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2.唐山大地震直前に現れた電磁波異常
 唐山から二〇〇キロほど離れた海抜二二五〇メートルの延慶県仏爺頂山の上に雨量測定用レーダーがあり、その近くに空軍の警戒レーダーがあった。二十六日、二十七日の両日、これらのレーダーが北京、天津、唐山の上空に不思議な電波をとらえていた。この電波は扇形に広がり、同様に反射して戻ってくる異常な電波で、海の波による干渉でも、ジェット気流によるものでもなく、鳥の群れによるものでもなかった。レーダーを監視していた人たちをあわてさせた。北京、天津、唐山一帯に、これまでそんな異常な磁場が現れたことがあったろうか。
 人々は、この強カな磁場の中を何も気付かずに通りすぎてしまったのである。
七月二十七日、唐山北部のある軍営で、何人かの兵士が驚いて大声をあげていた。地面に置いた鉄筋から目がつぶれそうにまぶしい火花が飛び散っていた。まるで透明人間がアーク溶接でもしているようだった。北京や唐山の多くの家庭でスイッチを切った蛍光灯が妙に光っていたそうだ。通県では、取りはずした二〇ワットの蛍光灯がまだ光っているのを不思議に思った人がいた。

[解説]
地震(28日3時42分)の前日に、地面に置いた鉄筋から目がつぶれそうな眩しい火花が飛び散っていたそうです。そのような時の電磁波メーターの読み取り値はレンジオーバーになってしまうのではないでしょうか。大地震は必ず簡単な装置ででも検知できることを確信させてくれる情報です。小さな地震まで検知しようとして、精密な計器を使用するから、かえって相関関係があやふやになってしまって、地震現象を分かり難いものにしているように思えてなりません。
(石田)
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