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1111 2006-01-14 (Sat) 再びマントル熔融論の可能性 hiromi氏から再度メールをいただきました。 ・ マントル最上部で発生するマグマは、周囲のマントルよりも密度が低いために上昇し、地表へと噴出します。 【コメント】 固体であると仮定しているマントルの中でこのような浮力という概念を使用するのはおかしいと思います。マグマが固体の地殻中を上昇してくるのは内部圧力が働くからです。地球内部のマグマにも作用している潮汐力がその大きな原因です。 ・ ところが、地震波の解析によって上部マントル最下部に液状の物質が分布している可能性が示されました。 【コメント】 地震波の解析は固体である物質中でしか結果を信用できないはずです。マントルが熔融状態であるとすれば結果を信用することはできません。しかしこの研究の成果は、マントルが熔融している可能性を示すものであり、地震波解析の前提を覆すものであるはずです。 ・ また、現在の地球内部の温度分布とマントル物質の熔融実験から、上部マントル深部でマグマが生ずるためには、マントルは水を含んでいる必要があります。しかしながら、含水マグマの密度測定は技術的に困難であり、そのようなマグマが滞留しうるかどうかは、検証されていませんでした。 【コメント】 地球内部の温度分布というのも、実測されたわけではなく、固体仮定のもとで行った地震波解析によって推定されているものではないでしょうか。論旨全体に疑問があります。 ・実験結果をもとにして、マントルの密度とつりあう含水マグマの組成を推定すると、含水量6.7 重量%までのマグマは上部マントル深部に滞留することが分かりました。 【コメント】 繰り返しますが、マントルの密度とつりあう・・・というのはアルキメデスの原理で静水力学の概念です。固体仮定をしているマントル内で使用することは出来ません。 ・ 今後の展開として、本研究の結果、地球内部にマグマが滞留しうることが示されましたが、最近の地震波速度の観測から上部マントルとマントル遷移層とを分ける地震波不連続面の深さは、場所によって異なっていることが判っており、この違いは温度の違いよりも、むしろ含水量の違いによると考える方が無理なく説明できるため、マントル遷移層に水が含まれることを裏付ける観測事実が、今後さらに判明してくることが期待されます。 【コメント】 地震波解析の結果というものが、信頼できないものであれば、それをベースにした議論は全てがナンセンスとなってしまいます。 マントル遷移層が存在し、マントルが上部下部に分かれるという説明も、地震波の解析から見つかったとされているのですが、解析の前提条件が崩れようとしています。 |
1112 2006ー01ー15(Sun) 長周期震動の発生する原因は何か 昨日のテレビ朝日の番組「巨大地震は必ず来る」で知らされたことですが、阪神高速道路の橋脚は大きなゆれの後に来る長周期震動で倒れたということです。加速度が最大値を示すときではなく、その後に来るゆっくりとした震動で倒れたというガソリンスタンド店員の証言が新しい知見でした。 |
1113 2006-01-16 (Mon) 地震爆発現象を証明する飛び石現象 地震時には相当大きな加速度が働き地上の石が飛びあがると云う現象があります。 |
1114 2006-01-17 (Tue) 地殻の構造模式図 定説の地震学で解釈されている地殻の構造と、石田理論での解釈の違いを明確にするために模式図を載せてみました。 地殻の厚さがどの程度なのかは、大陸部や海洋部などの場所によって変わるので、はっきりとはわかりませんが、岩石圏(リソスフェア)と呼ばれている部分を含むものであることは確かだろうと思います。 地殻は大陸部では厚く、海洋部では薄くなります。関東圏が深発地震に敏感で、伊勢湾や、ウラジオストックあたりで発生した地震にまで有感となるのは、地殻第二層の緻密な岩盤(カンラン岩で構成される)が地表近くに位置しているためだと考えられます。 深度600kmというような地球深部の熔融マントル内で起きた解離ガスの爆発(深発地震)震動が地殻第二層を通って伝播されるからだと考えています。 震央で無感になるのは、地殻第一層の柔らかい岩盤(花崗岩、玄武岩で構成される)が厚く、震動を吸収するからだと思います。 |
