない、という思い込みが生んだ間違った解釈であると思っています。

この南極の氷床問題だけでなく、大陸移動という概念を生んだのも、氷河期であるとか、全球凍結であるとかの解釈も、地球は自転と公転以外には動かない、太陽に対して姿勢を変えない、という地球不動説が生んだ窮屈で間違った解釈であると思っています。
氷床問題の前に、氷床の年代解釈にも出てくる氷河期とか間氷期という概念について考えてみたいと思います。
現在は何度目かの氷河期を過ぎた間氷期にあるとされています。氷河期になる原因はいくつかの説があるようですがミランコビッチ説というのが有力のようです。
しかしどの説を見ても、無理があるようで納得できるものではありません。私は陸地にある(海底で出来た)地層が物語るように地球は何回も隆起・沈降を繰り返してきたはずで、その隆起・沈降の原因は巨大地震であると思っています。そしてそのうちの何回かは回転軸が変化するほどの重心移動があってポールシフトが起こっただろうと思います。ポールシフトが起これば、ニューヨークが極地入りして、氷河の痕跡を残しても不思議ではありません。地球不動説で考えるから“ニューヨーク辺りまで氷で覆われた氷河時代”ということになってしまいます。サハラ砂漠に氷河の痕跡があるから、地球全体が凍ってしまった(全球凍結)というような解釈になってしまいます。

地球全体が凍ってしまうようなことが本当に起こるでしょうか、ミランコビッチ説でも説明できませんし、他にそれらしい原因はみつかりません。それよりも、回転軸が変化すれば赤道直下の地域でも極地入りすることがある・・という解釈のほうが無理なく納得することができるように思います。

さて、氷床の問題ですが、


図はペンギンさんの南極情報より

「南極氷床、ドームふじコアから読む地球気候・環境変動」という論文には、「ドームふじコア年代の決定について」という項目があり、次のような記事があります。

「深層コア年代の推定は氷床流動モデルを用いる方法が一般的であり、この推定には氷床表面での堆積速度を見積もる必要がある。現在の気候下でのドームふじ付近の堆積速度は核実験による人工放射性核種や火山起源物質の堆積に余って特定される層位年代からも推定でき、後氷期の堆積速度として水換算で30mm/年±10%の値が得られている。
氷の流動については、流動速度の水平成分を零とし、鉛直成分の深さ変化パターンをグリーンランド氷床中央ドーム(サミット)で得られたパターンと同じであると仮定した。過去の涵養量は、東クイーンモーランドの高原部で得られた「酸素同位体組成と涵養量(積雪堆積速度)との間の関係を示す経験式」が過去についても有効であるものと仮定して用い、この式に実測されたコアの同位体組成の値を代入して算定した。氷厚は一定で時間変化なないものとすると、深さ毎の氷の層について逐次計算することにより、年代プロファイルを算出できる。」

とあります。つまり、「積雪堆積速度の経験式が過去についても有効と仮定」しているなどいくつかの仮定の下に算出されているのであって、化石や地層の年代測定のように明確な年代を示すものではないと思います。地球不動説が違っていれば、ポールシフトによっては堆積速度が速くなったり、表面が太陽熱で解けたりして、マイナスの堆積速度になることもあるはずです。
この論文の図―2を紹介します。


氷床の表面から400m前後、年代では1万2〜3千年辺りに平均気温が現在よりも5度程度低い時代があることが分かります。この時代ふじコアの観測点はもっと極点に近かったのではないでしょうか。また1750m付近には平均気温が6度も高い時代があります。
もっと高い時代があったとすれば、その時代には氷床など形成されず、むしろ前の時代の氷床上部を溶かしてしまったのではないでしょうか。つまり、掘削して取り出した氷床の柱には連続性が無く断続している可能性があると云うことです。
ということは、種々の仮定の下に算出した年代にも断絶があって正確には100万年前の氷を採集したのかどうか分からない、年代算出方法には疑問があるということです。
論文の冒頭には

「南極大陸における氷河形成の最初の記録は4900万年前の始新世中期といわれ、3700万年前の漸新世初期には氷床の形成がはじまり、80万年前頃より地球の気候は10万年周期の寒・暖期の繰り返しが明瞭になってきた。南極氷床は、その地理的位置および大陸としての地形的特性から、第四紀氷河時代の気候変動に対してその規模を大きく変動させなかったと考えられているが、気候変動そのものの記録は氷床堆積層に刻みこまれてきた。」

とあります。
この記事はすべて「地球不動説」が前提になっております。それにしても何故4900万年まえから堆積したのでしょうか、地球が不動ならばその前から堆積してもよさそうに思うのですが、また100万年前頃の氷で基盤に達しているようですが、それ以前の氷はどこへ行ったのでしょうか、私には疑問に思えてなりません。

