解説3 月が赤いのは予兆か

大地震の前には、月や星が大きく低く、かつ赤く見えることがあります。天が落ちるように感じたという報告もあるくらいです。月や太陽の様子、宏観異常は地震現象と密接に関係しています。
月は地平線上に昇って来る時には、通常赤く大きく見えますが、その理由として、「低い位置にあるときには、地上の家や立ち木などと比較できるので、錯覚して大きく感じるのです」という説明があります。しかし、月が大きく見えるのは、決して目の錯覚ではありません。地表面に暖かく湿った空気が漂うときに起きる光の屈折現象として説明ができるのです。赤く見えるのも夕焼けと同じで、湿った空気中の水蒸気に当たって、波長の短い波が進入できなくなるからです。
こうした現象は地震現象の予兆である場合もありますし、たとえば、南から湿った空気が流れ込むことで起きることもあります。大地震では地下から暖かい水蒸気が噴出するから、地震前兆として昔から知られてきました。すべてが地震現象と関連するわけでもないことも重要な知識ですが、子供じみた話だと無視する姿勢は間違っています。
月が地平線を離れて、天空高く上がっても、この現象が続くようなら、かなりの心配があります。