1115 2006-01-17 (Tue) 解離ガスの爆縮という地震爆発説 地震爆発説が否定される根拠が防災科学研究所のサイトに載っていましたので、紹介します。 図4.3.1-1 1931年西埼玉地震(M=6.9)のP波初動押し引き分布[阿部勝征(1990)による] 図4.3.1-1に、P波初動の押し引き分布の一例を示す。●が押し、○が引きの観測点である。震央の位置は+印で示されている。この図から、押し引きの分布はでたらめではなく、きれいに4象限に分かれていることがわかる。押しと引きの領域を分ける直線を「節線」という。2本の節線の交点が震央の位置である。 かつては、地下でマグマが爆発して地震となるという考えがあった。もしこれが正しければ、震源からはあらゆる方向にまず押し波が出て行くことになる。従って、全観測点で初動は押し波となるはずである。逆に、地下の空洞がつぶれて地震になるのならば、全観測点で引きにならなければならない。実際の押し引き分布からは、このような単純な震源像は排除される。 ------------------------------------------------- 以上のような理由で地震が爆発であるという単純な(?)震源像は排除されると書いてあります。 しかし、石田理論として提案している地震爆発論は解離ガス(水素と酸素の混合ガス)の爆発であり、厳密には爆縮現象を伴うものであります。震源付近で生じる地盤の動きを模型にしたものが写真のようなものです。 押し引き分布がきれいに4象限に分かれるのは、震源が浅く、爆発方向が水平(押し円錐の軸が水平)の場合に現れる特徴的な押し引き分布であります。 |
1116 2006-01-18 (Wed) 定説学者は大騒動になる 1月13日に書きました東北大学の研究ニュースは「400kmの深部でもマグマが存在する」という件に関しては、特に新しい発見でもないようです。引用サイトはリンク切れになってしまいましたが、セミナー[702]にある東京大学の笠原順三先生の研究ではマントル構成物質であるカンラン石は水を加えると簡単に熔融すると次のように述べておられます。 |
1117 2006-01-19 (Thu) マントルウェッジが熔融するという定説論 hiromi氏から東京大学の研究情報を送っていただきました。 |
1118 2006-01-19 (Thu) 翡翠の誕生と上昇 鉱物才集日記というブログを開設しておられる谷口氏から、翡翠の誕生過程がプレート論によって説明されているという情報をいただきました。氏はその理論に疑問をも感じておられるそうですが、定説の翡翠誕生理論を教えていただきました。 |
1119 2006-01-20 (Fri) ヒスイの誕生を推測する ヒスイの誕生を推測しておりました。 |
1120 2006-01-21 (Sat) くいちがい石の生成を推測する くいちがい石という奇岩があることを始めて知り、 くいちがい石の成因説を興味深く読みました。 |
1121 2006-01-21 (Sat) 地球の海はマグマから分離した水が作った hiromi氏からジルコンという鉱物を調べると、44億年前に誕生したものがあるので、地球はそのころから、冷えていて、海があったのかもしれないという研究報告を送っていただきました。その中で日経サイエンスの一部を紹介します。 |
1122 2006-01-23 (Mon) 二酸化炭素の地下封じ込めに関して hiromi氏からメールをいただいております。「地下への二酸化炭素封じ込め」に関するセミナー記事[955]などを読まれたのでしょうか、科学雑誌NATUREの記事 |