南極氷床の年代算出には多くの疑問がありますが、いつの日か氷が溶けて、その下から数万年前という時代の文明の遺跡が出てくれば謎は解明されることでしょう。

1128
2006-01-29 (Sun)
南極氷床の内部層は何か、何故出来たのか

南極の氷床に見られる内部の層状構造は何か、という質問を早速知人から受けました。調べてみましたが、郵政省通信総合通信研究所CRLニュースに次のような記事がありました。
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氷の中に反射層がある
 電波によってもたらされた南極氷床の情報は、ただ単に氷の厚さだけではなかった。1970年代に入って航空機を用いて広範囲に氷の厚さを計測し、基盤地形図や氷床の断面図が作られるようになると、場所によっては、これまで電波にとって透明だと思われてきた氷の中に何層もの反射層があることが見つかった(図1)。
郵政省通信総合通信研究所CRLニュース
より


はたして、この反射層は一体なんであろうか。多くの雪氷学者は、反射層が形成された時に、氷とは異なる誘電率を持つ物質が封じ込められたのではないかと想像した。南極の氷を垂直に掘ってコアサンプルを採り、層別に分析するとしばしば汚れ層と呼ばれる色のついた薄い層を見つけることがある。この汚れ層を分析すると火山灰に含まれる成分と同じものが見つかる。コアサンプル中の汚れ層の推定年代と氷厚計中に見いだされる反射層の推定年代を対応させて、反射層をその層が形成された当時の火山活動を表わすものだとする考え方が有力である。そうだとすると、我々は、南極氷床に刻み込まれた地球の活動の歴史やそれに伴う気候変動を知る手段も得たことになる。また、内部の層構造をトレースする事によって鉛直断面内での氷床の流れの様子も推定することができる。ただし、まだ解明すべき点は多い。例えば、観測される場所によって、同時に複数の層構造が観測されたり、逆に一つの内部層も観測されなかったりする。また、実際の層構造は電波氷厚計の分解能に比べてきわめて細かいため、内部反射エコーの波形の解釈に問題が残っており、電波氷厚計の高分解能化や反射エコーの電波科学的な解析が課題となっている。
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以上が記事の抜粋ですが、この内部層は大陸にかなり広く分布していることが、極地研究所ニュースに載っていました。

極地研究所ニュースより

この内部層は「層が形成された当時の火山活動を表わすものだとする考え方が有力である。」ということですが、単に火山灰が降り積もったということだけではなく、“かなり長期に渡って常温に曝され、表面の雪が解けたため、あるいは降雪が無かったために、火山灰の占める割合が高くなっている層” なのではないかと思います。何万年かの間には、ポールシフトという地殻移動が起こり、極圏を出たり入ったりしたことがあるのだと思います。内部層が存在しない場所があるとすれば、温暖な地域に移ったときに火山灰などの表面堆積物が洗い流された場所、ということが出来るかもしれません。
いずれにしても、ポールシフトという地殻移動説を否定する材料にはならないと思います。

1129
2006-01-31 (Tue)
海退現象の原因

氷河期というのはポールシフトによる氷河形成地域の単なる変遷を氷河地帯の拡大と誤解した解釈なんだよ・・・という説明に対し、知人から「ではどうして海面が低下する海退という現象が起こるのか。海面が100メートル以上も低かった時代があることは大陸棚の海底に川筋が見られることで明らかなはずだが、氷河期に海水が氷として固定されたせいではないのか・・・。」と再度質問されました。

確かに海水が氷として海面上に固定されたのは間違いないのですが、氷河期という解釈でなくとも可能です。それは両極に陸地があるかどうかで、氷の固定量が違うからです。
現在は南極圏にしか陸地がありません、北極圏は海になっています。両極ともに陸地或いは海底まで氷結するような浅い海である場合には、現在よりも固定される海水の量は多くなり、海退現象は起こりえます。
何億年かの間には現在の陸地が海であったこと、海域が浮上して大陸になっていたことなど、地層が証明しています。また、アフリカと南米が分裂していなかった時代もあったわけですから、大陸の配置は現在とは違っていたことは明らかです。
したがって、両極とも陸地になっていたという時代はあったはずで、そのときの海面は現在よりも低下していたことでしょう。
これが海退現象の原因だと思います。大陸棚の川筋はその時形成されたものでしょう。

参考のために定説による解釈を紹介しておきます。

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氷河期
 地球には過去に何度も氷河期とよばれる気温の低い時期がありました。7億年ほどまでの氷河期は地球のすべての表面が氷に覆われた「全球凍結」という超氷河期が頻繁にあったこともわかっています。このような地球を「スノーボール・アース」といいます。
 約6億年前のカンブリア紀直前にスノーボールを脱した地球はその後も何度かの氷河期を経験しましたが、全球凍結はおこっていません。この原因は太陽の進化によって放射される熱エネルギーの総量が増加したためと考えることができます。
 顕生代(カンブリア紀以降現在まで)には全球凍結はおこりませんでしたが、古生代末には生物種の90%以上が絶滅する大絶滅がおこりました。この原因については天体の衝突という考え方もありますが、氷河期の到来による氷河の発達→海水の減少→大陸棚の消失→植物プランクトンの死滅→酸素欠乏 といった原因が考えられています。
 中生代には目立った氷河期はありませんが、新生代になって強い氷河期が何度も到来しています。過去200万年の第四紀は氷河期が普通で、氷河期と氷河期の間である間氷期のほうが短く、現在は約1万年前に終わった氷河期(ヴュルム氷期)と次に来る氷河期の間氷期と考えられています。ただし間氷期とは言わず後氷期といいます。

