解説22 プレートは剛体ではないという見方

インド大陸がアジア大陸に衝突してヒマラヤが誕生したというのが定説による見方ですが、この時代のプレートは非プレートとしての動きであると言う解釈があるようです。非プレートテクトニクスと言うのだそうです。

インド大陸側が何の変化も無いのに、アジア大陸だけがヒマラヤを造ったりチベット高原を造ったりと、剛体のはずのプレートがグニャグニャするのはアジア大陸のリソスフェアが水を含んで柔らかくなっているという見方です。石田理論ではその考え方にも納得できませんが、紹介します。「顕生代以後の非プレートテクトニクス」と云う横浜国大石川正弘先生の論文からの抜粋です。

「地球史を通じて顕生代(5億8千万年前)以後、大陸衝突テクトニクスの様相が変わった可能性が高い。太古代・原生代は大陸も第一近似的には剛体として振る舞っていたと考えられる(プレートテクトニクスの時代)。7億年以降、マントルヘの水の逆流が開始し、小地塊や島弧が多数集合して形成した大陸域は多数のスラブ沈み込みによって水が大量に供給されリソスフェア強度が著しく弱くなり、プレート的な挙動を取らなくなったと予想される。その結果、地球表層の変動はプレートテクトニクスに加え非剛体テクトニクスが混在しはじめたと予想される(プレート・非プレート混在型テクトニクスの時代)。今後、地球は非剛体的テクトニクスの割合が徐々に増していくと予想される。」

以上が結論の部分です。リソスフェア強度が著しく弱くなったとすればプレート論で騒いでいる地震騒動はどのように解釈すればいいのでしょうか。現状ではプレートとしての性質を持っていないということならば、プレート説に立脚した定説地震論も脱皮し、新しい地震論を見つけなければいけないと思います。