1123 2006-01-24 (Tue) 質問:マントルウェッジとは ある方からマントルウェッジって何のことかと質問されました。 図に示すように、定説ではこの部分の下面が潜り込むプレートとの摩擦によって発生する高熱で熔融すると考えています。その熔融したマントル物質がマグマであると考え、そのマグマが固体マントルの内部を上昇していき、地表に達した場所が火山であるということになっています。 何度も言いますが、固体中を上昇するということはあり得ないと思います。また、潜り込みの形式は場所によって異なりますから、下図のように垂直に潜っている(石田理論では熔融しているマントルが対流している姿と解釈していますが)マリアナ海溝(D)のような場所では、定説の解釈はおかしなことになるように思います。 マントル対流と地震の関係あるいは、深発地震の起きる理由を参考にしてください。石田理論によれば、これは熔融しているマントルが対流している姿であって、対流に応じて解離度が変化するために爆発という地震が起こっていると解釈しています。そのほうが納得できる解釈だと思います。 |
1124 2006-01-25 (Wed) イズミット地震での退潮現象 モーゼ効果という電磁気学上の現象があるそうです。強い磁場の下では、水面が低下することがあるそうで、出エジプト記にある紅海を二分したモーゼの奇跡に似ていることから命名されたようです。 --------------------------------------------------------- ■トルコのイズミット地震の前兆 ・・・・ ところが、旧約聖書にあるモーゼの出エジプト記を思わせる「割れた海、水の壁」が現れたとの漁師の証言に出くわした。日本では、地震の前に「潮が引いて海底が現れた」、「川の水が逆流した」との古文書があるが、割れた海の報告はない。 ■モーゼの海は、モーゼ効果(強磁場効果)?廃墟となった被災地イズミットのテントで、漁師は語った。 「イズミット湾で魚を捕っていた2:57(地震の5分前)に、海底から音が聞こえ震動を感じた。スクリューの故障かと思ったが、そうではない。ピンクの光が海面から空に向かって出るのを見た。海面が下がり3:04には海が2つに割れ両側に10-15mの高さの水の壁ができ、船が底に着いたように感じた。大きな波がきて、船は岸に打ち上げられた」。(中略) 物理学の「モーゼ効果」は、テスラ単位の強磁場で反磁性の水がへこむ現象をいう。大地震の前には、1-100ナノテスラの磁場変動があるが、水が割れるに必要な強い磁場の報告はない。したがって、地震の前の割れた海は、モーゼ効果のためではない。 ■断層破砕帯から海水の流出と流入 地球の表層は、プレートがどろどろしたマントルの上に浮いている。トルコをのせたプレートと北側のユーラシアプレートの境界に、東西に1200 kmにわたって「北アナトリア断層」が走り、その西で地震が起こった。断層をまっすぐに延長したイズミット湾のGolcuk岬付近で、割れた海が起こったという。 断層が動く前、断層の端に微小破壊やクラックが走ると、海水は急激に吸い込まれる。岩石破壊の実験では、微小破壊域の体積の0.2%の水が吸い込まれ、それから破壊が起きる。イズミット湾は水路のように細く、海水はゴルクック岬にさえぎられて破砕帯に流入できない。水の供給に限りがあると、破砕帯位置での水面が下がり、水の壁ができてもよい。浅瀬も岬と同じように、水の流入を妨げる。ある地理条件の下で、地震直前の破砕帯の形成によって水路では割れた海ができ、遠浅の湾では潮が引く。 ■開放水路の実験 |
1125 2006-01-26 (Thu) プレート論の辻つま合わせ マグマが出来るのはプレート間の摩擦熱によってマントル物質が熔融するからである・・・とするのは古い説で、最近は以下のような考え方があると富士山の地学にありました。 どちらにしても、プレート間で熔融物質が存在するということは、「プレートの押し合いで生まれる歪が限界に達して・・・東海地震はいつ起こってもおかしくない。」という説が矛盾することになります。 この矛盾を解決するために、アスペリティー理論が誕生したのでしょうか、剛体であるプレートだがある部分は自由に滑り、ある部分だけがピンのように引っかかって、これが外れると跳ね上げ現象が起こるのだ・・・とされているようです。 しかし、そのような挙動をするのはもはや剛体ではありません。星野先生の次の言葉が思い出されます。 「多分、これからはもっと沢山、プレート説では説明出来ないことが指摘されることであろう。そして、プレート論者は、それはこれこれこういうことである、というにちがいない。しかしその答えは、しだいに辻つまの合わないものになるであろう、と私は思っている。」 |