氷河期になると、氷河期の程度にもよりますが、海水が大陸氷河となるため、海退(海面の低下)がおこります。約1万2千年前には海面が最大130m低下しました。日本付近では朝鮮半島・樺太・シベリアが陸続きで、日本海が湖となっていました。
 日本のような中緯度地方では、高山地帯で氷河が発達し、広葉樹林帯や針葉樹林帯の南限が南に下がってきます。また季節は 春−秋−冬 となり夏がほとんど無くなると考えてよいでしょう。
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1130
2006-02-01 (Wed)
全球凍結は誤解である

かつてNHKが放映した「全球凍結」に関する番組について北大名誉教授である角皆(つのがい)先生が面白い記事を書いておられます。氷河期の解釈については地球の気温が変化したのではなく、「ポールシフトによって地殻が移動したことを誤解している」のだとする石田理論とは違っていますが、全球凍結に関しては「ずいぶん無理な話をつなぎ合わせたものだ」と否定しておられますので抜粋して紹介します。「全球凍結」を否定する学者もあるということです。
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全球凍結
2004.5.16 角皆 静男 311
 昨晩のNHKスペシャルで、「全球凍結が私達を生んだ」というタイトルで6億年前に地球が凍結したと放送していた。
その証拠は、アフリカの赤道付近の6億年前の地層に氷河が運んだらしい石があったからというだけだ。凍結したきっかけは大気のメタンが酸化して無くなり、その温室効果が無くなったからとし、その終了は、火山の噴火で二酸化炭素が出てきたからと説明していた。
  ずいぶん無理な話をつなぎ合わせたものだ。6億年前というのは地球の歴史からすれば最近の話だ(先週紹介した私の話では、生物が海から陸に上がった時)。(中略)
  20%にも達する大気の酸素を突然蓄積させるのは不可能だし、二酸化炭素がそれまで存在しなかったという話も信じがたい。そのメタンでさえ、生物が二酸化炭素からつくった有機物から生じたはずだ。
  不十分な証拠で誰かが何か言った時、それを否定する証拠も十分にはない。それで勝手な説が横行するのだが、判断力のない者、NHKは神様みたいに思う者は正しいと信じ込んでしまうかもしれない。困ったものだ。
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このような角皆先生の否定的見解に対して、關(せき)文威先生(筑波大名誉教授)も「生物進化に係わる既存の一般常識からも首を捻るところが多く、不審に思っていました。」と述べておられます。有名なラブロックのガイヤ理論では「地球環境が生物の生存にとって適した状態に維持されるように生物自身が積極的に関与してきた。」としていますので、全球凍結という生物が死滅するような事件は想定外であります。このように、全球凍結は疑問の多い理論といえます。
一方肯定論者である岐阜大学の川上紳一先生の「全地球凍結」を読むと、

「二万年ぐらい前には、北欧地域や北米地域で氷床が大きく拡大して、いまのアメリカの五大湖辺りまで氷床が発達したことがありました。このような時代を地球科学では「氷河時代」と呼んでいます。でもこうした寒冷な気候状態でも熱帯性気候の赤道まで氷床が発達して地球全体が氷付けになるようなことはありませんでした。」

とあり、しかしながら、赤道直下のナミビアでの調査では、6億年前の氷河の痕跡が見つかった、よって当時はこの地域まで氷河が発達し、地球全体が氷漬けになったのだ、と結論付けています。
石田理論によれば、ナミビアに氷河があったころ、今の北極は赤道付近にあったでしょうし、氷河が五大湖辺りにあったころ、今の北極は北緯50度くらいの位置で、樺太半島あたりの気候だったはずです。

またこの書では全球凍結を匂わせる出来事として、ナミビアだけでなく地球上いたるところで、氷河が運んできたと考えられる礫を多く含む堆積物がある、としています。
同時に、
「氷河が運んだ地層というのは、粘度のような細かい土砂と巨大な礫が渾然一体となっています。似たような地層は土石流堆積物でも見られます。もし、氷河が消えてモレーンの堆積物だけが残っていたら、氷河作用で運ばれたものか、土石流で運ばれたものか区別することは困難です。」
とも書かれています。
地球上いたるところで見られる礫を含んだ堆積層とは、ポールシフトに付随する大津波が地球規模で暴れまわった時に堆積したもの、と考えたほうが自然です。
赤道直下に極が存在したという痕跡が本当にあるのなら、それは地軸が90度傾斜して、地殻移動が起こったと解釈するほうが自然だと思います。


(川上紳一著「全球凍結」より)

なお同書にある地軸の傾き現象は、自転軸が上図のように黄道面と平行になるような傾斜の場合であり、ポールシフト論として説明している地殻移動とは別のものです。地球は磁場を持っている「生きた星」ですので、このような姿勢をとることは無いと思います。

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