解説10 ニューバージョン地震論で見る地震の実態

T氏情報の中に、関東大震災を起こした地震の実態を再調査した鹿島建設研究所からの報告がありました。東京近辺の地震計の多くが振り切れてしまっていて、当時は解析が十分出来なかったのでしょう、近年になって、秋田、山形、仙台、岐阜、長崎などの遠隔地の地震記録を調査して、震源、深度などを明らかにしています。
それによると、震源はこれまで発表されてきた相模湾内ではなく、ニューオフィス27,30にも紹介した、震動災害が激甚であった、丹沢、秦野、平塚、近辺であったようです。したがって、これは解離ガスの爆発方向が地表面と垂直に近くなっている、いわゆる直下型地震であったことがわかります。また本震の深さは、23kmで、大変浅い場所での地震であったこともわかります。余震はもっと浅いところでも起こっています。
地震災害は、爆発の規模と爆発点の深さ、爆発の方向によって大きく違ってきます。
今回(5・26)の宮城県沖地震で、地震規模(規模の決定が難しいことですが)の割には被害が少なかったのは、爆発が地下深く(71km)で起こったからです。また爆発の方向も震害には影響しますが、今回の地震は地表面に垂直ではなかったように思われます。たとえば、浅くても水平方向の爆発であれば、震害は少なくなりますが、別の懸念つまり瓜生島沈降というような惨状を呈する可能性が発生します。
旧バージョン地震学では、見えてこない地震の実態が見えてくるのではないでしょうか。PCをお持ちの方は、次を開いてごらんになってください。
http://www.kajima.co.jp/tech/katri/technical/earthquake1923/gaiyou/index-j.html#zu_1-2