1126 2006-01-27 (Fri) 疑問がいっぱいの地学教科書 高校生が勉強する地学副読本:マグマの発生には島弧で誕生するマグマに関して次のような記述がありました。 海洋プレート表面の玄武岩自身はもともと水分を含んでいませんが、これが海底で海水と反応して水分を含む鉱物ができています。つまり海洋プレート自身が水分を含んでいます。これが海溝からマントル深くにもぐり込むと、高温高圧により水がしぼり出され、周囲のカンラン岩マントルにしみ込みます。ところが水には、物質の融点を引き下げる性質があります。そこで水分がしみ込んだところだけカンラン岩が融けて、玄武岩マグマとなります。このようにしてできた玄武岩マグマがさらにさまざまなプロセスを経て、地表に見られるような安山岩マグマを中心とした多様なマグマになったと考えられます。 現在ではこれが定説なのでしょう、搾り出されるとか、浸み込む・・・というような概念を固体である岩石にしても良いものでしょうか、疑問に思います。 副読本では海嶺で浮上してくるマグマに関しても次の図を使って説明があります。 図ー1 カンラン岩の状態(液体−固体)と地下の温度・圧力の関係 図ー2 海嶺地下の様子(地学教室より) 「海嶺地下には高温のマントルが上昇して来ています。このような高温マントルの上昇は、地球全体の放熱(マントル対流)の一部です。そこで海嶺の地下では、図1赤矢印のように高温のまま圧力が下がり部分融解が始まります。このようにカンラン岩が部分融解してできる液体が玄武岩マグマなのです。 固体マントルの中をどうして上昇できるのでしょうか。部分融解が起こっているような場所でどうして弾性反撥による地震が起こり得るのでしょうか。海嶺部での地震は解離水の爆発ではないのでしょうか。 柔らかい固体(マントル)という概念は”まやかし”、”辻つま合わせ”のように思えて仕方がありません。疑問がいっぱい発生します。 さらに、マントルに関しては、明確に 「マントル=ドロドロと融けたマグマ」と言ったイメージが持たれがちですが、これは完全な誤りです。マントルは、多少軟らかくなっている部分があるとは言え、あくまで固体です。」 とありますから、私も池谷先生も高校地学の単位はとれそうにありません。 地学教育が危機的状況にあるという話を良く聞きますが、直感的に間違っているのではないかと感じ取られる内容こそが”魅力の無い地学教育”の根本原因ではないのでしょうか。 |
1127 2006-01-29 (Sun) 南極の氷床の年代算出について H氏から以下のような質問が届きました。100万年前の氷が南極にあるということは暮れのテレビで解説したポールシフトの可能性は否定されるのではないかということです。 ---------------------------------------------------------------------------------------- 『3千m超の氷床掘削に成功 南極ドームふじ基地』という話題がありましたが、100万年前の氷と推定されています。氷の年齢は、圧縮された氷の層を数えればカウント出来るので、そんなに大きな間違いは無いと思います。 この件についての、考え方をご教示頂けますでしょうか。 よろしくお願い致します。 http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20060124/20060124a4850.html ------------------------------------------------------------------------------------------- 以上が質問ですが、これは大変根の深い大きな地球物理学上の問題を含んでいます。地球は回転体であるから回転軸が傾くようなことはない、太陽に対して姿勢を変えるようなことはあり得ない、という思い込みが生んだ間違った解釈であると思っています。 