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7.関東大地震による相模湾海底の局所的大陥没

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 石本巳四雄博士の論文には、関東大地震のあと、相模湾内海底の水深変位量がプラス200メートル(深くなるということ)を超えると言う驚くべき量になっていたという記述があります。誰もその合理的な説明が思いつかないまま、その事実は忘れ去られてきたようです。解離爆発説という新説・地震論では、合理的な説明ができるでしょうか、やってみましょう。 

[解説]
 普通、陸上部分よりも海底部分は軟弱であり、引き領域内にある海底土質は、からっぽになった巨大なマグマ溜りに引き込まれるように陥没します。大陸や島の陥没はこうしておきるのです。逆に海底の直下型地震(爆発の方向が地表面に垂直である)では、巨大な隆起が発生して、ギョーと呼ばれる海底台地の出現を見ます。爆発の方向が水平に近くなると、陥没になるのですが、関東大地震時の隆起・陥没分布図からみると変形双曲型であり、水平とはいえません。かつ相模湾は押し領域にあたっています。それなのに陥没量が200メートルというのは、このままでは合理的説明はできません。しかし、濃尾地震の大断層が地震発生のあとから、ズルズルとすべるように発生したという農夫の目撃談から推理すると、押し領域にあたる部分でも地震の第一段階で砕破されて軟弱になり、次に起こる地震の第二段階である結合収縮反応でマグマ溜りに引き込まれる部分があっても不思議ではないと考えられます。合理的な説明といえないでしょうか。あるいは、海底のがけ崩れ、地すべりのようなものが発生して、水深が局所的に深くなったという単純なことなのかもしれません。
(石田)
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