この南極の氷床問題だけでなく、大陸移動という概念を生んだのも、氷河期であるとか、全球凍結であるとかの解釈も、地球は自転と公転以外には動かない、太陽に対して姿勢を変えない、という地球不動説が生んだ窮屈で間違った解釈であると思っています。 地球全体が凍ってしまうようなことが本当に起こるでしょうか、ミランコビッチ説でも説明できませんし、他にそれらしい原因はみつかりません。それよりも、回転軸が変化すれば赤道直下の地域でも極地入りすることがある・・という解釈のほうが無理なく納得することができるように思います。 さて、氷床の問題ですが、 図はペンギンさんの南極情報より 「南極氷床、ドームふじコアから読む地球気候・環境変動」という論文には、「ドームふじコア年代の決定について」という項目があり、次のような記事があります。 「深層コア年代の推定は氷床流動モデルを用いる方法が一般的であり、この推定には氷床表面での堆積速度を見積もる必要がある。現在の気候下でのドームふじ付近の堆積速度は核実験による人工放射性核種や火山起源物質の堆積によって特定される層位年代からも推定でき、後氷期の堆積速度として水換算で30mm/年±10%の値が得られている。 とあります。つまり、「積雪堆積速度の経験式が過去についても有効と仮定」しているなどいくつかの仮定の下に算出されているのであって、化石や地層の年代測定のように明確な年代を示すものではないと思います。地球不動説が違っていれば、ポールシフトによっては堆積速度が速くなったり、表面が太陽熱で解けたりして、マイナスの堆積速度になることもあるはずです。 氷床の表面から400m前後、年代では1万2〜3千年辺りに平均気温が現在よりも5度程度低い時代があることが分かります。この時代ふじコアの観測点はもっと極点に近かったのではないでしょうか。また1750m付近には平均気温が6度も高い時代があります。 もっと高い時代があったとすれば、その時代には氷床など形成されず、むしろ前の時代の氷床上部を溶かしてしまったのではないでしょうか。つまり、掘削して取り出した氷床の柱には連続性が無く断続している可能性があると云うことです。 ということは、種々の仮定の下に算出した年代にも断絶があって正確には100万年前の氷を採集したのかどうか分からない、年代算出方法には疑問があるということです。 論文の冒頭には 「南極大陸における氷河形成の最初の記録は4900万年前の始新世中期といわれ、3700万年前の漸新世初期には氷床の形成がはじまり、80万年前頃より地球の気候は10万年周期の寒・暖期の繰り返しが明瞭になってきた。南極氷床は、その地理的位置および大陸としての地形的特性から、第四紀氷河時代の気候変動に対してその規模を大きく変動させなかったと考えられているが、気候変動そのものの記録は氷床堆積層に刻みこまれてきた。」 とあります。 南極氷床の年代算出には多くの疑問がありますが、いつの日か氷が溶けて、その下から数万年前という時代の文明の遺跡が出てくれば謎は解明されることでしょう。 |
1128 2006-01-29 (Sun) 南極氷床の内部層は何か、何故出来たのか 南極の氷床に見られる内部の層状構造は何か、という質問を早速知人から受けました。調べてみましたが、郵政省通信総合通信研究所CRLニュースに次のような記事がありました。 はたして、この反射層は一体なんであろうか。多くの雪氷学者は、反射層が形成された時に、氷とは異なる誘電率を持つ物質が封じ込められたのではないかと想像した。南極の氷を垂直に掘ってコアサンプルを採り、層別に分析するとしばしば汚れ層と呼ばれる色のついた薄い層を見つけることがある。この汚れ層を分析すると火山灰に含まれる成分と同じものが見つかる。コアサンプル中の汚れ層の推定年代と氷厚計中に見いだされる反射層の推定年代を対応させて、反射層をその層が形成された当時の火山活動を表わすものだとする考え方が有力である。そうだとすると、我々は、南極氷床に刻み込まれた地球の活動の歴史やそれに伴う気候変動を知る手段も得たことになる。また、内部の層構造をトレースする事によって鉛直断面内での氷床の流れの様子も推定することができる。ただし、まだ解明すべき点は多い。例えば、観測される場所によって、同時に複数の層構造が観測されたり、逆に一つの内部層も観測されなかったりする。また、実際の層構造は電波氷厚計の分解能に比べてきわめて細かいため、内部反射エコーの波形の解釈に問題が残っており、電波氷厚計の高分解能化や反射エコーの電波科学的な解析が課題となっている。 ---------------------------------------------------------------------------------- 以上が記事の抜粋ですが、この内部層は大陸にかなり広く分布していることが、極地研究所ニュースに載っていました。 極地研究所ニュースより この内部層は「層が形成された当時の火山活動を表わすものだとする考え方が有力である。」ということですが、単に火山灰が降り積もったということだけではなく、“かなり長期に渡って常温に曝され、表面の雪が解けたため、あるいは降雪が無かったために、火山灰の占める割合が高くなっている層” なのではないかと思います。何万年かの間には、ポールシフトという地殻移動が起こり、極圏を出たり入ったりしたことがあるのだと思います。内部層が存在しない場所があるとすれば、温暖な地域に移ったときに火山灰などの表面堆積物が洗い流された場所、ということが出来るかもしれません。 |
1129 2006-01-31 (Tue) 海退現象の原因 氷河期というのはポールシフトによる氷河形成地域の単なる変遷を氷河地帯の拡大と誤解した解釈なんだよ・・・という説明に対し、知人から「ではどうして海面が低下する海退という現象が起こるのか。海面が100メートル以上も低かった時代があることは大陸棚の海底に川筋が見られることで明らかなはずだが、氷河期に海水が氷として固定されたせいではないのか・・・。」と再度質問されました。 確かに海水が氷として海面上に固定されたのは間違いないのですが、氷河期という解釈でなくとも可能です。それは両極に陸地があるかどうかで、氷の固定量が違うからです。 参考のために定説による解釈を紹介しておきます。 --------------------------------------------------------------------------------------------- 氷河期になると、氷河期の程度にもよりますが、海水が大陸氷河となるため、海退(海面の低下)がおこります。約1万2千年前には海面が最大130m低下しました。日本付近では朝鮮半島・樺太・シベリアが陸続きで、日本海が湖となっていました。 |
1130 2006-02-01 (Wed) 全球凍結は誤解である かつてNHKが放映した「全球凍結」に関する番組について北大名誉教授である角皆(つのがい)先生が面白い記事を書いておられます。氷河期の解釈については地球の気温が変化したのではなく、「ポールシフトによって地殻が移動したことを誤解している」のだとする石田理論とは違っていますが、全球凍結に関しては「ずいぶん無理な話をつなぎ合わせたものだ」と否定しておられますので抜粋して紹介します。「全球凍結」を否定する学者もあるということです。 「二万年ぐらい前には、北欧地域や北米地域で氷床が大きく拡大して、いまのアメリカの五大湖辺りまで氷床が発達したことがありました。このような時代を地球科学では「氷河時代」と呼んでいます。でもこうした寒冷な気候状態でも熱帯性気候の赤道まで氷床が発達して地球全体が氷付けになるようなことはありませんでした。」 とあり、しかしながら、赤道直下のナミビアでの調査では、6億年前の氷河の痕跡が見つかった、よって当時はこの地域まで氷河が発達し、地球全体が氷漬けになったのだ、と結論付けています。 またこの書では全球凍結を匂わせる出来事として、ナミビアだけでなく地球上いたるところで、氷河が運んできたと考えられる礫を多く含む堆積物がある、としています。 (川上紳一著「全球凍結」より) なお同書にある地軸の傾き現象は、自転軸が上図のように黄道面と平行になるような傾斜の場合であり、ポールシフト論として説明している地殻移動とは別のものです。地球は磁場を持っている「生きた星」ですので、このような姿勢をとることは無いと思います。 |
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